盛岡市

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盛岡市(もりおかし)は岩手県県庁所在地中核市に指定されている。

Contents

概要

ファイル:Morioka-shigai.JPG
盛岡市の岩山から市街地を展望

平安時代桓武天皇の命により志波城が置かれ、律令制下となる。安土桃山時代に勢力を広げた南部氏盛岡城を築いて以後、城下町として発達。明治以後は岩手県の県庁所在地となる。

地理

ファイル:Iwatesan.JPG
盛岡市内から望む岩手山

岩手県の内陸部、北上盆地のほぼ中央部に位置し、市内中心部で主流北上川雫石川中津川が合流する。中心市街地からは奥羽山脈に属する岩手山(北西)、駒ケ岳(西)北上高地に属する早池峰山(東)のほか、独立峰の姫神山(北)、南昌山東根山(南)などを望み、これらは市域の内外にありながら総じて街のランドマークとなっている。市域面積は東京23区の約1.4倍に相当し、豊かな自然環境に恵まれ美しい景観を形成している。

広袤(こうぼう)

国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、盛岡市の面積は886.47平方キロメートルである[1]

国土地理院によると盛岡市の東西南北それぞれの端は以下の位置[2][3]。東端は早坂峠の南南東約4.2キロメートル (km) 、西端は御所湖畔、南端は毛無森、北端は送仙山である。 [4]

盛岡市の広袤
  北端
東経141度9分52.9秒北緯39.93028度 東経141.164694度39.93028; 141.164694 (盛岡市最北端)
人口重心
東経141度08分45.27秒北緯39.7097306度 東経141.1459083度39.7097306; 141.1459083 (盛岡市人口重心)
西端
東経140度59分43秒北緯39.66556度 東経140.99528度39.66556; 140.99528 (盛岡市最西端)
市役所
東経141度9分15秒北緯39.70194度 東経141.15417度39.70194; 141.15417 (盛岡市役所)
東端
東経141度31分39秒北緯39.8125度 東経141.5275度39.8125; 141.5275 (盛岡市最東端)
 
南端
東経141度25分11秒北緯39.56389度 東経141.41972度39.56389; 141.41972 (盛岡市最南端)
 

人口

市勢
盛岡市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

気候

全般に北上盆地の中に位置するため内陸性気候であり、盛岡地方気象台の過去最高気温は37.2℃(1924年7月12日)、過去最低気温は-20.6℃(1945年1月26日)となり、夏と冬、昼と夜とで寒暖差が大きい。市内にある気象庁による観測地点は、中心部にある官署の盛岡地方気象台、市北部の玉山区にあるアメダスの好摩と藪川の計3か所設置されている。ケッペンの気候区分によると、盛岡中心街から南部の北上盆地温暖湿潤気候、一方市の北部の滝沢市に隣接する地区や北上盆地周辺の標高の高い地域などは亜寒帯湿潤気候に属する。

藪川(盛岡市)
雨温図説明
123456789101112
 
 
62
 
-2
-14
 
 
49
 
-2
-14
 
 
84
 
2
-9
 
 
95
 
10
-2
 
 
113
 
16
3
 
 
109
 
20
9
 
 
200
 
23
14
 
 
185
 
24
15
 
 
166
 
20
10
 
 
111
 
14
2
 
 
114
 
7
-4
 
 
88
 
1
-9
気温(°C
総降水量(mm)
出典:気象庁 藪川(盛岡市) 平年値(年・月ごとの値)

盛岡市街地(盛岡地方気象台)の気候は次の通りである。本州の中では最も年平均気温の低い県庁所在地であり、の開花は東京に1か月程度遅れ、満開時期がゴールデンウィークに重なる傾向がある。なお、1970年代(1941~1970年平均値)まで使われていた盛岡地方気象台の最寒月(1月)の平均気温は-3.0℃であり、亜寒帯湿潤気候に属していた。

夏季は、真夏日となる日もみられるものの[5]やませの影響を強く受ける[6] 年があるほか、フェーン現象が発生することもあるため、年によって夏日は41 - 94日、真夏日も1 - 48日と変動する。熱帯夜となることは稀(1931年 - 2012年の82年間で1994年平成6年)8月11日[7]1999年平成11年)8月6日[8]2012年平成24年)9月18日[9]2014年平成26年)8月6日[10]4夜のみ[11])であるため、朝晩は特に過ごしやすい。

冬季は、本州の県庁所在地では最も寒いとされ、30年平均(1976年 - 2005年)で冬日が124.6日(97 - 147日)、真冬日が16.6日(1 - 40日)となっている。年間平均降雪量は以下の都市別比較表にある1971~2000年平年値の351cmより大幅に減少し272cm、過去最深積雪は81cm( 1938年2月19日) 程度と、毎年必ず積もるとはいえ雪は極端に多くはない一方で、冬季の日照時間が長いために、よく晴れた深夜・早朝に放射冷却現象が起き路面が凍結し、雪害以上の課題となっている。ただし、近年、盛岡市中心部は年々冷え込みが弱くなり、マイナス10度以下まで冷え込むことは少なく、盛岡地方気象台(標高155.2m)の1月の平均気温の-1.9℃は1970年代の-3.0℃と比べると1.1℃も上昇した。しかし、郊外は氷点下15度を下回る気温も観測されるなど朝晩の冷え込みは非常に厳しく、市北部のアメダス好摩(標高205m)では1月の平均気温が-3.1℃、平均最低気温は-8.1℃になる他、隣接する雫石町(標高195m)では2018年2月2日に-20.8℃、南部の紫波町のアメダス(標高125m)でも2013年1月18日には-16.9℃まで下がっているなど、中心部と郊外では朝晩は夏季よりも年々気温差が大きくなる傾向にある。

