列車種別

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列車種別(れっしゃしゅべつ)とは、特急急行各駅停車や回送列車など、停車駅やサービスなどの違いによる列車の種類をさす[1]。列車種別の名称や、名称が指すサービスは事業者ごとに異なる。本稿は特に断りがない限り、日本の旅客列車に関する列車種別を主題として記述している。

概要

列車種別は事業者によって異なるが、概ね特急、急行、快速、準急、普通(各駅停車)の順に停車駅が多くなる。東武鉄道など、快速が急行より停車駅が少ない路線もある。また、「通勤」・「区間」・「快速」・「準」・アルファベット(「A」・「B」)などを頭に付け、種別を細分化している事業者もある。

列車種別は、法令に準じる厳格な規則の中で定められた事もあれば、現場の従業員の判断で便宜的に命名されたようなものもある。JRの普通列車のように、規則上の取り扱いと、実際の営業案内上の取り扱いが異なるケースもある。

その他、種別を変更して停車駅を調節する場合もあり、特に名古屋鉄道で多く行われている。

JR・日本国有鉄道の列車種別

JR国鉄の旅客営業規則においては、列車を規定する用語として「急行列車」と「普通列車」を使用している。このうち、急行列車は普通急行列車と特別急行列車を含む用語である。快速列車は普通列車に含まれる列車種別である。また、新幹線は急行列車であり、そのうち特別急行列車に含まれる。

この節では、この分類に則って各列車種別を説明する。

急行列車

急行列車は、目的地まで速達することを重視する列車として設定され、乗車の際に乗車券以外の料金を必要とする列車としている。急行列車はさらに普通急行列車(「急行」)[注釈 1]特別急行列車(「特急」)とに分けられる。普通急行列車に乗るには普通急行券(券面には「急行券」とも表示される)が、特別急行列車に乗るには特別急行券(特急券)が必要となる。また、1968年9月30日以前には準急行列車準急)も存在した。かつての準急行列車も、準急行券(準急券)が必要であった。


普通列車

急行列車以外の列車、いわゆる乗車券のみで乗ることができる列車を普通列車としている。基本的には各駅に停車する種別であるが、いくつかの路線では通過駅を有する普通列車が運行されている。例えば、日中や早朝・深夜の時間帯において、需要がまったく見込めない駅を通過する場合がある。その他、都市近郊の複々線では「普通」と「各駅停車」とが並立し、前者はホームがないがゆえに名目上「通過」する場合がある。

普通列車のうち、途中駅の一部に停車しない列車は一般に快速列車という。快速列車は、停車駅のパターンや運行時間などにより、様々な呼称がつけられている。快速より停車駅が多い区間快速B快速準快速、快速より停車駅が少ない特別快速新快速、ラッシュ時のみ運転される通勤快速直通快速、休日のみ運転されるホリデー快速などが存在する。また、西日本旅客鉄道(JR西日本)の大和路快速丹波路快速みやこ路快速関空・紀州路快速東日本旅客鉄道(JR東日本)の青梅特快・中央特快など、路線名や行き先・方面の地名が付けられた種別名もある。

常磐線では2004年3月12日まで、同じ線路を走る通勤形電車使用の「快速(電車)」より中距離電車である「普通(列車)」のほうが停車駅が少なかった。


日本の民鉄事業者の列車種別

以下の節では民鉄各社(一部公営事業者を含む)での列車種別について記述する。

特急

特急は、阪急電鉄などのように乗車券だけで乗車できる特急を運行する事業者と、西武鉄道などのように乗車券の他に特急券が必要な特急を運行する事業者がある。

京成電鉄では、AE形電車など専用電車による「スカイライナー」系統には「ライナー券」と呼ばれる特急券が必要であるが、一般電車による特急においては運賃のみで乗車できる。京成部内では前者を「特別急行(A)」(同社でのモーニングライナーおよびイブニングライナーを含む)、後者を「特別急行(B)」(同社での快速特急およびアクセス特急を含む)と呼称している。

この例はかつて、以下のような事例があった。

特急に類する列車種別

「特急」より停車駅の少ない列車種別や、「特急」より停車駅が多く「急行」より停車駅が少ない列車種別を運行する事業者もある。詳細は各路線項目を参照されたい。また、「ライナー」およびそれに準ずる列車の詳細は#ライナーを参照のこと。

特急より停車駅が少ない列車を運行する会社と種別
運行会社
五十音順
種別の名称
(五十音順)
乗車時制限 運行路線
(五十音順)
備考
京王電鉄 京王ライナー 定員制※ 京王線・相模原線
京成電鉄 アクセス特急 - 成田空港線本線
イブニングライナー 定員制※ 本線
快速特急 - 押上線東成田線・本線
スカイライナー 座席指定制 成田空港線・本線
モーニングライナー 定員制 本線
京阪電気鉄道 快速特急 一部
座席指定制
鴨東線京阪本線 詳細は京阪特急を参照
ライナー 定員制※ 京阪本線
京浜急行電鉄 エアポート快特 - 空港線本線
快特 - 空港線・久里浜線・空港線 旧称は「快速特急」
京急ウィング号 定員制※ 久里浜線・本線
モーニング・ウィング号 定員制※ 久里浜線・本線
山陽電気鉄道 直通特急 - 本線 旧愛称は「大阪ライナー」・「姫路ライナー」
西武鉄道 S-TRAIN 定員制※ 池袋線西武秩父線西武有楽町線 特急より下位の種別となる。
拝島ライナー 定員制※ 新宿線拝島線 特急より下位の種別となる。
東京急行電鉄 S-TRAIN 定員制※ 東横線 特急より上位の種別となる
東京地下鉄
(東京メトロ)
S-TRAIN 定員制※ 副都心線有楽町線 平日は有楽町線で、土曜・休日は副都心線で午前・午後に少数が設定
東京都交通局
都営地下鉄
エアポート快特 - 浅草線
東武鉄道 TJライナー 定員制※ 東上本線
名古屋鉄道 快速特急 一部
座席指定制
犬山線豊川線名古屋本線 名鉄特急を参照されたい
ミュースカイ 座席指定制 犬山線・各務原線空港線常滑線・名古屋本線・広見線
阪急電鉄 快速特急 - 嵐山線京都本線 嵐山線は行楽期間のみ
直通特急 - 嵐山線・今津線・京都本線・神戸本線千里線 なお神戸本線では定期特急より停車駅が多い。
阪神電気鉄道 直通特急 - 神戸高速線本線 旧愛称は「大阪ライナー」・「姫路ライナー」
北総鉄道 アクセス特急 - 北総線
横浜高速鉄道 S-TRAIN 定員制※ みなとみらい線 特急より上位の種別となる。
※印の種別はホームライナー・通勤ライナーに準ずる扱い
かつての愛知電気鉄道や、新京阪鉄道阪和電気鉄道には、超特急という種別も存在した。
特急と急行との中間の列車を運行する会社と種別
運行会社 種別 説明
京成電鉄 通勤特急 平日中心(土休日にも深夜に上り1本限り運転)
快速 急行は2010年7月17日より廃止されたため、現在はこの種別が事実上の急行。
東京急行電鉄
横浜高速鉄道
通勤特急 東横線みなとみらい線平日の朝9時まで、17時以降の列車。
東横特急停車駅の他、日吉駅馬車道駅日本大通り駅に停車する。
京王電鉄 準特急 京王線・高尾線・相模原線にて運行。
京王線内は特急停車駅に加え笹塚駅千歳烏山駅に停車し、高尾線内は各駅に停車する。
相模原線内は急行・特急と同じ停車駅である。
西武鉄道 快速急行 池袋線にて運行。急行が各駅停車となる所沢 - 飯能間は小手指駅入間市駅にのみ停車する。
新宿線の運行は2012年6月30日廃止。2008年6月14日改正前は「川越号」の愛称が与えられていた。
小田急電鉄 快速急行 小田原線江ノ島線多摩線(2018年3月17日以降)にて運行。
快速急行が通過する成城学園前駅に停車する千代田線直通の特急も存在する。
通勤急行 2018年3月19日から小田原線・多摩線にて運行。急行が停車する登戸駅と平日の夕方ラッシュ時以降の下り以外が停車する経堂駅を通過する。
東武鉄道 快速急行 東上本線にて運行。下記快速の急行通過駅4駅に加え成増駅朝霞台駅ふじみ野駅若葉駅も通過する。
快速 東上本線にて運行。急行が停車する霞ヶ関駅鶴ヶ島駅北坂戸駅高坂駅を通過する。
伊勢崎線・日光線・鬼怒川線の定期運行は2017年4月21日廃止。
富山地方鉄道 快速急行 本線全線に上り1本、本線電鉄富山 - 寺田間と立山線に下り1本のみ運行。
急行基本停車駅のうち稲荷町 - 寺田間の各駅と榎町駅釜ヶ淵駅を通過する。
名古屋鉄道 快速急行 名古屋本線神宮前以北・常滑線・空港線・河和線・知多新線・犬山線・各務原線にて運行。
常滑線・空港線内は特急と同じ標準停車駅である(詳細は名鉄特急#快速急行(常滑・空港線系統)を参照)。
河和線・知多新線・犬山線・各務原線内は急行と同じ標準停車駅である。
阪急電鉄 通勤特急 神戸本線・京都本線・宝塚本線にて運行。
快速急行 神戸本線・京都本線にて運行。ただし京都本線では急行が運行されていない。
阪神電気鉄道 快速急行 直通特急・特急が停車する御影駅を通過する。ただし、特急より下位の種別となる。
区間特急 平日朝ラッシュ時の上り梅田駅行きのみ。御影駅始発。
近畿日本鉄道 快速急行 難波線・大阪線・奈良線・南大阪線吉野線で運行。
大阪線では快速急行が通過する布施駅に停車する特急もわずかながら存在。
南大阪線・吉野線の快速急行は春の桜のシーズンに運行される。
京阪電気鉄道 快速急行 平日朝ラッシュ時の上りと夕方・夜間、土曜・休日の朝夜の下りのみ。
通勤快急 平日朝ラッシュ時の下り(淀屋橋駅行き、中之島駅行き)のみ。
深夜急行 淀屋橋駅0時20分発の上り樟葉駅行きのみ。
南海電気鉄道 快速急行 高野線で運行。急行が停車する千早口駅天見駅紀見峠駅を通過する。
難波駅 - 極楽橋駅便は基本的に2000系で編成され、橋本駅で連結解放を行う。
難波駅 - 橋本駅便は基本的に20mの4扉車が使用される。
山陽電気鉄道 S特急 特急より停車駅を増やし、末端区間を各駅停車化した列車。他社における急行・準特急に相当する列車だが、営業戦略から特急の派生種別とされている。

