ゆとり教育

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ゆとり教育(ゆとりきょういく)とは、日本において、1980年度(狭義では2002年度以降)から2010年代初期まで[注釈 1]実施されていたゆとりある学校を目指した教育のことである。

概要

ゆとり教育(文部科学省が指定した正式な名称でない)は、「詰め込み教育」と言われる知識量偏重型の教育方針を是正し、思考力を鍛える学習に重きを置いた経験重視型の教育方針をもって、学習時間と内容を減らしてゆとりある学校を目指し、1980年度、1992年度、2002年度から施行された学習指導要領に沿った教育のことである。ゆとり教育の範囲については諸説あり、明確ではないが、以下のような見方がある。

ゆとり教育は、1980年度から施行された学習指導要領による教育方針であるが[1]、1992年度から施行された新学力観に基づく教育や[2][3]、2002年度から施行された「生きる力」を重視する教育をゆとり教育であると定義する人もいる[4]

1970年代までに学習量が過剰に増大した学校教育は「詰め込み教育」と呼ばれ、知識の暗記を重視したため「なぜそうなるのか」といった疑問や創造力の欠如が問題視され、このような学習方法はテストが終われば忘れてしまう学力(剥落学力)であると批判された[5]。このため思考力を鍛える学習に重きを置いた経験重視型、過程重視型の教育方針が求められた。

また、加熱した「受験競争」により学校教育においても学力偏差値が重視されるようになったが、1992年に公立中学校で偏差値による進路指導が禁止され、1993年には中学校校内にて実施する一斉業者テストが禁止された。また過剰に競争をさせたり、過剰に自由を奪う学校のあり方は子供のストレスや非行などの学校をとりまく諸問題の要因だとして「子供を学校に縛り付けている」「子供にも自由が必要」などの批判を受けた。

2002年度施行の学習指導要領では「生きる力」への転換重視「総合的な学習の時間」をはじめとして各教科で「調べ学習」など思考力を付けることを目指した学習内容が多く盛り込まれた。教科書では実験、観察、調査、研究、発表、討論などが多く盛り込まれ、受け身の学習から能動的な学習、発信型の学習への転換が図られた[6]

ゆとり教育の経緯

1970年代日本教職員組合(日教組)が「ゆとりある学校」を提起をし[7][8]、世論の詰め込み教育への批判が高まったこともあり1980年代初頭に授業時間の削減などが行われた。

国営企業の民営化を推し進めた中曽根内閣では、文部省と日教組の関係者間ばかりで行われる教育政策に疑問を呈し、第2次中曽根内閣の主導に民間有識者によって構成される臨時教育審議会(臨教審)を発足させた。臨教審では「公教育の民営化、自由化」という意味合いの中で経済界や保守派の有識者の多数が賛成に回り、後のゆとり教育への流れを確立させた[9]。臨教審は「個性重視の原則」「生涯学習体系への移行」「国際化、情報化など変化への対応」などの、ゆとり教育の基本となる4つの答申をまとめ[4]、その方針は1993年度施行の学習指導要領に反映された。

さらに、校内暴力、非行、いじめ不登校落ちこぼれ、自殺など、学校教育や青少年にかかわる数々の社会問題を背景に、橋本内閣下の1996年(平成8年)7月19日の第15期中央教育審議会の第1次答申が発表された。答申は子どもたちの生活の現状として、ゆとりの無さ、社会性の不足と倫理観の問題、自立の遅れ、健康・体力の問題と同時に、国際性や社会参加・社会貢献の意識が高い積極面を指摘する。その上で答申はこれからの社会に求められる教育の在り方の基本的な方向として、全人的な「生きる力」の育成が必要であると結論付けた[10]。「生きる力」は教育課程審議会に引き継がれ、そこで「総合的な学習の時間」をはじめとして各教科で「調べ学習」など思考力を付けることを目指した学習内容が多く盛り込まれた。1998年、小渕内閣下で新学力観として「生きる力」を重視し、完全学校週5日制実施とともに学習内容や授業時間を削減する、「ゆとり教育」をスローガンとする学習指導要領が成立した。この後、この「ゆとり教育」学習指導要領はマスコミや世論に批判に晒され大規模な「学力低下」論争へと発展するが、当時小泉内閣の遠山敦子文部科学大臣と小野元之文部事務次官とがその危機感を共有し、遠山文科大臣は2001年1月に緊急アピール「学びのすすめ」を発表し、初めて「確かな学力」という表現を用い、「学習指導要領は最低基準である」と明言した。小中学校では2002年度(平成14年度)、高等学校では2003年度(平成15年度)からこの学習指導要領が施行されたが、学習内容削減により教科書が薄くなった一方、実験、観察、調査、研究、発表、討論などの内容が増えた。受け身の学習から能動的な学習、発信型の学習への転換が図られた。

