勅使

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勅使(ちょくし)とは、天皇皇帝など君主が出す使者のこと。

上皇の使者は院使(いんし)、皇后の使者は皇后宮使(こうごうぐうし)、中宮の使者は中宮使(ちゅうぐうし)、皇太后の使者は皇太后宮使(こうたいごうぐうし)、女院の使者は女院使(にょいんし)と呼ばれる。

概説

勅使は天皇の代理としての資格を以って宣旨を伝達することから、勅使を迎える者が、たとえ官位において勅使よりも上位であったとしても、天皇への臣礼同様、敬意を払うこととされた。主に鎌倉幕府成立以降、勅使は将軍宣下勅令の伝達を主として担った。江戸幕府では勅使下向に際し、外様大名のなかから勅使や院使の饗応役を任じてこれを接遇した。

江戸時代に将軍宣下が江戸城内で行われるようになると、勅使は下座に坐し、将軍が上座に坐すという変則が常態化した[1]。しかし、これも幕末になると尊王思想の浸透により公武の権威がふたたび逆転、勅使が上座、将軍が下座となる。

勅使を受け入れる施設や宿場、寺社には勅使専用の部屋や門を造られ、現在でも勅使の間、勅使門として残されているところがある。

現在では、正倉院の「開封の儀」や皇族男子の婚約相手の家で執り行われる一般の結納にあたる「納采の儀」の際に、モーニングコートシルクハットで威儀を正した勅使が派遣される。 また、伊勢神宮勅祭社には衣冠束帯姿の勅使が天皇からの幣帛を携えて派遣される。

勅使には、侍従掌典が遣わされるのが慣習である。

注釈

  1. 『幕末の宮廷』、下橋敬長、p50

関連項目

外部リンク