藪川の寒冷な気候

市北東部の藪川は観測点の標高が680mとアメダス観測点の中で取り立てて高いほうではないが、周囲を山に囲まれ岩洞湖に冷気がたまりやすいという地理的条件のため、非常に寒冷な土地である。2月の平均最低気温は-13.8度と、標高1200m台の群馬県草津や長野県菅平アメダスをも下回り、本州の全てのアメダスで最も低い。放射冷却によって零下20℃を下回ることも珍しくないほか、岩手県宮古市区界、岐阜県高山市六厩、長野県上田市菅平長野県南牧村野辺山 と並んで、初秋や晩春にも氷点下の厳しい冷え込みを観測することがあり、本州で最も寒冷な土地の一つとされる。現在のアメダス地点(標高680m)とは違う場所で、非公式(アメダス以前の気象観測所のため非公式扱いとされる)ながら1945年1月26日には-35℃[12][13] という北海道内陸部並みの冷え込みを記録している。寒冷な気候を生かして蕎麦の栽培が行われ、藪川そばという特産品となっている。

  • 最高気温極値(1976/11 - )31.5℃(2007年8月14日)
  • 最低気温極値(1976/11 - )-27.6℃(1988年2月17日)[14]
盛岡地方気象台(1981-2010)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 13.2(55.8) 14.4(57.9) 20.9(69.6) 28.1(82.6) 32.9(91.2) 33.7(92.7) 37.2(99) 36.6(97.9) 33.8(92.8) 27.5(81.5) 21.3(70.3) 17.9(64.2) 37.2(99)
平均最高気温 °C (°F) 1.8(35.2) 2.9(37.2) 7.0(44.6) 14.4(57.9) 19.7(67.5) 23.5(74.3) 26.4(79.5) 28.3(82.9) 23.6(74.5) 17.6(63.7) 10.6(51.1) 4.6(40.3) 15.0(59)
日平均気温 °C (°F) -1.9(28.6) -1.2(29.8) 2.2(36) 8.6(47.5) 14.0(57.2) 18.3(64.9) 21.8(71.2) 23.4(74.1) 18.7(65.7) 12.1(53.8) 5.9(42.6) 1.0(33.8) 10.2(50.4)
平均最低気温 °C (°F) -5.6(21.9) -5.2(22.6) -2.2(28) 3.0(37.4) 8.5(47.3) 13.8(56.8) 18.1(64.6) 19.6(67.3) 14.6(58.3) 7.3(45.1) 1.5(34.7) -2.4(27.7) 5.9(42.6)
最低気温記録 °C (°F) -20.6(-5.1) -17.7(0.1) -17.1(1.2) -7.8(18) -2.0(28.4) 1.3(34.3) 4.3(39.7) 7.4(45.3) 2.5(36.5) -3.4(25.9) -8.6(16.5) -17.7(0.1) -20.6(-5.1)
降水量 mm (inches) 53.1(2.091) 48.7(1.917) 80.5(3.169) 87.5(3.445) 102.7(4.043) 110.1(4.335) 185.5(7.303) 183.8(7.236) 160.3(6.311) 93.0(3.661) 90.2(3.551) 70.8(2.787) 1,266.0(49.843)
降雪量 cm (inches) 85(33.5) 74(29.1) 46(18.1) 4(1.6) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 10(3.9) 53(20.9) 272(107.1)
日照時間 116.9 127.5 160.4 173.7 185.4 154.7 128.5 149.1 123.7 145.8 116.9 101.6 1,684.1
出典: 気象庁[15]
盛岡(盛岡地方気象台・1961 - 1990年平均)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 1.4(34.5) 2.3(36.1) 6.4(43.5) 14.2(57.6) 20.1(68.2) 23.2(73.8) 26.4(79.5) 28.1(82.6) 23.1(73.6) 17.2(63) 10.6(51.1) 4.4(39.9) 14.8(58.6)
日平均気温 °C (°F) -2.5(27.5) -1.9(28.6) 1.5(34.7) 8.4(47.1) 13.9(57) 18.0(64.4) 21.7(71.1) 23.2(73.8) 18.1(64.6) 11.4(52.5) 5.6(42.1) 0.5(32.9) 9.8(49.6)
平均最低気温 °C (°F) -6.5(20.3) -6.1(21) -2.8(27) 2.8(37) 7.9(46.2) 13.4(56.1) 17.8(64) 19.2(66.6) 13.8(56.8) 6.3(43.3) 1.1(34) -3.1(26.4) 5.3(41.5)
出典: 理科年表
好摩 (1981-2010)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 12.9(55.2) 12.8(55) 19.2(66.6) 29.4(84.9) 31.6(88.9) 32.2(90) 36.0(96.8) 35.3(95.5) 32.7(90.9) 27.0(80.6) 21.0(69.8) 15.7(60.3) 36.0(96.8)
平均最高気温 °C (°F) 1.2(34.2) 2.1(35.8) 6.1(43) 13.9(57) 19.2(66.6) 23.0(73.4) 25.8(78.4) 27.6(81.7) 23.1(73.6) 17.2(63) 10.2(50.4) 4.0(39.2) 14.4(57.9)
日平均気温 °C (°F) -3.1(26.4) -2.5(27.5) 1.3(34.3) 7.9(46.2) 13.5(56.3) 17.8(64) 21.2(70.2) 22.6(72.7) 17.8(64) 11.2(52.2) 5.1(41.2) 0.0(32) 9.4(48.9)
平均最低気温 °C (°F) -8.1(17.4) -7.8(18) -3.6(25.5) 1.8(35.2) 7.7(45.9) 13.0(55.4) 17.4(63.3) 18.7(65.7) 13.3(55.9) 5.6(42.1) 0.1(32.2) -4.1(24.6) 4.5(40.1)
最低気温記録 °C (°F) -21.6(-6.9) -21.3(-6.3) -16.3(2.7) -9.6(14.7) -2.3(27.9) 1.8(35.2) 7.9(46.2) 7.7(45.9) 1.5(34.7) -4.2(24.4) -9.5(14.9) -18.6(-1.5) -21.6(-6.9)
降水量 mm (inches) 37.0(1.457) 35.6(1.402) 67.4(2.654) 77.4(3.047) 91.5(3.602) 101.6(4) 176.3(6.941) 165.4(6.512) 157.0(6.181) 88.2(3.472) 86.4(3.402) 62.3(2.453) 1,145.9(45.114)
出典: 気象庁[16]
藪川 (1981-2010)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 7.7(45.9) 12.6(54.7) 13.7(56.7) 24.8(76.6) 27.9(82.2) 28.9(84) 30.9(87.6) 31.5(88.7) 29.2(84.6) 23.4(74.1) 19.4(66.9) 12.9(55.2) 31.5(88.7)
平均最高気温 °C (°F) -2.4(27.7) -1.7(28.9) 2.0(35.6) 10.0(50) 16.0(60.8) 19.8(67.6) 22.8(73) 24.4(75.9) 19.8(67.6) 13.8(56.8) 6.9(44.4) 0.6(33.1) 11.0(51.8)
日平均気温 °C (°F) -6.9(19.6) -6.5(20.3) -2.6(27.3) 4.3(39.7) 9.9(49.8) 14.5(58.1) 18.3(64.9) 19.6(67.3) 14.8(58.6) 8.0(46.4) 2.0(35.6) -3.3(26.1) 6.0(42.8)
平均最低気温 °C (°F) -13.7(7.3) -13.8(7.2) -9.1(15.6) -2.2(28) 3.0(37.4) 8.8(47.8) 14.1(57.4) 15.1(59.2) 9.6(49.3) 1.8(35.2) -3.8(25.2) -8.8(16.2) 0.1(32.2)
最低気温記録 °C (°F) -26.6(-15.9) -27.6(-17.7) -24.8(-12.6) -15.5(4.1) -7.5(18.5) -2.4(27.7) 3.1(37.6) 3.1(37.6) -1.6(29.1) -8.1(17.4) -14.8(5.4) -24.3(-11.7) -27.6(-17.7)
降水量 mm (inches) 62.3(2.453) 48.9(1.925) 83.9(3.303) 95.2(3.748) 113.0(4.449) 109.1(4.295) 199.7(7.862) 184.6(7.268) 165.7(6.524) 110.7(4.358) 114.3(4.5) 87.8(3.457) 1,366.6(53.803)
出典: 気象庁[17]
都市 降雪量累計 最深積雪 最寒月気温 都市 降雪量累計 最深積雪 最寒月気温
旭川 743 cm 94 cm -7.5°C 東京 11 cm 6 cm 6.1°C
札幌 597 cm 100 cm -3.6°C 富山 383 cm 62 cm 2.7°C
函館 381 cm 45 cm -2.6°C 金沢 281 cm 44 cm 3.8°C
青森 669 cm 111 cm -1.2°C 福井 286 cm 55 cm 3.0°C
秋田 377 cm 38 cm 0.1°C 名古屋 16 cm 8 cm 4.5°C
山形 426 cm 50 cm -0.4°C 岐阜 47 cm 17 cm 4.4°C
盛岡 272 cm 39 cm -1.9°C 彦根 104 cm 26 cm 3.7°C
仙台 71 cm 17 cm 1.6°C 京都 19 cm 6 cm 4.6°C
石巻 54 cm 17 cm 0.7°C 大阪 3 cm 2 cm 6.0°C
福島 189 cm 25 cm 1.6°C 鳥取 214 cm 46 cm 4.0°C
新潟 217 cm 36 cm 2.8°C 松江 89 cm 20 cm 4.3°C
高田 635 cm 122 cm 2.5°C 広島 12 cm 6 cm 5.2°C
長野 263 cm 31 cm -0.6°C 福岡 4 cm 3 cm 6.6°C
NYCp 57 cm - cm -0.6°C シカゴ 97 cm - cm -5.6°C
降雪量累計気象庁の統計データ でいう「降雪の深さ合計」のこと。日ごとの降雪量を積算(平年値)
最深積雪:一度に降る最も多い積雪量(平年値)
最寒月気温:1月の平均気温(平年値)
(参考):アメリカ合衆国ニューヨーク市 (NYC) とシカゴ市を併記(数値は National Weather Service による)。

