北九州市交通局

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北九州市交通局(きたきゅうしゅうしこうつうきょく)は福岡県北九州市の自動車運送業務を担う地方公営企業法、および、北九州市交通事業の設置等に関する条例(昭和41年12月27日北九州市条例第57号)に基づく地方公営企業である。1929年に若松市交通局として発足し、1963年2月10日に若松市が小倉市門司市戸畑市八幡市と対等合併してできた北九州市に引き継がれた。1929年に乗合バス、1950年に貸切バス、1972年に国内旅行業の事業を始めた[1]

バス事業(公営バス)を展開している。かつては軌道事業も行っていた。

2013年から局長だった白杉優明[2]の後任として2015年4月から小坪正夫が局長を務める。

沿革

  • 1929年(昭和4年)6月15日 若松市、路線バス事業を開始。
  • 1936年(昭和11年) 市営軌道(貨物専用路面電車)の運行を開始。
  • 1950年(昭和25年)
    • 4月24日 貸切バス事業を開始。
    • 10月20日 西鉄バスとの間で若松 - 福岡間の相互乗り入れ開始(廃止時期不明)。
  • 1963年(昭和38年)2月10日 北九州市発足、旧若松市の交通事業を引き継ぐ。この前後に若戸大橋経由のバス路線を運行開始。
  • 1975年(昭和50年) 若松区内の貨物専用路面電車を廃止。
  • 1987年(昭和62年) 向田営業所開設。
  • 1999年(平成11年) 二島営業所・小石営業所を廃止。小石営業所の向かいにあった響南中学校(1997年度限りで閉校)の跡地に、交通局を二島営業所の位置から移転し、若松営業所を新設(庁舎は響南中学校旧校舎を活用)。
  • 2001年(平成13年)9月20日 非接触式ICカード「ひまわりバスカード」を導入。
  • 2002年(平成14年)10月26日 西鉄バス北九州の協力を受け、「社会実験」として黒崎芦屋間急行バスの運行を開始。
  • 2006年(平成18年)
    • 3月16日 北九州空港の移転に合わせ、折尾・学研都市ひびきのと空港を結ぶ高速バスの運行を開始。
    • 4月1日 抜本的ダイヤ改正・路線再編を実施。大半の系統を二島駅で分断。
  • 2007年(平成19年)8月1日 上記の北九州空港行き高速バスを向田営業所まで延伸。
  • 2009年(平成21年)
    • 4月1日 水巻町南部に乗り入れていた西鉄バス北九州中間線(63、64番系統)の一部区間廃止に伴い水巻町内区間はすべて廃止されたため、その代替として同町南部へ乗り入れを開始。また、上記の北九州空港行き高速バスを、西鉄バス北九州が運行している黒崎 - 北九州空港線と統合、同社との共同運行とし、一部の経路を変更(詳細後述)。
    • 10月1日 利用促進を図るため小倉線を増便。平日は24便となり従来より8往復増便となった。
  • 2010年(平成22年)
    • 4月1日 上記の北九州空港行き高速バスから西鉄バス北九州が撤退、再び市営バスの単独運行に戻る(詳細後述)。
    • 4月3日 4年ぶりに抜本的ダイヤ改正・路線再編を実施。
    • 12月27日 小倉記念病院の移転に伴い、病院玄関前に「小倉記念病院玄関前」バス停を新設。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月12日 小倉駅北口の「新幹線口(しんかんせんぐち)」への改称に伴い、「小倉駅北口」バス停名称を、「小倉駅新幹線口」に改称。
    • 3月27日 上記の北九州空港行き高速バスを一度撤退した西鉄バス北九州へ民間移譲、学研都市ひびきの発着に戻る(詳細後述)。
    • 4月1日 市立若松病院の「産業医科大学若松病院」への改称に伴い、「市立若松病院」バス停名称を、「産業医科大学若松病院」に改称。
    • 10月3日 折尾トンネルの撤去工事に伴い、折尾駅 - 頃末 - 向田営業所の路線(86番系統)を2012年3月31日までの間折尾四丁目経由から九州女子大前経由に変更。
  • 2012年(平成24年)
    • 4月1日 16年ぶりに運賃改定を実施。
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日 芦屋町内の系統のうち、山鹿 - はまゆう団地間を廃止、芦屋町タウンバスに移譲。また、5月に八幡西区役所が移転されることに伴い、「八幡西区役所前」バス停名称を、「御手洗公園前」に改称。
    • 8月1日 経営改善のため「ふれあい定期」の料金を全種従前の2倍に引き上げ。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月26日 一部の路線で電気バスの運行を開始。
    • 4月1日 消費税8%引き上げに伴い運賃改定を実施。
    • 6月1日 不採算路線である若松北西部の路線を分断。小型バスによる運用開始。運賃は1区350円、2区400円。
    • 12月21日 若松北西部線において、フリー降車制度を導入。
  • 2016年(平成28年)
    • 5月9日 ハローキティキャラクターバスファミリーver.(三菱ふそう製)運行を開始。
    • 9月1日 受託路線を除いた全線においてダイヤ改正。上記不採算路線の運賃・路線見直しが図られ、特定区間の運賃は1区260円、2区290円などに引き下げられると共に加算運賃制度に移行。あわせて特定加算運賃適用区間が若松区北西部の大半に拡大した。また、2002年10月26日から試験運行を開始した「黒崎芦屋間急行バス」(芦屋急行線)が、自家用車の普及等の影響で利用者が伸び悩み本格実施へ移行することが困難であると判断され、2017年3月31日をもって西鉄バス北九州と共に廃止することが決定。これに伴い、芦屋町 - 折尾駅間の折尾駅への速達性・利便性を図るため、朝の通勤時間帯に快速便の増便等を含めたダイヤ改正や、折尾駅から学研都市方面の利便性を図るため、折尾駅(西口) - 学研都市経由 - 青葉台(サイエンスパーク)行きを開設した。
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)
    • 3月1日 福岡県芦屋町の芦屋中央病院が山鹿283番地7に移転[5]に伴い、新病院最寄りの「花美坂入口」を「芦屋中央病院下」に変更[6]

