羽幌町
羽幌町(はぼろちょう)は、北海道北部の西海岸にある半農半商の町で、留萌管内中部の中心都市である。かつては、道内有数の炭鉱の街でもあった。夕日のきれいな街としても知られている。
暑寒別天売焼尻国定公園の一部である天売島・焼尻島も羽幌町に属しており、多くの観光客が訪れている。夏は海水浴客が多い。甘えびの水揚げでも知られる。
Contents
町名の由来
由来の説としては、海岸の砂がやわらかであったことから「ハプル[2]」〔柔らかい〕とされたとするもの、現在の羽幌川が出水時に砂浜を潰決する様から「ハポロペッ[3]」〔流出?・広大・川〕とされたとするもの、あるいは「ハプオロオペッ[4]」〔ウバユリの鱗茎?・そこ・多くある・川〕となったとするものなどが存在する[1]。
地理
羽幌(留萌地方)の気候資料 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
平均最高気温 °C (°F) | -1.5(29.3) | -1.0(30.2) | 2.7(36.9) | 9.4(48.9) | 14.9(58.8) | 18.9(66) | 22.8(73) | 24.6(76.3) | 21.1(70) | 14.9(58.8) | 7.3(45.1) | 1.1(34) | 11.3(52.3) |
日平均気温 °C (°F) | -4.7(23.5) | -4.5(23.9) | -0.6(30.9) | 5.5(41.9) | 10.6(51.1) | 15.2(59.4) | 19.2(66.6) | 20.9(69.6) | 16.9(62.4) | 11.0(51.8) | 4.2(39.6) | -1.6(29.1) | 7.7(45.9) |
平均最低気温 °C (°F) | -8.8(16.2) | -8.9(16) | -4.6(23.7) | 1.4(34.5) | 6.3(43.3) | 11.5(52.7) | 16.0(60.8) | 17.3(63.1) | 12.3(54.1) | 6.6(43.9) | 0.8(33.4) | -4.7(23.5) | 3.8(38.8) |
降雪量 cm (inches) | 198(78) | 150(59.1) | 94(37) | 13(5.1) | 0(0) | 0(0) | 0(0) | 0(0) | 0(0) | 1(0.4) | 58(22.8) | 172(67.7) | 686(270.1) |
日照時間 | 56.5 | 81.9 | 137.6 | 172.3 | 200.4 | 191.8 | 171.7 | 171.6 | 176.8 | 129.5 | 54.4 | 35.6 | 1,580.1 |
出典: 気象庁[5] |
留萌管内中部に位置する。天売島(西側)、焼尻島(東側)の島嶼部も含む。
隣接している自治体
沿革
町の本格的な開拓は近隣の苫前町、初山別村より遅い明治中期以降であるが、大正期に優良な石炭を産出する羽幌炭鉱が発見されて以来、石炭中心のモノカルチャー都市として発展。昭和40年の国勢調査では人口30,266人世帯数6840戸を数えた。しかし、炭鉱閉山の1971年(昭和46年)以降は過疎化が著しい。
昭和40年頃には、国鉄羽幌線、羽幌炭礦鉄道築別線、上羽幌線が通る羽幌駅の賑わいは最高潮に達した。昭和45年まで羽幌炭礦鉄道では野球、女子バレー、ジャンプ、卓球の実業団チームを有し、スポーツの町の発展に大いに寄与した。
炭鉱閉山後の1971年(昭和46年)、人口がついに3万人を割り込み、あわてて市制を施行しようとしたが、町が国勢調査時に人口を大幅に水増しするという不正を行っていたことが発覚、町長ら幹部を含む83人が統計法違反などの容疑で書類送検される事件となった。その後も人口減が続いており、市制施行には至っていない。
- 1894年 (明治27年)羽幌村が設置される
- 1897年 羽幌村戸長役場が設置される(苫前村(現在の苫前町)の戸長役場から独立)
- 1900年 初山別村が設置される
- 1901年 初山別村が初山別村戸長役場(現在の初山別村)として独立する
- 1902年 二級町村制施行、羽幌村
- 1909年 一級町村制施行、羽幌村
- 1921年 町制施行、羽幌町
- 1955年(昭和30年)4月1日 天売村を編入する
- 1959年(昭和34年)4月1日 焼尻村を編入する
- 1997年 ふるさと羽幌100年記念式典を行う
経済
産業
主要産業は漁業、農業、観光(暑寒別天売焼尻国定公園)
金融機関
企業・商業施設
- 沿岸バス
- サンセットプラザはぼろ(アンビックス)
- NTTドコモ
- KDDI
- 総合衣料品店 八幡屋
- ベスト電器
- マツヤデンキ
- ツルハ
