鉄道の日

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鉄道の日(てつどうのひ)は、鉄道を記念する日本記念日10月14日

概要

明治5年9月12日新暦1872年10月14日)に、新橋駅(後の汐留貨物駅、現・廃止)と横浜駅(現在の根岸線桜木町駅)とを結んだ日本初の鉄道(現在の東海道本線の一部)が開業したこと並びに、 1921年大正10年)10月14日に鉄道開業50周年を記念して東京駅の丸の内北口に鉄道博物館(初代)が開館したことを記念したもので翌1922年から鉄道記念日として鉄道省により制定された。

1949年には日本国有鉄道の記念日となり、分割民営化後も引き続きJRグループの記念日としてJRグループ内で祝われていた。だが、1994年運輸省(現・国土交通省)が「『鉄道記念日』のままではJRグループ色が強い」という提案で、「鉄道の日」と改称し、JRグループを始めとしたすべての鉄道事業者が祝う記念日となった。これを記念して鉄道の日の前後に鉄道関連のイベントが行われるところや、記念乗車券プリペイドカードを発行する事業者もある。

1994年の第1回鉄道の日には、当時102歳の長寿双子姉妹成田きん・蟹江ぎんが一日東京駅長を務め、東北上越新幹線ホームで新潟行「Maxあさひ309号」の出発指示合図を行った。その後、「銀の鈴」の横に並べられたその日だけの「金の鈴コーナー」の除幕式にも出席している。

東京では1995年以降、東京都千代田区日比谷公園にて「鉄道フェスティバル」というイベントを開催している(1994年の第1回は秋葉原神田市場跡地で開催、2012年の第19回は明治公園で開催[注 1])。また、一部の鉄道事業者で前後の休日にリバイバルトレインなどとして、過去の名列車などの特別な臨時列車を走らせたり、車両基地や工場を一般開放したりと、大掛かりなイベントを開催することも多くなっている。

関東地区ではこのイベントの前[注 2](例年10月の第1土・日曜日)に横浜駅東口の地下街ポルタ」で「YOKOHAMAトレインフェスティバル」というプレイねんはベントが行われ、関東の駅百選フォトラリー(2005年まではスタンプラリー)の景品引き換えをここで行っている[注 3]

1994年にシンボルキャラクターが誕生し、1998年にはテッピーと命名された。また、2013年にそのガールフレンドとしてテッピーナも制定されている[1]

鉄道の日イベント

鉄道の日を記念して、JRグループや私鉄などの各鉄軌道事業者が、鉄道の日イベントと称してイベントを開催している。また、上記の東京・日比谷公園で開催される「鉄道フェスティバル」もこのうちに含まれるものと言える。

鉄軌道事業者が行うものは、主に車両基地での鉄道車両の展示や、廃車発生品(吊り革方向幕など)や鉄道事業者のグッズの即売会などである。

元来、鉄道の日は10月14日だが、2000年から体育の日が10日から第2月曜日に変更されたのに伴い、10月の3連休が設定されたことから、イベントは必ずしもその日に行われるとは限らない。また、事業者によっては鉄道の日や3連休以外の10月・11月の土・日曜に行う場合もある。ちなみに10月14日が3連休に絡む組み合わせは、10月12日(土) - 10月13日(日) - 10月14日(月)の一つしかない(2002年2013年2019年が該当)。

また、一部の鉄道事業者では、安全面を考慮する観点から事前応募制でのイベントを開催している。

主な鉄道の日イベントの一覧

日本鉄道賞

日本鉄道賞は「鉄道の日」実行委員会が、鉄道の日の創立趣旨に基づいて2002年に制定したである。表彰の前年に実施された鉄道事業者の取り組みの中から、日本鉄道賞表彰選考委員の選考により選定される。国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室が主管し、「鉄道の日」実行委員会事務局のある公益財団法人日本交通文化協会が事務局となっている。

