全国高等学校総合体育大会

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全国高等学校総合体育大会(ぜんこくこうとうがっこうそうごうたいいくたいかい)は、全日制高校生中等教育学校の後期課程に在学している生徒を含む)のスポーツ祭典(定時制・通信制の高校生は全国高等学校定時制通信制体育大会に参加する)。通称、インターハイ、あるいは更に略してインハイ(Inter-High School Championshipsより)、または高校総体と呼ぶことも多い。全国高等学校体育連盟の主催で毎年8月を中心に開催されるスポーツの総合競技大会。

歴史・概略

それまでの高校選手権大会は時期が異なり、1963年昭和38年)、全国高体連が開催競技種目別全国統轄団体に高校選手権大会を統合してこの大会が誕生した。当初はこの大会の他に全国大会を行うことは認められていなかったが、1970年昭和45年)から選抜大会を別時期・競技別に開催することが認められている。サッカーは冬に開催されていた選手権をこちらへ統合することも検討されたが、そのまま開催は続き、結局は1970年度の大会から高体連としては選抜大会扱いながら主催に加わり選手権として存続されている。そのほか、柔道・バレー・女子サッカー・バスケも後に同じ扱いがされるようになっている。

初年度より各都道府県の持ち回り開催を原則としていたが、2004年平成16年)以降は原則地域開催に移行し、単独開催の場合であっても一部競技を近隣の県で実施するようになった(山岳競技や水泳の一部など。施設が十分に整っていない地域に配慮するため。詳細下表参照)。

大会の前半期間は陸上競技を中心にした各種競技を開催し、大会の後半は水泳競技が行われる。

また、全国高校駅伝は、毎年12月に京都で行われ、全国高校ラグビー大会は、年末年始にかけて、大阪府東大阪市東大阪市花園ラグビー場で行われる。冬季大会は年度ごとの開催のため翌年1月から2月にかけてスケート・アイスホッケースキーが行われる。

「インターハイ」という通称については、大学間のスポーツ大会である「インターカレッジ」(intercollegiate)を真似て「inter+high school」として作られた和製英語である。都道府県レベルの競技大会においても「○○インターハイ(○○IH)」と称するが、一般的にインターハイといえば「全国高等学校総合体育大会(全国インターハイ)」を指す(この場合、都道府県レベルの競技大会は「IH○○予選」と通称される)。

8月に開催される全国高等学校総合体育大会は、各都道府県から最低1校(1人)以上出場できる競技と、各ブロックから数校(数人)出場できる競技に大別できる。後者の場合、年度頭から開催される支部予選、都府県大会、ブロック予選(北海道における全道大会はブロック予選扱いとなる)を順次規定以上の成績で勝ち抜かなければならない。このため、北海道を除く都府県内から一校(一人)も代表が出ないというケースが起こりうる。

長きに渡って、日本コカ・コーラがこの大会に協賛していたが、2015年(平成27年)より大塚製薬が特別協賛に就いている。

また、2013年からは読売新聞社が共催として加わる[1]。ただし駅伝とラグビーは毎日新聞社主催のため読売新聞社は関与していない。

大会一覧

都道府県持ち回り開催

開催年 開催地 愛称 備考
1963年(昭和38年) 新潟県 . 「全国高等学校総合体育大会」に改称。
1964年(昭和39年) 愛知県 . .
1965年(昭和40年) 大分県 . .
1966年(昭和41年) 青森県 . .
1967年(昭和42年) 福井県 . .
1968年(昭和43年) 広島県 . .
1969年(昭和44年) 群馬県 . .
1970年(昭和45年) 和歌山県 . .
1971年(昭和46年) 徳島県 . .
1972年(昭和47年) 山形県 . .
1973年(昭和48年) 三重県 . .
1974年(昭和49年) 福岡県 . .
1975年(昭和50年) 東京都 . 陸上競技で全天候(オールウエザー)競技場が使用された(前年までは、一部フィールドのみ全天候)。
1976年(昭和51年) 長野県 . .
1977年(昭和52年) 岡山県 . .
1978年(昭和53年) 福島県 . .
1979年(昭和54年) 滋賀県 . .
1980年(昭和55年) 愛媛県 55総体(ゴーゴー総体) .
1981年(昭和56年) 神奈川県 神奈川総体 .
1982年(昭和57年) 鹿児島県 鹿児島総体 .
1983年(昭和58年) 愛知県 愛知総体 .
1984年(昭和59年) 秋田県 秋田総体 .
1985年(昭和60年) 石川県 石川総体 .
1986年(昭和61年) 山口県 山口総体 .
1987年(昭和62年) 北海道 '87北海道総体 .
1988年(昭和63年) 兵庫県 '88兵庫総体 春にはこのリハーサル大会として春の高校バスケットが開催された。
1989年(平成元年) 高知県 '89高知総体 .
1990年(平成2年) 宮城県 '90宮城総体 .
1991年(平成3年) 静岡県 '91静岡総体 .
1992年(平成4年) 宮崎県 '92宮崎総体 水泳競技が台風の影響により第2日が中止となり、3日間開催となった。
1993年(平成5年) 栃木県 '93栃木総体 アーチェリーが競技種目に加わり、27競技となる。
1994年(平成6年) 富山県 '94富山総体 .
1995年(平成7年) 鳥取県 '95鳥取総体 .
1996年(平成8年) 山梨県 '96山梨総体 .
1997年(平成9年) 京都府 '97京都総体 なぎなたが競技種目に加わり、28競技となる。
1998年(平成10年) 香川県 四国'98総体 .
1999年(平成11年) 岩手県 '99岩手総体 .
2000年(平成12年) 岐阜県 2000年岐阜総体 .
2001年(平成13年) 熊本県 ひのくに新世紀総体 大会史上初、総合開会式で炬火が点火された。
2002年(平成14年) 茨城県 2002年茨城総体 .
2003年(平成15年) 長崎県 長崎ゆめ総体 水泳・飛び込みのみ佐賀県で開催。

