デイリーヤマザキ

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一般店舗例 原町北長野店(福島県南相馬市
ファイル:Yamazaki Daily Store Yamamototown Shop.jpg
ヤマザキデイリーストアー山元町店(宮城県山元町

デイリーヤマザキDaily Yamazaki)は、山崎製パン株式会社[注 1]が運営(フランチャイズ展開)するコンビニエンスストア

2013年平成25年)6月30日までは、山崎製パン株式会社の子会社であった株式会社デイリーヤマザキが運営していた。翌日付で山崎製パンに吸収合併され、同社の「デイリーヤマザキ事業統括本部」に移行した。

なお、本項では同社がフランチャイズ展開するコンビニエンスストア業態の「ニューヤマザキデイリーストアヤマザキデイリーストアー)」についても解説する。

概説

経緯

山崎製パン株式会社は1977年5月にコンビニエンスストア「サンエブリー」の店舗展開を開始し、同年12月に完全子会社の株式会社サンエブリーを設立した(「サンエブリー」は sun「太陽」+every「すべての」の意味で英語としては何の意味もなさない)。これとは別に山崎製パン株式会社の営業部門の事業として1978年5月に「ヤマザキデイリーストアー」の店舗展開を開始し、1980年9月には同社営業部門内に「デイリー事業部」を設置した。同じグループ内の重複する事業であったため、1982年1月、株式会社サンエブリーに山崎製パン株式会社のデイリー事業部を統合した上で商号を変更して、株式会社サンショップヤマザキとした。

約20年間、サンエブリーとヤマザキデイリーストアーの2つのブランド(デュアルブランド)[注 2]が並存していたが、1999年1月に新しく「デイリーヤマザキ」というブランドに統合して店舗展開を開始し、同時に会社の商号も株式会社デイリーヤマザキに変更している。2013年7月、山崎製パン株式会社が同社を吸収合併したことにより、以降当コンビニチェーンの運営は山崎製パン株式会社内の「デイリーヤマザキ事業統括本部」が担っている。なお秋田県青森県のみ、山崎製パンと業務提携する製パン会社(前者はたけや製パン、後者は工藤パン)内の「デイリー事業部」によって運営(事実上エリアフランチャイズ)されている。

旧来からの「ヤマザキデイリーストアー」と「サンエブリー」から順次「デイリーヤマザキ」に切り替わったが、小規模な店舗の中にはフランチャイズを終了して独立店舗となったり、営業時間や店舗面積・機能等の制約が少ないヤマザキデイリーストアー(現在のニューヤマザキデイリーストア、詳細は後述)にとどまったり、さらに店舗運営の独立性の高く、かつ制約が少ない(当コンビニチェーンよりも独立性の高い)ヤマザキショップ[注 3]、および店舗管理システムの導入などコンビニエンスストア機能の一部を付加した「ヤマザキスペシャルパートナーショップ(YSPS)[注 3])に転換する例も見られる。

元来が個人経営のパン屋酒屋からの転換が加盟店に多く含まれているため、店舗運営に対してはオーナーの自主性を尊重する方針であり、他の大手コンビニエンスストアと比べ本部の締め付けが緩やかなのが特徴である。しかし、この方針のため、店舗によってサービス水準・商品展開のばらつきが激しくなり、かつては経済専門誌の「嫌いなコンビニランキング」で上位にランキングされる事もあった。現在ではこういったサービス面での改善が進んでいる。また、大手のコンビニとしては珍しく、消費期限が近い食品(パン、弁当類など)を値引き販売することがある。

なお、前述の2013年の吸収合併を機に、デイリーヤマザキとヤマザキショップの中間形態(こちらも体裁上はサテライト店舗扱い[注 3])として「ニューヤマザキデイリーストア」という新たな業態ブランド(店舗パッケージ)を設定、デイリーヤマザキに移行しなかったヤマザキデイリーストアーも順次こちらに移行している<ref[広報 1]。このブランドは、コンビニエンスストアの機能を有しながらも店舗運営の負担も減らした、深夜営業しない若干小規模の店舗形態である。大学内・病院内など24時間営業を要しない施設内店舗、深夜営業での収益の見込みが少ないシニア層を重点にした店舗が多い。