急行

急行は乗車券だけで乗れる鉄道事業者が多い。ただし、JRと同様に急行券が必要となる列車もある。

山陽電気鉄道本線[注釈 2]阪急京都本線のように特急が運行されているが急行が運行されていない路線もある。

特急と同様に「通勤」・「区間」・および「快速」をつけた派生種別が運行されている路線もある。「快速急行」の詳細は快速急行、その他の派生種別の運行路線などは急行列車#急行の派生種別を参照のこと。京阪電気鉄道では「深夜急行」の種別名も使用されている。種別名の頭部に時間帯(深夜)を表す名前をつけた事例は少ない[注釈 3]

快速

快速は、私鉄では急行との上下関係が事業者によって異なる。つくばエクスプレスのように急行の設定がない路線もある。

多くの私鉄では急行より下位の種別であるが、京成電鉄(現在急行は廃止)や東武鉄道や神戸電鉄のように急行より上位の種別として設定している事業者もある[注釈 4]。西武鉄道では線区によって上下関係が異なり、池袋線系統の快速は急行より下位であるが、新宿線系統で運行していた拝島快速は急行より上位の種別であった。

準急

準急は、急行(一部鉄道会社では快速)より停車駅が多い列車である。準急とは「準急行列車」の略で、現在でも南海電気鉄道などでは、案内放送などで「準急行」を聞くことができる。なお、国鉄でも運行されていたが、急行列車に格上げされる形で運行が終了、廃止された。

私鉄においては、準急の停車駅のパターンは大別して3種類ある。

  1. 準急が運行される区間のうち一部区間では急行と同じ停車駅で運行しその区間外では各駅に停車する。
  2. 準急が運行される全区間において急行より少ない通過駅を設ける
  3. 1.と2.の中間的な形態即ち運行される区間のうち一部区間では急行より少ない通過駅を設けつつその区間外では各駅に停車する。

津軽鉄道線など準急が唯一の優等種別となっている場合もある[注釈 5]

1.の例としては東急田園都市線東武伊勢崎線および東上線名古屋鉄道のうち瀬戸線、2.の例としては名古屋鉄道のうち名古屋本線および犬山線、3.例としては神戸電鉄近鉄大阪線および奈良線における運行が挙げられる。このうち最も多い類型は1.のパターンである。

かつて快速準急という列車が運行されていたこともある(小田急小田原線#過去の列車種別を参照)。その他、急行と同様に「区間」「通勤」などをつけた派生種別も運行されている。

高速・直行

高速」とは名古屋鉄道近畿日本鉄道にだけあった列車種別で、いずれも乗車券だけで乗車できた。ともに有料特急列車が運行されており、その補完にあたる列車設定であった。

また近畿日本鉄道では、「直行」という列車種別がある。これは近鉄生駒ケーブル山上線にあり、途中駅には停車しないノンストップ形式での運行で通常は夜間(行楽期は昼間も)に設定されている。一般的なケーブルカーと違って途中駅が存在する同線独特の種別設定で日本のケーブルカーでは唯一の優等種別である。直行は過去には南海電気鉄道(現在の準急)、京阪電気鉄道、能勢電鉄(現在の妙見急行)・西日本鉄道にも存在していた。

普通・普通車・各駅停車・各停

基本的に各駅に停車する(一部の駅を通過する場合もある)列車の種別である。なお、呼称については「普通」のほか、事業者によっては以下に大別される。

  • 表記上は「普通」でも案内上は「各駅停車」および「各停」とする事業者
  • 「各駅停車」および「各停」を略称とする事業者
  • 普通車」と案内する事業者
    • ただし西武のように「普通」から「各停」に列車種別名を変更した事例もある。

特記事項

2018年2月現在、民鉄事業者で列車種別数が一番多いのは京阪の11種別であり、続いて西武・京成・阪急の9種別である。なお2018年3月10日より西武で1種別増加するため、その時点で西武が列車種別数単独2位となる。

区間種別

優等列車であるが、一部区間では各駅に停車となる列車種別で、1938年、京阪電鉄京阪本線に設定された区間急行が最初といわれている。当初は関西地区のJR・大手私鉄のみで多用されていた。同様の種別は関西地区以外では、途中駅で「急行⇔普通」のように種別を変更したり、区間種別に相当する列車を「快速」などとし、その上位に「特別快速」などを設定する例が常であった。1997年に東武鉄道に関東地方では初めて「区間準急」が設定され、以降全国の鉄道事業者に「区間○○」が設定されるようになった。

例として「区間快速急行」、「区間急行」、「区間準急」、「区間快速」などがある。なお阪急電鉄と阪神電鉄においては上記定義とは異なり、一部区間のみ運転する列車という定義であり、阪急電鉄ではダイヤグラム上の正式種別として区間急行・区間普通が存在しているが、各種案内においては急行・普通と表現され、区間種別での旅客案内は行われていない。

英語表記

英語表記については、以下のように事業者によって差異がある。

「Section」を用いる例
「Semi」を用いる例(「区間準急」を除く)
その他
  • JR西日本 - 「区間快速」⇒「Regional Rapid Service(R.Rapid)」
  • 近畿日本鉄道など - 「近郊の」を意味する「Suburban」の略、「Sub 」の表記
  • 東京モノレール - 「区間快速」⇒冠詞はつかず、単に「Rapid」[注釈 6]