2004年以降の開催

「主会場」には実質単独開催における会場県を含む。

開催年 開催地域ブロック 主会場 愛称 備考
2004年
(平成16年)
中国地方 島根県 中国04総体 この大会から地域ブロック単位での開催に。主会場は島根県だったが、ブロックの全県で何らかの競技が行われた。
2005年
(平成17年)
関東地方 千葉県 2005千葉きらめき総体
2006年
(平成18年)
近畿地方 大阪府 06総体THE近畿
  • なみはやドームで総合開会式が行われた。
  • 大阪府が主会場だったが、ブロック全府県で何らかの競技が行われた。
2007年
(平成19年)
北部九州 佐賀県 2007青春・佐賀総体
  • 3年ぶりの屋外開催となる佐賀県総合運動場陸上競技場で総合開会式。
  • 財政難の時代を反映し「簡素な中にも感銘のある大会」の方針で既存施設の活用に努めた。
  • カヌーが加わり29競技で実施。サッカーの一部会場のみ福岡県で開催。
  • 天気変化の影響をまともに受け、今後の大会運営に大きな課題を残した。
2008年
(平成20年)
関東地方 埼玉県 彩夏到来08埼玉総体
2009年
(平成21年)
近畿地方 奈良県 2009近畿まほろば総体
  • 主会場が奈良県であること以外は3年前の大会と同じ。
  • 出場校の選手が、新型インフルエンザに感染し、出場辞退や途中棄権する事態が相次いだ。
2010年
(平成22年)
沖縄・九州地方南部 沖縄県 美ら島沖縄総体2010 県内には高山が無い為登山競技のみ鹿児島県で実施。全都道府県での開催が一巡した。
2011年
(平成23年)
北東北 青森県 2011熱戦再来北東北総体
2012年
(平成24年)
北信越 新潟県 2012北信越かがやき総体
  • 女子サッカー競技を実施。
2013年
(平成25年)
北部九州 大分県 2013未来をつなぐ北部九州総体
2014年
(平成26年)
南関東 東京都 煌(きら)めく青春 南関東総体2014
  • 少林寺拳法が加わり30競技で実施。
2015年
(平成27年)
近畿地方 和歌山県 2015 君が創る 近畿総体
2016年
(平成28年)
中国地方 岡山県 2016 情熱疾走 中国総体
2017年
(平成29年)
南東北 山形県 はばたけ世界へ 南東北総体 2017
2018年
(平成30年)
東海地方 三重県 2018 彩る感動 東海総体
2019年
南部九州 鹿児島県 感動は無限大 南部九州総体 2019
2020年
北関東 群馬県 魅せろ躍動 北関東総体 2020

総合開会式

大会歌として作詞・増田文雄、作曲・小松清の『高体連の歌』が総合開会式で歌われ、併せて賜杯・優勝杯の返還、選手宣誓、公開演技やマスゲームが行われたりする。総合開会式には原則として皇太子・皇太子妃夫妻が出席するが、皇太子妃が東京都以外での公務そのものについて毎回慎重に判断されているため、皇太子単独で出席のケースも多い。

式典の進行は大会により若干の違いがあるものの、開催される地元の高校生から選抜された数名の高校生で構成されている。例えば、2009近畿まほろば総体、美ら島沖縄総体2010では、一年間に渡る専門研修を受けた高校生が進行を務めた。また、開会式の進行だけではなく、大会の様々な広報活動に参加し、大会のアピール等をする役割もある[2]

開催競技

単独大会

併用大会

不参加競技

すべての競技が高体連に参加しているわけではなく、さらに高体連参加競技であっても、インターハイに加わっていないものも存在する。これらはそれぞれインターハイとは別の独立した大会としてほとんどがインターハイと同時期に開催されている。

