東シナ海

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東シナ海(ひがしシナかい、東支那海、東中国海、East China Sea)

太平洋西部の南西諸島ユーラシア大陸に挟まれている。

概要

太平洋西部にある縁海であり、北は対馬海峡を通じ日本海と接し、東は南西諸島を挟んで太平洋(フィリピン海)に接する。南南西に台湾海峡を通じ、南シナ海と結ばれているほか、北西は黄海に接している。大規模河川として長江が流入している。

海域の中央部には島嶼は無いが、北辺から東を経て南辺にかけて周囲に島弧がある。主な島嶼として、北から済州島九州南西諸島台湾となっている。ユーラシア大陸縁辺部には舟山群島などの小島嶼がある。海底はほとんどがユーラシア大陸から続く大陸棚で、深度200mより浅いが、東部は沖縄トラフであり深度約2,000mと深くなっている。海流としては黒潮およびその分流の対馬海流が流れている。

日本と中国の間では尖閣諸島問題のほか東シナ海ガス田問題に絡んで経済水域の設定に争いがある。また、韓国と中国の間でも蘇岩礁にからみ争いがある。

表記

日本において

第二次世界大戦までは東支那海と表記した。また戦後の一時期は東中国海と表記されていた。現在の日本の外務省の公式文書等では東シナ海と表記され、日本国内では一般化している。

その他の国・地域において

  • 国際水路機関発行の「大洋と海の境界(第三版)」[1]では、Eastern China Sea (Dong Hai)としている。
  • 中華民国中華人民共和国 - 東海と表記する。 ただし、この表現は中国語でしか用いられていない。
  • 韓国 - 東シナ海のうち、朝鮮半島および済州島の南方の海域は「南海남해、ナムへ)」と呼ぶ。東シナ海全体については「東中国海동중국해、トンチュングケ)」とも呼ぶ。

範囲

「大洋と海の境界(第三版)」(Special Publication No.23)では "Eastern China Sea (Dong Hai)" の範囲は以下の通り[1]

On the south. The northern limit of the South China Sea [From Fuki Kaku the north point of Formosa to Kiushan Tao (Turnabout Island) on to the south point of Haitan Tao (25°25'N) and thence westward on the parallel of 25°24' north to the coast of Fukien], thence from Santyo the northeastern point of Formosa[註 1] to the west point of Yonakuni Island[註 2] and thence to Haderuma Sima (24°03' N, 123°47' E)[註 3].

On the east. From Haderuma Sima a line including the Miyako Retto to the east point of Miyako Sima and thence to Okinan Kaku, the southern extremity of Okinawa Sima[註 4] through this island to Ada-Ko Sima (Sidmouth Island) on to the East point of Kikai Sima (28°20'N) through Tanegra Sima (30°30'N) to the north point thereof and on to Hi-Saki (31'17'N) in Kyūshū.

On the north. From Nomo Saki (32°35'N) in Kyusyu to the south point of Hukae Sima (Goto Retto) and on through this island to Ose Saki (Cape Goto)[註 5] and to Hunan Kan, the South point of Saisyu To (Quelpart), through this island to its western extreme and thence along the parallel of 33°17' north to the mainland.

On the west. The mainland of China.

隣接する国と地域

隣接するの中華人民共和国の地方区分

隣接するの台湾の地方区分

隣接する日本の地方区分

隣接する大韓民国の地方区分

漁業

この海域は、1960年頃までは、大変よい魚場であったが、漁獲規制がまったく行われなかったために、日本漁業者の乱獲により水産資源が激減した。戦後間もない1951年時点で水産資源の減少は明らかであったが、有効な漁獲規制は今日まで導入されていない。農林水産省の「漁業・養殖業統計年報」によれば、1960年の日本の漁獲量は370tほどあったが、それをピークに直線的に減少し始め、近年は20t足らずにまで落ち込んでいる。1980年代からは日本漁船は、採算が取れなくなり撤退、その後に操業コストの安い中国漁船が進出し、さらに資源は減少し続けている[2]

備考

  • 中国報道機関などの日本語サイトは、 「シナ(支那)」を日本人がかつて中国に対する優越意識・差別意識をこめて使用した語であるとして日本語表記の東シナ海も使用せず、かわりに東中国海の表記が用いる事がある。
  • 中国の学者凌純声は「東亜地中海」(東アジアの内海)と呼んだこともある[3]

関連項目

参考文献

  1. 1.0 1.1 Limits of Oceans and Seas, 3rd edition”. International Hydrographic Organization (1953年). 2011年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2011閲覧.
  2. 勝川俊雄『漁業という日本の問題』(2012年4月 NTT出版
  3. 「日本の古代3 海をこえての交流」中央公論社、1986年、191頁

外部リンク