運行方法

このような事例では、各駅に停車する区間については需要が少ない場合でその区間を通過する列車を設定しているが、地域輸送を担う列車を設定するほど需要が多くない、ないしはその区間の駅と列車始発駅周辺など一方向に需要が偏っていることから、必ずしも地域輸送にのみ特化した列車を運行するのに適していない場合にこのような列車を設定する場合が多い。

例えば「区間急行」は、起点駅付近は急行と同じ駅に停車し、郊外は各駅に停車する事が多い。

いずれも、「区間」がつかない列車より相対的に停車駅が多くなるのが一般的だが、阪神本線の「区間特急」は2009年3月20日改正時まで例外として、「特急」よりも停車駅が少ない列車となっていた。これは当該列車の設定当初、途中駅(芦屋駅)始発で大阪市内への通勤利用者に対して速達サービスを提供する戦略商品として設定されていたためである。名称については、一部区間のみ運転する特急列車ということで名付けられた。その後の一時期、三宮駅発に変更されたが、元町駅より先、神戸高速線山陽電鉄線まで運行区間が延びる特急列車に対し、区間運転の列車であるということから名称は継続されている。

さらに京阪本線の「区間急行」は準急よりも停車駅が多い設定となっている(京成・東武の快速>急行の関係と同様。ただし京成の急行は現在廃止)。名称の根拠は、一部区間のみ運転の短距離急行列車という意であり、急行に準ずる列車である準急より下位に置かれている。本来の準急の英語名"Semi Express"は区間急行に割り当てられ、準急には本来区間急行で使われる"Sub Express"の英語名が割り当てられている。

京王電鉄では準急は存在しないが、京阪同様区間急行の英語表記が"Semi Express"となっている。「通勤快速」から改称された2013年2月22日改定から2015年9月24日までは新宿駅新線新宿駅 - 調布駅間の停車駅は「急行」と同一だったが、2015年9月25日改正より仙川駅が停車駅に設定されたため、同区間は「急行」よりも停車駅が1駅多くなっている。

また、2006年3月17日以前の東武伊勢崎線では、「区間準急」のうち東京メトロ半蔵門線との乗り入れ列車では、「準急」が停車する曳舟駅 - 北千住駅間の途中駅をすべて通過していた。翌18日の改正で半蔵門線直通の区間準急は準急に、浅草駅発着の準急は区間急行にそれぞれ改称されたが現在も準急と区間急行は上下関係が一致しておらず、新越谷駅 - 東武動物公園駅間では準急は各駅に停車するが、区間急行はせんげん台駅と春日部駅のみに停車する。一方で区間急行が各駅に停車する曳舟駅 - 北千住駅間では準急がノンストップとなっている。そのため、下り列車の場合、曳舟駅で準急に抜かれた区間急行がせんげん台駅または春日部駅で準急を抜き返し、東武動物公園駅より先、館林・太田方面および南栗橋・新栃木方面には区間急行が先に到着するというダイヤになっている。この現象は現在は朝と夜間以外見られないが2006年3月17日以前は昼間でもこのダイヤで運行されていた。半蔵門線直通列車がすべて曳舟駅 - 北千住駅間ノンストップとなっているのは水天宮前駅とほぼ同じ駅である東京メトロ日比谷線人形町駅と北千住駅との距離が大幅に異なることで、速達性を高め混雑緩和と利用客の誘導をする役割を担っているためである。

また、列車種別に「区間」を冠さずに中間区間で各駅に停車する場合もある。

このような事例として、小田急小田原線では、新宿駅から本厚木駅までは通過駅を有し、本厚木駅から新松田駅まで各駅停車、新松田駅から小田原駅まで再び通過駅を有する急行がある。

区間種別と同様の運行形態をとる列車

なお、「区間○○」という種別を設定していないが、速達列車がある駅に到着後、その列車がそのまま各駅停車(普通列車)に種別を変更したり、もしくは各駅停車運転を行うことにより、その先まで行くことで「区間○○」と同様の運行形態をとっている場合もある。

このような場合、ダイヤグラム時刻表などで列車番号を見ると別列車扱いとしている場合が多く、列車運行上利用客の便を図るために1本の列車として取り扱うためである。

日本国有鉄道・JR

JR東日本
JR東日本の快速列車は他社の区間快速のように快速の下位種別は設定していないが、線区ごとに各駅停車する区間と快速運転する区間を分ける列車もあり、区間快速に近い運行形態を取る列車として以下のものがある。
上野東京ラインを経由する快速列車は東京駅を境に普通列車に種別を変更する。快速「アクティー」は東海道本線では快速運転をするが東北本線(宇都宮線)では普通列車として運行する。朝の北行に限り、東海道本線内では普通列車として運行し、東京駅を境に高崎線では快速「アーバン」として、宇都宮線では快速「ラビット」として運行する列車もある。なお、高崎線に直通する快速「アクティー」の設定はない。なお、列車番号上はいずれも全区間快速である。
湘南新宿ラインを経由する快速列車は南行は大宮駅、北行は大崎駅を境に種別を変更する。東北本線(宇都宮線)- 横須賀線系統は、大宮駅以北の宇都宮線区間のみを快速運転し、同駅以南は横須賀線内含め各駅に停車する。高崎線 - 東海道本線系統は、大崎駅 - 戸塚駅間の横須賀線区間のみ快速運転し、戸塚駅以西の東海道本線、および大崎駅以北は高崎線区間含め各駅に停車する(湘南新宿ラインの列車として全列車通過するさいたま新都心駅を除く)。列車番号上は宇都宮線系統は全区間快速、高崎線系統は全区間普通である。
埼京線の快速・通勤快速は直通運転先である東京臨海高速鉄道りんかい線内、ならびに大崎駅 - 赤羽駅間は各駅に停車し、赤羽駅 - 大宮駅間では快速運転をするが、直通運転先である川越線内では各駅に停車する。
仙山線の快速列車においては仙台駅 - 愛子駅間を各駅停車する列車と山寺駅 - 山形駅間を各駅停車する列車が存在する。市販の時刻表では快速の種類を特に分別していない。過去にはこの他にも各駅停車する区間が数パターン存在した(「仙山 (列車)」を参照)。
仙石線の快速列車においては2014年3月14日まであおば通駅 - 多賀城駅間を各駅停車する列車が存在した。1998年から2000年までは本塩釜駅 - 石巻駅間を各駅停車する列車も存在した(仙石線#快速列車も参照。)。
仙石東北ラインの快速列車においては朝の1本と日中は仙台駅 - 塩釜駅間の各駅に停車する。
JR東海
高山本線高山駅 - 岐阜駅間を走る始発および最終列車は下呂駅 - 岐阜駅間は各駅停車であるが、高山駅 - 下呂駅間は速達運転を行っている(久々野駅飛騨小坂駅飛騨萩原駅のみの停車である)。
JR四国
JR四国の快速列車は基本的に種類を分けていないが、サンポート高松駅 - 坂出駅間で快速運転を行い、坂出駅を境に各駅に停車する。また、快速運転を行う区間では日中はマリンライナーより停車駅が1駅多く設定されている。
その他
国鉄・JRの一部の特急列車には一部の区間を普通列車として運行する列車が現在も存在する。房総特急として知られる外房線特急「わかしお」などが該当する。

私鉄

小田急電鉄
小田原線で運行されている急行相模大野行きの一部相模大野駅より「各駅停車本厚木行き」などとして運行されていた。2018年3月17日改正より、始発の新宿駅から最終行先駅表示に変更され、行先変更はなくなった。
京王電鉄
京王線の準特急の一部で、新宿駅 - 北野駅間は「準特急北野行き」として運行し、北野駅から、「各駅停車高尾山口行き」として運行しているものがあった。2013年2月22日のダイヤ改定により、準特急が高尾線内各駅停車に変更され消滅した。
京成電鉄
本線押上線で、朝の京成佐倉方面行き、夜間の羽田空港方面行きの一部列車が、京成高砂駅を境に、本線内は快速、押上線内は普通として運行される。なお、直通先である京急久里浜線空港線京急本線都営地下鉄浅草線内では、京成高砂以遠の京成本線を快速として続行運転する旨は案内されていない。逆方向の京成本線内も同様に案内されていない。