優れた鉄道車両に贈る賞としてブルーリボン賞ローレル賞があるが、本賞は鉄道事業者や団体の取り組みに贈る賞であることが特徴である。

応募・選考

「鉄道に関する取組を実施した事業者、団体、個人」を表彰対象とし、自薦及び他薦を受け付ける。

自薦の場合は、所定の様式に鉄道に関する取組の内容・取組の成果・取組の実施時期・その他(経緯等)を説明した資料を記入し、プレゼンテーション資料(Microsoft PowerPoint形式)を添えた紙媒体及びCD-ROMによる電子媒体を事務局に提出する[2]。他薦の場合は、推薦をしたい取組の概要及び理由等を事務局宛にメールにて送付する。自薦にて一度応募した取り組みに関しては、再度応募することはできない。

自薦・他薦の応募が出そろった時点で、一般からの意見を募った上で参考資料とし、選考委員会により「日本鉄道賞」と選考委員会特別賞、表彰選考委員会による特別表彰(第4回以降)が選定され、鉄道の日記念行事の席上で表彰が行われる。

第4回(2005年)までは部門別に日本鉄道賞を選考していたが、第5回以降は全体を通じての最高賞として「日本鉄道賞」を、以下必要に応じて部門賞・特別表彰を行っている。第11回(2012年)からは選考委員会特別賞に冠称がつけられるようになり、実質的に特別表彰と統合された形となっている。

