春画

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春画(しゅんが)

人間の性的な交わりを描いた日本の肉筆画(肉筆浮世絵),版画版本などの総称。枕絵,笑絵などともいう。起源は平安時代までさかのぼり,中国から伝わった医学書である房中書(房中術)の図解に見られる。その後,日本の春画は独自の発展をするが,早い時期は貴族,僧侶,武家など身分の高い人々の間で享受されていた。その頃は肉筆が中心で,一点ものなので高価だったが,江戸時代になると木版技術の発達により,浮世絵版画の春画が廉価で数多く流通し,庶民層へと一気に広がった。描いた絵師も鈴木春信鳥居清長喜多川歌麿葛飾北斎歌川国貞など,著名な浮世絵師はみな,春画を手がけていた。春画は単に好色な男性のためのものではなく,多くの老若男女が愛好した。その根底には「男女和合」の精神があり,性をおおらかに肯定する気分が横溢している。江戸時代の享保の改革寛政の改革天保の改革の三大改革の時に春画は禁制になるが,そのつど地下にもぐり制作が続けられた。非合法の出版物なので,かえって贅沢な画材を使い,彫摺も超絶技巧を駆使した豪華なものができた。明治以降は政府により猥褻物として徹底的に取り締まられ,研究や学問の世界からも締め出された。しかし,21世紀になってからロンドンの大英博物館や東京の美術館で特別展が開催され,大きな反響を呼んだ。本格的な文化・美術の一分野として正当に評価されつつある。



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