バス事業

バス事業は1929年に、若松渡場から折尾駅前までの11.2kmの区間で、旧若松市が経営する市営バスとして開業。現在は主に北九州市若松区を中心として、隣接する北九州市八幡西区遠賀郡水巻町芦屋町の一帯に路線網を持ち、さらに一部の路線が北九州市戸畑区戸畑駅を発着して若戸大橋を経由して若松区に向かう路線)・小倉北区北九州市役所を発着して小倉駅新幹線口・北九州都市高速道路経由で若松区に向かう路線)および中間市(水巻南部循環が市域の北端の一部を運行)に延びる。

前述のとおり、元は旧若松市の事業を引き継いだものであるため、“北九州市”交通局と言っても北九州市内の一部のみでの運行であり、前述の営業エリア外の北九州市内のバス事業については、西日本鉄道の子会社である西鉄バス北九州が行っている。かつては2002年10月1日から2017年3月31日まで黒崎・芦屋間の急行バス(芦屋急行線)が市営向田営業所と西鉄バス北九州八幡営業所との間で共同運行されていた。

2006年4月1日に、定時運行の確保やJRとの接続を効率化するためダイヤの全面改正が行われ、路線や系統番号などのシステムが大きく改編された。大半の路線が二島駅を境に分断され、同駅から東へ向かう路線は若松営業所が、西へ向かう路線は向田営業所が、それぞれ受け持つようになった。しかし2010年頃から、二島地区を越えて直通運行する系統が再開され、それらはダイヤ改正を行うたびに拡大している。さらに両営業所でほぼ全線を共同運行するダイヤに変更している。

乗降方式は後乗り前降り。区間料金制(1区190円、2区230円、以降1区ごとに30円ずつ加算、7区以降は1区ごとに20円ずつ加算)であるが、若戸大橋を経由した場合は降車時の運賃より10円減額されたり、一部JR駅周辺(折尾駅、黒崎駅、小倉駅周辺)は区域内で利用すると100円均一になるなど一部例外もある[7]。一部路線に限り西鉄バス北九州との共通定期券制度があるが、現時点では乗車カードの共通利用はできない(詳細後述)。