隣接地

名称とシンボル

  • 「幾春も華の恵みの露やこれ 宝の珠の山」

「盛岡」の名は、1691年に、当時の藩主南部重信と、盛岡城鬼門鎮護の寺院として置かれた真言宗豊山派永福寺第42世・清珊法印との間で交わされた連歌に由来する瑞祥地名である。「盛り上がり栄える岡」の意味を持つとされ、のちに藩名も「南部」から「盛岡」へと改められた。版籍奉還直後は一時「盛岡県」が存在したが、盛岡城の存在した旧郡の名にちなみ岩手県へ改められたと言われている(諸説あり)。現代では一般的呼称ではないが、中世には「盛府」とも記された。

盛岡市中心部は、かつての「巖手郡仁王郷不来方」に相当し、不来方(こずかた)または「古志方(こじかた)」と呼ばれていたと考えられている。盛岡はこれに代わる「美名」として名付けられたが、今日ではむしろ「不来方」が雅称として用いられる傾向にある。また、「杜陵」「杜稜」と書いて「もりおか」あるいは「とりょう」と読み[18]、雅号とすることもある。盛岡市出身の石川啄木は、その作品の中で「美しい追憶の都」、盛岡市ゆかりの宮沢賢治エスペラント風に「モリーオ市」と記した。「みちのく小京都」とも称される。

「盛岡」を連想させるものとして、市内のあらゆる地域から望まれる岩手山が多くの学校の校歌に謳われるほか、市の中心部で合流する中津川北上川雫石川の三大河川、国の史跡に指定されている盛岡城石垣、国の天然記念物に指定されている石割桜、国の重要美術品の上ノ橋擬宝珠、旧盛岡藩主南部氏の家紋「向鶴(双鶴)」「武田菱」が、盛岡を表す端的なモチーフとして用いられることが多い。

歴史

ファイル:171103 Morioka Castle Morioka Iwate pref Japan20s3.jpg
岩手公園(国の史跡・盛岡城跡)

