スコットランド

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スコットランド Scotland

イギリス,グレートブリテン島の北部を占める地域。首都エディンバラ。

東は北海,西は大西洋に面し,ヘブリディーズ諸島,オークニー諸島,シェトランド諸島を含む。1996年の自治体再編により,32の単一自治体(カウンシルエリア council area)に改編された。地体構造的にはスカンジナビア半島からアイルランドにかけて延びるカレドニア山地に属し,大部分が先カンブリア界から下部古生界の地層からなる。地形的には北部のノースウェスト高地とグランピアン山脈,二つの断層に挟まれた地溝である中部の中央低地,南部のサザン高地に大別される。グランピアン山脈にあるベンネビス山(1343m)はイギリスの最高峰。中央低地には夾炭層(きょうたんそう。炭層)が露出し,エアシャー炭田と中央炭田を形成している。全体に氷河作用の影響を受け,北部から西部にかけての沿岸にフィヨルド,内陸には氷河湖が発達。気候は西岸海洋性気候で,北大西洋海流と偏西風の影響で緯度のわりに温暖である。

古代ではカレドニアと呼ばれ早くからピクト人が住み王国を形成していたが,6世紀にアイルランドから西部に定住したスコット人が王国を建設,9世紀にピクト王国を併合した。11世紀には南部にあったブリトン人の王国も合わせ,ノール人の支配下にあった北部を除いて全土を統一。

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その後長い間イングランドと対立,抗争を繰り返したが,1707年合同法により統一王国が形成された。統合後も独自の議会を求める声は存続し,1997年に地方政府設置の是非を問う住民投票が実施,可決され,1999年スコットランド議会が復活した。

さらに 2014年9月,独立国家となるべきかを問う住民投票が行なわれたが,否決された。産業では,かつて石炭業が盛んだったが,炭層の枯渇や採算性の低さから閉山された炭鉱が多い。グラスゴーを中心とした中央低地では産業革命の進展に伴って,石炭資源を背景に鉄鋼,重機械,造船などの重工業が発展。

特に造船業は一時世界最大規模を誇ったが,第2次世界大戦後は国際競争力を失い,鉄鋼業とともに衰退した。1970年代以降は北海油田の開発により,石油関連事業が発達。今日では電子機器などの工業が盛ん。スコッチウイスキーは世界的に有名。農業部門は北部や南部の高地では牧羊,中央低地以南の西部では酪農,同東部ではオオムギ,コムギ,ジャガイモなどの栽培が中心。沿岸では漁業も重要で,北海沿岸のアバディーンやピーターヘッドなどイギリス有数の漁港を抱える。

面積 7万7925km2。人口 529万5400(2011)。