受賞一覧

第1回(2002年)
「情報化への貢献」部門
  • 日本鉄道賞:東日本旅客鉄道
    選考理由:ICカードを活用した出改札システムSuica導入による、利用者への非常に高い利便性の提供を実現
  • 日本鉄道賞表彰選考委員会特別賞(以下・選考委員会特別賞):小田急電鉄
    選考理由:忘れ物を全駅で即座に検索できるシステムや携帯電話等から特急券を予約・購入しチケットレスで特急に乗車できるシステムを初導入し、利用者利便の向上に貢献
「地方鉄道における活性化への貢献」部門
  • 日本鉄道賞:岡山電気軌道
    選考理由:超低床式路面電車「MOMO」の導入と併せて、情報技術を活用した電車運行情報の提供、バリアフリー化推進等を一体的に行い、さらに市民団体とも連携しつつ街づくり情報等を発信するなど地域の発展に尽くした
  • 選考委員会特別賞:津軽鉄道
    選考理由:ストーブ列車をはじめとして季節毎に様々な趣向を凝らした列車の運行等を通じて利用の確保に努め、地方鉄道として地域に定着するよう長年にわたり努力を続けてきた
「環境対策への貢献」部門
第2回(2003年)
「利用者利便の向上への貢献」部門
  • 日本鉄道賞:阪急電鉄「高齢者、障害者を含めたすべての人に優しい「阪急伊丹駅」の実現」
  • 選考委員会特別賞:横浜市営地下鉄「地下鉄駅におけるバリアフリーボランティア」
  • 選考委員会特別賞:広島電鉄「他の鉄道や旅客船等他の交通モードとの乗換え利便の向上」
「地方の活性化への貢献」部門
  • 日本鉄道賞:三陸鉄道「イベント車両の活用等による三陸沿岸の観光振興への貢献」
  • 選考委員会特別賞:かしてつ応援団(鹿島鉄道沿線中高生徒会連絡会)「地元沿線の中高生徒会による鹿島鉄道存続へ向けた取組み」
  • 選考委員会特別賞:四国旅客鉄道「四国独特の自然、歴史、文化等と連携した四国の観光活性化を図るための取組み」
第3回(2004年)
「地域活性化への貢献」部門
  • 日本鉄道賞:錦川鉄道「廃線の旧国鉄岩日北線軌道敷跡地を走る『とことこトレイン』が地域と鉄道を支える」
  • 選考委員会特別賞:北越急行「シアタートレイン『ゆめぞら号』を活用した鉄道の魅力向上への取り組み並びに沿線市町村と首都圏との交流事業の展開」
  • 選考委員会特別賞:鉄道総合技術研究所「地域活性化に資する鉄軌道事業者への技術支援(レールアドバイザー制度、現地調査サービス)」
「便利で魅力ある鉄道をめざして」部門
第4回(2005年)
「鉄道の利用促進と利便性向上、より環境にやさしい交通の実現に向けて」部門
「地域活性化に貢献する個性あふれる駅づくり」部門
表彰選考委員会による特別表彰
  • プロジェクト賞:首都圏新都市鉄道、鉄道建設・運輸施設整備支援機構「全てのお客さまに、やさしさと、心地よさ〜安全性と快適性が貫かれた『つくばエクスプレス』をめざして〜」
  • 技術賞:東日本旅客鉄道「雪に負けない鉄道輸送〜雪国秋田の現場力が実現!〜」
第5回(2006年)
  • 日本鉄道賞:富山ライトレール「地域に密着した安全・安心・快適で環境にやさしい公共交通をめざして」
  • 選考委員会特別賞:和歌山電鐵「地方鉄軌道再生のモデルケースとなれるよう、日本一心豊かなローカル線を目指します。」
  • 選考委員会特別賞:山形鉄道「沿線住民や高校生が取組む『マイレール』の確保・地方鉄道を活用し沿線地域の活性化を図る」
表彰選考委員会による特別表彰
第6回(2007年)
  • 日本鉄道賞:東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道「最新技術という、おもてなし。新しい新幹線N700系。」
  • 選考委員会特別賞:日本貨物鉄道「「紙と経験と人間の調整力」から「システムによる自動化」へ」
  • 選考委員会特別賞:東日本旅客鉄道「世界初のハイブリッド鉄道車両の開発」
表彰選考委員会による特別表彰
第7回(2008年)
  • 日本鉄道賞:PASMO協議会、関東ICカード相互利用協議会「電車もバスもPASMO・首都圏を1枚で」
  • 選考委員会特別賞:鉄道総合技術研究所「車載の電池でもっと省エネ。架線がなくても快走!
  • 選考委員会特別賞:日本貨物鉄道「貨物鉄道の革新(SEA&RAILサービス、PRANETS)」
表彰選考委員会による特別表彰
  • 地方鉄道活性化賞:えちぜん鉄道「地域とともに鉄道の再生にかける!-地域共生型サービス企業をめざして-」
  • ネットワーキング賞:東京地下鉄副都心線開業!都心へのアクセスがますます便利に!」
  • 駅・まち・水辺の一体計画賞:中之島高速鉄道、京阪電気鉄道「水都大阪のゲートステーションの構築」
  • ランドマークデザイン賞:四国旅客鉄道「高知駅付近高架化開業-駅を覆う「くじらドーム」-」
第8回(2009年)