これによって山崎製パンのコンビニ形態のブランドは「デイリーヤマザキ」と、サテライト店舗形式[注 3]の「ニューヤマザキデイリーストア(「ヤマザキデイリーストアー」含む)」「ヤマザキショップ(「ヤマザキスペシャルパートナーショップ(YSPS)」を含む)」の3ブランド体制となった[4]</ref>[広報 2][広報 3][広報 4]

店舗展開

総店舗数は1,571店で業界6位、うちデイリーヤマザキ1,232店、ニューヤマザキデイリーストア300店、ヤマザキデイリーストアー39店である[広報 5]。(2016年12月末時点)

2017年12月時点で北海道[注 4]福井県[注 5]三重県[注 6]鳥取県高知県鹿児島県[注 7]沖縄県には店舗がない。ただし滋賀県大津市米原市に1店舗ずつの計2店舗、島根県邑南町に1店舗、徳島県吉野川市東みよし町に1店舗ずつの計2店舗、宮崎県高千穂町に1店舗出店。

山崎製パンの本社のある東京都千代田区岩本町周辺は交差点ごとにデイリーヤマザキがある程、店舗が密集しているが、一例として、山形県の内陸地方(米沢市山形市新庄市を含む一帯)や、岩手県三陸地方、福島県の県北地方の大部分(福島市伊達市二本松市富山県の西部地域(高岡市と射水市は出店)石川県の能登地方には全く出店していないため、同一県内の出店密度でかなりのばらつきがある地域もある。

ただし、以上に挙げた「デイリーヤマザキ」としての出店がない道県においても、沖縄県を除き、事実上のサテライト店舗である「ヤマザキショップ」[注 3]は出店している。なお、店舗がない地域でもCMが放映されることはあった。

サービス

クレジットカードプリペイドカード電子マネーといった現金以外の支払方法への対応は遅れていた(ごく一部の店舗でSmartplusiDを導入していた)。しかし2007年7月以降、JR東日本のSuica利用可能エリア(首都圏・新潟・東北)の店舗にSuicaの導入を拡大することが決定し[広報 6]、後には三井住友カードの協力でiD・Suicaの共用端末を2008年7月以降、全店舗への導入が進められている(iDについては、全店舗で対応。Suicaについては、JR東日本エリア内の店舗のみ対応)[広報 7]

なお、北陸・関西[注 8]・中国・四国地区の店舗では、iDとJR西日本ICOCA電子マネーとの共用端末としての導入が進められている(JR西日本管内の福井県・鳥取県及び、JR四国管内の高知県は進出していない)。他に大阪市内の一部店舗では、PiTaPaの利用が可能である。

2010年8月5日より、福岡・佐賀・長崎・大分・熊本の各県にあるデイリーヤマザキの店舗において、JR九州SUGOCA電子マネーが順次導入されている[注 9](JR九州管内の鹿児島県及び、JR線がない沖縄県は進出していない)。また同年8月上旬より、愛知・岐阜・静岡・滋賀[注 10]の各県内の全店舗、および長野県内の一部店舗に、JR東海TOICA電子マネーが、順次導入されている(JR東海〔一部JR西日本〕管内の三重県は進出していない)。なお北海道には出店していないためKitacaへの直接加盟はない。WAONが一部店舗(高速道路のPAやSA内の店舗など)で利用可能である。ただしチャージは不可。

クレジットカードは全種類とも2013年7月1日より利用可能となりQUICPayも2013年7月20日より利用可能となった。

2010年4月7日より全国の店舗に、楽天Edyが順次導入されている。サービス開始から一年半以上が経過しても未だにIC読み取り機が設置されていない店舗があり、他社のように全店一斉開始しないようである。ちなみにIC読み取り機が無い店舗でも、支払時にレジ液晶画面に、Edyチャージできる事のお知らせが出ている。