通勤種別

朝夕のラッシュ時のみ運転される、通勤・通学客向けの列車で、「通勤特急」・「通勤特快」・「通勤急行」・「通勤準急」・「通勤快速」などがこれにあたり、東京近郊で多く採用されている。たいていの列車の場合、別途料金がかからない列車で運行されるが、JRにおいて定員制列車であるホームライナーが運行されてきたことで、他の鉄道でも有料列車の中にはこのような運行系統を有するものもある。

「通勤」が付かない列車より停車駅が多いか少ないかは、会社・路線によって異なる。また、会社によっては「通勤」という称を冠しない場合もある。

「通勤」の英語表記は、Commuter(案内板など表示場所の制約がある場合、Comm.と略されることがある) を用いることが多い。

なお、「通勤」種別とは逆に行楽用の列車としては「ホリデー快速」などがある。「通勤」種別は基本的に平日のみの運転だが、京成電鉄本線の「通勤特急」(後述)のみ、土曜・休日にも運転される[注釈 7]

JR中央線(東京圏)における通勤種別
「通勤特快」は、中央特快より停車駅が5駅少なく、中央特快が停車する西八王子駅豊田駅日野駅三鷹駅中野駅を通過する。また、この列車種別は上り5本のみの運用である。
「通勤快速」は中央特快より停車駅が2駅多く、中央特快が通過する荻窪駅吉祥寺駅に停車する。また、下り列車のみの設定である。
いずれの種別も青梅駅を始発・終着とする列車が存在するが、通常の「快速」と同様青梅線内は各駅停車である。
JR東海道線(東京圏)における「通勤快速」
この通勤快速は、快速「アクティー」が停車する川崎駅横浜駅戸塚駅を通過し、品川駅 - 大船駅間が無停車となる。また、この種別は平日夜の下り東京駅始発小田原駅行き3本のみの運行である。大船以西の停車パターンはアクティーと同一であり、すなわち途中停車駅は新橋駅・品川駅・大船駅・藤沢駅茅ヶ崎駅平塚駅国府津駅である。
JR高崎線における「通勤快速」
この通勤快速は、快速「アーバン」が停車する上尾駅桶川駅を通過し、快速アーバンが通過する尾久駅に停車する。上野駅 - 高崎駅前橋駅間の途中停車駅は尾久駅赤羽駅浦和駅大宮駅鴻巣駅熊谷駅 - 高崎駅・前橋駅間の各駅である。下り列車2本に限り上尾駅・桶川駅にも停車する。上野駅 - 大宮駅間は宇都宮線の通勤快速と同様の停車駅である。
JR宇都宮線における「通勤快速」
この通勤快速は、快速「ラビット」が停車する蓮田駅を通過し、快速ラビットが通過する尾久駅に停車する。上野駅 - 宇都宮駅間の途中停車駅は尾久駅赤羽駅浦和駅大宮駅久喜駅古河駅小山駅 - 宇都宮駅間の各駅である。夕方の上り1本は黒磯駅発で運行されているが、こちらも小山駅までは各駅停車である。上野駅 - 大宮駅間は高崎線の通勤快速と同様の停車駅である。
JR総武快速線における「通勤快速」
この通勤快速は、通常の快速が停車する新小岩駅市川駅津田沼駅稲毛駅総武本線物井駅を通過する。1日2往復(朝上り・夜下り2本ずつ)のみの運行。いずれの列車も成田線成田駅を上りの始発駅および下りの終着駅(上りの始発の1本のみ成田空港駅発)とするが、上りが横須賀線逗子駅まで運行されるのに対し、下りは東京発である。横須賀線や成田線内(佐倉駅以北)は各駅に停車。
JR埼京線における「通勤快速」
この通勤快速は、通常の快速より停車駅が2駅少なく、快速が停車する戸田公園駅与野本町駅を通過する。停車駅は、東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅 - 赤羽駅間の各駅・武蔵浦和駅大宮駅 - 川越駅間の各駅である。平日の朝・夕および夜間に通常の快速に代わって運行される。
JR京葉線における「通勤快速」
この通勤快速は、京葉線内の途中駅は八丁堀駅新木場駅の2駅にのみ停車し、そのほかの駅はすべて通過する。内房線外房線内は快速と同じ停車駅。(外房線乗り入れの通勤快速は、東金線成東駅発および、外房線・勝浦駅発で運行。それぞれが誉田駅で連結。)なお、京葉線全線開通当時は新木場駅も通過していた。
東急東横線みなとみらい線における「通勤特急」
特急より停車駅が3駅多く、特急が通過する日吉駅馬車道駅日本大通り駅に停車する。
かつての東急田園都市線における「通勤快速」
田園都市線では、現在は「急行」と「準急」が優等列車として運行されているが、その原型は「通勤快速」である。設定当初、快速も存在しなかったが、朝ラッシュ時のみに、「通勤快速」として速達列車が設定された。これは、「快速」とか「急行」と称してしまうと、停車駅の変更ができなくなる恐れがあることを考慮したものである[2]。当時、田園都市線沿線は開発中で、各駅の乗降人員の予測が外れる恐れがあった。他には例を見ない通勤種別である。
かつての京王線における通勤種別
「通勤快速」は、当時の「快速」より停車駅が3駅少なく、快速が停車する下高井戸駅八幡山駅仙川駅を通過していた。しかし2013年2月22日改定より通勤時間帯以外にも運行時間帯を拡大するため「区間急行」へ改称され消滅した。なお、現在の「区間急行」は仙川駅も停車駅に追加されている。
同線は、かつて「通勤急行」が設定されていたが、1992年に「急行」がつつじヶ丘駅にも停車するようになったため両者が同一化、急行に統合されて消滅した。
西武池袋線における通勤種別
「通勤急行」は、急行より2駅停車駅が多い。急行が通過する大泉学園駅保谷駅東久留米駅に停車するが、逆に急行が停車するひばりヶ丘駅を通過する。
「通勤準急」は準急より停車駅が1駅少ない。準急が停車する石神井公園駅を通過する。2008年6月15日までは練馬駅も通過した。練馬駅に停車するようになったことで、平日朝の池袋線池袋行き準急が通勤準急に完全に置き換えられた。
西武新宿線における通勤種別
「通勤急行」は急行よりも停車駅が7駅少なく、従来急行の各駅停車区間にあたる本川越駅 - 田無駅間でも通過運転を行う。
かつての東武東上線における「通勤急行」
志木駅以西において急行より停車駅が多く、急行が通過運転を行う志木駅 - 川越駅間は各駅に停車する。逆に急行が停車する朝霞台駅を通過する。つまり、成増駅以西各駅停車となる準急と比べて、停車駅が2駅少ないだけである。2016年3月のダイヤ改正で、準急と統合され消滅することとなった。
東京メトロ東西線における「通勤快速」
快速よりも停車駅が3駅多く、快速が通過する南砂町駅西葛西駅葛西駅に停車する。
東京メトロ副都心線における「通勤急行」
急行よりも停車駅が3駅多く、和光市駅 - 小竹向原駅間は各駅に停車するが、逆に急行が停車する明治神宮前駅を通過する。

西武池袋線の通勤急行・通勤準急、東武東上線の通勤急行、東京メトロ副都心線の通勤急行のように、上位の種別が停車する駅を通過することを、停車駅が互い違いになることから千鳥停車という。