  • 日本鉄道賞:西大阪高速鉄道、阪神電気鉄道「神戸・難波・奈良、つながる。阪神なんば線開通!」
  • 選考委員会特別賞:IGRいわて銀河鉄道「鉄路は命を繋ぐ!IGR地域医療ラインの挑戦」
  • 選考委員会特別賞:鉄道総合技術研究所「揺れる前に、列車を止める!」
表彰選考委員会による特別表彰
  • 地方鉄道技術連携賞:東北鉄道協会「中小鉄道事業者連携プロジェクト(『技術力共有化事業』と『相互送客事業』)〜人・モノ・技術・知恵の共有による安全性の向上、技術の継承、利用の促進〜」
  • エコフレンドリー賞:パーク24「交通ICパーク&ライド(お気軽!お手軽!全自動、無人のパーク&ライドサービス)」
  • 廃線文化観光賞:北九州市休止された貨物線を活用した観光トロッコ列車の運行
第9回(2010年)
表彰選考委員会による特別表彰
第10回(2011年)
  • 日本鉄道賞:鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道、九州旅客鉄道「新幹線でつなげよう、日本!〜新青森鹿児島中央間全通〜」
  • 日本鉄道賞:東日本旅客鉄道「国内最高速320km/h走行へ向けて最先端の技術を結集し、最高峰のお客さまサービスを実現したE5系新幹線電車
  • 選考委員会特別賞:日本貨物鉄道「緊急石油列車が被災地の燃料不足解消に貢献!
  • 選考委員会特別賞:東北鉄道協会、東日本旅客鉄道東北工事事務所、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、ジェイアール総研エンジニアリング「「よみがえる鉄路(東日本大震災からの復旧・復興)」〜東北の中小鉄道事業者等を支えた鉄道技術者集団と東北ローカル線復興支援キャンペーン〜」
表彰選考委員会による特別表彰
  • えきまちプロデュース賞:西日本旅客鉄道「大阪駅が“まち”になる。OSAKA STATION CITY
  • ローカル線客招きアイデア賞:和歌山電鐵、貴志川線の未来をつくる会「「日本一心豊かなローカル線」になるため、開業年度から、熱意と創意工夫で、地域のシンボルとなるよう、多彩なイベント等を開催し、地域と一体となった運営を続けています。」
  • 路面電車活性化賞:熊本市交通局「利用しやすい市電を目指して(九州新幹線全線開業に向けての取組み)」
第11回(2012年)
第12回(2013年)
  • 日本鉄道賞:東京地下鉄、東武鉄道、西武鉄道、東京急行電鉄、横浜高速鉄道ならびに「メグ会」直通線隊ゴセンジャーの普及を楽しむ会 「首都圏民鉄5社7線による広域速達タイプの相互直通運転
  • 「新たな旅世界の創出」特別賞:九州旅客鉄道ならびに水戸岡鋭治「高水準の鉄道デザインをベースとしたJR九州における長年にわたる新たな旅世界の創出活動」
  • 「鉄道輸送の底力で被災地の復興に貢献」特別賞:日本貨物鉄道「鉄道コンテナ列車による東日本大震災発生ガレキの環境親和型長距離大量輸送の実現」
  • 「沿線ぐるみで鉄道再生」特別賞:肥薩おれんじ鉄道「沿線地域とともに作り上げた観光列車『おれんじ食堂』の快走」
第13回(2014年)
  • 日本鉄道大賞:東海旅客鉄道「東海道新幹線の50年 〜「進化」へのたゆまぬ努力と着実な実績〜」
  • 「震災復興支援」特別賞:三陸鉄道、東日本旅客鉄道「三陸の復興を願って! 地域の協力が実を結んだ公共交通の早期復旧」
  • 「『鉄道×ヒーロー』で親子が鉄道をもっと好きになる!」特別賞:テレビ朝日東映東映エージエンシー烈車戦隊トッキュウジャー
第14回(2015年)
第15回(2016年)
  • 日本鉄道大賞:西日本旅客鉄道「「生きている」鉄道文化の長期保存と魅力ある展示」(京都鉄道博物館
  • 「安心インバウンド対応」特別賞:近畿日本鉄道「携帯型放送装置による車内放送の多言語対応 〜すべてのお客様に安心してご利用いただくために〜」
  • 「利用者とのバリアフリー」特別賞:仙台市交通局仙台市地下鉄東西線 自然と調和し伊達の歴史を未来へつなぐ 市民協働で創った杜の都の新しい地下鉄」
第16回(2017年)
  • 日本鉄道大賞:東京地下鉄「ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果」
  • 「世界中の大人も子供も大好き」特別賞:タカラトミープラレール×鉄道会社 オリジナル施策・博物館内子ども向け施設の展開」 
  • 「沿線地域+鉄道でつくった広域観光」特別賞:五能線沿線連絡協議会・東日本旅客鉄道「沿線地域の魅力をつないで走る五能線リゾートしらかみ』20年」

日本国外の類似の記念日

脚注

注釈

  1. 日比谷公園が全国都市緑化フェアで使用のため。例年使用している場所はグローバルフェスタを開催。
  2. 同日開催の場合もある。なお2018年は後の開催になる予定。
  3. 2013年まで実施。

出典

関連項目

外部リンク