掛谷宗一

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掛谷 宗一(かけや そういち、1886年1月18日 - 1947年1月9日)は日本の数学者東京帝国大学教授統計数理研究所所長。

人物

1909年東京帝国大学理科大学を卒業。 その後、東北帝国大学助教授、東京文理科大学教授などを経て、1934年7月31日帝国学士院会員に選定され[1]1935年東大理学部教授となる。1944年統計数理研究所の初代所長を務める[2]

掛谷の代数方程式についての研究は、掛谷の定理として知られる。1928年連立積分方程式及び之に関連せる函数論的研究』で帝国学士院恩賜賞を受賞[3]1941年勲二等瑞宝章を授与された。

掛谷問題

掛谷問題は、掛谷が東北大学在職中[4]に考えた「長さ1の線分を一回転させることのできる図形(掛谷集合)はどういったものか、また、そのうちで最小の面積を持つものは何か」という問題である。

まず、円板がその条件を満たすことはすぐにわかる。それより面積が小さい図形として、掛谷は最初に、ルーローの三角形を指摘した。すぐに同僚らが、より面積の狭い正三角形(具体的には、一つの頂点から、その頂点が接しない辺に伸ばした垂線の長さが1である正三角形)が存在すると発見した。凸な図形ではこの正三角形が最小である。凸でない図形では、より小さい面積を持つものが存在する。たとえば、正三角形の中で線分を回転させる際に線分をうまく寄せると、正三角形の各辺の中央を内側にたわませたような図形ができる。最小の面積については、1928年にアブラム・サモイロヴィッチ・ベシコヴィッチEnglish版が「そのような図形の面積は任意に小さくできる」として解決した。この問題を変形・拡張した、その図形の中で線分を一回転させることが可能なのはいかなる図形か、という問題や、平面内ではなく3次元以上ではどうか、という問題が今日でも研究されている。d次元掛谷集合(d>2)のハウスドルフ次元はdであると予想されており、こんにちこの問題に関する「掛谷予想」と言えば、その予想を指す。

矢野健太郎がある時この問題の着想について尋ねたところ、武士便所に入る時にもを持っていった、もし便所で応戦することになったら、狭い空間で槍をふり回さなければならない、ということから思いついた、と答えたという[5]。なお、掛谷の研究ノートからはそのような記述は発見されず、また、東北大学の複数の人物の関与が確認されている[6]

脚注

関連項目

外部リンク