これまで、運営が非効率的で赤字路線がかなり多く、今後の経営状況によってはバス事業の抜本的な見直し(民営化など)の必要もあると(北九州市交通局では)していたものの、平成16年以降の新規車両の購入凍結や各種のコスト削減策などにより、近年では事業全体としては健全運営を何とか維持できている。 路線ごとの収支は公にされておらず、市営バス事業改善計画の答申資料による資料では黒字区間は小倉線、戸畑線、若松(小石、二島)、浅川線(青葉台、芦屋)などごくわずかの路線とされている。赤字区間のうち、特に若松区北西部の赤字が事業全体の赤字額の3割を占め、市営バス事業改善計画においてもこの区間の見直しを重点課題としている[8]。若松区北西部の路線については2014年6月より折尾、二島との直通運行を廃止し、大鳥居 - かんぽの宿北九州間の折り返し運用(現在は大鳥居 - かんぽの宿北九州間の折り返し運用以外の路線が増便されている[9]。)となり、運賃制度も他の路線とは異なり、1区260円(以降は運賃区界ごとに1区ずつ通常加算)と一般路線の3区相当額の設定となる[10]

営業所

  • 若松営業所 - 北九州市若松区東小石町3番1号(交通局も同所)
  • 向田営業所 - 北九州市八幡西区三ッ頭2丁目25番1号

また、折尾駅前(オリオンプラザ内)、二島(イオン若松ショッピングセンター)、若松商連、小倉北区役所内に案内所がある。1988年までは折尾営業所、1990年代末期までは二島営業所、若松市営バス時代には藤木営業所が存在した。

路線については各営業所の項を参照。

一般路線バス

系統番号・方向幕

運行開始以来、長く系統番号の導入はされなかったが1990年代からまず方向幕のカラー化を開始した。方向幕の地の色・文字の色で経由地・方面をわかりやすく表示したものだった。その後1990年代後期に「行先番号」が導入された。これは「行先」を固定の番号で示すものであり、若松営業所行きはどの始発地からでもどの経由地を通るものでも20番であった。番号部分の色分けにより経由地を区別した。その後これを若干マイナーチェンジし「枝番」を付けて経由地を表すものを導入した。現在は、LED方向幕の導入により、カラー化は行われていない。しかし、福岡県では西鉄バスが系統別に付番していることもあり、行きと帰りで番号が違うこの制度は広く浸透せず西鉄バスと同様の系統別の方式に改められた。西鉄バスとの番号の共通化、統一は行われていない。

優等系統

古くは二島本線で一部の停留所を通過する準急系統が存在したがその後はすべての系統が各停留所に停車していた。1990年代に浅川線で快速系統が新設されたのを皮切りに快速、急行などのバスが運行されている。

  • 現在運行中の優等系統
    • 折尾駅西口 - 学研都市(ノンストップ)※長期休暇時は運休
    • 青葉台入口→折尾駅西口(快速70)快速区間 第二浅川橋→学園大通り
    • 粟屋→折尾駅西口(快速90)快速区間 第二浅川橋→学園大通り
  • かつて運行された優等系統
    • 折尾駅→青葉台入口(快速70)快速区間 学園大通り→浅川小学校前
    • 第二浅川橋 - 小倉(特急)青葉台入口 - 大橋通り間は第一二島にのみ停車。
    • 第二浅川橋 - 小倉(快速10)現在は折尾駅発着の普通に格下げされている。
    • 折尾駅西口 - 学研都市(急行ひびきの号)※専用車での運行。途中九州共立大前にのみ停車。
    • 黒崎芦屋間急行バス(芦屋急行線

主なバスターミナル

高速バス(運行終了)