京成電鉄における「通勤特急」
停車駅は京成上野駅押上駅 - 勝田台駅間では特急と同様で、勝田台駅 - 成田空港駅芝山千代田駅間では各駅に停車する。乗り入れ先である都営浅草線内では各駅に停車する列車が多い。一部に京急線本線空港線)内はエアポート急行として、都営浅草線内はエアポート快特として運行し、押上駅以東の京成線内のみ通勤特急となる。京成線では、同様に土休日を含むラッシュ時に、快速特急も運転される。なお、現在の通勤特急は3代目である。
首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスにおける「通勤快速」
2012年10月15日のダイヤ改正で登場。快速よりも停車駅が4駅多く、快速が通過する六町駅八潮駅柏の葉キャンパス駅研究学園駅に停車する。区間快速とは千鳥停車の関係にあり、区間快速が通過する六町駅に停車し、区間快速が停車する三郷中央駅みらい平駅みどりの駅万博記念公園駅を通過する。
小田急小田原線における通勤種別
「通勤急行」は急行よりも停車駅が2駅少なく、急行が停車する登戸駅と平日の夕方ラッシュ時以降の下り以外が停車する経堂駅を通過する。快速急行とは千鳥停車の関係にあり、快速急行が通過する向ヶ丘遊園駅成城学園前駅に停車し、快速急行が停車する登戸駅を通過する。
「通勤準急」は準急よりも3駅少なく、準急が停車する千歳船橋駅祖師ヶ谷大蔵駅狛江駅を通過する。
静岡鉄道静岡清水線における「通勤急行」
静岡鉄道静岡清水線では、2011年10月1日のダイヤ改正で15年ぶりに急行が復活したが、下り列車(新清水駅行き)のみの設定とされ、上り列車(新静岡駅行き)で急行に相当する種別の列車は、「通勤急行」の名称で設定された。通勤急行は、桜橋駅 - 草薙駅間は急行と同じく4駅に連続停車するが、その先新静岡駅までの停車駅は古庄駅日吉町駅の2駅で、同区間を県総合運動場駅のみ停車で運行する急行より1駅多く、かつ共通の停車駅がないという運行パターンとなっている。
なお、急行・通勤急行のいずれも平日朝ラッシュ時のみの運行となっている。
かつてのJR東海道本線(静岡圏)における「通勤快速」
静岡地区において2007年3月17日まで運行されていた。静岡地区ではムーンライトながら以外で唯一定期的に運行されていた快速である。豊橋駅 - 静岡駅間を平日のみ、1日1往復運行していた。朝の時間帯には上り、夕方の時間帯には下りが運転され、いずれも豊橋駅 - 島田駅の各駅および静岡駅に停車していた。なお、この地区の一部ではホームライナーが運転されている。
中京圏(名古屋近郊)における通勤種別
中京圏では現在では私鉄・JRともに「通勤○○」といった名称の列車種別は設定されていない。
JR東海では「特別快速(東海道線)」や「区間快速(東海道線・武豊線直通および関西線)」がそれに該当する。東海道線と中央線ではホームライナーが運転されている。過去には中央線で「通勤快速」が設定されていた時期があった。
名古屋鉄道では「快速急行」がラッシュ時に運行されるほかは、途中駅で列車種別を変更したり、その種別の標準停車駅以外の駅に一部列車が特別停車させたりすることでラッシュに対応している。近畿日本鉄道名古屋線)などの他の私鉄では、ラッシュ時限定の速達列車の運行はない。
京阪電気鉄道における通勤種別
京阪本線においては2017年8月21日より、「ライナー」が設定されている。平日朝ラッシュ時に枚方市駅淀屋橋駅行き1本、樟葉駅発淀屋橋駅行き1本の計2本が運行されている。
2008年10月19日のダイヤ改正で、それまで平日朝ラッシュ時に守口市駅を通過していた下り(淀屋橋駅行き)「準急」を「通勤準急」として設定し、同改正で新設された「快速急行」の停車駅から守口市駅を除いた「通勤快急」(平日朝ラッシュ時の下りのみ運行)も新設された。また、「通勤特急」に類似する列車として「K特急」が、2003年~2008年までの平日朝夕のみ運行されていた。停車駅は「特急」の停車駅に比べ2駅(枚方市駅・樟葉駅)少ないが、朝ラッシュ時の淀屋橋行きは枚方市駅にも停車していた。なお、K特急は先述のダイヤ改正で「快速特急」に改称された[3]。なお、「通勤急行」は2018年現在京阪電鉄には設定されていないが、種別幕は用意されている。
阪急電鉄各線における通勤種別
阪急電鉄では路線によって役割が異なる。京都本線における「通勤特急」は「特急」が停車する淡路駅を通過し、「特急」が通過する西院駅大宮駅に停車する千鳥式停車になっている。一方の神戸本線における「通勤特急」は「特急」の停車駅に塚口駅を加えたものとなっている。
宝塚本線の「通勤特急」は2015年3月21日のダイヤ改正で新設された。これは川西能勢口駅から梅田駅までの片方向のみ5本運行され、改正前日の20日まであった「通勤急行」と同様、「特急日生エクスプレス」の停車駅に豊中駅を加えたものとなっている。神戸本線に「通勤急行」という種別が存在し、「急行」の停車駅に武庫之荘駅を加えたものになっている。宝塚本線には、2015年3月20日まで「通勤準急」という種別もあった。これは「準急」の停車駅から中津駅曽根駅岡町駅を除き(つまり急行と同じ停車駅である)、石橋駅より先箕面線直通となっていた。

通勤種別と同様の運行形態をとる列車

なお、「通勤」を冠さないが、通勤種別に近い運転形態を取る列車もあり、以下のものが挙げられる。

JR東日本
東北本線盛岡地区では朝の通勤時間帯に水沢発盛岡行き快速列車「アテルイ」が運行されている。通勤快速に近い運転形態であるが、毎日運転である。
JR西日本
JR西日本では通勤快速という種別は設定していないが、近い運転形態を取る列車として以下のものがある。
  • JR東西線・片町線(学研都市線)・おおさか東線・関西本線(大和路線)で運行している「直通快速」は朝夕のラッシュ時に運行しているため、実質的に通勤快速に近い種別であるが、土曜・休日も運転されている。
  • 阪和線で運行している「直通快速」は朝ラッシュ時に運行され、「紀州路快速」は朝ラッシュ時は日根野駅 - 和歌山駅間で快速運転を行う。
  • 中国地方では快速「通勤ライナー」が運行されている。平日だけでなく、土曜・休日も運転されている。(山口線の場合はSLやまぐち号が運転される3月〜10月の土休日は時刻が被るため平日のみ運転)。その他、中国地方の快速列車には○○ライナーという愛称を持つものが多い。
かつての小田急電鉄
2018年3月16日までは小田原線多摩線では、土曜・休日含むラッシュ時(平日朝千代田線方面行は新百合ヶ丘駅基準9時台のみ)、東京メトロ千代田線常磐緩行線直通系統として、「多摩急行」が運転されていた。日中の急行通過駅に加え、向ヶ丘遊園駅を通過していた。この列車の1本直前または直後に、新宿駅行きの「急行」が運転され、向ヶ丘遊園駅に停車し、日中停車する経堂駅は通過するといった千鳥停車を採り、代々木上原駅で互いに接続し合うことで、新百合ヶ丘駅 - 代々木上原駅間の混雑緩和を図っていた。なお、平日多摩急行運転前の時間帯、同じく千代田線方面の列車として「急行」「準急」も運転され、こちらも新宿駅行きの急行と同様、向ヶ丘遊園駅(・百合ヶ丘駅読売ランド前駅生田駅)に停車し、経堂駅を通過するようにしていた。
京成電鉄
本線・押上線(浅草線・京浜急行電鉄本線・空港線直通含む)において、朝上り(京成上野・羽田空港・横浜方面)、夕下り(京成成田・成田空港方面)のみ「快速特急」が運行される(押上線押上駅 - 本線京成高砂駅間のみ日中も運行される)。平日に加え、土休日にも運行される。日中の特急の通過駅に加え、京成佐倉駅 - 京成成田駅間にも通過駅を有する。
阪神電気鉄道
阪神本線においては「通勤特急」の呼称を使わず、同様の列車として梅田行きのみ「区間特急」が運行されている。古くは三宮始発でかつ特急よりも停車駅の少ない時代もあったが、2009年ダイヤ改正から青木駅始発となり、香櫨園駅までは各駅に停車、朝ラッシュ時の直通特急の停車駅である西宮駅尼崎駅を通過する一方、直通特急が通過する今津駅甲子園駅野田駅に停車するという、千鳥停車方式を取っていた。2016年ダイヤ改正で御影駅始発となり、特急停車駅である魚崎駅と尼崎駅にも停車するようになった。

