国道170号

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国道170号(こくどう170ごう)は、大阪府高槻市から同府泉佐野市に至る一般国道である。

概要

大阪府内で完結する一般国道の路線で、北東部三島地域に位置する高槻市松原町の国道171号分岐(八丁畷交差点)から南へ、生駒山地の西麓から和泉山脈の北麓にかけて大阪平野の外縁沿いを周回して、大阪湾に面する南西部泉南地域に位置する泉佐野市上瓦屋の国道26号第二阪和国道〉交点(上瓦屋交差点)とを結ぶ。主な通過地は、枚方市北中振、寝屋川市四條畷市大東市東大阪市西石切町、八尾市志紀町南、柏原市藤井寺市羽曳野市富田林市河内長野市和泉市仏並町、岸和田市内畑町・土生滝町・河合町、貝塚市泉南郡熊取町である。

大阪府を代表する半環状の幹線道路でもあり、新道(バイパス)は大阪外環状線の一部を構成する。起点がある高槻市で淀川を枚方大橋で越える前後区間と、終点がある泉佐野市のJR熊取駅付近を除いた大部分は新旧2本の道路が並行しており、いずれも国道指定されている[1]。国道の新道が開通すれば、旧道は国道の指定を外されることが多い日本の国道のなかでも、その旧道が国道指定を未だ解かれていない珍しい路線でもある[1]

国道170号旧道は住宅地を抜けてゆく沿線住民の生活道路であることから都市型の「酷道」といわれており、東大阪市近鉄瓢箪山駅付近にてアーケード商店街となっていることでも知られている[1]

高槻市内沿線地域は、大阪府の景観形成地域に含まれる。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1] に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

現行の道路法(昭和27年法律第180号)に基づく二級国道として初回指定された1953年(昭和28年)では、和歌山松阪線(和歌山市 - 松阪市)として指定されていた[5]1958年(昭和33年)に一級国道42号への昇格に伴って欠番となり[6][7]1963年(昭和38年)新たに指定された高槻橋本線(高槻市 - 橋本市)に採番された[8]。このため、二度目に指定された当時の国道170号は東高野街道をたどる都市計画道路高槻橋本線として整備が始まった。しかし、大阪外環状線は泉佐野市沖に建設が決定した関西国際空港へのアクセス路線として泉佐野方面に延伸されることとなり[9]、旧道の河内長野市から橋本市の区間は国道371号を北伸させることで引き継いでいる[9]。古い案内標識の行き先が「泉佐野」ではなく「橋本」となっているのは、このような経緯があったためである。

年表

  • 1963年(昭和38年)4月1日
    二級国道170号高槻橋本線(高槻市 - 橋本市)として指定施行[8]
  • 1965年(昭和40年)4月1日
    道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道170号として指定施行[10]
  • 1982年(昭和57年)4月1日
    終点を橋本市から泉佐野市へ変更し、一般国道170号(高槻市 - 泉佐野市)として指定施行[9]

路線状況

ファイル:Route170 Hyoutan-Yama.jpg
近鉄奈良線瓢箪山駅前 (写真の奥アーケード側-手前方向が国道170号。手前の後ろ側もアーケードになっている。)

東大阪市内の近鉄奈良線瓢箪山駅付近には、日本で長崎県長崎市国道324号とここの2ヵ所しかない国道中の商店街・アーケードがある[11]。また、羽曳野市内・富田林市内区間等では、毎年8月1日、沿線のPL教団本庁において祭典(教祖祭PL花火芸術)が執り行われ、多数の見物客が付近一帯に押し寄せるため、国道170号(大阪外環状線)を含む付近一帯が通行止となる。

新道

新道(大阪外環状線)は、基本的に片側2車線(両側4車線)となっており、沿道自治体内における幹線道路として機能している。羽曳野市応神陵前交点以北は整備・供用時期が大阪万国博覧会開幕(1970年3月14日)に合わせて行われたため、現状としては飽和状態にあり、各所で慢性的な渋滞が起きている。また、右折レーンのない交差点が多く、さらにボトルネックとなっている。近年では中央分離帯を除去し、1車線あたりの幅を削って右折レーンを確保する工事や、主要交差点では付近を拡張し、さらに車線を増やす工事も行われた。なお、寝屋川市高宮町から富田林市寿町間の地下には淀川を水源とする大阪広域水道企業団水道管幹線が埋設されている。