ファイル:Kitakyushu city bus05.jpg
かつて運行していた空港線
  • 向田営業所 - 高須交番前 - 学研都市ひびきの - 浅川学園台入口 - 産業医科大学病院入口 - 学園大通り - 折尾駅西口 - 西鉄黒崎バスセンター - ホテルクラウンパレス北九州 - 黒崎インター引野口 - 高速千代ニュータウン - 八幡IC - 小倉南IC - 北九州空港北九州空港エアポートバス
    • 2006年3月16日北九州空港開港と同時に学研都市ひびきの発着で運行開始。2007年8月1日に向田営業所まで延長。当時のルートは向田営業所 - 高須公営住宅前 - 学研都市ひびきの - 浅川学園台入口 - 産業医科大学病院入口 - 学園大通り - 折尾駅西口 - 北九州空港。当初は北九州市営バスの単独運行で、黒崎駅は経由しなかった(黒崎駅からは西鉄バス北九州により黒崎 - 北九州空港線が運行されていた)。
    • 2009年4月1日のダイヤ改正で折尾発・黒崎発の両路線を統合(同時に運行ルートの都合で経由地を高須公営住宅前から高須交番前に変更)し、西鉄バス北九州との共同運行になったが、2010年4月1日から西鉄バス北九州の撤退に伴い再び北九州市営バスの単独運行に戻った(同時に小倉南ICは全便通過となった)。しかし2011年3月27日付けでその撤退した西鉄バス北九州に路線を民間移譲、学研都市ひびきの発着に戻った。
    • 市営バスに関しては青と白の専用塗色の車両が用いられていた。

車両

一般路線車のシャーシは日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)製もしくは三菱ふそう製が採用されている。多くの車両が西鉄バスと同じく地元の西日本車体工業製ボディを架装している。西日本車体工業解散後の2011年5月には三菱ふそうバス製造 (MFBM) 製の三菱ふそうエアロスターが5台採用された。これは市の政策によって先行導入された車両である。その後もエアロスターが毎年度数台程度導入されている。他にわずかながら1980年代から1990年代にかけて当時の純正ボディメーカーの富士重工製や新呉羽自動車工業・三菱自動車バス製造製ボディを架装して導入された車両がある。

車両の色は白と紺のツートンカラーと若緑色と白のツートンカラーと明るい緑色と白のツートンカラー(新塗装)の3種類で、明るい緑色と白のツートンカラーへの塗色変更が進められている。ワンステップバスノンステップバスは紫色と白のツートンカラー、黄緑色一色塗りなどの変遷を経て、1994年(平成6年)度以降に納車されたほとんどの車両はツーステップバスの新塗装と同様、明るい緑色と白のツートンカラーとなっている(白と紺のツートンカラーの606号車、若緑色と白のツ-トンカラーの9901号車と9902号車、ギラヴァンツ北九州ラッピングバスの0009号車、ハローキティキャラクターバスの1501号車と1601号車は除く)。競艇の送迎車には現在は一般路線車、もしくは一般路線車にハーフラッピングが行われた車両が使用され、以前使用されていた特別塗装が行われた車両は廃車となった。かつては学研都市ひびきのPR用の特別塗装を行っていた。各車に車両番号が付けられている。車号は平成8年導入車までは、和暦+通し番号(例:昭和63年度予算購入の7台目→6307、平成6年度予算購入の1台目→601)、以降は西暦の下2桁+通し番号となっている。そのため、車体やメーカーによる区別は行われていない。

2014年に2台導入された電気バスは部品を東レグループ企業と三菱重工業が供給し、車両の組立は韓国の韓国ファイバー(HFG)が行っている[11]

ハローキティと北九州市の観光名所をデザインしたハローキティキャラクターバスが2台ある。2016年5月9日に運行開始した1台目はエアロスター(1501号車)で、2017年5月1日に運行開始した2台目(1601号車)はこれまで導入されていなかった日野自動車製(ブルーリボン)である。ハローキティバスは土日祝日に限り運行時刻を公開している。

ギラヴァンツ北九州のラッピングバスが2017年3月頃から運行している。1994年(平成6年)度に納車された三菱ふそう96MCのワンステップバス(0009号車)を新塗装の明るい緑色と白のツートンカラーの車両からギラヴァンツ北九州のグループカラーの黄色に塗り替えた車両で、車内はギラヴァンツ北九州の監督・選手のプロフィールが掲載されている。以前ギラヴァンツ北九州ラッピングバスとして使用されていた日産ディーゼル(現、UDトラックス)製の9903号車は新塗装の明るい緑色と白のツートンカラーに戻されている。