- ホクレン商事
- 大創産業
- ホーマックニコット
- 株式会社ダイゼン
- ハートフルはぼろ(複合商業施設)
- スーパー・衣料品店・飲食店などが入っている商業施設
特産品
- 焼尻めん羊(サフォーク)
- 甘エビ
- ねばり長芋
- グリーンアスパラ
- あっちゃんみそ
- 羽幌メロン
農協・漁協
- オロロン農業協同組合(JAオロロン)
- 北るもい漁業協同組合
郵便局
- 羽幌郵便局(集配局)
- 天売郵便局
- 焼尻郵便局
- 築別郵便局
- 羽幌北大通簡易郵便局
公共機関
警察
姉妹都市・提携都市
- 1896年(明治29年)、平村より羽幌町字平に40戸が入植した歴史にちなむ[6][7]。1900年、平村より羽幌町平地区に獅子舞道具がもたらされて平越中獅子舞(羽幌町指定無形文化財)が始まり、現在まで伝承されている[6][7][9]。1976年、羽幌町から獅子舞の源流調査などのため町議団が平村を訪問して以降交流が深まり、友好都市提携に至る[6]。2004年に平村は合併により南砺市の一部となったが、以後も交流は続けられている[6]。
- 明治20年代、石川県・富山県から集団入植が行われたが、内灘町からも多くの移住者が羽幌町に移り、漁業(捕鯨・ニシン漁)や農業に従事した[10][11]。1922年(大正11年)頃、内灘町出身者が加賀獅子を羽幌神社に奉納し、以後今日まで羽幌加賀獅子舞(羽幌町指定無形文化財)として伝えられている[12][13]。
地域
人口
羽幌町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
消滅集落
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[14]。
- 羽幌町 - 水面,字上羽幌,字築別炭礦,字羽幌礦
医療
- 総合病院
教育
- 大学
- なし
- 高等学校
- 廃止された高等学校
- 北海道羽幌太陽高等学校(昭和49年廃校)
- 焼尻高等学校(昭和52年廃校)
- 中学校
- 羽幌中学校
- 天売中学校
- 焼尻中学校
- 廃止された中学校
- 築別中学校
- 北辰中学校
- 太陽中学校
- 小学校
- 羽幌小学校
- 天売小学校
- 焼尻小学校
- 廃止された小学校
- 羽幌中央小学校
- 朝日小学校
- 幌北小学校
- 築別小学校
- 上築別小学校
- 平小学校
- 仁軽巣(にかりうしない)小学校
- 曙小学校
- 太陽小学校
- 上羽幌小学校
- 旭ヶ丘小学校
交通
空港
バス
- 沿岸バス – 羽幌町に本社設置
- 羽幌線代替バス、札幌線(特急はぼろ号)
港湾
- 羽幌港
- 羽幌沿海フェリー
- 羽幌 – 焼尻 – 天売
道路
- 一般国道
- 都道府県道
鉄道
現在、町内を走る鉄道路線は存在しない。
- 廃止された鉄道路線
レジャー
- 羽幌町総合体育館(パワデール)
- おろちゃんランド
- 羽幌町スポーツ公園パークゴルフ場
- 町民スキー場
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財
天然記念物
- 焼尻の自然林
- 天売島海鳥繁殖地
道指定有形文化財
町の文化財
- 9月の平神社祭で奉納される[9]。1900年(明治33年)、富山県平村(現・南砺市)の祖山地区[7]から羽幌町平地区に獅子舞道具がもたらされ[6][7][補注 1]、平神社に獅子舞を奉納したことから始まる。
- 7月の羽幌神社祭で奉納される[12]ほか、町内外のイベントで披露される[13]。1922年(大正11年)頃、石川県内灘町からの移住者が加賀獅子を羽幌神社に奉納したのが始まり[12][13]。ニシン漁の衰退とともに1953年(昭和28年)に一時中断したが、1974年(昭和49年)に羽幌加賀獅子舞保存会が結成されて復活した[13]。
神社
寺院
観光
- 暑寒別天売焼尻国定公園
- はぼろサンセットビーチ
- サンセットプラザはぼろ
- 北海道海鳥センター
- はぼろバラ園
- 朝日公園花菖蒲園
- 雲雀ヶ丘公園(焼尻島)
- 赤岩展望台(天売島)
- 観音岬展望台(天売島)
- 海の宇宙館(天売島)
祭事
- 甘エビ祭り 6月下旬
- 羽幌神社祭 7月上旬(平成22年7月8日〜10日)
- サンセットサマーライブ 7月上旬・はぼろサンセットビーチ(休止)
- サンセットビーチSummerフェスタ 7月下旬・はぼろサンセットビーチ
- 羽幌・焼尻めん羊祭り 7月上旬(平成22年7月3日〜7月4日)
- 天売うに祭り 8月上旬(平成22年7月31日〜8月1日)
食文化
マスコミ
その他
- 『女医・優〜青空クリニック〜』ロケ地
- 日本テレビドラマ版『幸福の黄色いハンカチ』ロケ地
