進学率

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進学率(しんがくりつ)とは、ある段階の学校での教育課程修了者のうち、次の段階の学校へ進学した者の割合。

なお進学率はあくまでも比率であって、かりに分数にたとえれば、異なる年どうしの進学率を比較するとき、分子である就職決定者数が同数であっても分母である教育課程修了者が多ければ進学率は下降し、分母である教育課程修了者が少なければ進学率は上昇する。単純な比較をすることはできず、実際の進学者の数の大小を比較、議論することはできない。

以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。

概要

全国の値については、文部科学省学校基本調査で公表している。

また、個別の中学校や高等学校でも、卒業生がどの程度進学したかの指標として、それぞれの学校ごとの進学率を公表する場合などがある。高校では進学率が高ければ高いほど進学校と認知されるので、受験生集めにこの指標を多用する傾向にある。どのような大学に進学したかは表していないが、進学率が高いと偏差値の高い学校への入学者が多いとみなす傾向は存在する。

高校進学率

中学校卒業(もしくは同等の課程を修了)後、高等学校等へ進学した者の割合。

高校進学率は戦後上昇を続け、1974年度に90%を超えた。その後も高原状態が続いている。

学校基本調査での調査対象の定義は、

「中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者のうち、高等学校、中等教育学校後期課程及び盲・聾・養護学校高等部の本科・別科並びに高等専門学校に進学した者(就職進学した者を含み、過年度中卒者等は含まない。)」[1]

となっている。

短大進学率

高等学校卒業(もしくは同等の課程を修了)後、短期大学へ進学した者の割合。

短大進学率は、当初の1950年代は2%台だったが、1994年には13.25%となった。しかし、その後は減少に転じ、2009年は6.0%となっている。

学校基本調査での調査対象の定義は、

「各年3月の高等学校及び中等教育学校後期課程本科卒業者のうち、短期大学の本科・通信教育部・別科及び高等学校等の専攻科に進学した者(就職進学した者を含む。)の占める比率」[1]

となっている。

大学進学率

高等学校卒業(もしくは同等の課程を修了)後、大学へ進学した者の割合。

大学進学率は戦後上昇を続ける。専門学校ができた1976年以降はいったん低下したものの、1992年を境に再び上昇し、2009年には50.2%となった。

学校基本調査での調査対象の定義は、

「各年3月の高等学校及び中等教育学校後期課程本科卒業者のうち、大学の学部・通信教育部・別科に進学した者(就職進学した者を含む。)の占める比率」[1]

となっている。

日本の進学率推移

定義別推移
高等教育機関への進学率
(男女)
大学 短大 高専 専修
1989 24.7 11.7 0.5 16.0
1990 24.6 11.7 0.5 16.9
1991 25.5 12.2 0.5 17.3
1992 26.4 12.4 0.5 17.8
1993 28.0 12.9 0.6 18.2
1994 30.1 13.2 0.6 18.5
1995 32.1 13.1 0.6 18.9
1996 33.4 12.7 0.6 19.4
1997 34.9 12.4 0.6 19.5
1998 36.4 11.8 0.7 19.4
1999 38.2 10.9 0.7 20.0
2000 39.7 9.4 0.7 20.8
2001 39.9 8.6 0.7 20.8
2002 40.5 8.1 0.7 21.7
2003 41.3 7.7 0.8 23.1
2004 42.4 7.5 0.8 23.8
2005 44.2 7.3
2006 45.5 6.8
2007 47.2 6.5 21.7
2008 49.1 6.3 20.6
2009 50.2 6.0 1.0 20.4
2010 50.9 5.9 0.9 22.0
2011 51.0 5.7 21.9
2012 50.8 22.2
2013 49.9 0.9 21.9

(資料出所:学校基本調査)
※進学者には高等学校卒業後1年以上経過した後に入学した者(過年度高卒者)等を含む。

高等教育機関への入学者数(男女)
大学 短大 高専 専修
1989 476,786 225,364 10,032 309,488
1990 492,340 235,195 10,079 339,125
1991 521,899 249,552 10,454 354,664
1992 541,604 254,676 10,728 364,687
1993 554,973 254,953 11,034 360,516
1994 560,815 244,895 11,033 343,256
1995 568,576 232,741 11,153 335,347
1996 579,148 220,875 11,048 335,590
1997 586,688 207,546 10,815 327,461
1998 590,743 191,430 10,885 315,483
1999 589,559 168,973 10,768 308,815
2000 599,655 141,491 10,864 313,718
2001 603,953 130,246 10,959 314,714
2002 609,337 121,441 10,952 326,632
2003 604,785 113,029 11,063 338,264
2004 598,335 106,205 11,187 335,003
2005 603,760 99,431 11,345 326,593
2006 603,054 90,740 11,330 300,834
2007 613,613 84,596 11,112 282,019
2008 607,159 77,339 11,288 254,749
2009 608,731 73,163 11,280 247,823
2010 619,119 72,047 10,936 266,915

(資料出所:学校基本調査)

諸外国の進学率推移

諸外国における進学率の推移は以下のとおり。なお、教育事情や制度・卒業率などは国によって大きく違うので一概に比較することはできない。

義務教育後中等教育(高校相当)

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
日本(全日制) 93.9 94.3 94.4 94.4
アメリカ(第9学年から第10学年への進学率) 88.6 88.6 88.6 89.2
イギリス(フルタイム) 71.4 70.8 72.0 72.3
フランス(フルタイム) 87.6 88.2 88.0 88.3
ドイツ(全日制普通・職業教育学校) 83.3 83.8 83.6 83.7
韓国 99.3

[2]

高等教育(大学相当)

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
日本(大学・短大等進学) 44.9 44.6 45.3 47.3
アメリカ(フルタイム) 45.8 47.6 47.7 48.9
イギリス(フルタイム) 58.4 60.0 64.8 63.1
フランス(フルタイム) 約41 約42 約41 約41
ドイツ(大学) 21 22.8 24.8 26.1
韓国(大学・専門大学等) 89.8

[2]

他には、以下の値もある。ここでの大学はユネスコの定義における高等教育機関(大学およびその他のすべての高等教育機関・課程)への進学率をいう。日本では四年制大学短期大学高等専門学校をいう(通信制大学放送大学および専修学校は含まれない)。

2004年度


脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 『学校基本調査』(文部科学省)より。
  2. 2.0 2.1 出典:「平成18年度 教育指標の国際比較」(文部科学省)

関連項目