沙流川

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沙流川(さるがわ)は、北海道日高振興局管内を流れ太平洋に注ぐ一級河川。沙流川水系の本流である。2004年には国土交通省が行っている全国一級河川の水質調査で1位に選ばれている。

地理

北海道沙流郡日高町北東部の上川郡清水町との境界にある日高山脈北部の熊見山(標高1,175m)に源を発し南西に流れる。二風谷ダムを経由して、日高町字富浜と日高町富川南の境界から太平洋に注ぐ。

上流部は切り立った渓谷で、中流は河岸段丘、下流部は扇状地となっている。中流に最大のアイヌ集落である平取(びらとり)コタンがある。

源流域の日勝峠付近は、北海道における冷温帯上部の代表的森林として、1970年(昭和45年)12月4日に沙流川源流原始林の名称で、国の天然記念物天然保護区域)に指定されている。

地名由来

沙流川の名は、アイヌ語のサラ:Sar=葭原(よしはら)に由来。原名をシシリムカ:Sisirimukaと呼ばれるが、これは、「満潮毎に集まる砂が多くて、その河口がふさがって高台になっている」という意味である[1]

先住民族アイヌの神揺「カムィユカラ」(Kamui Yukara)には、英雄神オキクルミの妹が謠う謠の中に「シシリムカ アコロコタン」(Shishirimuka a=kor kotan : シシリムカなるわがふるさとの)という節があり、シシリムカという川の呼び名が、アイヌの神々が沙流川を指して呼ぶときの呼び名で、またそこがアイヌの神々の故郷(先住民にとっての神域)であることを示している[2]

流域の自治体

北海道
沙流郡日高町平取町日高町(富川)

治水および利水

中流域には日高電源一貫開発計画[3]の中心河川としてほくでんエコエナジーにより出力3,000kW二風谷ダムが建設され、電力供給と洪水調節が行われている。

災害史

有史以来、以下の水害記録が残る[4]

主要ダム

一次
支川名
(本川)
二次
支川名
三次
支川名
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m3)
型式 事業者 備考
沙流川 ウエンザル川 奥沙流ダム 30.0 530 重力式 北海道電力
沙流川 岩知志ダム 33.0 5,040 重力式 北海道電力
沙流川 額平川 宿主別川 平取ダム 56.5 45,800 重力式 北海道開発局
沙流川 二風谷ダム 32.0 27,100 重力式 北海道開発局
  • 備考:黄欄は建設中もしくは計画中のダム(2012年現在)。

支流

括弧内は流域の自治体

主な橋梁

  • 嶺雲大橋 - 国道274号
  • 清流橋 - 国道274号
  • 中の沢橋 - 国道274号
  • 新岩魚橋 - 国道274号
  • 清瀬橋 - 国道274号
  • 岩瀬橋 - 国道274号
  • 日栄橋 - 国道274号
  • 大颱橋 - 国道274号
  • 千呂露橋 - 国道274号
  • 岩石橋
  • 右左府橋 - 北海道道847号三岩日高線
  • 三岡橋 - 北海道道847号三岩日高線
  • 日高大橋 - 国道237号
  • 三岩橋 - 国道237号
  • 黄金橋
  • 景勝橋 - 国道237号
  • 竜門橋 - 国道237号
  • 幌去橋 - 国道237号
  • 振内橋 - 国道237号
  • 池売橋 - 北海道道797号貫気別振内線
  • 幌毛志橋
  • 長知内橋 - 国道237号
  • 平取橋
  • 新平取大橋 - 国道237号
  • 荷菜大橋
  • 沙流川橋 - 国道235号

関連項目


脚注

  1. 水管理・国土保全局 (2016年). “沙流川の歴史” (jp). 北海道地方の河川情報. 国土交通省. . 2017閲覧.
  2. 京助, 金田一 『アイヌ聖典』 世界文庫刊行會、1923-01-15。「沙流川の古名なりといひ、アイヌ間にはこの川の名 Sar pet なれど、神々の方で呼ぶ名はShishirimuka なりといふ。」 ※引用部はカムィユカラを記録した金田一京助が「シシリムカ」というアイヌ語につけた注釈。
  3. 日高電源一貫開発 新エネルギー財団
  4. 竹内裕希子「2003 年 8 月台風 10 号による北海道日高地方の水害 -沙流川・鵡川の場合」防災科学技術研究所主要災害調査 第39号 2006年1月 20頁
  5. 日勝峠、来秋にも開通へ 復旧工法に見通しWEBみんぽう(2016年11月30日)2016年12月4日閲覧

出典・外部リンク



テンプレート:日高山脈の河川