金剛山 (金剛山地)

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金剛山(こんごうさん、こんごうざん)は、奈良県御所市大阪府南河内郡千早赤阪村との境目にある。かつては高間山・高天山(たかまやま)や葛城嶺(かづらきのみね)といわれていた。金剛山地の主峰である。

標高1,125m。最高地点は葛木岳といい、御所市の葛木神社の本殿の裏にあるが、神域となっており立ち入ることはできないため、国見城跡の広場が山頂扱いされている。他に湧出岳1,112m、大日岳1,094mのピークがある。大阪府の最高地点 (1,053m) がこの山の中腹にあり、その旨の標識が掲出されている。三角点は湧出岳に設置されている。

奈良県と大阪府を一望できる良好な立地条件から、奈良県防災行政無線[1]、電源開発、関西電力などの無線中継所が湧出岳に設置されている。大日岳には昭和20年代から警察庁の無線中継所が存在した(平成時代に撤去済み)[2] 大日岳の広場(開けた場所)はその跡地である。

金剛山ロープウェイが山上の「ちはや園地」まで架けられており、気軽に山上までアクセスできるほか、山頂付近まで林道が整備されており、山頂付近には宿や売店などもある。一帯が金剛生駒紀泉国定公園に属しており、奥河内観光のひとつとなっている[3]大阪みどりの百選に選定されている[4]

歴史

「葛城山」の呼称

葛城山」の呼称は、歴史的には南北に連なる金剛山と葛城山(大和葛城山)との総称として用いられた。その第一峰を高天山と称し(『大和名所図会』)、金剛山の別称は金剛砂を産出したことによる(『大和志料』)とも、また金剛山転法輪寺の山号にちなむともいわれる[5]

正嘉元年(1257年)の『私聚百因縁集』には「葛木山ハ即チ金剛山ナリ」とある。また貝原益軒の『南遊紀行』では現在の葛城山をさして「葛城(金剛山)の北にある大山をかい那が嶽といふ、河内にては篠峰と号す、篠峰を葛木といふはあやまりなり、葛城は金剛の峰なり」とある。また本居宣長の『菅笠日記』には「古は二つ(金剛山と葛城山)ながらを葛城山にてありけんを金剛山とは寺(金剛山転法輪寺)たててのちにぞつけられん」とみえる[6]

また貝原益軒の『和州巡覧記』では葛城山について「篠峰の南にあり。篠峰より猶高き大山也。是金剛山也。山上に葛城の神社あり。山上より一町西の方に金剛山の寺あり。転法輪寺と云。六坊有。山上は大和なり。寺は河内に属せり。婦人は此山による事をゆるさず……此山に登れば、大和、河内、摂津、其外諸国眼下に見ゆ」と記載されており[5]、明らかに金剛山をさしている。

役小角との関係

金剛山は修験道の開祖役小角(役行者)が修行した山として知られている。役行者は今から約1,300年前、16歳の時から、この山で修行し、全国各地の霊山へ駆け巡ったと伝えられる。山頂付近には役行者が開いたとされる転法輪寺真言宗醍醐派、葛城修験道大本山)がある。近くには一言主を祭神とする葛木神社がある。

毎年7月7日の役行者の命日には一言主ノ神を祀る葛木神社と法起菩薩を本尊とする転法輪寺との珍しい神仏習合のれんげ祭りが行われている。

楠木正成との関係

金剛山周辺には太平記の英雄楠木正成の城であった千早城上赤坂城下赤坂城の城跡や楠公誕生地など、正成ゆかりの史跡が点在している。楠木正成の菩提寺であった観心寺には、正成が少年期に学問を修めた記録が残っている。また古来より金剛山鎮守と称された、建水分神社楠木氏氏神であり、本殿重要文化財)は正成が再建したもので、境内にある摂社の南木神社は正成を祀る最古の神社である。

登山回数

現在の金剛山には、他の山ではあまりみられない珍しい登山回数の記録システムがある。回数カードを購入すれば、登山毎に山頂で回数スタンプを捺印してもらえる。登山回数100回以上の金剛錬成会員(金剛山を敬仰して登拝を励行し、健全なる精神と身体を錬成する会)には毎年5月3日に表彰式が行われる。2005年平成17年)4月現在で最高記録者は1万回の金剛登山回数が記録されている。毎日登山しても25年以上の年月が必要となる計算である。以前は一日に複数回捺印してもらえ、1日(24時間)で17回往復の記録がある[7]。現在は一日一回である。

大阪市内からでも車で60分程度の距離にある為、健康登山、回数登山の山としても有名。朝の出勤前や、夕方仕事が終わってから毎日登山に来る人も数多い。

山内の名所・施設

金剛山を舞台とした作品

金剛山の眺望

ファイル:金剛山から見た2013年の初日の出.jpg
展望台から大峰山方向に望んだ初日の出

国見城跡(山頂の広場)からは大阪湾が一望できる。天気がよければ明石海峡大橋がはっきり見える事もある。

展望台からは、大阪府側は関西国際空港や、その向こうの淡路島も見える事がある。奈良県側は奈良盆地、また南方には大峰山を望む。

交通アクセス

  • 近鉄長野線 富田林駅から金剛バス千早線
    • 「千早ロープウェイ前行き」に乗車し、「金剛登山口」バス停または終点「千早ロープウェイ前」バス停下車(金剛登山口止まりの便もある)。
    • 「水越峠行き」に乗車し、「葛城登山口」バス停または終点「水越峠」バス停下車(土日限定)。
  • 南海高野線および近鉄長野線 河内長野駅南海バス小深線
    • 「金剛山ロープウェイ前行き(8、11系統)」に乗車し、「金剛登山口」バス停または終点「金剛山ロープウェイ前」バス停下車。
    • 電車・バス・ロープウェイが割引される「金剛山ハイキングきっぷ」[8]や南海バスの1日フリーパス「河内長野・千早赤阪ワイドモックルカード」[9]が発売されている。
  • 関西国際空港から南海リムジンバス「Sorae」泉北・河内長野空港線で「河内長野駅前行き」に乗車し、南海バスに乗り換え[10]

位置情報

一等三角点
  • 点名「金剛山」
緯度 34°25′1″.1818
経度 135°40′38″.3380
標高 1112.08m
所在地 奈良県御所市大字高天字葛木岳475番地

周辺情報

脚注

  1. 「奈良県防災行政通信ネットワーク電話番号簿」ページの運用マニュアル(PDF)参照。http://www.pref.nara.jp/14798.htm
  2. 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスで閲覧可能。整理番号 CKK749-C39-9。http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?specificationId=1157238
  3. 奥河内って、どんなとこ?|観光スポット - 河内長野市観光協会
  4. 大阪みどりの百選”. 大阪府. . 2016閲覧.
  5. 5.0 5.1 角川書店角川日本地名大辞典 29 奈良県』
  6. 平凡社『日本歴史地名大系 30 奈良県の地名』
  7. 大阪府山岳連盟 『大阪50山』 ナカニシヤ出版、2002年10月、P8 ISBN 4-88848-740-5
  8. 金剛山ハイキングきっぷ - 南海電鉄
  9. 河内長野・千早赤阪ワイドモックルカード - 南海バス
  10. ご来村の方法 - 千早赤阪村観光協会

関連項目

外部リンク




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