株価

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株価(かぶか、米:stock prices 英:share prices)

 株式につけられた価格。出来値ともいう。一般に上場銘柄の株式の価格であって、その株価は証券市場における需要と供給によって形成される。上場銘柄以外の株式(店頭有価証券)は取引所外売買によって価格が形成され、証券会社ごとに異なることが多いので、出来値とは区別される。株価は一般の商品と同じように基本的には需要と供給によって決まるが、株式は経済的にも法律的にも多くの要素をもっているから、株価の形成過程は非常に複雑で、その分析はきわめてむずかしい。これまで、株価の形成に関して、大別して理論的アプローチと実証的アプローチ(証券市場的アプローチ)が行われてきた。

 理論的アプローチとしては第一に理論株価があげられる。株式は株主権という法律上の各種権利が付与されており、もっとも基本的かつ具体的な権利としては果実所得(配当)が得られることである。そこで、不確定ではあるが、この果実所得を客観的には一般利子率で、主観的、実践的には期待利子率で資本還元したものが株価であり、これを理論株価とよんでいる。この場合、果実所得の中心である配当に対する予想、いいかえれば企業収益の変動に関する予測によって評価が変わってくること、さらに一般利子率や期待利子率の変動によっても株価の騰落が影響されるなど、株価の理論的な測定方法は簡単であっても、その実践的な評価測定となると、きわめて複雑多岐な問題が生じてくる。  ついで、証券市場分析方法による株価形成の理論があげられる。すなわち、株価は需要供給の市場心理説とよばれる法則によって決定されるとする説で、需給関係を動かす要因として、まず市場の人気をあげ、副次的要因としては、(1)利子率、(2)政治経済の変化、(3)企業収益、(4)景気変動、(5)国内企業の労働事情、(6)国民経済の推移、(7)人口問題などの項目をあげている。

 以上のような考え方に対して、株式のもつ本質的な価値にその評価の基盤を求める証券分析論がある。証券市場的アプローチでは、多くの株価形成の影響要因をあげているが、それらはまったく過去の関係をもって将来への波及効果を予測しているため、この方法には科学性が乏しいとする指摘がある。そこで、証券分析論に基づく株価論は、企業の収益力を中心に、経済界の今後の推移を予測したうえで、企業の財務分析によって株価を決定しようとするものである。このほか、成長株価論がある。これは、配当が企業の唯一の株価決定要素とみるには、配当が企業の配当政策によってきわめて恣意(しい)的になりがちであり、また表面的配当のみをもって判断することは当を得ないとして、企業収益重視の立場から出されてきたものである。すなわち、株価収益倍数の考え方がそれである。これは、株式市価と1株当りの企業収益との関係から構成され、両者の比率から個々の株価を算定する。その場合、今後の予想収益の測定、1株当りの利益の成長の予測が重要になってくるのはいうまでもない。このほか、確率論の考え方に基づいて株価を予測しようとするランダム仮説などがある。

 以上のように、株価は多くの要因によって変動するので、その予測はきわめて困難であるが、実際に株価がその会社の業績や全体の株価水準からみて適当かどうかを判断するために、日本では株式利回り、アメリカでは株価収益率が用いられる。利回りは、年間の配当金を株価で割ったもので、会社の配当力や投資資金の効率性をみるうえでは適しているが、会社の収益力や成長性などについての考慮はまったく払われていない。これに対して株価収益率は、株価を1株当りの税引き利益で割ったもので、利回りよりも企業の実力が反映されていることから合理的に株価の評価ができるとされ、近年日本でも利用度が高い。なお一部では、過去の株価の動きをグラフ化した罫線(けいせん)が用いられている。これら個々の株価の評価とは別に、株式市場全体の動向をみるためには、平均株価(日経平均株価など)や株価指数(東証株価指数など)が利用される。



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