アルファベットの付与

事業者によっては停車駅や料金制度の違いにより、アルファベットを付与するケースがある。

A特急・B特急など
長野電鉄の特急においては速達タイプで停車駅の少ない特急をA特急、主要駅停車タイプの特急をB特急と呼称している。かつてはC特急・D特急・E特急も存在した。詳細は長野電鉄長野線#特急を参照。
東武鉄道においても使用車種と料金制度の違いにより、1969年から1971年まで1720系使用の特急列車をA特急、1700系使用の特急列車をB特急と種別呼称を使用したことがある[4]。1964年から1969年までは1720系使用の特急列車はD特急と呼称していた[5]。詳細はけごん (列車)を参照。
京阪電気鉄道では特急の上位種別として前述のとおり、K特急が使われた。これは後に快速特急となる種別である。
山陽電気鉄道本線には特急の下位種別としてS特急がある。他社であれば急行もしくは準特急に相当する種別である。詳細は山陽電気鉄道本線#S特急を参照。
なお、国鉄・JRが運行しているL特急は愛称の一部であって正式な列車種別ではない[6]。なお、JR北海道では特急との上下関係が明確であり、実質的に下位種別的な意味合いで使われていたが、結果的には2017年3月4日のダイヤ改正で特急に統合されている。
A急行・B急行
富山地方鉄道本線のかつての急行は停車駅の違いにより、A急行・B急行に分かれていた[7]
A快速・B快速
阪和線には快速と区間快速の中間に位置づけられる種別としてB快速を運行していた。仙石線においても快速列車の停車駅が2種類あった時代、A快速とB快速に種類を分けていたが、[8][9]、2014年3月のダイヤ改正で統合された。なお、東京メトロ東西線の快速においても停車駅の違いにより、アルファベットを付与したケースがあるが、内部的なもので便宜的に付与したものであり、正式な列車種別としては使われていない(#列車種別ではないものを参照)。
準急A・準急B
東武伊勢崎線の準急においては2003年まで北千住 - 太田間を速達運転する準急Aと北千住 - 東武動物公園間のみを速達運転する準急Bと区別していた[10]。ただし種別表示や時刻表本文では単に準急と案内していた[11]。詳細は東武伊勢崎線#準急A、Bを参照。
北陸鉄道石川線においても停車駅の違いにより、この種別が使われたことがある[12]

ライナー

ライナー (liner) とは1970年代以降に用いられる列車種別であるが、一般に「(特急)専用車両を使用して特別な料金(設定会社により、特急券乗車整理券とに分かれる)を徴して速達する列車」を指す場合が多い。なお、列車名として「○○ライナー」と称する快速列車なども存在するが本節では先に挙げた定義によるものとする。

初出としては京成電鉄1973年12月30日に運行を開始したAE形車両に「スカイライナー」の愛称を与え、それを使用した最速達列車に与えたものとされる。その後、1984年6月1日日本国有鉄道が増収策の一環および回送列車の有効活用として、夕刻の特別急行回送列車に乗車整理券を発行し、東北本線上野駅 - 大宮駅間でホームライナーの名称で客扱いを行った。この列車は快速列車の延長とされ、東京・札幌など他の都市圏でも波及した[注釈 8]。一方、民鉄でも京成が先述した「スカイライナー」の派生種別として1984年12月1日に「イブニングライナー」を登場させており、これが民鉄初の通勤ライナーとされる。

なお、名古屋鉄道1991年から1993年まで運用していた「ライナー」は名前こそ通勤ライナーに類するものであるが、「一般席」車両を割安の料金で座席指定列車として運行するという面では本節の定義とは逆の列車となる[注釈 9]。また、1999年から2013年まで東海旅客鉄道(JR東海)が中央本線で運行していたセントラルライナーはホームライナーと同じ乗車制度による列車であるが、昼間時に運行される点で従来のそれと異なった運行展開を行っていた。

JRグループの通勤ライナー・ホームライナー
ホームライナーを参照
私鉄の通勤ライナー・ホームライナー
会社名 路線名 名称 運行区間 使用車種 料金 運行開始日 備考
京成電鉄 京成本線 イブニングライナー※ 京成上野→京成成田・成田空港 AE形 400円 1984年12月1日 夕方の京成成田・成田空港行きのみ運転
モーニングライナー※ 成田空港・京成成田→京成上野 1985年10月19日 朝の京成上野行きのみ運転
京浜急行電鉄 京急本線
久里浜線
京急ウィング号 品川→京急久里浜・三崎口 2100形 300円 1992年4月16日 平日夕方~深夜の品川発京急久里浜・三崎口行きのみ運転
モーニング・ウィング号※ 三浦海岸→品川・泉岳寺 2015年12月5日 平日朝の三浦海岸発品川・泉岳寺行きのみ運転
東武鉄道 東上本線 TJライナー 池袋 - 森林公園・小川町 50090系 300円 2008年6月14日* * 平日朝の池袋行きは2016年3月26日に運行開始。
あいの風とやま鉄道
IRいしかわ鉄道
あいの風とやま鉄道線
IRいしかわ鉄道線
あいの風ライナー 金沢・富山 - 泊 あいの風とやま鉄道521系 300円 2015年3月16日 2016年3月26日より正式列車種別名を快速からライナーに変更
平日朝夕のみ運転
WILLER TRAINS
(京都丹後鉄道)
宮福線 通勤ライナー 宮津→福知山 KTR8000形 300円 2017年3月4日 朝の宮津発福知山行きのみ運転
着席保証なし
東京地下鉄 有楽町線
副都心線
S-TRAIN 所沢 - 豊洲
(平日)

西武秩父・飯能・所沢 - 元町・中華街
(土曜・休日)
西武40000系 区間別 2017年3月25日
東京急行電鉄
横浜高速鉄道
東横線
みなとみらい線
西武鉄道 西武秩父線
池袋線
西武有楽町線
新宿線
拝島線
拝島ライナー[13][14] 西武新宿→拝島 300円 2018年3月10日 夕方~深夜の西武新宿発拝島行きのみ運転
拝島線内は列車種別はそのままで各駅停車として運転
京阪電気鉄道 京阪本線 ライナー 樟葉・枚方市→淀屋橋 8000系 300円* 2017年8月21日 * プレミアムカーは400円
平日朝ラッシュ時間帯に片道2本(樟葉発と枚方市発の各1本)のみ運転
樟葉発のライナーは枚方市を通過(2018年9月15日ダイヤ変更で樟葉発も枚方市停車に変更)
2018年9月15日ダイヤ変更より片道運転から往復運転に増強し、運転区間も京阪鴨東線の出町柳 - 淀屋橋に拡大し停車駅を特急と統一する予定
(ただし特急とは異なり淀屋橋行きは出町柳 - 七条間各駅、出町柳行きは淀屋橋 - 京橋間各駅は乗車のみで同区間内のみの利用・降車は不可能。料金も区間別に変更)[15]
京王電鉄 京王線
相模原線
京王ライナー[16] 新宿→京王八王子・橋本[17] 5000系 400円 2018年2月22日 夕方~深夜の新宿発京王八王子・橋本行きのみ運転
東京急行電鉄 大井町線
田園都市線[18]
(愛称・列車種別名・停車駅未定)※[18] 大井町→長津田[18] 6020系[18] 未定*[18] 2018年冬(予定)[18] 平日夕方~深夜の大井町発長津田行きのみ運転
座席指定車両は1両のみ
*残り6両はロングシートで料金不要[18]
料金は大人のものを記載。
※印の名称は列車種別名も兼ねている。

列車種別のイメージカラー

複数の列車種別を設定しているほとんどの鉄道各社で色により列車種別を識別できるようにして種別幕や駅での案内表示・時刻表に表記されている。

  • 傾向として特急や急行は「赤・橙」、準急は「緑・青」、普通は「黒・紺」を採用している会社が多い。
  • 時刻表や駅の行先案内・車両の種別幕での表示方法は(1)白地または黒地に色文字、(2)色地に白または黒文字で表記されている。