平安時代の延暦年間、征夷大将軍坂上田村麻呂により志波城が築かれた。続いて豪族安倍氏により「厨川柵嫗戸柵」が置かれて事実上の自治を果たすが、安倍氏が源氏からの侵攻を受けると、代わって出羽国から清原氏が進出した(前九年の役)。清原氏が内紛で滅亡すると(後三年の役)、現在の盛岡市(当時の岩手郡・斯波郡)は平泉を拠点とする藤原清衡ら(奥州藤原氏)の勢力圏となる。平泉源頼朝に攻略され再び源氏が統治すると(鎌倉幕府の成立)、「厨川城」を拠点に御家人「奥州工藤氏」が治め、のちに岩手郡は北条氏・斯波郡は足利氏の影響下に置かれる。南北朝時代には両統が割拠する中、甲斐源氏を祖とする南部氏が三戸からの南進を果たす。工藤氏らを配下として岩手郡を領有、南部氏家臣福士氏が「不来方城(慶善館・淡路館)」を置く。南部氏斯波氏を滅ぼし「斯波郡(紫波郡)」を領有すると不来方城を礎に盛岡城を築き、城下町を整備。これが盛岡の現代に至る始まりである。盛岡藩(旧南部藩)は盛岡県を経て岩手県となり、盛岡市はその県庁所在地となる。紫波・岩手両郡の中核となり、古代以来の統治拠点「志波城」「厨川城」「盛岡城」を包含する地域として、現在の盛岡市が形成される。

ギャラリー

中津川  
開運橋より岩手山を望む  
盛岡地方裁判所敷地内の石割桜  
盛岡城跡(岩手公園)  
盛岡中央公民館の日本庭園  
さんさ踊り  
さんさ踊り  

行政

※ 歴代市長については「盛岡市長」を参照。
※ 盛岡市役所の行政組織については「盛岡市役所」を参照。
  • 盛岡市長 谷藤裕明(たにふじ ひろあき 第19代 当選3回)。
    • 副市長 藤尾善一(ふじお ぜんいち)
    • 副市長 佐藤光彦(さとう みつひこ)

テンプレート:盛岡市長

ファイル:Flag of Morioka, Iwate.svg
盛岡市章は、城下町盛岡を開いた南部氏の紋章「菱」を交差させたものに由来。「違菱(たがいびし)」と呼ばれる。一説には、後に南部氏の表紋となる「向鶴(むかいづる)」の鶴、折鶴を表現しているともいう。

ナンバープレート

盛岡市はこれまで「岩手」ナンバー(岩手運輸支局)が割り当てられていた。

岩手ナンバー割り当て地域(~2014年11月16日)
  • 岩手県内全域
盛岡ナンバー割り当て地域(2014年11月17日~)

おもな行政課題

財政再建
都市基盤の整備

耐震性に問題のある市庁舎の問題に加えて、火葬場や下水道改修問題(合流式下水道問題)など、高度経済成長期に整備した社会資本を更新する必要に迫られている。

渋滞問題

盛岡は、市街地は小さく狭い市街地の至るところ中心部にまで道幅狭い細路地があり、交通渋滞が慢性化している。市は、マイカー利用を抑える対策としてバス利用の促進を図る。

都市外交

国際姉妹都市

予算規模

行政区域の変遷

議会

選挙は統一地方選挙として実施。

会派名 議員数 備考
盛友会 17
日本共産党盛岡市議会議員団 5 日本共産党
創盛会 5
市民連合 4
絆の会 4
公明党 2 公明党
無所属 1
欠員 0
定数 38


国政・県政

岩手県議会(盛岡市選出)

  • 定数:10名
  • 任期:2015年(平成27年)10月2日~2019年(平成31年)10月1日
議員名 会派名 備考
千葉絢子 岩手県民クラブ
小西和子 社民党
斉藤信 日本共産党
吉田敬子 無所属
髙橋但馬 改革岩手 党籍は国民民主党
福井せいじ 自由民主クラブ
樋下正信 自由民主クラブ
小野寺好 公明党
軽石義則 改革岩手 党籍は国民民主党
佐々木博 改革岩手 党籍は生活の党

衆議院

選挙区 議員名 党派名 当選回数 備考
岩手県第1区(盛岡市、紫波郡 階猛 国民民主党 5 選挙区
高橋比奈子 自由民主党 3 比例復活

経済

伝統産業

業務・流通

地域別の平均所得ランキングでは、当市は1人当たりの所得が332万円である[19]。また、年間商品販売額は約1兆3559億円(2004年)である。高度経済成長期には、仙台市広域中心都市として、盛岡市は岩手県域中心都市としての地位を確立した。高度経済成長後は、東北新幹線開業(1982年)、東北自動車道全通(1987年)、八戸自動車道接続(1989年)など、1980年代に高速交通インフラが一気に整備された。秋田新幹線開通や東北新幹線新青森駅延伸など高速交通インフラが更に拡充された。

商業地

近年、地方部の中心市街地における商店街は、小売の多くが郊外型大規模小売店舗に代わる傾向が見られ[20]、中心市街地の路線価が下がりつづけており、盛岡市中心部でもピーク時1992年の3分の1以下まで下落した。中心商店街は小売店の入れ替わりが激しい。物販の郊外化と中心部の賃料の低廉化から、中心部における物販の衰退が一層進んでいる。

消費動向

総務省家計費調査によると、世帯あたりの豆腐の消費量が全国の県庁所在都市で第一位[21]。物販の郊外化および流通の寡占化によって商品の多様性は以前と比べて低下しており、ファッション関連品目などの高級品を中心に多様性の維持・拡充が続く仙台市東京への流出が顕著である。

小売店

主な百貨店、商業施設

  • フェザン(盛岡駅ビル)
  • 川徳(百貨店:パルクアベニューカワトク、郊外型複合店舗:アネックスカワトク)
  • ななっく(百貨店)
  • サンビル(岩手産業会館ビル)
  • MOSSビル
  • クロステラス盛岡
  • 盛岡南ショッピングセンター サンサ(核店舗:ユニバース盛岡南店)
  • ショッピングコートみたけ(核店舗:マルイチみたけ店)
  • マイヤグランタウン(核店舗:マイヤ仙北店)
  • B.H.Aoyama Town(核店舗:ビッグハウス青山店)
  • アスライフ(核店舗:ユニバース青山店)
  • アクロスプラザ盛南(核店舗:ジョイス盛岡西バイパス店)

スーパーマーケット

トライアル(市内2店舗)

アークスグループ

マルイチ

  • マルイチ(市内9店舗)

いわて生活協同組合(市内5店舗)

マイヤ(市内2店舗)