ゆとり教育は、詰め込み教育に反対していた教育者、経済界などの有識者などから支持されていたが、OECD生徒の学習到達度調査 (PISA) などの国際学力テストで順位を落としたことなどから学力低下が指摘され、各方面から批判が起こった[11]。当時、中山成彬文部科学大臣は、学力低下を認めるものの「生きる力」の「理念や目標には間違いがない」とし、また「その狙いが十分に達成されていないのではないか」と発言した[12]。小泉内閣の下、小坂憲次文部科学大臣は中央教育審議会に学習指導要領の見直しを要請し、安倍政権が引き継いだ。この時点でマスコミは「脱ゆとり」という言葉を用いて報道していたが、小坂文部科学大臣も、安倍内閣下の伊吹文部科学大臣に至っても「ゆとり教育」の理念や方向性には賛同していた。安倍内閣で新設した教育再生会議内閣府設置会議)において、初めてゆとり教育の授業時間が問題視される。教育再生会議の報告書(第1次:2007年(平成19年)1月24日 第2次:2007年(平成19年)6月1日)において、「授業時間の10%増(必要に応じて土曜日授業の復活)」などが盛り込まれ、安倍内閣骨太の方針2007には授業時間数の1割増が明記された。そうして2008年には、今までの内容を縮小させていた流れとは逆に、内容を増加させた学習指導要領案が告示され、2011年-2013年に完全に施行された。マスコミは、この改定された教育のことを「脱ゆとり教育」と称している[13]

経緯一覧表

1971年(昭和46年)からの学習指導要領
1980年(昭和55年)からの学習指導要領
1992年(平成4年)からの学習指導要領
2002年(平成14年)からの学習指導要領
2011年(平成23年)からの学習指導要領

出来事
1972年 日本教職員組合が、「ゆとり教育」とともに「学校5日制」を提起[7][8]
1977年-1978年 学習指導要領の改定。
1980年-1982年 改定された学習指導要領の施行。
  • 小学校は1980年度、中学校は1981年度、高等学校は1982年度[注釈 2]から施行。・・・ゆとり教育の開始
    • 学習内容および授業時数の削減。
    • 「ゆとりと充実を」がキャッチフレーズ[14]
    • 教科指導を行わない「ゆとりの時間」を開始(週1校時)。
1984年 第2次中曽根内閣の下に出来た臨時教育審議会(臨教審)がゆとり教育の方針に取り組む[9]
1985年-1987年 中曽根政権臨時教育審議会が「個性重視の原則」「生涯学習体系への移行」「国際化、情報化など変化への対応」などの、ゆとり教育の基本となる4つの答申をまとめる[4]
1989年 学習指導要領の改定[15]
1992年-1994年 改定された学習指導要領の施行。
  • 小学校は1992年度、中学校は1993年度、高等学校は1994年度[注釈 2]から施行。
1992年 9月から第2土曜日休日に変更[17]
1995年 4月からはこれに加えて第4土曜日も休業日となった[17]
1996年 文部省中教審委員にて「ゆとり」を重視した学習指導要領を導入。
1998年-1999年 学習指導要領の改定[18]
2001年 遠山敦子文科大臣が緊急アピール「学びのすすめ」を発表し、「確かな学力」という表現を用い、学習指導要領は最低基準であると明言した。
2002年-2003年 改定された学習指導要領の施行。
2003年 一部学習指導要領が改定される。
2004年 OECD生徒の学習到達度調査 (PISA2003)、国際数学・理科教育調査 (TIMSS2003) の結果が発表され、日本の点数低下が問題となる。
2007年 OECD生徒の学習到達度調査 (PISA2006) の結果が発表され、日本の点数低下が問題となる。
2008年 国際数学・理科教育調査 (TIMSS2007) の結果が発表され、学力低下の下げ止まる。
2008年 学習指導要領の改定[22]
2009年 小中学校で移行措置として追加される。小・中学校ともに総合的な学習の時間・選択教科を削減。
2010年 OECD生徒の学習到達度調査 (PISA2009) の結果が発表され、学力が上昇する。
2011年-2013年 改定された学習指導要領の施行。・・・脱ゆとり教育
  • 小学校は2011年度、中学校は2012年度、高等学校は2013年度(数学および理科は2012年度)[注釈 2]から施行。(2002年度以前の水準へ復帰)
    • 小学校と中学校には移行措置として2009年度から一部前倒しとして先行実施された[23]
    • 文部科学省は「ゆとりでも詰め込みでもない生きる力を育む教育」と称している。

