政教一致

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政教一致(せいきょういっち)とは、政教分離の対語(造語)で、政治宗教、または教会国家が分離されずに一体化した統治体制の型。政教一致には、教会国家型(Church-State)と国家教会型(State-Church)とがある[1][2]。教会国家主義と国家教会主義ともいわれる[2]

教会国家(Church-State)

教会国家型においては、宗教が世俗領域に権威や権力を持つ[1]。ヨーロッパの教会やシャリーアを奉じるイスラム世界などがある[1][3]

教会国家主義には神権政治(テオクラシー)やアウグスティヌスの普遍教会などの思想がある[2]

国家教会(State-Church)

広義における国家教会型(State church)では、国家がキリスト教を唯一の正当な宗教として指定し、教会を国家の一機関としてその運営を支配しており、このため教会が国家に従属した状態を指す[4]。この例としてはローマ帝国、中世神聖ローマ帝国のシャルルマーニュ(カール大帝)朝やオットー朝、ザリエル朝東ローマ帝国(ビザンチン)などがある[4]

狭義の通常の意味での国家教会型は、宗教改革期に成立し、絶対主義時代に頂点を極めた国家主導型の国家・教会関係、と定義される[4]。例としてはフランスのフィリップ4世シャルル7世、ドイツのルートヴィヒ4世が先駆的だが、宗教改革以降が決定的である[4]。また、国家教会型に近代日本を入れることもある[1]

国家教会主義には、国家主権の優位性を唱えたスイスのエラストスや、イングランド国教会がある[2]

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 岩井淳「政教分離」歴史学事典第11巻 宗教と学問,2004年、弘文堂、p.399-400。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 中野毅「政教分離・政教一致」宗教の事典(朝倉書店)pp.862-864.
  3. 「政教一致」歴史学事典,弘文堂
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 「国家教会」新カトリック大事典3、研究社 p.905-906.

関連項目