貸切バスは縦10列または11列で横4列シートの大型車のみ保有する。紫色と白、もしくは青色と白(元空港線車両)のツートンカラーである。貸切バス車両には車両番号ではなく、各車に北九州市内の地名や山などにちなむ固有の愛称名が付けられている。

ひまわりバスカード

2001年(平成13年)9月、乗車カードとして小田原機器製のICカードひまわりバスカード」が導入された[12]。九州における交通系ICカードの先行事例だった[13]

種類は現在3種類ある。

カードの新規発売時、1枚につき500円の預り金(デポジット)を収受しており、カードを返却した際に返還される。

なお、ひまわりバスカードにおいては、カードに残高をチャージすることを「積み増し」と呼んでいる。

現在定期券タイプ・一日乗車券タイプの子供用を除きバス車内で購入できる。ただしバス車内では、回数券タイプは1,000円・2,000円・3,000円・5,000円・10,000円分のみで、一日乗車券タイプは5回分までしか新規発売・積み増しできない。またバス車内で購入できないものについては各案内所・営業所でしか取り扱いされていない。積み増しについては、各案内所・営業所に加えて西鉄黒崎バスセンター定期券販売所でも行うことができる。ただし、西鉄黒崎バスセンター定期券販売所では、カードの新規購入(共通定期券を除く)はできない。また、回数券で乗り継ぎを行った場合(定期券の有効区間と連続した乗り継ぎ、往復、均一区域、乗車受付を忘れた場合は対象外)、運賃が90円引きになる[14]。かつては、回数券タイプかつ3,000円以上でしか新規発売を取り扱いしていなかったが、2007年4月1日より一日乗車券・大人用の新規販売を始めた。また回数券タイプも1,000円単位で新規発売・積み増しを開始した。

定期券タイプは、通勤定期券・通学定期券・持参人式定期券・片道定期券・一括契約定期券・地域フリー定期券(折尾・若松渡場)・全線定期券・高齢者向け高割引定期券「ふれあい定期」がある。ただし市営バス・西鉄バスが共通で乗車できる『本城西団地共通定期券』は現在も紙券タイプで発売されている。定期券タイプは、紙式を除いて積み増しができる。万が一期限が切れていたり、定期区間外に乗車しても回数券タイプのように積み増しすれば、利用することができる。

回数券タイプは、最大25,000円まで積み増しすることができる。また積み増し額により10%から15%のプレミアムがつく。

一日乗車券タイプは、大人700円(小児350円)で市営バス全路線に乗車することができる。最大35回分積み増しができる。

このカードは北九州市営バス以外では利用できない[15]

軌道事業(廃止)

経路図
uexSTR+l emABZgr
国鉄筑豊本線
uexDST KBHFe
0.0
若松駅
uexSTR
北湊線
uexHST
?
0.0
中川通7丁目分岐点
uexSTR+l uexABZq+l uexABZglr uexSTR+r
←浜ノ町線 / 連歌浜線→
uexSTR uexKDSTe uexKDSTe uexSTR
1.3
北湊駅
uexSTR uexSTR
←車庫
uexKDSTe uexSTR
0.6
浜ノ町駅
uexDST
0.8
連歌浜駅
uexKDSTe
2.1
安瀬駅

軌道事業(北九州市営軌道)は1936年若松市営軌道として当時の若松市内で開業。その後、北九州市発足とともに北九州市営軌道となった。電化された路面の軌道であるが、一般の路面電車とは異なり、貨物専業で旅客営業は行わなかった。電気機関車国鉄貨車を牽引し、若松駅と港湾部の間で貨物輸送を行ってきたが、道路上を走行するため騒音・振動が激しいことや商店街の中を通過することから沿線住民とのトラブルが絶えなかった。主力の石炭輸送量の減少に伴って経営が悪化し、1968年から1971年まで運営業務を日本通運に委託。1971年からは事業の所管が交通局から経済局に移管されている。その後も経営状況は改善されず1975年に廃止された。