各社ごとの列車種別のイメージカラー

JR各社

JRグループ…全国的には以下のパターンを採用
特急・急行・快速:赤、各停・普通:黒

※東京・大阪・名古屋・福岡などの大都市では以下の様な配色を採用しているケースがある。

JR東日本
東海道線伊東線宇都宮線東北本線)・高崎線上野東京ライン湘南新宿ライン
(沼津・伊東・熱海・小田原・国府津・平塚 - 東京・新宿 - 大宮・小金井・宇都宮・黒磯・籠原・深谷・高崎・前橋)
通勤快速:紫、特別快速:水色、快速(アクティー、ラビット、アーバン含む):橙、普通:緑
京浜東北線根岸線横浜線
快速(京浜東北線・横浜線共通):ピンク、京浜東北線各駅停車:水色、横浜線各駅停車:黄緑
中央線快速青梅線五日市線八高線富士急行線 (東京・新宿 - 高尾・大月・河口湖・青梅・奥多摩・武蔵五日市・高麗川)
通勤特快:赤、中央特快:青、青梅特快:緑、ホリデー快速:上部はピンク・下部は「おくたま」が水色・「あきがわ」が橙、通勤快速:紫、  快速:橙、各駅停車 (東京 - 三鷹 中央線各駅停車):黄色、※特別快速 : 水色 (異常時・障害時に使用する場合あり)
埼京線川越線りんかい線直通、新木場 - 大崎 - 大宮 - 川越)
通勤快速:ピンク、快速:水色、各駅停車:緑
京葉線(東京 - 西船橋・蘇我、外房線内房線東金線直通)
通勤快速:赤、快速:緑、各駅停車:青、
常磐線快速・常磐線各駅停車(品川 - 上野 - 取手・土浦)
特急・特別快速:赤、快速(中距離電車):青、快速(上野 - 取手・成田間):エメラルド(緑)、各駅停車東京メトロ千代田線小田急線直通):灰 (車両ではメトロ車は灰色、JR・小田急車はエメラルド、綾瀬から直通先の表示へ切り替え実施)
南武線
快速:ピンク、各駅停車:黄色
仙石東北ライン
特別快速・快速:赤、快速(仙台 - 高城町間各駅停車):緑
JR東海
全社で以下の通り統一されている。
特急・ホームライナー:赤、特別快速:黄、新快速・快速『みえ』:朱、快速:青、区間快速:黄緑、普通:黒
例外
東京経由東北本線直通普通(東海道本線静岡地区のJR東日本からの直通列車):緑
JR西日本(アーバンネットワークエリア
JR西日本ではアーバンネットワークエリア全体で以下のパターンを採用している。
特急:赤、新快速・関空快速:青、直通快速おおさか東線経由):ブルーグレー、
紀州路快速・快速・直通快速(阪和線)・みやこ路快速:橙、区間快速:緑、普通:白
ただし、以下のような例外がある。
関空特急『はるか』:紫、大和路快速・快速(大和路線)・区間快速(大和路線):緑(エメラルドグリーン)
区間快速(奈良線):橙
JR九州(福岡近郊区間)
鹿児島本線(門司港 - 荒尾)
特急:赤、(青)快速:青、(緑)快速:緑、準快速:橙、普通:黒
※(青)快速は門司港 - 荒尾間快速、(緑)快速は博多駅を境に門司方面または荒尾方面どちらかの区間が各駅停車になる。

私鉄各社

東武鉄道
伊勢崎・日光線系統
特急スペーシア:橙、特急りょうもう:赤、快速・区間快速:水色、急行・区間急行:赤、準急・区間準急:緑、普通:黒
東上線
TJライナー:橙、快速急行:青、快速:水色、急行:赤、通勤急行:紫、準急:緑、普通:黒
西武鉄道
特急:赤、快速急行:紫、急行:橙、通勤急行:黄色、快速:水色、準急:緑、通勤準急:青、各停:灰色
京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道・京浜急行電鉄
スカイライナー・モーニング・イブニングライナー:紺、シティライナー:紫、京急ウィング号・快特・快速特急:緑、エアポート快特・アクセス特急:橙、特急:赤、通勤特急:水色、急行・エアポート急行:青、快速:ピンク、普通:黒
京王電鉄
特急:ピンク、準特急:橙、急行:緑、区間急行:金(ただし種別幕は白地+緑字)、快速:青、各停:黒
小田急電鉄
特急ロマンスカー:赤、快速急行:橙、通勤急行:白地+赤字、急行:赤、通勤準急:白地+緑字、準急:緑、各駅停車:青
東京急行電鉄・横浜高速鉄道
特急:橙、通勤特急:橙+赤、急行:赤、準急:緑、各停 二子新地駅高津駅を通過:白地+緑字 それ以外:青
相模鉄道
特急:橙、急行:赤、快速:青、各停:灰 
首都圏新都市鉄道
快速:赤、通勤快速:橙、区間快速:紺、普通:灰
静岡鉄道
急行:赤、通勤急行:橙、普通:青 
名古屋鉄道
ミュースカイ・快速特急・特急:赤、快速急行・急行:青、準急:緑、普通:黒
近畿日本鉄道
特急・快速急行・:赤、急行・区間急行:橙(ただし区間急行の種別幕の色は赤)、準急・区間準急:緑、普通:紺(種別幕は青)
紙時刻表での表示 特急:赤、快速急行・区間急行:ピンク、急行:橙、準急:緑、区間準急:茶、普通:黒
京阪電鉄
快速特急:桃、特急:赤、快速急行・通勤快急:紫、急行・深夜急行:橙、準急・通勤準急:青、区間急行:緑、普通:黒
阪急電鉄・能勢電鉄
快速特急・直通特急・特急・通勤特急・日生エクスプレス:赤、快速急行:橙、通勤急行・日生急行妙見急行・急行:黄(種別幕は橙)、快速:水色(種別幕は緑:2013年12月20日まで[19])、準急:緑、普通:黒
阪神電鉄・山陽電鉄
阪神線
直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、区間特急:茶(ただし種別幕は赤)、快速急行:水色、急行・区間急行:赤、準急・区間準急(いずれも阪神なんば線のみ):緑、普通:紺
山陽電鉄線
直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、S特急:緑、普通:黒
阪神の時刻表では直通特急は停車駅に関係なくすべて赤地に白抜き数字で案内されている。
南海電鉄・泉北高速鉄道
特急:赤、快速急行・空港急行・急行:橙、区間急行:緑、準急:青、普通・各駅停車:黒
神戸電鉄
特快速:ピンク、急行:赤、準急:緑、普通:黒
西日本鉄道
特急:赤、急行:緑、普通:黒

列車種別ではないもの

資料によっては列車種別の一種として扱われることもあるが、これらは正式な列車種別として使われたものではない(現在使用されていないものを含む)。

  • エル特急 - 国鉄・JR在来線の特急列車の愛称であり、正式な列車種別ではない。ただし時刻表では区別のため、「L」を図案化した記号で表される。
  • 新特急 - 国鉄・JR東日本が東北本線・高崎線系統において185系電車を使用した特急列車の愛称の一部であり(「新特急○○」)、正式な列車種別ではない。
  • 寝台特急・寝台急行 - 基本的に寝台車のみで組成された列車は市販の時刻表では星を図案化した記号で表しているが、あくまで特急列車・急行列車であり、正式な列車種別ではない。
  • アルファベットの付与
    優等(快速)列車によっては停車駅の違いにより、便宜的にA・B・C…などとアルファベットを付与する場合がある。この種の事例としては以下のものが挙げられる。
    • A快速・B快速・C快速など - 東京メトロ東西線の快速列車においては営団地下鉄時代、内部では停車駅の少ない順にA快速・B快速・C快速と便宜的にアルファベットを付与していた。なお、C快速は現在における通勤快速の前身であった。JR東日本仙山線においても一部の駅でA快速・B快速・C快速などと案内されているが[20]、市販の時刻表では快速の種類を分けておらず[21]、列車種別として使われた事実も乏しい。
  • ノンストップ特急・甲特急・乙特急 - 近畿日本鉄道の特急においては部内では運転上、名阪、阪伊、名伊の3系統について、速達タイプで停車駅の少ない特急を甲特急、主要駅停車タイプの特急を乙特急と呼称している。また、甲特急と呼ばれる列車は案内上は「ノンストップ特急」であるが、こちらは愛称として使われたものであり、列車種別として使われたものではない。なお、主要駅停車タイプの特急は運行開始当初は準特急であり、こちらは正式な列車種別として使われたものであった。詳細は近鉄特急を参照。
  • 色による区別 - 同一種別であるが、停車駅の違いにより、色で区別するケースもある。例として仙石東北ラインの快速列車や東急大井町線の各駅停車などが挙げられる。
  • 日本国有鉄道における特別準急 - 特別準急は小田急電鉄独自の種別であるが、国鉄準急のうち、157系電車を使用した準急列車を表現する用法でも使われたことがある[22]
  • 優等列車 - 特急・急行列車といった速達列車のことを優等列車という表現が使われることがあるが、正式な列車種別ではない。京王電鉄[23]や近畿日本鉄道のように料金不要の速達列車には優等列車という表現に否定的な見解を持つ事業者もある[24]