河内長野市小山田町から和泉市南面利(なめり)町、同市仏並町から岸和田市内畑町の区間は関西国際空港の開港に先がけて、平成になってから供用開始を行ったものであり、暫定2車線での供用となっている。ごく一部の区間を除き拡張用地は確保済みであり、4車線化が進行中である。また、旧京阪国道重複区間も一部が2車線となっている。

旧道

大阪外環状線が一大幹線道路として整備されている一方、旧道は車1台が辛うじて通れる程度しかない狭路の区間が所々ある。寝屋川 - 東大阪間と富田林 - 和泉間の旧道区間は、密集した住宅街のなかを抜けてゆく[1]。河内長野市より南(西)の区間は道幅の狭さゆえに概ね交通量も少ない。反対に、東大阪市から四條畷市の区間は路線バスや乗用車が多く、慢性的な渋滞が発生している。

国道170号旧道については、国道170号新道(大阪外環状線)が供用され数年が経過した後も国道指定を保持し、通例となっている府・市町村移管による路線変更は行われていない。これに対する2004年5月時点における大阪府の見解は以下の3点。

  • 大阪府主要地方道20号枚方富田林泉佐野線等、複数の道路と重なっている為、旧170号の名称を変更する事により1本の道路にも関わらず複数の道路名称が出現する事になり、道路利用者にとって混乱の元となる可能性が有る。
  • 地元市町村においては、現170号を「外環」、旧170号を「旧170号」という愛称で使い分けされている現状を踏まえるにおいて、法的手続きにより道路名称を変更しても利用者の実用上の差異は余り無いとの推測。
  • 法律により道路名称を変更した場合、道路標示の更改・道路台帳の修正等において多大な費用と時間が必要になる[12]

通称

  • 大阪外環状線 (新道、略称:ソトカン、ガイカン)
  • 旧ソト、旧ソトカン (旧道のソトカンに併走する区間の一般的な呼称)
  • 河内街道 (旧道、香里南口交差点 - 西中野交差点)
  • 東高野街道 (旧道、東中野交差点 - 河内長野駅前)
  • 大津街道または河泉街道 (旧道、河内長野駅前 - 国分峠交差点)
  • 父鬼街道 (旧道、国分峠交差点 - 大野町交差点)
  • イナマル、あるいはイナゼロ

道の駅

車線・最高速度

バイパス(大阪外環状線)
区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度
八丁畷交差点 - 伊加賀緑町南交差点 4=2+2 50km/h
伊加賀緑町南交差点 - 中振交差点 2=1+1 40 km/h
中振交差点 - 出口交差点 8=4+4 50 km/h
出口交差点 - 安全橋交差点 4=2+2
安全橋交差点 - 秦北口交差点 6=3+3
秦北口交差点 - 新大井橋南詰交差点 4=2+2
新大井橋南詰交差点 - 河内長野市天野町 60 km/h
河内長野市天野町 - 和泉市南面利町 2=1+1 40 km/h
和泉市南面利町 - 福瀬町東交差点 50 km/h
福瀬町東交差点 - 大野町北交差点 4=2+2 60 km/h
大野町北交差点 - テクノステージ南交差点 2=1+1 50 km/h
テクノステージ南交差点 - 三ツ松団地東交差点 4=2+2 60 km/h
三ツ松団地東交差点 - 熊取町小垣内 50 km/h
熊取町小垣内 - 上瓦屋 2=1+1

交通量

バイパス(大阪外環状線)

平日24時間交通量(台)(上下合計)[13][14]

