日本数学会

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日本数学会
The Mathematical Society of Japan
団体種類 一般社団法人
設立 1946年6月2日
所在地 日本の旗 日本 東京都台東区台東1-34-8
北緯35度42分8秒東経139度46分44秒
起源 日本数学物理学会
主要人物 理事長 小薗英雄
活動地域 日本の旗 日本
主眼 数学の研究の発展と普及、学術文化の向上発展
会員数 5,059人(2015年現在)[1]
ウェブサイト http://mathsoc.jp/
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一般社団法人 日本数学会(いっぱんしゃだんほうじんにほんすうがっかい、英語: The Mathematical Society of Japan、略称 : MSJ)は、1877年(明治10年)に設立された東京数学会社を起源とする1946年(昭和21年)に設立された学会である。数学研究に関する交流の場であり、数学を一般社会へ普及することを図る。また、関係諸方面と協力して学術文化の向上発展に寄与することを目的とする。会員約 5,000 名を擁する組織である。日本国内および国際的に、数学の進歩・発展のために力をつくしている。

沿革

  • 1877年5月 - 東京数学会社として設立。
  • 1884年6月 - 東京数学物理学会に改組。このころは物理学者も含む組織であった。
  • 1919年1月 - 日本数学物理学会と会名変更。
  • 1945年12月15日 - 日本数学物理学会臨時総会にて同学会の解散と日本物理学会との2つの学会への分離が決議される。
  • 1946年6月2日 - 東京大学理学部にて日本数学会の設立総会が開かれる。総会の議長は矢野健太郎、初代理事長(委員長)は正田建次郎。当初の会員数は751名。社団法人認可申請については正田理事長(委員長)の下で進めることとなった。
  • 1952年 - 社団法人となる。
  • 2012年4月1日 - 一般社団法人となる。[2]

組織

研究分野ごとに次の10の分科会が設けられている。

  1. 数学基礎論および歴史
  2. 代数学
  3. 幾何学
  4. 函数論
  5. 函数方程式論
  6. 実函数論
  7. 函数解析学
  8. 統計数学
  9. 応用数学
  10. トポロジー

また所属大学などの所在地別に次の支部がある。

学術的会合

年会・秋季総合分科会

毎年3月に年会、9月に秋季総合分科会がそれぞれ4日間の日程で行なわれる。会員の間ではそれぞれ「春の学会」、「秋の学会」と呼ばれることが多い。会場は各大学の持ち回りである。

年会・秋季総合分科会では次のような講演が行なわれる。

総合講演
2名が各1時間の講演を行なう。うち一名は春季賞・秋季賞の受賞者である。
企画特別講演
1時間の講演が並行して数件ずつ行なわれる。
分科会特別講演
分科会ごとに分かれて1時間の講演が行なわれる。
一般講演
会員の申し込みにより行なわれる講演である。分科会ごとに分かれて行なわれる。なお「無限可積分系」セッションは独立した分科会ではないが、分科会特別講演および一般講演では分科会と同様に扱われる。時間は各5分から20分程度である。
市民講演会
一般市民向けの講演。

このほか、後述する各賞の受賞者の発表、表彰が行なわれる。また学会の運営や研究・教育上の諸問題を話し合うための会議が行なわれる。

その他の会合

日本数学会国際研究集会 (MSJ-IRI) が2005年までに14回開催されている。また各分科会の主催するシンポジウム・研究集会なども行なわれている。

出版物

定期的な刊行物としては以下がある。

数学 (sugaku)
1947年創刊の日本語機関誌。日本語論文、企画記事、書評、学会ニュースなどを掲載する。
数学通信
1996年創刊。数学会報など会員向けの情報を掲載する。
Journal of the Mathematical Society of Japan (JMSJ)
1948年創刊の欧文機関誌。世界中から投稿された最新研究論文を、各分野の第一線の専門家による査読を経て掲載する日本を代表するジャーナルである。
Japanese Journal of Mathematics (JJM)
1924年創刊の欧文誌。1975年以降 (2nd series) 数学会の公式の出版物となる。2006年third series として、概説 (survey) を中心に掲載するようになった。

このほか不定期に Publications of the Mathematical Society of JapanAdvanced Studies in Pure MathematicsMSJ Memoir として数学書、講義録などを出版している。

日本数学会の授与する賞には次のようなものがある。

日本数学会賞 春季賞
40歳未満の優れた研究者に与えられる。
日本数学会賞 秋季賞
優れた研究を行った研究者、または研究グループに与えられる。年齢の制限はない。
日本数学会賞 建部賢弘特別賞、建部賢弘奨励賞
総称して建部賞ともいう。若手の数学者(特別賞は35歳以下,奨励賞は30歳以下)を対象にしており、特別賞は毎年3名程度、奨励賞は毎年5名程度に与えられる。
関孝和
数学の研究業績以外の功績によって数学の発展に寄与した個人・団体に与えられる。関孝和の出身地である藤岡市から副賞が贈られる。
出版賞
出版・著作により数学の研究・教育・普及に業績をあげた個人・団体に与えられる。2005年に新設された賞である。
弥永賞
弥永昌吉からの寄付金を基金として若手研究者に与えられていた賞。1987年に日本数学会賞が新設されたことにより、その春季賞に役目を譲った。

この他、分科会などにより与えられる賞として、幾何学賞代数学賞解析学賞がある。

理事長

調査

  • 大学生数学基本調査[3] - 2011年4~7月、国公立私立48大学の新入生中心の約6000人に、小中高校で学んだ統計や台数、解析など数学5分野から基礎学力を問う試験を実施。この調査により、数学の基礎学力や論理的思考力が十分身についていないことが明らかになった。(例えば、大学生の24%が、小学6年で習う「平均」の考え方を問う問題を間違えた。)[4]

脚注

  1. 日本数学会・歴代理事長一覧”. 日本数学会. . 2017-2-21閲覧.
  2. 一般社団法人日本数学会発足のお知らせ”. 日本数学会. . 2017-4-27閲覧.
  3. 日本数学会・「大学生数学基本調査」に基づく数学教育への提言”. 日本数学会. . 2017-4-27閲覧.
  4. 数学の基礎学力不足 毎日新聞2012年2月25日 1面

関連項目

外部リンク