御嵩町

提供: miniwiki
2018/8/6/ (月) 08:00時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
移動先:案内検索
ファイル:Kyuu mitakejuku001.jpg
旧御嶽宿中心部。中央の道路は旧中山道である

御嵩町(みたけちょう)は、岐阜県可児郡である。

地理

岐阜県中南部木曽川南岸に位置し、町内には1級河川の可児川が流れている。町の約60%が山林であり、中心部は濃尾平野の端部になっている。

  • 山:八王子山、御嵩富士
  • 河川:木曽川、可児川、津橋川、唐沢川
  • 池:前沢池
  • ダム:丸山ダム前沢ダム

隣接する自治体

坑道と陥没

後述の通り、御嵩町では亜炭鉱が盛んであったため、現在もその坑道が残っている。坑道は、西は上恵土の木曽川付近から東は中切辺りまで広く存在する。坑道があるのはほとんどが平地で、大久後などの山地にはほとんどない。坑道には深度15メートル以下の空洞もあり、陥没の危険性も高い。実際に町の至る所で小さな陥没が報告されており、大きなものでは2010年10月に顔戸地区で道路と周辺家屋が陥没している。逆に深度が50メートルをこえる空洞は、地下水がたまっている可能性が高く、土の圧力に対して抵抗力があるため陥没の危険性は比較的低いとされている。

近年、空洞を支える柱の劣化により町のいたるところで陥没事故が発生するようになった。大規模地震が発生した際には町全体が陥没する可能性があり、町は対策に追われているが、予算不足などもあり、抜本的な解決には至っていない。なお、町にある坑道を埋めるためには500億円~1000億円掛かるとも言われている。

歴史

  • かつて中山道の宿場町である御嶽宿伏見宿があった。また御嵩地区南山付近に御嵩城、顔戸地区に顔戸城があった。
  • 明治期には町内に可児郡役所が置かれていた。
  • 1889年 町村制施行により可児郡御嵩町が設置される。旧町域は概ね現在の御嵩町御嵩地区の大部分にあたる。
  • 1955年2月1日 御嵩町、伏見町中町上之郷村が新設合併して新制・御嵩町が成立。
  • 笹の才蔵の異名を持つ可児吉長が幼少期を願興寺で過ごしたと伝わる。

人口

2000年前後に20,000人を超えたものの、以降は減少傾向である。

御嵩町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

行政

町長

  • 初代:伊崎隆三(1955年~1967年、3期)
  • 2代目:野呂誠(1967年~1975年、2期)
  • 3代目:原貞雄(1975年~1979年、1期)
  • 4代目:平井儀男(1979年~1995年、4期)
  • 5代目:柳川喜郎(1995年~2007年4月26日、3期)
  • 6代目:渡辺公夫(2007年4月27日~)

官公庁

産業

  • 御嵩町には代表的な産業といえるものは特になく、県内でも地名がさほど高くはない町である。
  • 可児市との境界付近(上恵土地区)に老舗タイルメーカーの「不二見セラミック」本社工場があったが、2006年8月に倒産した。跡地には現在ラスパ御嵩が建っている。
  • 特産物として、希少大豆を使用して作られたみたけ味噌という独特の赤味噌がある。また、みたけ味噌を使用した豚ホルモン焼き「みたけとんちゃん」がある。

工業団地

  • 平芝工業団地 - 自動車関連企業を中心に10社が操業。
  • グリーンテクノみたけ - 1998年8月分譲開始。東海環状自動車道(東回りルート)開通を機に全ての区画が完売。自動車関連企業を中心に14社が操業。

亜炭

  • かつては石炭の一種である亜炭の一大産出地であった。1869年(明治2年)に炭脈が発見されて以後、1947年(昭和22年)頃をピークに100を超える炭鉱が開山、最盛期には全国産出量の4分の1以上を占め、炭鉱の町として栄えたが、1968年(昭和43年)には全ての炭鉱が閉山した。

教育

高等学校

中学校

小学校

その他

交通

鉄道

  • 名鉄広見線 御嵩駅(中心駅)、御嵩口駅顔戸駅、(明智駅)
    • 明智駅自体は可児市内にあるが、可児川の対岸にある御嵩町伏見地区への最寄り駅。
    • 2008年6月以降、町内のすべての駅が無人駅になっている(それまでは御嵩駅と明智駅に駅員が配置されていた)。
    • 町内から名鉄を利用して犬山・名古屋・岐阜などへ行く場合、すべて新可児駅で乗り換えとなる。
  • 2001年までは名鉄八百津線が町西部を縦断していたが、廃止時点で駅はなかった(1969年までは伏見地区に東伏見駅が存在した)。

