篠田三郎

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篠田 三郎(しのだ さぶろう、1948年12月5日 - )は、日本俳優。本名は大塚 晴生(おおつか はるお)[1]東京都港区麻布出身[1]

身長178cm、体重76kg、血液型はO型。日本大学第二高等学校中退[1]

略歴

2人兄弟の長男[1]。豊島区立道和中学校を経て1964年に日本大学第二高校に進学するが、翌年に大映第18期ニューフェース合格を機に高校を中退[1]。養成所期間を経て大映東京撮影所に入社し、1966年に映画『雁』でデビュー[1]

1971年、関根恵子(現・高橋惠子)と共演した『高校生心中・純愛』のヒットによって関根とのコンビ作が続くが、この年末に大映は倒産したために活躍の場をテレビへと移す。

1973年、『ウルトラマンタロウ』(TBS)の主人公・東光太郎役を演じる。

正統派の二枚目スターとして『タロウ』放映終了後も人気が高く、1978年には初の民放1時間枠ゴールデンタイム単独主演として『一発逆転』に起用されるが、視聴率が振るわず唯一の例に終わった。ただし、その後もNHKを中心に準主演、助演で起用され続けている。誠実で実直なキャラクターを得意とし、大河ドラマの武将役などでも渋い実力派の役どころ(丹羽長秀、稲葉一鉄など)を多く振られている。

1975年に結婚し、一男一女がいる[1]

人物

シルバー仮面』で殺陣師を務めた高倉英二は、台詞を完全に覚えてくるために現場で台本を見ることはなかったと証言しており、真面目で俳優として素晴らしかったと評している[2]。同じく『シルバー仮面』で共演した夏純子からも、落ち着いた人物だったと評されている[3]

『ウルトラマンタロウ』関連

  • 『タロウ』出演前、『ウルトラマンA』第20話で船乗りを目指す篠田一郎青年役でゲスト出演したのは、ウルトラマンシリーズの新たな主役に篠田がふさわしいと考えたプロデューサー・橋本洋二が、篠田に撮影現場の雰囲気を知ってもらうためだった[4][5]
  • 『タロウ』出演が決定して『A』の撮影現場を見学した時、北斗星司役の高峰圭二が白いマフラーを巻いているのを見て自分も使用したくなり、高峰に申し出て『タロウ』の撮影でもマフラーを使用することになった[6]
  • 撮影所には電車で通っていたが、いつのまにか眠り、目を覚ますとファンの子供達が集まって真剣な眼差しで自分を見つめていた[7]
  • 『タロウ』に登場する怪獣の中では、デッパラス[注釈 1]が印象に残っている。
  • 『タロウ』の最終回(第53話)で東光太郎は人間として生きることを選び、雑踏の中に消えていったが、このラストには驚いたし考えもしなかった[8]
    • また、東光太郎のその後について「人間として平和のために頑張っている」と考えている[9]が、このラストを尊重している訳でないという[10]
  • 『タロウ』終了後に息子が生まれ、物心付いたら観せてやろうと、恐らく再放送時に1本だけビデオに録画した。しかし、それが2話完結の前編でタロウが苦戦して次回に続く終わり方だった。これを観てからというもの、息子は『タロウ』をまったく観てくれないという[11]
  • ウルトラシリーズで共演したことはないが、次作『ウルトラマンレオ』で主人公・おおとりゲンを演じた真夏竜やその妻子とは家族ぐるみの親交があり(篠田の息子と真夏の息子は同級生である)、彼の舞台の陣中見舞に訪れたことがある[9]。真夏が2004年に胃癌に罹患した際、セカンドオピニオンを紹介するなどして治療に協力した。

『タロウ』終了後のシリーズへの携わり

番組対抗スターお年玉大会』(日本テレビ系・1986年1月5日)に『妻たちの課外授業』チームで出演した時、『タロウ』に登場する宇宙科学警備隊ZATの隊員服を着用し[注釈 2]、タロウの変身ポーズを披露したことがある。

他の昭和ウルトラシリーズの主演俳優と異なり、ウルトラシリーズに再び出演していない。その理由を『スポーツ報知』の「円谷プロ創立50周年記念特別号(2013年7月10日発売)内の『タロウ』40周年記念インタビューで「東光太郎は自分の中での青春の良き思い出としてとっておきたい」と話した[注釈 3][注釈 4]

ただし、『タロウ』を嫌ってはおらず、特撮誌などのインタビューでも『タロウ』撮影当時のエピソードを披露することは多い。「1年間も主役を演じられるから張り切っていたのを思い出す」「『タロウ』は自分にとって財産」「撮影することも撮影所に通うことも楽しかった」「東光太郎を演じるに当たって特別に意識したり心がけたことはなく、役の一環として捉えていた」などと語っている。

本編以外の行動に関しては、インタビュー以外にも積極的な姿勢を見せている。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて開設されたHP「ウルトラマン基金」にも、「タロウからウルトラの父やウルトラの母への願い」としてメッセージを寄せている。前述のスポーツ報知の特集記事や、『極上空間』(BS朝日)の2013年8月10日放送分ではウルトラバッジを持って変身ポーズも披露した他[12]、主題歌を歌ったり、同行した真夏とともに『レオ』第7話のブーメラン特訓を再現したり、『タロウ』が「ウルトラマンジャック」や「ウルトラマンスター」といったタイトルで企画が進められていたことを話した。

脚注

注釈

  1. 第10話「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」(1973年6月8日放送)に登場。
  2. 白いマフラーは着用せず。
  3. その際、平成ウルトラ映画(作品名は話していない)で東光太郎役での出演を依頼されたが、時間が経過したことやそれを伝えて辞退したこと、そして今後もそれは変わらないとも話していた。
  4. 以後の作品でタロウの声を石丸博也が担当している。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 『日本映画俳優全集 男優編』 キネマ旬報社、1980年、269。
  2. 宣弘社フォトニクル 2015, 「インタビュー高倉英二」.
  3. 宣弘社フォトニクル 2015, 「インタビュー夏純子」.
  4. タロウタロウタロウ 1999, p. 39.
  5. 『ウルトラマンTのすべて』(ファミリー劇場2007年4月)で初めて証言。
  6. タロウタロウタロウ 1999, p. 40.
  7. タロウタロウタロウ 1999.
  8. 『タロウ』のDVD第2巻(デジタルウルトラプロジェクト版)の特典映像「篠田三郎 青春のヒーロー」より。
  9. 9.0 9.1 「特撮 NEW TYPE THE LIVE」(角川書店)の2007年7月号でのインタビュー。
  10. 兄弟激闘編 2013, p. 27.
  11. タロウタロウタロウ 1999, p. 41.
  12. BS朝日極上空間 2013年8月10日のアーカイブ

参考文献

  • DVD『宣弘社フォトニクル』 2015年9月18日発売 発売元-デジタルウルトラプロジェクト DUPJ-133
  • ウルトラマンタロウ』関連資料
    • 『タロウタロウタロウウルトラマンT(タロウ) : 検証・第2次ウルトラブーム』 辰巳出版〈タツミムック〉、1999年。ISBN 4886414389。
    • 『語れ!ウルトラマン 兄弟激闘編』 ベストセラーズ〈ベストムックシリーズ23〉、2003年。ISBN 458420523X。

外部リンク