エーコープ北東北

その他

  • たもり 乙部店
  • 大善ストア 東仙北店
  • スーパーかわてつ(川鉄商店)
  • じゃんまる 津志田店
  • 好摩ショッピングプラザたますえ

家電量販店

ホームセンター

書籍・CD・DVD・文具

盛岡市に拠点を置く主要企業

本社を置く企業
出先を盛岡市に置く企業

盛岡に工場・事業所のある企業

盛岡市の金融機関
本店・本所を置くもの
支店・支所・有人出張所を置くもの

郵便

郵便局

  • 盛岡中央郵便局(〒020-8799 集配局。盛岡市内は〒020-00xx・020-02xx・020-03xx・020-08xx地域を管轄)
  • 盛岡北郵便局(〒020-0199 集配局。〒020-01xx・020-06xx・020-07xx地域を管轄[34]滝沢市全域を含む)。
  • 乙部郵便局(〒020-0499 集配局。〒020-04xx地域を管轄)
  • 好摩郵便局(〒028-4199 集配局。玉山区の一部→〒028-41xx地域を管轄)
  • 藪川郵便局(〒028-2799 集配局。玉山区藪川地区→〒028-27xx地域を管轄)
  • 盛岡米内郵便局
  • 盛岡山岸郵便局
  • 盛岡三ツ割郵便局
  • 盛岡本町郵便局
  • 盛岡内丸郵便局
  • 岩手県庁内郵便局
  • 盛岡大通郵便局
  • 盛岡夕顔瀬郵便局
  • 盛岡駅前郵便局
  • 盛岡マリオス郵便局
  • 盛岡太田郵便局
  • 繋温泉郵便局
  • 盛岡材木町郵便局
  • 盛岡上田郵便局
  • 盛岡サンタウン郵便局
  • 盛岡松園郵便局
  • 盛岡高松郵便局
  • 盛岡緑が丘郵便局
  • 盛岡月が丘郵便局
  • 盛岡北厨川郵便局
  • 盛岡厨川郵便局
  • 盛岡上堂郵便局
  • 盛岡前九年郵便局
  • 盛岡青山町郵便局
  • 盛岡中屋敷郵便局
  • 玉山郵便局
  • 簗川郵便局
  • 盛岡中野郵便局
  • 盛岡茶畑郵便局
  • 盛岡東安庭郵便局
  • 盛岡見前郵便局
  • 盛岡永井郵便局
  • 盛岡津志田郵便局
  • 盛岡飯岡郵便局
  • 盛岡仙北町郵便局
  • 盛岡向中野郵便局
  • 盛岡八幡郵便局
  • 盛岡南大通郵便局
  • 盛岡ホットライン肴町郵便局
  • 盛岡住吉郵便局
  • 盛岡加賀野郵便局
  • 渋民郵便局


簡易郵便局

  • 下太田簡易郵便局
  • 手代森簡易郵便局
  • 巻堀簡易郵便局


国の行政機関

地域

市内の各地域の特徴・町並み

昭文社発行の「都市地図シリーズ(1枚シートタイプ)」では盛岡市+紫波町・矢巾町・滝沢村を収録したタイプが「岩手県1」として発行されており、バリアフリー設備付き主要施設が書かれた「バリアフリー情報付き盛岡市中心部詳細マップ」付属(盛岡都心循環バス「でんでんむし」情報も掲載)。なおこのシリーズに雫石町と玉山区中心部(渋民・好摩地区)拡大図は非掲載である(「県別マップル3 岩手県道路地図」にも玉山区中心部と雫石町中心部の拡大図は非掲載。なお雫石町中心部&紫波町中心部拡大図は「スーパーマップル東北道路地図」に掲載されているが、玉山区中心部拡大図は非掲載)。

またゼンリン発行の盛岡市住宅地図は「盛岡市北部&滝沢村版」・「同・南部版」・「同・玉山区版」の3種類が発行されている。

中心部

中津川の北にあるため藩政時代より「河北」とも呼ばれるこの地域は、かつて「仁王郷」(南岩手郡仁王村)と称した。現在も当地では中津川、北上川、雫石川の三大河川が交差するが、安土桃山時代までは湿地帯で河川の氾濫が見られた。後にそれを自然の要塞とし盛岡築城が進められ、現在の盛岡市要部となった。幕末まで藩の重臣屋敷が立ち並んだ盛岡城内丸跡には、明治になって、県庁など官公庁施設や金融機関、マスコミ、医療機関などが集中する。慶長年間の盛岡開府に際しては、南部氏の旧城下町三戸から住人の移転が図られ「三戸町」が開かれたほか、京都からの移住した豪商の街「京町(本町)」、商人・職人町として「花屋町」、「材木町」などがある。大通・菜園地区は、城内の食膳に野菜を供するための「盛岡城御菜園」の名が住居表示に採用されたもので、近代には菜園競馬場、盛岡青果市場、盛岡農学校が置かれた。

東部

「河南」と呼ばれるこの地域は、かつては「中野郷」とも呼ばれた。「中ノ橋」たもとに藩の「高札場」が置かれ、近世に到っても「小野組」「盛岡銀行」「盛岡貯蓄銀行」「第九十国立銀行」「岩手銀行」が置かれ、商業街として発達した。八幡町(盛岡八幡宮の門前町)、江戸時代には舟運による物流拠点「新山河岸(現・明治橋際)」と最寄の「新穀町惣門」などを中心に賑わう。

北部

藩政時代に「上田通」に属したこの地域には、岩手県立博物館、盛岡市立図書館、岩手大学が連なる。かつては盛岡藩の宗教政策により、領内の重要寺院が集められ、北山寺院群が形発生。盛岡ドミニカン修道院、日本ハリストス正教会盛岡教会などの歴史あるキリスト教会も点在(上田・高松・山岸)する。奥州街道の面影を残す「一里塚」跡や、三陸海岸から城下へ塩を運ぶ「塩の道」と呼ばれる野田街道がある。

かつては競馬場があり、閑院宮載仁親王は、近隣の黄金清水に因んで「黄金競馬場」と命名。移転した現在の「盛岡競馬場」は、これに因んで「ORO PARK(黄金の公園)」を愛称とする。

