素数階乗

提供: miniwiki
2018/8/19/ (日) 17:33時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索
ファイル:Primorial n plot.png
階乗(黄色)と素数階乗(赤)の値の推移

素数階乗(そすうかいじょう)とは、2 以上の自然数に対してそれ以下の素数全ての総乗のことである。自然数 n の素数階乗は、記号では n# で表す。

2# = 2
3# = 3 × 2 = 6
4# = 3# = 6
5# = 5 × 3# = 30
6# = 5# = 30

これらから分かるように n# は、 n 以下の最大の素数を p として、p# に等しい。p に素数の値を小さい順に代入していくことより、素数階乗の値は小さい順に

2, 6, 30, 210, 2310, 30030, 510510, 9699690, 223092870, 6469693230, …(オンライン整数列大辞典の数列 A002110)

数学的性質

  • 5# 以上の素数階乗数は全て一の位が 0 であり、十の位は 1, 3, 7, 9 のいずれかに限られる。
5# = 30 以上の数に、7 以上の素数(一の位に 5 を含まない奇数)を掛けても、十の位が 5偶数になることはない。
略証:最大の素数の存在を仮定し、それを pmax とおくと、pmax# + 1pmax 以下の約数をもたない。したがって pmax# + 1 は素数であることになるが、これは pmax を最大の素数とした仮定に反する。したがって最大の素数は存在しない。
このように背理法を用いて最大の素数の存在を否定する方法は紀元前から知られていた。
実際に、素数 p に対し p# + 1 の素因数はいずれも p よりも大きく、素数とは限らない[1]。そのような最小の例として、p = 13 がある。
13# + 1 = 30031 = 59 × 509
上記のように、p (= 13) よりも大きな素数が得られる。
720 = 22 × 61 × 301

素数階乗数の最初の20個

p01# = 02# = 2
p02# = 03# = 6
p03# = 05# = 30
p04# = 07# = 210
p05# = 11# = 2310
p06# = 13# = 30030
p07# = 17# = 510510
p08# = 19# = 9699690
p09# = 23# = 223092870
p10# = 29# = 6469693230
p11# = 31# = 200560490130
p12# = 37# = 7420738134810
p13# = 41# = 304250263527210
p14# = 43# = 13082761331670030
p15# = 47# = 614889782588491410
p16# = 53# = 32589158477190044730
p17# = 59# = 1922760350154212639070
p18# = 61# = 117288381359406970983270
p19# = 67# = 7858321551080267055879090
p20# = 71# = 557940830126698960967415390

関連項目

  1. 一般に大きな数の素数判定素因数分解は簡単ではない。

ru:Факториал#Праймориал или примориал