経営コンサルタント

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経営コンサルタントとは、企業などの経営についてコンサルティングを行うことを業とする者の名前である。

経営コンサルタントと関係のある学位・資格

経営コンサルタントを名乗るために特別な資格は必要無い(国家資格も民間資格も必要ない)。これは経営コンサルティング業務について業務・名称独占を認められる資格が存在しないためである。

日本では企業経営全般に関する診断・助言業務に関して、法律上民間経営コンサルタントの能力認定制度として位置付けられている、中小企業診断士という経済産業省中小企業庁所管の国家資格が存在するが、1次試験、2次試験(筆記、口述)とも20 %程度の合格率で、実務補習(コンサルティング実務)修了が登録の要件とされる。また、5年毎に要件を満たしたうえで更新が必要である。同様の制度はタイ、インドネシアでも構築されている。日本において中小企業診断士と称するには経済産業省に登録する必要があるが、この資格を有しない者・未登録者であっても「中小企業診断士」の名称を詐称しなければ同様の業務を行っても問題が無い。なお、正当な理由がなく、中小企業診断士の業務上取り扱ったことに関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者は中小企業診断士の登録を取り消すこととされている。

また日本では、各種の国家資格所持者が各々の本来の業務を核としその周辺業務にも手を広げる形で、いわゆる「経営コンサルティング」を標榜し、その業務あるいはそれに類似する業務を行っている例は多い。
例えば、監査・会計の見地から公認会計士、税務・会計の見地からは税理士、許認可に関する申請書類の作成については行政書士、経営に関する法務・法律事務については弁護士司法書士、金融業務に詳しい点でファイナンシャル・プランナーがそれぞれコンサルティング業務を行っている事が多いが、本来の資格名の他にあえて「経営コンサルタント」を名乗り、各資格の本来の業務の枠を超えて経営に関してある程度包括的なアドバイスを行っていることを示しているケースがある。

民間資格としては、「認定経営コンサルタント」なども存在する。

ただし資格が必要無いからと言って、誰でも行えるかと言うと、そういうものではない。どのような分野でどのような経験を積み、どのような実績を上げてきたか、ということによってクライアントから選ばれることになる[1]。当然、クライアントよりも豊富な経験や深い知識が要求されている。例えば、実経験が伴っていない表面的な知識や(学校や本で学んだだけの)教科書的な知識を提示するだけでは、クライアントから見た場合、料金を払う価値は無いに等しいと判断され、「経営コンサルタント」とは認めてもらえないものである。

逆に、現実性の薄い施策や机上の空論を提示しただけでも、経営陣の意向を酌んだり要領良く立ち回るだけで、特に経営に資することがなくても、「経営コンサルタント」として重宝されるケースもある。経営と実務が分離している企業で往々にして発生しがちであるが、このようなケースでは、経営陣の自己満足と実務部門の反発により企業が疲弊することにもなるため、経営コンサルタントの導入と評価には注意が必要である。

関連書

  • 日本能率協会マネジメント・ライブラリー委員会、マネジメント・ライブラリー、白桃書房(経営)コンサルタントの訳語
  • 『経営コンサルタントハンドブック』PHP研究所

脚注

  1. 『コンサル業界の動向とカラクリがよーくわかる本』p.60

関連項目