バス

  • 2000年までは東濃鉄道のバスが国道21号や名鉄御嵩駅前や鬼岩公園前を経由して町を横断し、美濃太田駅(高山本線・太多線)と土岐市駅(中央本線)との間を結んでいた。
  • 2010年現在町内を走る一般路線バスは存在せず、名鉄明智駅と八百津町方面を結ぶYAOバスのバス停も町内には唯一「東実東」バス停が存在するだけである。
  • 2010年10月より、可児市コミュニティバス(さつきバス)兼山線がラスパ御嵩に乗り入れるようになり、町内にバス停ができた。町内にあるさつきバスの停留所はこれが唯一である。

道路

高速道路

一般国道

一般県道

町内の道路通称名

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

観光

ファイル:Oniiwa.jpg
鬼岩公園・れんげ岩

祭事

  • 顔戸八幡神社祭礼(毎年10月に行われる)
  • 御嵩町薬師祭礼(毎年4月に願興寺で行われる)
  • 鬼岩福鬼まつり
  • よってりゃあ、みたけ(毎年8月に行われる夏祭り)

集客施設

御嵩町をモデルにした作品

出身有名人

産廃処分場をめぐる事件

御嵩町では、1991年以降、産業廃棄物処分場計画で大きく揺れ動き、1996年には反対派町長への盗聴事件や反対派町長襲撃事件が発生している。産廃処分場計画との関連性が指摘され、盗聴事件については2グループ11人が検挙されたが、襲撃事件については犯人が特定できないまま2011年10月に襲撃事件の公訴時効が成立。なお、同計画は頓挫し、2008年3月寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請をとりさげることで決着した。

経過

  • 1991年8月- 産業廃棄物処理業者である寿和工業株式会社[1](本社・可児市)が御嵩町に処分場を計画。
  • 1992年10月- 町が岐阜県に「不適当な施設」と意見書報告。
  • 1995年2月- 町と寿和工業が、住民への説明なしに振興協力金名目で35億円の支払を盛込んだ協定を締結。
  • 1995年2月- 町が県への意見書を「やむを得ない」に変更。
  • 1995年4月- 町長選で、処分場反対派の元NHK解説委員・柳川喜郎が初当選。
  • 1995年9月- 町が県に許可手続きの一時凍結を要請。
  • 1996年10月- 御嵩町長襲撃事件発生(町長は一時意識不明の重体となる)。
  • 1996年12月- 住民請求により処分場建設の賛否を問う住民投票条例制定を直接請求。
  • 1997年1月- 御嵩町議会、住民投票条例案を可決。
  • 1997年6月- 産廃処分場計画を争点に全国初の住民投票実施。投票率87.50%・反対79.65%
  • 1997年6月~7月- 柳川町長宅電話盗聴容疑等で岐阜県警が興信所所長らを逮捕。
  • 1997年7月- 町が県に「住民投票の結果を尊重する」と伝える。
  • 1998年6月~7月- 別の盗聴グループを岐阜県警が逮捕。
  • 1998年11月- 町などの呼びかけで「全国産廃問題市町村連絡会」設立。
  • 2005年4月- 古田肇岐阜県知事が、柳川町長と会談(知事と町長の会談は10年ぶり。)。
  • 2007年3月- 柳川町長が次回町長選に出馬しないことを表明。
  • 2007年4月- 建設反対派で柳川が支援した渡辺公夫が新町長に当選。
  • 2007年4月- 古田知事・柳川町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。
  • 2008年3月- 古田知事・渡辺町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請をとりさげることで合意。

関連文献

  • 伊藤達也『検証岐阜県史問題―なぜ御嵩産廃問題は掲載されなかったのか』(ユニテ 2005/04 ISBN 978-4843230664)
  • 御嵩町教育委員会町史編さん室編『御嵩町史 通史編 現代』(2006/05 御嵩町教育委員会教育課総務係
  • ましこ・ひでのり「『岐阜県史』問題再考 ─ 産廃行政に関する「県史」等の記述の政治性―」大橋博明ほか『地域をつくる』(勁草書房 2008/04 ISBN 978-4326848645)

関連項目

外部リンク