西部

藩政時代に「厨川通」、近代には厨川村に属したこの地域は、平安時代に安倍氏、鎌倉時代に奥州工藤氏が拠点とした地域で、安倍館遺跡、里館遺跡、大館町遺跡、大新町遺跡などが幅広く存在する。厨川柵及び嫗戸柵の擬定地ともなっている。

盛岡駅の開通により、従来の舟運に替わって交流拠点となり、市街地と駅とを結ぶ開運橋が設けられた。

昭和初期まで「観武ヶ原練兵場」が知られ、陸軍予備士官学校が置かれたほか、近代化遺産として注目を集める煉瓦造の「覆馬場」など、往時の建造物が多く残されていたが、平成に入って急速に失われている。

戦後は「観武ヶ原開拓農協」が置かれ農地開拓が進んだが、1970年みちのく国体が開催された際、「岩手県営運動公園」が整備され、碁盤目状の住宅街が形成された。

南部

藩政時代に「飯岡通」「向中野通」に属したこの地域は、盛岡開府に先立って開削された「鹿妻穴堰」の水利によって穀倉地帯として知られた。

平安時代には、坂上田村麻呂によって志波城大宮神社などが開かれた地域で、台太郎遺跡に代表される竪穴式住居などの埋蔵文化財が多い。

「仙北町」は、江戸時代に秋田仙北地方から移住した人々によって生まれた町で、肥沃な土地を背景に「青物・種苗」を扱い、豪商が軒を連ねた。本宮地区には「平民宰相」で知られる「原敬」の生家がある。

旧玉山区

旧玉山村との合併に伴う地域自治区として、盛岡市の北部一帯に特例として「玉山区」が設定されていた(市町村の合併の特例等に関する法律第五条の五第1項を適用した「合併関係市町村の区域による地域自治区」、同法第五条の八の定める合併特例区ではない。設置期間は、2006年1月10日から2016年3月31日までの10年間[35])。石川啄木の生地「旧渋民村」を含む。

土地利用

城下町開府以来の区画が残されている。中心部は狭く道路も狭いので、交通渋滞が起こりやすい区画となっており、現在の市域の可住地に比して山林など宅地開発に不向きな地域の比率が高い。市街地東端に位置する河川である中津川の上流地区は山林が占める農村地域となりJR山田線大志田駅浅岸駅という秘境駅が存在する地区である。多くの都市を中心に開発が進むのと対照的に、盛岡市は盛岡城を中心に西へ中心市街地の範囲を広げていった。現在の中心市街地は、中津川・北上川・雫石川を跨ぐ盛岡バスセンター周辺 - 内丸・大通・菜園 - 盛岡駅周辺である。

  • 下水道普及率 83.4%(2007年度)[36]

市外局番

盛岡市の電話番号市外局番)は市内全域「019」である。かつては「0196」だったが、固定電話加入世帯の増加により番号不足が生じる恐れが出たため、桁ずらし(市外局番の末尾「6」を市内局番の最初に移す形)により旧「0196」地域(盛岡市・滝沢市岩手郡雫石町紫波郡紫波町矢巾町)は1996年10月1日より現在の「019」に変更され(市内局番の頭に「6」が冠される形となってい)た。その後、桁ずれで使用可能となった60X~61X番台が枯渇したため、90X~92Xの市内局番が割り当てられ、現在に至る。 電話帳は「岩手県中央版」としてタウンページハローページが別々に発行されており、県央版は盛岡都市圏の市町村(盛岡市・雫石町・滝沢村・紫波町・矢巾町・八幡平市・岩手町・葛巻町)を収録(以前は「岩手県北版」として二戸地域の自治体も収録されていたが、現在は二戸地区と分離発行)。「テレパル50」は盛岡市内全域版ではなく各地域毎(松園・玉山区・市内中心部等)に分けて発行されている。

管轄警察署および消防署

警察署

  • 盛岡東警察署(北上川以東および雫石川以南の地区=盛岡市のうち旧都南村域・ゆいとぴあ盛南地区北部および仙北地区・玉山区を管轄)
    • 見前幹部交番機動捜査隊庁舎併設)
    • 菜園交番
    • 中の橋交番
    • 本町交番
    • 北山交番
    • 上田交番
    • 加賀野交番
    • 仙北町交番
    • 松園交番
    • おおみや交番
    • 飯岡交番
    • 桜台駐在所
    • 浅岸駐在所
    • 簗川駐在所
    • 中野駐在所
    • 玉山駐在所
    • 渋民駐在所
    • 好摩駐在所
    • 乙部駐在所
  • 盛岡西警察署(北上川以西および雫石川以北の地区・繋・滝沢市岩手郡雫石町を管轄)
    • 盛岡駅前交番
    • 前九年交番
    • 三ツ家駐在所
    • みたけ駐在所
    • 厨川駐在所
過去に管轄していた警察署
  • 紫波警察署(2016年3月31日まで盛岡市の旧都南村域全域を管轄していた。2016年4月1日より盛岡東警察署が管轄している。)

消防

  • 盛岡地区消防本部
    • 盛岡中央消防署
      • 松園出張所
      • 上田出張所
      • 玉山分署
    • 盛岡西消防署
      • 城西出張所
      • 厨川出張所
    • 盛岡南消防署
      • 仙北出張所

教育

教育史

高等教育

大学

後期中等教育

初等教育

特別支援教育

盛岡市内には、知的障害に対応する小学部・中学部を有する特別支援学校は県立学校では所在せず、岩手大学教育学部附属特別支援学校のみとなっている(知的障害に対応する高等部を有する学校および他の4教育領域にそれぞれ対応する学校はすべて1校以上は所在する)。

2009年に、県立の特別支援学校全体で再編が実施され、従来の「盲学校」・「聾学校」・「養護学校」の名称が、これに併せて「支援学校」の名称に統一された。

情緒障害児短期治療施設としてことりさわ学園がある。

公立

交通

狭い市街地の渋滞緩和を図るため、路線バスの利用促進を図る。国からオムニバスタウンに指定されており、ゾーンバスシステムを軸に、路線バスの高度利用を進めている。

市中心部まで

市内を通る鉄道は、JR線と第3セクターIGRいわて銀河鉄道線である。盛岡 - 東京間は、最寄のいわて花巻空港花巻市)に東京便がないこと、空港から盛岡市までのアクセスの問題から、空路より東北新幹線が圧倒的に優位である。