路線データ

  • 路線距離:
    • 若松駅 - 北湊 1.3km
    • 中川通 - 浜ノ町 0.6km
    • 中川通 - 安瀬 2.1km
  • 軌間:1067mm
  • 電化区間:全線(直流600V)

ほとんどの区間が単線であったため、中川通りを若松駅側に進む場合などは道路の右側を対向車の流れと逆らうように走行していた[16]

年表

  • 1932年(昭和7年)6月11日 軌道特許状下付[17]
  • 1933年(昭和8年)5月8日 工事施工認可申請
  • 1936年(昭和11年)5月5日 北湊線(本線)若松 - 北湊 (1.3km) および浜ノ町線中川通 - 浜ノ町 (0.6km) 開業
  • 1936年(昭和11年)5月22日 市営電気軌道事業開始、本線延2.665km、側線延0.850kmを敷設(若松市史第2集)
  • 1938年(昭和13年)7月20日 連歌浜線軌道特許状下付[18]
  • 1939年(昭和14年)2月14日 本線より北湊海岸線へ延0.300kmを敷設(若松市史第2集)
  • 1939年(昭和14年)5月1日 連歌浜支線延長第1期0.800kmを敷設(若松市史第2集)
  • 1939年(昭和14年)7月11日 連歌浜線中川通 - 連歌浜 (0.8km) 開業
  • 1939年(昭和14年)9月13日 連歌浜支線延長第2期0.170kmを敷設(若松市史第2集)
  • 1945年(昭和20年)9月30日 浜十二番町支線より東海岸連絡線0.100kmを敷設(若松市史第2集)
  • 1952年(昭和27年)10月1日 市営電気軌道事業に地方公営企業法適用(若松市史第2集)
  • 1958年(昭和33年)3月6日 連歌浜線連歌浜 - 安瀬軌道法特許
  • 1959年(昭和34年)8月1日 連歌浜線連歌浜 - 安瀬 (1.3km) 開業
  • 1968年(昭和43年)9月21日 経営合理化のため運営業務を日本通運に委託
  • 1971年(昭和46年)7月1日 運営業務を再び市に移管。市での事業所管は交通局から経済局に移される。
  • 1975年(昭和50年)11月1日 全線廃止

車両

ボギー台車を2基備える凸型電気機関車がのべ6両在籍した。塗装はいずれも車体は茶色一色だが黄と黒のゼブラのペイントがされた板が若松駅側の端梁につけられていた。開業時に1, 2の2両、廃止時に5, 101, 201の3両。貨車は国鉄車両が直通しており特に緩急車・車掌車などはつけられていない[19]

1, 2
1936年開業時の車両。書類上、1924年馬来工業の新規製造だが、谷口 (1969) は前所有者があると推測している。全長7,220mm、全幅2,240mm、全高4,253mm、重量10t、出力22.4kW×2、引張力1,370kg(歯車比69:14)と小型で、老朽化及び出力不足のため1950年(昭和25年)3月31日に101に代替廃車され、日本鉄道自動車工業に売却された。1956年、そのうちの1両は北陸鉄道の手に渡って再起し、EB301となっている。
3, 5
1940年(昭和15年)日本鉄道自動車工業の製造。全長8,350mm、全幅2,400mm、全高4,000mm、重量15t、出力26.1kW×4、引張力2,740kg(歯車比81:14)。3は余剰車として1968年(昭和43年)8月31日廃車、5は路線廃止まで在籍[20]
101
日本鉄道自動車工業の製造、1950年(昭和25年)製造、翌年竣工。全長8,390mm、全幅2,400mm、全高4,064mm、重量20t、出力37.3kW×4、引張力2,500kg(歯車比64:14)。廃止時までの主力機。
201
三菱電機の製造による。1952年(昭和27年)の製造。全長8,830mm、全幅2,400mm、全高3,965mm、重量20t、出力38.8kW×4、引張力3,640kg(歯車比76:15)になっている。廃止時まで主力であった。

