関東平野

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ファイル:Kanto plain.png
関東平野のCG画像

関東平野(かんとうへいや)は、関東地方にまたがる日本最大平野である。広さは約1万7000km2にも及び、四国(18,297.78km2)の面積に近い。

地理

ファイル:KantoHeiya.jpg
手前関東平野。遠い山並みは中央が男体山と日光連山、その左が三国山脈。東京国際空港上空より。(2006年11月撮影)
  薄い赤色の地域がフォッサマグナ
  赤線が中央構造線

関東地方一都六県にまたがり、北は西から順に妙義山榛名山赤城山(以上、上毛三山)、皇海山袈裟丸山(以上、足尾山地)、日光白根山男体山女峰山赤薙山(以上、日光連山)、高原山那須岳八溝山地多賀山地に、西は箱根山関東山地に囲まれ、東は鹿島灘九十九里浜に、南は房総丘陵多摩丘陵東京湾に囲まれている。

河川は北西部山地から東南方向に向かって流れ太平洋に注ぐ。主な河川として三国山脈を水源とする利根川足尾山地を水源とする渡良瀬川日光連山帝釈山地を水源とする鬼怒川田川八溝山地を水源とする小貝川関東山地を水源とする烏川荒川多摩川などがある。支流を含めた利根川の流域面積は関東平野全体の約1/2を占める。

台地武蔵野台地大宮台地下総台地などがあり、関東ローム層という火山灰土壌(南関東富士山箱根山北関東浅間山赤城山男体山那須岳などに由来する)で覆われている。丘陵は第三紀層を基盤とする狭山丘陵加治丘陵比企丘陵などがある。

地質

関東平野は、新第三紀以来続く、関東造盆地運動という変化により形成された。これは現在の関東平野の中央部を中心にして沈降が起こり、周囲の山地などが隆起する運動である。これにより周囲の山地からの土砂が非常に厚く堆積し(第三紀層が3000mにも達する)、それがさらに隆起することにより丘陵や台地が多く形成された。フォッサマグナの東縁線、中央構造線などの大型の構造線が平野の中央部に存在すると考えられているが、このようにして軟らかい堆積層が厚く積もっているため、地震の発生原因となる活断層を発見することが困難になっている(断層は堆積層下の地下3000mの基盤に存在する)。その他、河川の運んだ土砂等の自然堆積物による陸地化も起きており、縄文時代末期から弥生時代初期(およそ3000年以上前)には、ほぼ現在の地形になっていた。

気候

ファイル:Maebashi20080227.jpg
北の山から季節風が吹いてくる(前橋と赤城山イメージ)

関東平野の気候は温帯で、太平洋側気候である。冬寒く、夏暑い。内陸部に行くほど、一日の内の気温差、夏と冬の気温差が大きい。北部を中心に日照時間が比較的多い。

沿岸部を流れる黒潮暖流)の影響により、南部を中心に温暖な気候である。

は、モンスーンによる梅雨前線の影響でが多く、台風の影響も多く見られる。また昼前に北部から西部山岳部で発生した雷雲が昼過ぎに平野部に達し、夕立雷雨)となる日が多い。オホーツク海高気圧が優勢の年は、この高気圧からの風が北東風となり、冷気が入り込むやませにより気温が上がらず、冷夏となることもある。

は、日本海からの季節風三国山脈で遮られ、北側の山沿いにその水分をとして降らせるが、その雪により水分を失った季節風は乾燥した空気を運ぶ強いからっ風として関東平野を吹き抜ける。降雪は年々少なくなっているが、冬季に数回、概ね10 - 20cm前後の積雪を記録する。

年間を通して関東平野全域、特に内陸部は晴天と北風により放射冷却の影響を受け易く、冬は日の出前の最低気温が氷点下5度程度まで下がる日もある。明け方に気温が低下した日でも、晴天日は日中の気温が7 - 10度程度まで上昇し、乾燥した北風が強い日は実際の気温より体感温度が低くなる。

東京都心部はヒートアイランド現象により、周辺部と比べて最低気温が高い。

2010年、東京都心部の東京都千代田区大手町での観測では最高気温37.2度(8月17日)、最低気温氷点下0.4度(2月4日)、日平均気温16.9度、平均湿度61%、日照時間1987.0時間、降水量合計1679.5mm、最深積雪は1cmである。また、内陸部の埼玉県熊谷市では2007年8月16日に40.9度と、日本観測史上1位の最高気温を記録した(2011年8月20日現在)。

主な都市

東京都区部横浜市川崎市相模原市さいたま市千葉市など

交通

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郊外を行く地下鉄直通列車(東武伊勢崎線)
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新幹線も平野内移動に使用される(JR東北新幹線)
ファイル:SawaraPA-lookout-point,higashi-kanto-expressway,katori-city,japan.JPG
水郷地帯を貫く高速道路(東関東自動車道)

東京特別区日本政治経済文化の中枢を抱え、就職などで周辺地域から大都市に依存する大都市圏東京圏)を形成しており、東京通勤手段には専ら鉄道が利用される。この平野の鉄道は直通運転などで遠・近距離がそれほど分離されていない。長距離路線も近距離需要が高かったり、都市内交通手段である地下鉄を介した郊外直通運転の距離も長いことがある[1]

最大都市・東京(特別区)が世界的にも高度に発達した公共交通網を持つ一方で、都市圏内を含めて比較的車社会化の傾向の強い地域も多く(両毛地域など)、新興住宅地や農村部などを始めとして公共交通空白地帯・公共交通不便地帯が点在し、生活・通学等の交通確保の問題も生じている地区が少なくない。

産業 農業 沖積平野では稲作が、洪積台地および太平洋沿岸地域では畑作・畜産および果樹の生産が行われている。千葉県、茨城県を中心に農業が盛んである。

工業 京浜工業地帯鹿島臨海工業地帯京葉工業地域北関東工業地域などに大型の製造業が立地する。

商業 多くの流通業の本社・拠点が存在する。主要都市中心部に商業施設が立地する他、2000年代以降郊外の商業施設が急増している。

脚注

  1. 例えば、中央林間(神奈川県) - 南栗橋(埼玉県) 営業キロ98.5kmなど

関連項目

テンプレート:日本の平野