市内路線バス

市内の公共輸送は、路線バスが主力。運行地域は市内のほぼ全域で、「支線バス」と「基幹バス」をバスセンターなどを通じて交通網を敷いている。

バス運行事業者

高速バス・特急バス

盛岡市以北の都市との間の高速バスは、東北新幹線に接続する路線として発達したが、東北新幹線が新青森駅まで延伸(2010年平成22年)12月4日)したことで利用客が大幅に減少している[38]。ただし「大館線」は大きな影響を受けていない。「仙台線」も東北新幹線と競合するが、新幹線の半額に運賃が設定されているため利用客は多い。

※2007年度の利用客数も付記 [1]

昼行便
夜行便

鉄道

道路

高速道路

地域高規格道路

一般国道

主要地方道

一般県道

市道

寺町通り
北山地区の中心を南北に通る幹線通りで、北は県沿岸北部へと通じるその道は、過去には国道455号の一部にも指定されていた[39]。1987年(昭和62年)8月10日に、旧建設省と「道の日」実行委員会により制定された「日本の道100選」に選ばれている[40]。沿道には報恩寺、龍谷寺、本誓寺などの寺院が数多くあり、市の環境保護地区「北山寺院群地区」に指定されている[39]。都市計画街路事業で古都盛岡のイメージを損なわず、落ち着いた環境にあった道づくりが行われ、長さ400メートル、幅16メートルの築地塀に囲まれた寺町として再整備され、石畳のような白い歩道、ナツツバキなどの街路樹はそのときに整備されたものである[39]


マスコミ

岩手県は、情報格差の解消が遅れた地域で、在盛TV局のうち、フジテレビ系列岩手めんこいテレビテレビ朝日系列岩手朝日テレビ平成期の開局である

新聞社

全国紙・広域紙
地方紙

放送局

県域放送

文化財

国の指定・登録等に係るものは、重要文化財が14件、重要美術品が5件、重要無形民俗文化財が1件、選択無形民俗文化財が1件、史跡が2件、天然記念物が3件(地域を定めず指定されたものを除く)、登録有形文化財が2箇所(9件)である。盛岡市教育委員会歴史文化課ウェブページ を参照(指定等の件数については数え方の違いがあり、必ずしも上述の件数と一致しない)。

文化施設

観光・文化・名産・施設・スポーツ

ファイル:171103 Iwate University Historical Museum for Agricultural Education Morioka Iwate pref Japan02s3.jpg
岩手大学農学部付属農業教育資料館(国の重要文化財)
ファイル:171102 Nanshoso Morioka Iwate pref Japan04s3.jpg
南昌荘庭園(国の登録記念物)

観光

平安時代以後の城柵・城館跡や、盛岡開府以来の城下町成立に伴う神社・仏閣がある。

祭事・催事

名産品・味覚

南部杜氏の本場である。海から遠い内陸部にある地理的条件などから寿司、海鮮料理の食文化が発達していない。「べんじぇもの(弁財物)」と呼ばれるこの地域独特な餅菓子類が多く見られ、この盛岡でよく食される特徴的な料理方法、食材、呼び方などは以下のとおりである。

郷土料理
  • ひっつみ:郷土料理としての「すいとん
  • わんこそば:椀を重ねて次々と盛る動作は、元来、客を満腹にしてもてなす意味合いがある。当地では、冠婚葬祭の膳で最後に蕎麦を供するのが慣わしである。
  • 芋の子汁:本来、盛岡の「津志田芋」を煮て作る。芋の子汁を味わう集いを「芋の子食い」という。
  • そばはっと(蕎麦法度)
菓子
  • 醤油だんごみたらし団子とは異なり、古い団子の製法によって作られ、醤油のみを使用する串団子。全国的に見て、盛岡市近辺にのみ作られている。
  • ゆべし:北陸・九州で知られる「柚子釜ゆべし」と異なる。
  • きりせんしょ:ゆべしと同一視されることがある。関東以南で知られる「きりせんしょ」同様、山椒を加えることが稀にある。
  • お茶餅:「うちわもち」とも。胡桃味噌を塗して焼いた餅。
  • 鎌焼:「鎌」の歯に見立てた呼び名。胡桃餡や味噌餡などを包む。「味噌っぱさみ」とも。生地が白の場合、シソの葉で巻くことがある。
  • 花饅頭うるち米餅米をまぜ、ふかして作った菓子。桃の節句に食する。
  • 黄精飴:江戸時代に方長老が漢方薬として伝えたという「黄精(アマドコロ)」を使った菓子。
  • 葡萄飴山葡萄の甘味を生かした餅菓子。
  • 豆銀糖:江戸時代の豆銀に見立てた青豆菓子。
  • からめ餅:盛岡藩の「金山からめ節」に因んだとも、携行食ともいわれる。
  • 南部煎餅小麦をベースに胡麻胡桃落花生などをあしらった焼菓子。
  • ぶぢょほ団子:黒蜜を包んだ一口餅。噛むと黒蜜が飛び出すため一口で食べねばならず、「不調法(行儀が悪いこと)」に見えることからその名が着いた。
  • 豆しとぎ枝豆で製する蒸し菓子。
  • 雁月(がんづき):小麦粉と胡桃・胡麻を混ぜ蒸した菓子。まぶした胡桃が月を渡る雁に見えることから。
  • へっちょこ団子:一口大の白玉団子をへこませて茹で、汁粉に入れて食す。「へっちょこ」とは、臍のこと。
  • 小麦餅:小麦粉を練って焼いた自家製菓子。
  • 蕎麦餅:蕎麦粉を練って焼いた自家製菓子。
  • 干し餅:餅を薄く切って乾燥させたもの。揚げたり湯に浸し崩して食べる。
  • 薄焼き:主に祭礼の出店で売られる、小麦粉を伸ばして焼いたクレープ状の菓子。
  • 盛岡駄菓子:元来、保存食として生まれ、祭事に用いられ子どもの菓子として定着した。石衣(兎玉)、青柳、丹切、茶玉、肉桂玉、薄荷糖(薄荷の香りのついた砂糖菓子[42])、生姜糖、焼酎糖、黄粉ねじり、ラッキョウ飴など。正月に限り、相撲力士を象った小麦菓子を売る習慣がある。
  • ロシアビスケット:ロシアから伝わった非常に硬い胡桃のビスケット。現在は盛岡市内正食普及会より販売。
食材の呼び方・食習慣
清酒銘柄
盛岡市内
盛岡市近郊
地ビール


