為替

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exchange

隔地者間の債権,債務を決済するにあたって,現金を輸送することなしに同一地域内の決済に振替える仕組みをいう。たとえば東京のAが大阪のBから1万円の商品を買い,同時に東京のDが大阪のCに1万円の商品を売ったとする。この場合AがBに支払うべき金額とCがDに支払うべき金額とが相等しいから,もし当事者が相互に既知の関係にあれば,BがAに1万円をDに支払うように依頼し,またDはCに1万円をBに支払うように依頼すれば,実際の取引は東京-大阪間で現金を輸送することなしに決済できる。このような場合実際には上記のような方法にかえて債権者または債務者は小切手や手形を振出し,銀行やその他の金融機関がその仲介機関として取立て,支払いなどの決済を行うこととなる。この支払関係が一国内にとどまる場合を内国為替,国際間にわたるものを外国為替という。また支払いが債務者から債権者に向って行われる場合を順為替 (送金為替) ,債権者が銀行などを介して取立てる場合を逆為替 (取立為替) という。また郵便局へ現金を持参して為替証書の振出しを受け,これを現金の送付に代える場合を郵便為替という。日本では鎌倉時代に年貢などを送納するのに為替の制度が用いられたのが始りであるが,室町時代になると割符 (さいふ) と呼ばれる手形を発行して送付先で米や銭と交換して決済するようになった。さらに江戸時代になると両替商を中心に為替取引が盛んになり,現在の仕組みがほぼ整ったといわれる。