私小説

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私小説(ししょうせつ、わたくししょうせつ)

文学用語。作者自身の経験や心理を虚構化することなく,そのまま書いた小説。 1920年頃から「わたくし小説」「私は小説」という造語が使われはじめ,当時は『白樺』派文学に対する揶揄または自己卑下的な意味が含まれていた。その後『白樺』派文学がエリート意識即被害者意識の形で芸術至上主義を定着させるにいたり,「私小説」は田山花袋の『蒲団』を嚆矢とする日本的自然主義を引継ぐ身辺小説と解されるようになった。 24年頃久米正雄らはより純粋な形を「心境小説」と呼び,生活体験よりも作家的心情を吐露することを重視した。しかし小林秀雄は「私小説」は日本文学の近代化を妨げる封建性の根源と指弾し (『私小説論』〈1935〉) ,否定的立場をとった。私小説の秀作はその後も相次いだが,49年頃から衰退もしくは変質をみせた。



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