スポーツチーム

盛岡を舞台とした作品

音楽
文学

盛岡市出身者

政財界・法曹界・学界

作家・芸術家・漫画家

俳優・芸能界・アナウンサー・スポーツ選手

盛岡市にゆかりのある有名人

この節には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字(「里見弴」の弴は弓偏に享)が含まれています(詳細)。

脚注

  1. 国土地理院. “全国都道府県市区町村別面積調”. . 2014/6/6閲覧.
  2. 日本の東西南北端点の経度緯度”. 国土地理院ホームページ. . 2014閲覧.
  3. 岩手県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系)”. 国土地理院ホームページ. . 2014閲覧.
  4. 我が国の人口重心 -平成22年国勢調査結果から-”. 総務省統計局ホームページ. . 2014閲覧.
  5. 30年平均(1976年 - 2005年)で夏日が68.6日、真夏日が17.7日ある。
  6. http://www.reigai.affrc.go.jp/zusetu/inasaku/jittai/nogyo.html
  7. http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=33&prec_ch=%8A%E2%8E%E8%8C%A7&block_no=47584&block_ch=%90%B7%89%AA&year=1994&month=8&day=11&elm=hourly&view= 気象庁・過去の気象データ検索・盛岡 1994年平成6年)8月11日・1時間ごとの値]
  8. 気象庁・過去の気象データ検索・盛岡 1999年平成11年)8月6日・1時間ごとの値
  9. 気象庁・過去の気象データ検索・盛岡 2012年平成24年)9月18日・1時間ごとの値
  10. 気象庁・過去の気象データ検索・盛岡 2014年平成26年)8月6日・1時間ごとの値
  11. 気象庁・過去の気象データ検索・盛岡 年ごとの値 各階級の日数(最低)・≧25℃の項目を参照
  12. 基礎2: 気温・地温と局地循環「近藤純正ホームページ」
  13. M29. 放射冷却「近藤純正ホームページ」
  14. 気象庁(藪川の観測史上1 - 10位の値
  15. 盛岡 19801-2010年”. 気象庁. . 2011閲覧.
  16. 好摩 19801-2010年”. 気象庁. . 2011閲覧.
  17. 藪川 19801-2010年”. 気象庁. . 2011閲覧.
  18. レファレンスコーナー (PDF)岩手県立図書館としょかん いわて No.164』 2008年10月発行)
  19. 毎日新聞集計、2005年平成17年)7月1日時点、全国2375市区町村
  20. 中心市街地の活性化について 岩手県商工労働観光部
  21. 平成18年度盛岡地区広域消費購買動向調査の結果【概要】 岩手県産業振興課 平成18年12月
  22. マルイチのフランチャイズ
  23. 城西店以外はマルイチ及び業務スーパーに併設。
  24. マルイチのフランチャイズベルジョイス運営の『ビッグハウス』とは異なる。
  25. 元は、旧東北ケーズ店舗・「盛岡本店」だが、運営主体がデンコードーへ移管されたことに伴い、「盛岡北本店」に改称。後に本店が取れて、現在の「盛岡北店」となっている。
  26. 旧MAX Denkodo盛岡西店からケーズブランドに転換したケーズデンキ盛岡西本店となったが、その後本店が取れた店舗。
  27. 初代は、東北ケーズデンキが運営していたものをデンコードーが継承したもの。2代目は、初代店舗を閉鎖する形でデンコードー盛岡南店を「ケーズデンキ」に転換した店舗、3代目は、旧盛岡南サティ(初代・三本柳)の跡地に開業した現行の店舗。
  28. 同市茶畑店と西仙北店を統合した店舗。『コジマ盛岡店』として開業後、『コジマ×ビックカメラ盛岡店』となり、看板が太陽のロゴから赤地に白字で大きく上に『コジマ』、白地に赤字で下に小さく『ビックカメラ』に変更。
  29. ベスト電器からの業績転換
  30. 初代は、南イオンの向かい、現在のMORIOKA TSUTAYAの建物に入居していた
  31. 旧・アルテマルカン盛岡店。
  32. DCMホーマックスーパーデポ盛南店(初代)の跡地に開店。
  33. 岩手県庁が登記上の名目的な本店なので、実質的な本社機能は宮古駅宮古市)。
  34. ただし020-01xx地域のうち盛岡市緑が丘・高松地区には盛岡中央郵便局が回収担当となっている郵便ポストが一部存在する(ただしそちらへの郵便物配達はすべて盛岡北郵便局の担当)。
  35. ウェブもりおか:市のしくみと施策:玉山区地域協議会
  36. 盛岡市の下水道 盛岡市下水道部
  37. 小学部・中学部は、一関市に新設された統合校・岩手県立一関清明支援学校へ移管している。
  38. この影響で、減便を強いられた路線(ヨーデル号など)がある。
  39. 39.0 39.1 39.2 「日本の道100選」研究会 2002, pp. 30-31.
  40. 「日本の道100選」研究会 2002, p. 8.
  41. いわての文化情報大事典
  42. コトバンク
  43. 盛岡の先人たち 第67回:山田美妙(やまだびみょう)”. 盛岡市公式ホームページ. . 2014/07/21閲覧.

参考文献

  • 佐藤優 『脈脈 盛岡の街づくり』(在研究所 1984)
  • 佐藤優 『「五感」性のある景観創造〜盛岡市の都市景観行政と地区計画〜』(北土社 1991)
  • 「日本の道100選」研究会 『日本の道100選〈新版〉』 国土交通省道路局(監修)、ぎょうせい、2002-06-20、30-31。ISBN 4-324-06810-0。

関連文献

  • 梅林巌、阿部隆「旧城下町盛岡の市街地形態の変化と都心地区の形成」、『東北地理』第33巻第3号、東北地理学会、1981年、 160-170頁、 doi:10.5190/tga1948.33.160

関連項目


外部リンク

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