軌道事業の参考文献

  • 谷口良忠 (1969). “北九州市営軌道線”. 鉄道ピクトリアル No. 232 (1969年12月号臨時増刊:私鉄車両めぐり10): pp. 92-95, 100. (再録:『私鉄車両めぐり特輯』2、鉄道ピクトリアル編集部、鉄道図書刊行会、東京、1977年。
  • 鉄道省 『昭和12年10月1日現在鉄道停車場一覧』 鉄道史資料保存会(1986年覆刻)、東京、1937年、p. 457。ISBN 4-88540-048-1。
  • 和久田康雄 「昭和52年5月1日現在における補遺」『私鉄車両めぐり特輯』2、鉄道ピクトリアル編集部、鉄道図書刊行会、東京、1977年、補遺5頁。
  • 若松市史第2集編纂委員会 『若松市史第2集』 福岡県若松市役所、福岡、1959年、pp. 639-648。

その他

1963年日活映画『狼の王子[21]』は冒頭と最後が北九州市(1950年 - 1958年〈昭和25 - 33年〉の設定なので当時は若松市)が舞台だが、冒頭で主人公の養父的な存在の日下組の組長・日下万蔵(演:石山健二郎)が対立する組の刺客に刺殺される話が出てくる。この万蔵が刺されるシーンの直前に画面左手の方から若松市営軌道の貨物列車が登場し「主人公が真横を通る列車の轟音でこの騒ぎに気がつくのが遅れて先にどんどん行ってしまい、刺された万蔵が逃げようと貨車にしがみつき、刺客がそれを必死に追いかけ切りつけ、万蔵が最後に力尽きて転落する。」という珍しい展開になる。

脚注

  1. 交通局の概要 - 北九州市 平成28年4月1日現在
  2. 「安全・安心」へ新組織 北九州市1567人異動 qBiz 2013年03月26日 03時00分 更新
  3. 「新たな運賃割引」始めます! (PDF) - 北九州市
  4. 平成29年12月1日 一部運行時刻変更のお知らせ (PDF) - 北九州市
  5. 建て替えに関すること-芦屋中央病院
  6. ミクスタ・ギラヴァンツライナー運行時刻表2018シーズン(バス停名称変更のお知らせあり) (PDF) - 北九州市
  7. 北九州市営バス路線図-北九州市
  8. 「第2次北九州市営バス事業経営計画(素案)」に対する市民意見の内容及び交通局の考え方 (PDF) - 北九州市交通局総務経営課、平成27年11月19日から平成27年12月18日まで実施
  9. 時刻表選択|北九州市営バス(かんぽの宿北九州 時刻表) - 九州のバス時刻表
  10. 平成26年度 北九州市営バスダイヤ改正について - 北九州市
  11. 太陽光×蓄電池=電気バス、北九州市で営業運転へ - 畑陽一郎、ITmediaスマートジャパン、2014年2月13日
  12. ICバスカード(ひまわりバスカード)について知りたい。(カードの種類と金額について)
  13. I. 地球温暖化対策に対する取組み 2. 環境負荷の小さい交通体系の構築 (2) 公共交通機関の利用促進 平成25年度九州運輸局交通環境対策アクションプラン
  14. 乗り継ぎ割引 - 北九州市” (日本語). www.city.kitakyushu.lg.jp. . 2018閲覧.
  15. 回数乗車券
  16. 阿南茂、撮影「蒸機と凸電の町、若松(その1)」『鉄道模型趣味』1997年5月号(No.626)、機芸出版社、1997年、P22-23。
  17. 「軌道特許状下付」『官報』1932年6月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  18. 「軌道特許状下付」『官報』1938年7月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  19. 阿南茂、撮影「蒸機と凸電の町、若松(その1)」『鉄道模型趣味』1997年5月号(No.626)、機芸出版社、1997年、P24-25。
  20. ただし、『鉄道模型趣味』1997年5月号では「5号は、その年(注:1975年)の9月、とうとう廃車になった。」と書かれている。
  21. 狼の王子-日活株式会社 home>映画>狼の王子

関連項目

外部リンク