日本国憲法第27条

提供: miniwiki
2018/8/15/ (水) 13:00時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索


日本国憲法 第27条(にほんこくけんぽう だい27じょう)は、日本国憲法第3章にある条文で、勤労権利義務について規定している。

条文

日本国憲法e-Gov法令検索

第二十七条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
児童は、これを酷使してはならない。

解説

1項
条文は国民の権利義務のみを定めたように見えるが、実際には同時に国家にも国民が勤労の権利を行使できるよう義務を課したものでもある。国民には勤労をする権利が定められており、国家は国民に勤労の機会を与えなければならない。一方で国民は自らの能力や与えられた勤労の機会を活用して勤労する義務を負っている。

: 義務については勤労の義務を参照。

2項
勤労条件の法定を国に命じている。雇用者に対して弱者の立場に立つ労働者を保護する趣旨の規定である。労働基準法最低賃金法など各種労働法によって具体化されている。
休息については休息権を参照。
3項
児童労働における酷使を禁止している。歴史的に、年少者が劣悪な労働環境に置かれてきたことを念頭に置いて規定されたものである。労働基準法第56条に15歳未満の児童の使用を原則として禁止する規定が置かれている。私人間にも直接適用があるとされている。

沿革

大日本帝国憲法

なし

GHQ草案

「GHQ草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

日本語

第二十四条
有ラユル生活範囲ニ於テ法律ハ社会的福祉、自由、正義及民主主義ノ向上発展ノ為ニ立案セラルヘシ
自由、普遍的且強制的ナル教育ヲ設立スヘシ
児童ノ私利的酷使ハ之ヲ禁止スヘシ
公共衛生ヲ改善スヘシ
社会的安寧ヲ計ルヘシ
労働条件、賃銀及勤務時間ノ規準ヲ定ムヘシ
第二十五条
何人モ働ク権利ヲ有ス

英語

Article XXIV.
In all spheres of life, laws shall be designed for the promotion and extension of social welfare, and of freedom, justice and democracy.
Free, universal and compulsory education shall be established.
The exploitation of children shall be prohibited.
The public health shall be promoted.
Social security shall be provided.
Standards for working conditions, wages and hours shall be fixed.
Article XXV.
All men have the right to work.

憲法改正草案要綱

「憲法改正草案要綱」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

第二十五
国民ハ凡テ勤労ノ権利ヲ有スルコト
賃金、就業時間其ノ他ノ勤労条件ニ関スル基準ハ法律ヲ以テ之ヲ定ムルコト
児童ノ不当使用ハ之ヲ禁止スベキコト

憲法改正草案

「憲法改正草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

第二十五条
すべて国民は、勤労の権利を有する。
賃金、就業時間その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
児童は、これを酷使してはならない。

関連項目