ゆとり教育を受ける年代

ファイル:Curriculum guideline.jpg
生まれた年と学習指導要領の対応表
赤色が1998年改定(2002年度以降実施)の行学習指導要領下での教育。橙色、緑色がそれ以前の学習指導要領下での教育。青色がそれ以降の学習指導要領下での教育である。なお、黄緑色、ピンクは移行措置間の教育であり、改定前の教育と改定後の教育が混ざっている教育となっている。今後、新たに学習指導要領の改変が行われない限り、この表通りに教育が実行される。

ゆとり教育を受けた世代と関係する各教育制度が実施された時期を次の表に示す。

表の見方
黄色 黄緑
示している教育 ゆとり教育よりも前の教育[注 1] ゆとり教育 移行措置[注 2] 一部脱ゆとり教育[注 3][注 4] 脱ゆとり教育[注 3]
ゆとり教育と脱ゆとり教育受ける年代の変化
年度生まれ 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高校・大学入試
1986 850 910 980 1015 1015 1015 1050 1050 1050 ゆとり教育よりも前の教育[注 5]
1987 850 910 980 1015 1015 1015 1050 1050 980 ゆとり教育[注 6]
1988 850 910 980 1015 1015 1015 1050 980 980
1989 850 910 980 1015 1015 1015 980 980 980
1990 850 910 980 1015 1015 945 980 980 980
1991 850 910 980 1015 945 945 980 980 980
1992 850 910 980 945 945 945 980 980 980
1993 850 910 910 945 945 945 980 980 980
1994 850 840 910 945 945 945 980 980 980
1995 782 840 910 945 945 945 980 980 980
1996 782 840 910 945 945 945 980 980 980 一部脱ゆとり教育[注 4][注 7]
1997 782 840 910 945 945 980 980 980 1015 脱ゆとり教育[注 8]
1998 782 840 910 945 980 980 980 1015 1015
1999 782 840 910 980 980 980 1015 1015 1015
2000 782 840 945 980 980 980 1015 1015 1015
2001 782 875 945 980 980 980 1015 1015 1015
2002 816 875 945 980 980 980 1015 1015 1015
2003 816 910 945 980 980 980 1015 1015 1015
2004 850 910 945 980 980 980 1015 1015 1015
  • 補足
数字は授業時数。
誕生年度は原級留置(留年)などの処置を受けなかった場合のものである。なお、4月1日生まれの者は前年度生まれ扱いとなる。また、高校では基本的に入学時の教育が卒業するまで継続されるため[24]、1987年度生まれや1988年度生まれが高校の途中からゆとり教育ではなくなったり、1994年度生まれや1995年度生まれが高校の途中から脱ゆとり教育を受けたりすることは原則なく、大学受験も、原則現役の高校生が受けた内容で出題される[注釈 3]。なお、移行期間とは、算数、数学、理科に関して脱ゆとり教育の内容を一部先行実施したものである(その他の変更点は文部科学省のHPを参照)。また、センター試験においては経過措置があるため、旧課程履修者は現役生とは異なり旧課程での受験が可能である[25][26]
  1. ここでのゆとり教育よりも前の教育とは1989年改定学習指導要領による教育を指す。
  2. 脱ゆとり教育の一部を先行実施。
  3. 3.0 3.1 ここでの脱ゆとり教育とは2008年改定学習指導要領の教育を指す。
  4. 4.0 4.1 理数のみ脱ゆとり教育
  5. 1997年から2005年の大学入試
  6. 2006年から2014年の大学入試
  7. 2015年の大学入試
  8. 2016年以降の大学入試

ゆとり教育の変更点

授業時数

ゆとり教育前とゆとり教育の学年別総授業時数の変化[27]
学年 ゆとり教育前 ゆとり教育
小学1年生 850 (23) 782 (23)
小学2年生 910 (26) 840 (24)
小学3年生 980 (28) 910 (26)
小学4年生 1015 (29) 945 (27)
小学5年生 1015 (29) 945 (27)
小学6年生 1015 (29) 945 (27)
中学1年生 1050 (30) 980 (28)
中学2年生 1050 (30) 980 (28)
中学3年生 1050 (30) 980 (28)
  • ()内は週時間あたりの授業時数
ゆとり教育前とゆとり教育の教科別授業時数の変化(小学校)[27]
学年 ゆとり教育前 ゆとり教育
国語 1601 1377
社会 420 345
算数 1011 869
理科 420 350
生活 207 207
音楽 418 358
図画工作 418 358
家庭 140 115
体育 627 540
道徳 209 209
特別授業 314 209
総合的な学習の時間 0 430
ゆとり教育前とゆとり教育の教科別授業時数の変化(中学校)[27]
学年 ゆとり教育前 ゆとり教育
国語 455 350
社会 350〜385 295
数学 385 315
理科 315〜350 290
音楽 140〜175 115
美術 140〜175 115
保健体育 315〜350 270
技術家庭 210〜245 175
外国語 (315〜420) ※1 315
道徳 105 105
特別活動 105〜210 105
選択教科等 350〜630 ※2 155〜280 ※3
総合的な学習の時間 0 210〜335

