アイギーナ

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ファイル:Saronic Gulf from Astir Beach, Vouliagmeni, looking towards Aegina Island and the Peloponnese, Greece, 2009.jpg
アイギーナ島。アイギーナはゼウスによってこの島に連れ去られた。

アイギーナ古希: Αἴγινα, Aigīna, ラテン語: Aegina)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアイギナとも表記する。アイギーナ島の名の由来とされる[1][2][3]

アイギーナは河神アーソーポスメトーペーの娘の1人で[1][3]ピンダロスによればテーベーと双子の姉妹、アーソーポスの末の娘である[4]ゼウスとの間にアイアコス[1][2][3][5]アクトールとの間にメノイティオスを生んだ[6]

神話

アイギーナはゼウスにさらわれ、プリウースから[3]オイノーネー島に連れ去られた。父アーソーポスはアイギーナを探してコリントスを訪れ、シーシュポスからアイギーナの居場所を聞き出して後を追いかけた。しかしゼウスは雷を投げつけてアーソーポスを追い払った。アイギーナはオイノーネー島でゼウスに愛され、アイアコスを生んだ。そこでオイノーネー島はアイギーナ島と呼ばれるようになった[1][2]オウィディウスによればアイアコスが母の名にちなんでアイギーナ島と呼んだという[7]

アイギーナ島は無人の島だったが、ゼウスはアイアコスのためにアリを人間に変えたて住まわせた。これがミュルミドーン人だとされる[1][2]。別の説によると、嫉妬したヘーラーがアイギーナ島に疫病をもたらした[8]、あるいはヘーラーが水中に放った毒蛇の毒が流れたために島の住人が滅びかけた。このためアイアコスはゼウスに祈り、ゼウスはアリを人間に変えたという[9]

アイギーナの子供のうちアイアコスは敬虔な人物として知られ、死後も冥府で敬われ、冥府の鍵を預けられている[1]。冥府の裁判官になったとも言われる。また、メノイティオスはアルゴナウタイに参加し、パトロクロスの父となった[10]

系図

テンプレート:アキレウスの系図

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 アポロドーロス、3巻12・6。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 パウサニアス、2巻29・2。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 シケリアのディオドロス、4巻72・5。
  4. ピンダロス『イストミア祝勝歌』第8歌16行a-18行。
  5. ヒュギーヌス、52話。
  6. ピンダロス『オリュンピア祝勝歌』第9歌70行。
  7. オウィディウス『変身物語』7巻。
  8. オウィディウス『変身物語』7巻。
  9. ヒュギーヌス、52話。
  10. アポロドーロス、3巻13・8。

参考文献