オーレ・レーマー

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オーレ・クリステンセン・レーマー(Ole Christensen Rømer、1644年9月25日 - 1710年9月19日)は、デンマーク数学者天文学者1676年に、科学的に意味のある光速の値を世界で初めて算出した。1681年からコペンハーゲン大学で数学の教授を務めた。

小惑星(3455)のクリステンセンは、彼の功績を称えて命名された。なお、彼の肖像はデンマークの旧50クローネ紙幣に描かれていた。

光速の算出

イタリアの天文学者・ジョヴァンニ・カッシーニが観測した木星による衛星イオの周期の変動が、木星から地球(観測者)に光が到達する時間の差によるものと考えて、カッシーニのデータを使って光の速度を計算した。この計算は1676年9月に行われ、11月にはイオの食が計算通り遅れることが観測により確認された。

地球太陽の距離は光速で約500秒で、太陽と木星の距離は5.2AU(天文単位)なので、地球と木星の距離は太陽の同じ側にある場合、光速で約2,000秒(約30分)である。地球が木星に近づいていく場合(概算で1日に光速で約10秒の距離ずつ近づく計算になる)には、光が地球に到達するまでにかかる時間がしだいに短くなり、それに従って食の起きる間隔も短くなる。天体間の距離、速度を知れば逆に光速を見積もることができる。このようにして計算された光速は、メートル法に直すと 214,300 km/s であった。実際の光速は 299,792 km/s ほどであるため、レーマーの計算値はおおよそ当たっていた。

温度計の製作

また、1702年には融点沸点を元に独自の温度計を製作。現在ではレーマー度と呼ばれている。

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