コンビニATMの設置状況についても同様で、店舗によってイーネット東京スター銀行ゆうちょ銀行(あとの2つはいわゆるコンビニATMで、厳密な意味でのコンビニATMではない)とバラバラであり地域によっては他の金融機関のATM(コンビニATM)を設置している店舗もある。また、ゆうちょ銀行ATMをイーネットATMまたは東京スター銀行ATMに置き換えた店舗やゆうちょ銀行ATMを撤去した店舗もある。デイリーヤマザキ伊豆長岡店と一部ニューヤマザキデイリーストアにはタウンネットワークサービスATMを設置している。かつては新生デイリーバンクATMを設置している店舗もあった。

宅配便については、日本通運が集荷を受託する形で、ペリカン便ゆうパックのデュアル対応を行っていたが、両サービスの統合を見据えた措置として、2009年4月からはゆうパックに一本化されていた。しかし、2010年7月14日ヤマト運輸との間で、取扱店業務委託契約締結。同年9月1日から、ゆうパックに変えて宅急便の取扱サービスを開始することとなった[広報 8]。なお、ゆうパックの取扱いが終了することから店内に設置してあった郵便ポストについても撤去されている。

この他、デイリーヤマザキ店内で流れるインフォメーションの声は声優富沢美智恵が務めている。

山崎製パンが毎年展開している「春のパンまつり」の点数シールが添付される対象商品として、デイリーヤマザキではパンの他におにぎりや惣菜なども加わり、2015年からは弁当も対象商品となっている。

大手コンビニとしては珍しくポイントカードを導入していなかったが、2018年秋に楽天ポイントカードを導入する予定である[広報 9]

沿革

  • 1977年(昭和52年)
  • 1978年(昭和53年)5月 - ヤマザキデイリーストアー(東京都板橋区・軍司店)が開店。
  • 1980年(昭和55年)9月 - 山崎製パン株式会社の営業部門に「デイリー事業部」設立。
  • 1981年(昭和56年)6月 - 関東地区で受発注オンライン開始 。
  • 1982年(昭和57年)1月 - デイリー事業部とサンエブリーの業務を統合し、株式会社サンショップヤマザキを発足[5]
  • 1983年(昭和58年)
    • 1月 - 第1次店舗情報システム(オンライン発注システム)の導入開始。
    • 5月 - 本部を千葉県市川市の「サンプラザ35」ビル(市川1-9-2)内に移転。
    • 6月 - 総店舗数が1000店を達成(サンエブリー185店、ヤマザキデイリーストアー835店)。
    • 11月 - 秋田県の株式会社たけや製パンとヤマザキデイリーストアーのサブフランチャイズ契約を締結。
  • 1985年(昭和60年)11月 - 第2次店舗情報システム(POSシステム)導入開始。
  • 1989年(平成元年)4月 - 総店舗数2000店達成(サンエブリー292店、ヤマザキデイリーストアー1725店)。
  • 1990年(平成2年)8月 - 公共料金収納代行業務(東京電力)の開始。
  • 1991年(平成3年)
    • 2月 - 青森県の株式会社工藤パンとヤマザキデイリーストアーのサブフランチャイズ契約締結。
    • 10月 - 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)に正会員として入会。
    • 青森市に1号店を出店し、青森県へ出店開始。
  • 1993年(平成5年)1月 - 第3次店舗情報システム(ISDNを利用したネットワークシステム)導入開始。
  • 1994年(平成6年)
    • 4月 - 総店舗数が2500店達成(サンエブリー454店、ヤマザキデイリーストアー2064店)。
    • 6月 - 大阪東成区の森ノ宮駅前店で焼きたてパン(RHBS)導入。
  • 1995年(平成7年)3月 - 資本金8000万円から1億6000万円に増資。
  • 1997年(平成9年)7月 - MMS(マルチメディアステーション)導入開始 。
  • 1999年(平成11年)
    • 1月1日 - 社名を株式会社デイリーヤマザキに変更。「ヤマザキデイリーストアー」と「サンエブリー」のブランドを「デイリーヤマザキ」に順次統合。
    • 2月 - 第4次店舗情報システム(衛星通信を利用したネットワークシステム)導入開始。
    • 10月27日 - 大手百貨店の松坂屋とギフト取扱いで業務提携を締結。
  • 2000年(平成12年)
  • 2001年(平成13年)
  • 2003年(平成15年)
    • 11月27日 - 関西におけるデイリーホットフラッグシップショップ、「森ノ宮駅前店」開店。
    • 11月 - デイリーホット導入店舗100店突破。
  • 2005年(平成17年)
    • 1月26日 - 一般財団法人横浜市交通局協力会と業務提携を締結し、駅構内売店を順次デイリーヤマザキ店舗へ転換。
    • 9月 - 市川市内の直営店舗においてSuica取扱い開始。
  • 2007年(平成19年)12月19日 - 徳島自動車道吉野川サービスエリアにD’Space吉野川SA下り店を出店し、徳島県へ出店開始。
  • 2008年(平成20年)
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
  • 2011年(平成23年)
    • 1月12日 - 岩手県、山形県、福島県、新潟県、長野県の約110店舗にSuica導入。
    • 2月16日 - 店舗にてEdyのチャージサービス開始(秋田、青森地区を除く)。
  • 2013年(平成25年)7月1日 - 株式会社デイリーヤマザキが山崎製パン株式会社に吸収合併され、同社における「デイリーヤマザキ事業統括本部」となる。