  • 高槻市 - 河内長野市間の交通量は40,000台を超える地点が殆どに対し、河内長野市 - 泉佐野市間は20,000台前後である。しかし、後者には暫定2車線区間存在するため、全線を通して混雑度は1を超える、もしくは1に近い地点が多い。
地点 平成17年度
(2005年度)
平成22年度
(2010年度)
平成27年度
(2015年度)
備考
高槻市辻子3丁目 34,463 33,633 31,265
枚方大橋 34,463 49,031 未計測
枚方市伊加賀緑町 39,076 34,992 38,831
枚方市南中振2丁目 46,301 40,120 37,696
寝屋川市国松町 58,318 48,765 49,155 旧道重複区間
寝屋川市豊野町 47,071/49,315 未計測
寝屋川市高宮栄町 43,410 34,203 33,693
四条畷市砂 6,683 未計測
大東市寺川3丁目 49,513 46,430 44,488
東大阪市布市町4丁目 43,463 45,002 40,368
八尾市千塚1丁目 49,350 42,937 61,858
藤井寺市川北1丁目 41,360 46,432 37,433
富田林市旭ケ丘町 48,765 45,726 44,311
富田林市錦織 42,039 42,569 43,226
河内長野市原町 40,061 40,506 39,033
和泉市福瀬町 20,019 22,625 20,289
和泉市岡町 18,815 未計測
岸和田市北阪町 15,622 19,305 23,231
熊取町紺屋 23,550 23,223
熊取町大久保 21,284 19,189 22,194

旧道

平日24時間交通量(台)(上下合計)[13][14]

地点 平成17年度
(2005年度)
平成22年度
(2010年度)
平成27年度
(2015年度)
備考
寝屋川市境橋町 21,357 22,949 18,391
四條畷市砂 05,958 04,959 04,430
大東市北条5丁目 12,225 08,313 07,169
東大阪市日下町6丁目 14,475 09,239 08,129
八尾市服部川5丁目 08,475 09,203 06,660
藤井寺市北條町 08,814 07,689 07,747
羽曳野市古市6丁目 13,500 13,414 11,757
富田林市錦織 08,771 09,072 08,431
河内長野市小山田町 03,926 03,685 03,278
岸和田市神於町 03,401 03,286 02,901
熊取町大久保東 10,022 12,349

地理

通過する自治体

交差する道路

バイパス〈大阪外環状線〉

(右の「表示」を押す)

旧道

(右の「表示」を押す)

新旧170号の交差点

ファイル:Route170 Crossing01.JPG
行き先表示方向すべてが国道170号(和泉市の槙尾中学校南交差点南側の旧道にて。)

旧道が国道170号指定を解除されておらず、また旧道が国道170号新道と交差している地点が多数存在するため、これらの地点の前後には、全ての表示道が同一路線名(国道170号)となっている珍しい交通案内標識が何箇所もある。

  • 木屋南交点(寝屋川市木屋町(こやちょう))
  • 安全橋交点(寝屋川市幸町)(さいわいちょう)
  • 秦北口交点(寝屋川市秦町(はだちょう))
  • 応神陵前交点(羽曳野市誉田(こんだ)五丁目)
  • 白鳥北交点(羽曳野市白鳥三丁目)
  • 工業団地北交点(河内長野市上原町(うわはらちょう))
  • 工業団地前交点(河内長野市上原町)
  • 天野第3トンネル付近(和泉市南面利町(なめりちょう):インターチェンジ状の立体交差)
  • 福瀬町東交点(和泉市福瀬町(ふくぜちょう))
  • 槇尾中学校南交点(和泉市仏並町(ぶつなみちょう))
  • 阪和自動車道高架下付近(岸和田市内畑町)
  • 奈良池前交点(岸和田市内畑町)
  • 熊取交点(泉南郡熊取町紺屋二丁目)

沿線

脚注

注釈

  1. 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2015年4月1日現在

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 松波成行 2008, p. 65.
  2. 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2012閲覧.
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 9. . 2017閲覧.
  4. 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2012閲覧.
  5. ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令(昭和28年5月18日政令第96号)の原文があります。
  6. ウィキソースには、一級国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和33年9月30日政令第281号)の原文があります。
  7. ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和33年9月30日政令第281号)の原文があります。
  8. 8.0 8.1 ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和37年5月1日政令第184号)の原文があります。
  9. 9.0 9.1 9.2 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. . 2012閲覧.
  10. 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)
  11. 佐藤健太郎 2014, pp. 30-32.
  12. 取材先(Mail問合せ):近畿道の相談室
  13. 13.0 13.1 平成27年度 全国道路・街路交通情勢調査(大阪府) (PDF)”. 国土交通省道路局. . 2017閲覧.
  14. 14.0 14.1 平成22年度道路交通センサス 一般交通量調査 箇所別基本表(大阪府) (PDF)”. 国土交通省道路局. . 2014閲覧.

参考文献

関連項目

外部リンク

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