鉄道ジャーナル

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鉄道ジャーナル
Railway Journal
愛称・略称 RJ
ジャンル 鉄道趣味誌
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
出版社 成美堂出版
編集部名 鉄道ジャーナル社
ISSN 0288-2337{{#invoke:check isxn|check_issn|1=0288-2337|error=}}
雑誌名コード 16499
刊行期間 1967年 -
ウェブサイト http://www.rjnet.jp/

鉄道ジャーナル』(てつどうジャーナル、Railway Journal)は、東京都千代田区に本社を置く鉄道ジャーナル社が編集・発行し、成美堂出版が発売する日本の月刊鉄道趣味雑誌のひとつである。

1967年昭和42年)創刊。2010年1月現在の編集長は宮原正和。創刊以来、竹島紀元が編集長を務めていたが、2006年12月刊行の2007年2月号限りで竹島が高齢により編集長の座を退き、後任に宮原が据えられた。

創刊直後より鉄道ジャーナル社にて編集・発行・発売を一貫して手がけていたが、2010年1月刊行の2010年3月号(通巻521号)より発売業務を中堅出版会社の成美堂出版へ移行。雑誌コードも変更となった。

本項では発行元の株式会社鉄道ジャーナル社(てつどうジャーナルしゃ)についても記述する。

誌面

それまで発行されていた鉄道雑誌が、鉄道模型車両実物を中心とした鉄道趣味の視点から編集を行っているのに対して「鉄道の将来を考える専門情報誌」を標榜し、「列車追跡シリーズ」という列車の乗車レポート記事を看板に、鉄道の利用実態に関わる現状を詳細にレポートしている。鉄道だけではなく航空機バスなどの記事も取り入れ、交通政策そのものを含めた社会事情や経済的政治的な視点から鉄道を見る記事で構成されている。また種村直樹による「レイルウェイ・レビュー」といったオピニオン記事や、マスコミによる鉄道記事を独自の視点で分析する「鉄道記事ざっくばらん」という記事があったが、いずれも2006年7月号で終了した。 鉄道ファンによる鉄道撮影への欲求の無闇な過熱を抑えたい、また「鉄道を考える」ことを第一としたいという理由から、読者からの要望の高い臨時列車ダイヤや撮影地紹介といった鉄道撮影情報を敢えて掲載しないという編集方針を取っている[1]

1967年の創刊号の表紙は国鉄EF90形電気機関車長野電鉄0系電車(OSカー)である。当初は東亜企画により季刊誌として発売されていたが、同年発行の3号より鉄道記録映画社(現:鉄道ジャーナル社)に引き継がれ、同時に月刊化されている。創刊初期には大学・高校の鉄道研究部有志が社外スタッフとして関わっている。その経験から自ら鉄道雑誌を立ち上げた者(『とれいん』の松本謙一平井憲太郎や『レイルマガジン』・『RM MODELS』の笹本健次)もいる。またSLブームの最中であった1970年代初期には既に特急列車ブルートレインを取り上げ、その先見性は多くの読者の支持を得た。

1970年代後半になると航空機の発展、モータリゼーションの進展等により鉄道利用者が減少し続け、総合交通体系から鉄道の特性を見つけるべきとの観点から、1980年1月号ではボーイング747を表紙にした鉄道と航空機の共存について特集を組み、更に同11月号では「鉄道と自動車」の特集を組んだ。1984年1月号では日本国有鉄道(国鉄)須田寛常務理事と日本航空 (JAL) 利光松男常務取締役(肩書は当時)のビッグ対談を実現させている。

1985年頃になると国鉄分割民営化が問題になり始め、当誌は分割民営化に関する問題等を逐次伝え、JR発足後は各会社の状況を特集し、JR発足直後から1990年代前半まではバブル景気もあってJR各社の輸送人員が増加したこともあって、鉄道復権を頻繁に特集したりして、その編集方針は多くの読者から評価された。

