帆布

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帆布(はんぷ、英語: canvas)とは平織りで織られた厚手のである。綿亜麻で作られる。古くはズックdoekオランダ語で布の意)とも呼ばれた。

概要

近代までの物資輸送のための大型船は、を張って風を受けて進む帆船が一般的であった。その帆に使うための、厚手で丈夫な布として作られたのが始まりである。

現在ではカバン襦袢に付ける衿芯丸帯名古屋帯等の帯芯、相撲廻し油絵用のキャンバステントの天幕など建築材料、各種競走馬用のゼッケン等に使われる。

帆布は、より合わせの回数や、織り方の密度によって、1号から11号の厚さに分けられる。1号が最も厚手で、11号が最も薄い。

日本の帆布

日本では、18世紀に工楽松右衛門が「松右衛門帆」を発明した。それまでの和船の帆はむしろで作ったものや、刺帆と呼ばれる綿布を2枚から3枚重ねてつなぎ縫いをしたもの[1][2][3][4]が主流で、製造に手間がかかる割には、耐久性が著しく低かった。松右衛門帆以降の平織物による帆布を織帆と呼ぶ。

日本国内の帆布の約7割は、岡山県倉敷市郷内で生産されている(倉敷帆布)。郷内地域は、古くから綿花の栽培が盛んで、木綿糸をよる技術を伝えている[5]。倉敷ブランドの帆布製品を地元で販売しているほか、京都等の販売店に卸している[6]

帆布関連商品の製造・販売会社

脚注

  1. 石井謙治『江戸海運と弁財船』日本海事広報協会 1988年
  2. 廻船必要』より「是は木綿二枚重にし、四子糸にてさし、三幅綴合せ一反と唱」
  3. 万祥船往来』より「近来は木綿帆を用ゆ、縒糸を似てこれを刺縫ふはさけやぶれざらしめんがためなり、凡木綿三幅を一端として六、七端、大船は二十余端のものこれあり」
  4. 『工楽家三世略伝』より「当時本邦帆船ニ用フル帆布ハ綿布二三ヲ重ネ且之ヲ聯綴シタルモノヲ使用セシガ其質脆弱ニシテ特ニ夥多ノ人力ト時間トヲ費スニアラザレバ其用ニ適セザル」
  5. 倉敷帆布ブランドサイト - 史を織る
  6. 倉敷帆布オンラインストア

関連項目