日本国外の列車種別

日本国外の列車種別は国や事業者ごとに異なり、各駅停車でもない限り、必ずしも日本の種別に当てはまるわけではない。

韓国

韓国の韓国鉄道公社(KORAIL)ではソウル周辺で運行している通勤電車路線である首都圏電鉄広域電鉄)とその他の路線である一般路線に分けられている。

首都圏電鉄(広域電鉄)では、各駅停車の「一般」と、料金不要列車でJRの快速列車と同種の種別である「特急」・「急行」があり、いずれも通勤形車両を使用する。

一般路線では優等列車を主体とした運行であり、ITX-セマウルムグンファ号ヌリロなどの座席指定の優等列車については列車愛称が列車種別の区分を兼ねている。メディアによっては特急列車や急行列車として扱われることもあるが[25]、正式な列車種別としては使われていない。また、通勤列車は各駅に停車し、全席自由であるが、列車は指定される。

台湾

台湾の台湾鉄路管理局では座席指定の優等列車である対号列車と全車自由席の普通列車である非対号列車に二分している。対号列車である自強号莒光號復興号は列車愛称が列車種別としても使われている。非対号列車は速達タイプである区間快車と各駅に停車する区間車普快車がある。運賃は種別ごとに異なるが、復興号と区間車・区間快車は運賃制度上では同格種別であり、座席指定の有無による差異がある。一方、区間車と普快車は冷房の有無により運賃に格差をつけている。車両も種別ごとに専用の車両が使用される。

桃園捷運公司が運営する空港連絡鉄道桃園機場捷運では台湾の捷運路線で初めて速達種別が登場した。「直達車(Express)」として台北 - 桃園機場で運行されている。

中国

中国では高速鉄道路線(日本の新幹線に相当)においては最高速度の違いにより、高速動車組列車、城際動車組列車、動車組列車があり、CRH型電車を使用する。その他の線区(日本の在来線に相当)においては列車愛称はないが(一部を除いて、例えばZ12/13、Z14/11「英雄」)、大都市間列車である直達列車、長距離優等列車である特快列車・快速列車・普快列車、各駅停車する普客列車があり、冷房の有無により運賃に格差をつけている。

ヨーロッパ

ヨーロッパでは上下分離方式により、種別ごとに運行会社が分かれている。ヨーロッパの列車種別を参照。

脚注

注釈

  1. 一般に急行列車とはこれを指すが、2016年以降は臨時列車のみで定期運行はされていない。
  2. 山陽電気鉄道本線では1984年のダイヤ改正前までは急行が運転されていたが、現在は休止扱いとなり列車は設定されていない。
  3. かつて、阪神電気鉄道には1959年 - 1960年に「夜間特急」(阪神3011形電車#運転開始参照)が運転されていた。
  4. JRにおいても特急より停車駅が少ない快速列車がある。例として、鹿児島本線(川内駅 - 鹿児島中央駅間)では肥薩おれんじ鉄道線からの直通快速列車「オーシャンライナーさつま」は2016年3月まで運行していた特急「川内エクスプレス」より停車駅が少なかった。
  5. 多くは過去に設定のあった急行列車が廃止された結果の事象である。
  6. 以前の「快速(Rapid)」が、2007年3月18日のダイヤ改正で「空港快速(Haneda Express)」と「区間快速(Rapid)」に分割された。
  7. かつてはJR常磐線の「通勤快速」(下り1本のみ、 - 2005年)、東武伊勢崎線の「通勤準急」(2003 - 2006年)も休日に運転されていた。
  8. 継承会社であるJR各社やそれから分離した第三セクター鉄道でも運行されるようになった。
  9. これは1960-70年代に存在した「ディーゼル特急」がホームライナーに近い形態である。

出典

  1. 鉄道マニアの基礎知識 伊藤久巳 イカロス出版
  2. 鉄道ピクトリアル』2004年7月号「特集:東京急行電鉄」p.124
  3. 中之島線開業にあわせ10月19日(日)初発から、京阪線で新ダイヤを実施します (PDF) 京阪電気鉄道 2008年8月25日
  4. JTBパブリッシング 花上嘉成『JTBキャンブックス 東武デラックスロマンスカー』p.121 - 122
  5. 日本交通公社『交通公社の時刻表』1964年10月号 東武鉄道のページを参照
  6. 秀和システム 井上孝司『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』p.268
  7. 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳 6号 北信越―全線全駅全優等列車』 新潮社、2010年、56-57。ISBN 978-4107900401。
  8. http://www.jr-sendai.com/doc/100924-3.pdf 2010年12月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道仙台支社 2010年9月24日
  9. 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.547 p.65
  10. 東武鉄道『東武時刻表』列車種別と停車駅案内図のページを参照。
  11. 東武鉄道『東武時刻表』 伊勢崎線のページを参照。
  12. 西脇恵「北陸鉄道」、『鉄道ピクトリアル』第461巻、電気車研究会、1986年3月、 136頁。
  13. 通勤・通学・お出かけなど、都心からのお帰りがますます快適に!2018年春 西武新宿→拝島間に有料座席指定列車「拝島ライナー」を導入します!西武新宿→拝島間では定期運行として初の、ゆったり座れる有料座席指定列車です。 - 西武鉄道公式ホームページ
  14. “2018年3月10日(土)から「拝島ライナー」の運行を開始します!” (PDF) (プレスリリース), 西武鉄道, (2018年1月25日), https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2017/20180125_haijimaliner2.pdf . 2018閲覧. 
  15. 9月15日(土)初発から京阪線のダイヤを変更します - 京阪電気鉄道。2018年7月17日発信、同日閲覧。
  16. “2月22日から当社初となる有料の座席指定列車「京王ライナー」が夜間時間帯に運行開始!” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 京王電鉄株式会社, (2018年1月24日), https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2017/nr180124_keio-liner.pdf . 2018-1-24閲覧. 
  17. 新宿から京王八王子へ、橋本へ。座席指定列車2018春、導入。 - 京王電鉄公式ホームページ(期間限定の特設サイト)
  18. 18.0 18.1 18.2 18.3 18.4 18.5 18.6 2018年冬、大井町線で当社初となる平日夜の有料座席指定サービスを開始!あわせて、サービスの愛称を募集します!! - 東急公式ホームページ。2018年3月27日発信、同年同月31日閲覧。
  19. 西山天王山駅の開業にあわせて京都線のダイヤ改正を実施します http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201309202N1.pdf
  20. 北仙台駅及び愛子駅の駅時刻表より。
  21. JTBパブリッシング『JTB時刻表』仙山線のページを参照。
  22. JTBパブリッシング 寺本光照『キャンブックス 国鉄・JR 悲運の特急・急行列車50選』p.52
  23. 交通新聞社『京王電鉄の世界』p.77
  24. 平成26年のダイヤ変更について - 近畿日本鉄道
  25. 一例として、ソウルから地方への行き方〜鉄道編〜 - コネスト

参考文献

  • 交友社『鉄道ファン』2007年10月号 特集「列車種別バラエティ」
  • 秀和システム、井上孝司『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』2009年 ISBN 978-4-7980-2412-7。

関連項目