しかし、2000年代に入ると鉄道趣味的に偏った論調[2]が増えたこと、2001年8月号における竹島社長兼編集長の歴史見解に関する騒動[3]が起きるなど掲載内容や質の大きな変化が目立つようになってきた。最たる例としては2008年9月号に掲載された阪和線に関する記事がWikipedia日本語版からの丸写しであることが読者からの指摘で発覚しており、同誌11月号に謝罪コメントが掲載されている[4]。こうした状況から、2007年の編集長の専任者へ交代(竹島は社長に専念)を筆頭に長年ライターとして活動していた種村直樹との契約を解除したり、「読者論壇」を廃止するなど新たな道を模索中である。

現在の主なコーナー

列車追跡
鉄道ジャーナルを特徴づける看板記事の一つ。毎月1 - 2つの列車を取り上げてその乗車ルポから問題点までを取材する。また過去の列車追跡のリバイバル版を載せた別冊が発売されている。
地方鉄道レポート
地方のローカル線を特集し、現況や問題点、改善策などを検討していく。
RAILWAY TOPICS
毎月の鉄道に関するニュース。
世界の鉄道めぐり
アジアアフリカ東欧などで鉄道技術協力を行ってきた秋山芳弘による日本国外の鉄道の観察・紹介ルポ。毎月、一つの地域(大都市)の鉄道を取り上げる。
BUS CORNER
2013年現在、鉄道雑誌では唯一存在するバスのみの記事。3ページを充てており、バス研究第一人者の鈴木文彦が手がけている。2010年代以降はコーナー内に「都道府県別バス事情」という特集が毎回組まれている。
タブレット
読者投稿欄。主に読者からの鉄道各社等に対する要望や提言が掲載される。項目名は鉄道運行に使われる閉塞装置に由来し、タイトルには革製のタブレットキャリアのイラストが用いられている。各号とも、コーナー末尾に一ヶ月間に何通の投稿があったかを明記している。国鉄末期から分割民営化の時期にかけて、JR東海の初代社長を務めた須田寛が投稿への回答を寄せていたことがあった。詳細は須田寛#特記事項を参照のこと。

鉄道ジャーナル社

鉄道ジャーナル社は鉄道映像を記録することを目的に、1965年(昭和40年)、鉄道記録映画社として設立され、竹島紀元が代表取締役を務めた。その後、鉄道ジャーナルの出版を引き継ぎ、1970年(昭和45年)、社名を雑誌と同名の鉄道ジャーナル社に変更する。2018年現在、「鉄道ジャーナル」誌および関連図書の編集と発行がメインとなっている。

なお、主に鉄道旅行を中心とした雑誌『旅と鉄道』はそれまでの季刊誌からリニューアルを図り、2007年10月号から月刊誌に切り替わったものの、2009年1月10日発行の同年2月号を最後に休刊した。同誌は2011年9月(11月号)に朝日新聞出版に出版社を変えて復刊した(2017年7月号から発売元を山と渓谷社に変更)。編集長は鉄道ジャーナル社出身の芦原伸。ただし鉄道ジャーナルHPには「現在発行されている雑誌『旅と鉄道』については、鉄道ジャーナル社はいっさい関わっていません」と明記されており、復刊という見方はしていないようである。

2010年より販売業務を成美堂出版に移管し、会社自体も同社の傘下となり、代表取締役社長も竹島紀元から成美堂出版の代表取締役(深見公子:2015年12月現在)に交代した。

脚注

  1. 編集部「読者投稿欄「タブレット」内「『鉄道ジャーナル』の良識」」、『鉄道ジャーナル』No.218、1985年4月、 144頁。
  2. 例として、アーバンネットワークを特集した回では223系等のクロスシート車を過度に賛美しており、混雑に対応できない、一部車両に見られる座席数の減少といったデメリットについては述べられていないことが殆どである。
  3. 見解以外にも『編集長による雑誌の私物化』という姿勢も問題視され、抗議が大量に殺到した(この間、本件に関する返答が遅れていることのお詫びも記載されている)。最終的な騒動の終結には約半年も要している。
  4. 鉄道ジャーナル記事に関するおわび

関連項目

外部リンク