- 天売島と焼尻島は北海道内でこの2か所のみ、選挙の繰り上げ投票が実施される(通常投票日の2日前)。これはニュースでも衆議院選挙・参議院選挙・北海道知事選挙・北海道議会議員選挙など投票があるたびに必ず取りあげている。
- 1980年5月6日、町内の山林で通称「北海太郎」と呼ばれる、巨大なオスのヒグマが射殺された。体重は少なくとも450kgあったとされる。
羽幌町人口水増し事件
1970年に行われた国勢調査において町の人口は2万8千人余であったが、翌1971年になって町議の告発がきっかけとなり約5,900人もの人口の水増しが行われていたことが発覚した。町では前回の1965年の国勢調査で当時の市制施行要件を上回る3万人余の人口を記録し、新庁舎の建設に着手するなど市制施行に向けた動きが活発になっていたが、町の経済を支えていた羽幌炭鉱の経営が悪化したことで人口の流出が進み、調査時には3万人を大幅に割り込んでいた。警察の捜査の結果、町長ら幹部を含む83人が統計法違反や公文書偽造の容疑で送検された[23][24]。
出身の有名人
- 石森史郎 – 脚本家
- 松樹路人 – 洋画家
- みのや雅彦 – 歌手
- 林朗 – 剣道元世界チャンピオン
- 平尾泰 – 剣道元日本2位
- 吉田亘 – 指揮者
- おおた慶文 – イラストレーター
- 寒川光太郎 – 作家
- ジャイアン村上 – サイエンスエンタテーナー
- 中野北溟(焼尻島) 書家・日展作家
- 椎名軽穂 – 漫画家
- 水戸将史 – 参議院議員(神奈川県選挙区)
- 山下潔 – 実業家・ハスコム会長
脚注
出典
- ↑ 1.0 1.1 “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
- ↑ アイヌ語ラテン翻字: hapur
- ↑ アイヌ語ラテン翻字: ha-poro-pet
- ↑ アイヌ語ラテン翻字: ? -oro-o-pet(前半部不明)
- ↑ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. . 2011閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 “羽幌町・富山県平村(現・南砺市)友好都市締結30周年 (PDF)”. 『広報はぼろ』 平成21年12月号. 羽幌町. . 2012閲覧.
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 “羽幌町”. 南砺市友好交流協会. . 2012閲覧.
- ↑ 8.0 8.1 “羽幌の起源”. 羽幌町. . 2012閲覧.
- ↑ 9.0 9.1 9.2 “平越中獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. . 2012閲覧.
- ↑ 10.0 10.1 “羽幌町・内灘町姉妹都市提携30周年 (PDF)”. 『広報はぼろ』 平成22年9月号. 羽幌町. . 2012閲覧.
- ↑ 11.0 11.1 “友好姉妹都市”. 内灘町. . 2012閲覧.
- ↑ 12.0 12.1 12.2 12.3 “羽幌加賀獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. . 2012閲覧.
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 “わたしたちが引き継ぐ伝統芸能-羽幌加賀獅子舞”. 『教育ほっかいどう』 377号. 北海道教育委員会. . 2012閲覧.
- ↑ [|総務省統計局統計調査部国勢統計課] (2017-01-27) (CSV). 平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》 (Report). 総務省 . 2017閲覧..※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
- ↑ “旧小納家住宅”. 文化遺産オンライン. 文化庁. . 2012閲覧.
- ↑ “羽幌町焼尻郷土館(旧小納家住宅)”. 北海道文化資源データベース. 北海道. . 2012閲覧.
- ↑ 17.0 17.1 17.2 “平越中獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. . 2012閲覧.
- ↑ 羽幌神社(公式ホームページ)、羽幌神社
- ↑ [1]
- ↑ [2]
- ↑ [3]
- ↑ 高野山真言宗 成田山 真如院
- ↑ 背伸びやめ 胸を張る 読売新聞 2007年9月1日
- ↑ 羽幌町人口水増し事件
補注
- ↑ 北海道文化資源データベースでは、故郷をしのんで獅子頭を制作した、との記述がされている。
外部リンク