高体連自体に参加していない競技大会は下記の通り。但し、日本体育協会日本オリンピック委員会日本ワールドゲームズ協会の少なくともいずれかに加盟・準加盟している、あるいは独自の高校連盟を持つ競技のみ挙げる。

高体連に加盟しているもののインターハイには参加していない競技の大会は以下の通り。

次に挙げる大会は競技自体はインターハイに参加しているものの、インターハイ種目に含まれていない。

高校総体とは別枠で行われている選手権大会

以下に挙げる競技は高校総体の競技に加わっているが、全国高校選手権は別の大会として開かれている。高体連の種別としては選抜大会に含まれている。

中継放送

大会の模様はNHKが独占放映権を保持しているが、枠外である高校野球が期間中に行われるため、全てが放送されるわけではない。

開会式のみ総合テレビで放送。従来生中継だったものが、2010年総体は開会式当日深夜に録画放送された。その後はEテレ(教育テレビ)にチャンネルを移して、まずおよそ1週間から10日ほど、主だった競技の決勝を夕方の15-16時台を中心に放送する。2017年はBS1でもEテレより早い時間帯で放送。

毎年必ず放送されるのは陸上競技のみであり、そのほかは注目されるいくつかの種目を選んでの放送となる。この場合の放送スタイルとしては、開催地地元(複数の都道府県が共催する場合は主に陸上競技など主要競技が集中して行われる都道府県)の放送局をメインとし、男性アナウンサーと女性契約キャスター(まれに女性も局アナを起用することもある)1-2名程度が進行。まず、その日放送する競技の概要や開催地に関する情報を提供し、そのあと競技開催場からの中継に移る。最後に再び放送局に戻り、その日行われた競技の結果速報と次の放送予定を伝え、終わることになっている(このフォーマットは国民体育大会の中継もこれを踏襲している)。後半の水泳競技(競泳)は毎年日程が8月17日から20日までにほぼ固定されており、初日以外または全日放送される。前半と異なり番組そのものが会場となるプールからの中継となる。(水泳以外の競技の大半は前半で終わって、後半は水泳の大会だけ開催することが一般とされているためである)

ただし2012年はロンドンオリンピックとの大会日程が重複されており、スポーツ中継のスタッフがそれら関連番組へシフトされているため、前半戦の生中継は行わず、水泳競技直前にダイジェスト放映された。また2016年もリオデジャネイロオリンピックと高校野球の関係[注釈 1]などで水泳競技はダイジェスト放送となる予定。

なお、2007 青春・佐賀総体など、の大会では新たな試みとして、インターネットによる競技映像の配信が行われ、NHKの中継を補うものとなっている。また、平成19年台風第5号関連のテレビニュースでは、上記配信のために撮影されていた映像が使われた。

2005年より一部の競技はJ SPORTSで放送される場合もある。中継タイトルは「燃えよ体育会系高校生!」(2010年沖縄大会はサッカー・バレーボール・バスケットボール・卓球を中継する他、注目競技のハイライト番組も放送)。

さらに、2014年より大会スポンサーである大塚製薬のサポートにより「インハイ.TV」と題したインターネット動画配信サイトを創設し、期間中の全競技生中継を実現させた。

2016年よりBS日テレにて「夢をつかめ!未来の主役たち」と題した特集番組を大会終了後(8月末頃)に放送。

マスコットキャラクター

  • ウイニンくん - 2014年大会より採用

問題点

夏に行われることから倒れる選手が発生することが多いが、以前は熱射病と呼ばれ、対策も重要視されていなかった。前述した通り、佐賀総体の時は台風の影響や熱射病と区別された熱中症の負傷者が多数出て、大会運営に大きな問題を残した。に於いて佐賀総体以外でも熱中症の負傷者が多数確認できるため、選手や観客、主催者も服装や水分補給など医学的な一層の対策が早急に望まれる。

の大会中、熱中症による救護所利用者人数を次に示す[3]。(カッコ内は病院搬送者数)

  • 2002年 茨城大会 102人(28人)
  • 2003年 長崎大会 82人(18人)
  • 2004年 島根大会 62人(8人)
  • 2005年 千葉大会 80人(16人)
  • 2006年 大阪大会 63人(11人)
  • 2007年 佐賀大会 181人(34人)

脚注

注釈

  1. 現地の夜間に当たる、日本時間午前中に「ナイトセッション」の種目が過半数行われるために、総合テレビはリオ五輪を優先、高校野球はEテレに迂回。

出典

  1. 2012年9月21日付読売新聞朝刊1面より。
  2. 美ら島沖縄総体公式サイト・生徒の活動
  3. 2008年2月2日読売新聞東京朝刊埼玉南地域版31頁より、一部改題。

関連項目

外部リンク

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