独自のシステム・サービス

  • デイリーホット
    店内でパン・弁当・惣菜を店員が作って販売するシステム。

CM

  • デイリーヤマザキに統合される以前の「ヤマザキデイリーストアー」「サンエブリー」時代には15秒のスポットCMが放送されていた。
  • 統合前、2つの店名部分以外は全く同じラジオCMも存在した。
  • その後デイリーヤマザキになってからは濱田マリ小林亜星が歌う「夢を見ましょう」を起用した30秒CMをTBSの早朝ワイド番組「ウォッチ!」「みのもんたの朝ズバッ!」の全国ネットワークセールス時間帯に放送していた(ちなみに、CMに出ていた球体のキャラクターは現在でもレジの休止札やパンフレットのラックで見る事が出来る)。
  • レシートの裏側に商品割引クーポンを印刷して発行する「レシートみてみてキャンペーン」では、映像はモノクロアニメが使用され、CMソングもレトロな雰囲気の曲が使用された。

脚注

注釈

  1. 同例として、サークルKサンクスがある[1](2004年に法人上は旧サークルKジャパンと旧サンクス&アソシエイツの間で合併しているが[1]、2016年9月1日のファミリーマートへの合併時点でも「サークルK」「サンクス」のデュアルブランド状態が続いた[2]。(ファミマへの再合併後も、当面一部店舗で暫定的に左記ブランドでの営業をするが、2018年8月までにすべてファミマに統合する予定[3]
  2. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4

出典

  1. 1.0 1.1 “サークルKとサンクス→ファミリーマート 店名、経営統合で一本化”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 8. (2016年1月28日) 
  2. “ユニー・ファミマHD発足 コンビニ2位、規模生かし攻勢”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 8. (2016年9月2日) 
  3. 石原猛 (2017年4月12日). “ファミマ転換 半年前倒し ユニー・ファミマ 中期計画を発表”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 7 
  4. “自社商品4〜5割、山崎製パン、小型コンビニ”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 朝刊. (2013年10月29日). https://messe.nikkei.co.jp/fc/news/125063.html . 2018-08-233閲覧. 
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広報資料・プレスリリースなど一次資料

関連項目

外部リンク