※1. ゆとり教育前の外国語は選択科目に含まれ、各学年105~140を標準としている。
※2. 外国語以外の教科を35の範囲内となっている。
※3. 各教科70(第一学年は30)の範囲内となっている。

ゆとり教育と関連付けられる事項

ゆとりカリキュラム

1980年からの学習指導要領の改訂で教育内容の精選と標準授業時数削減が施行された。この改訂について文部科学省の出版する学制百二十年史によると、各教科の指導内容を大幅に精選し思い切って授業時間を減らしたことが大きな特色とある[28]

具体的には授業時数は小学校210時間[注釈 4]。中学校数は385時間を合計で削減されている。

また、この改訂は「ゆとりと充実」で有名とし、完全学校週5日制については「生きる力」を強調しているのに対して1980年からの学習指導要領の改訂では明確に「ゆとり」を重視する目的を表明している。

学校週5日制

1992年9月[17]に公立学校において、第二土曜日が休日となったのから始まり、1995年度[17]から第四土曜日、そして2002年度[17]からは全ての土曜日が休み(完全学校週5日制)となった。このことは、学校教育法施行規則(第六十一条)に決められており、2014年現在改定されていないため、公立学校において、原則として土曜日は休みである。なお、私立学校では各学校の方針に任せられているため、土曜日の扱いについては学校によって異なり、完全週5日制を実施している学校もあれば、1991年度以前のように週6日制を続けている学校もある。

また、文部科学省は、完全学校週5日制について、生きる力[注釈 5]を育むために必要であるとしている[29]

学校週5日制導入の経緯に関しては、ゆとり教育とまったく関係がないとする説がある。日本は1980年代後半、OECDILOなどの国際機関や欧米諸国から「労働者の労働時間を短縮するべき」と強く圧力をかけられていた。政府は1992年5月1日から国家公務員の週5日労働を実施。また並行して地方公務員も週5日労働へ向かったが、文部省は公立学校については、例外的に同年9月から実施される学校週五日制の第二土曜日を除き、閉庁の対象としないと通知した[30]藤田英典は、学校で週5日制が導入された背景には1980年代の労働時間短縮をめぐる政治的動向があったと指摘し、「学校週5日制論が出てきたのは、教育上の理由ではなかった」と述べている[31]。このように文部省が後付けでゆとり教育の一環とすることで学校週5日制の正当化を試みた可能性が指摘されている。

総合的な学習の時間

1998年の学習指導要領の改定時に新たに設置された科目で、2002年度以降[注釈 6]から開始された。総合的な学習の時間教員や児童・生徒の力量・意欲が高い場合は成功しやすく、そういった要素に左右されるという欠点を持つとされるが、基本的に総合的な学習時間の何を成功・失敗の評価基準とするのかという問題も存在する。実際、総合的な学習の時間を有意義に使う学校もある一方で、単に不足している授業時間の補完など評価基準のはっきりした伝統的科目の学力向上に使うなどというケースも少なくなかった。また、基礎学力が低い生徒は「総合的な学習の時間」の目的とされる、「主体的に考える力」なども低くなる傾向があるという指摘もあった[32]。その後、2008年の学習指導要領が改定され、新しい学習指導要領で、この総合的な学習の時間の授業時間が削減された。

絶対評価

1998年の学習指導要領の改定とともに採用された評価方法である絶対評価については、2014年現在も継続している。

ゆとり教育の結果

ゆとり教育(ここでは1998年(平成10年)度から1999年(平成11年)度にかけて告示された指導要領を指す)は学力低下を引き起こすと懸念されていたが、成果については(文部科学省内においてすら)確定的な評価はない[33][34]。学力の上昇を示すもの、低下を示すという両方の例が見られる。

誕生年度と国際学力調査の結果

ファイル:PISA順位の推移.jpg
PISAの読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーについての順位の推移

2000年代に入ってから、よく用いられる子どもの学力を測る指標として、PISATIMSSの結果が挙げられる。ただし、この指標は学力が低下していることを示すための道具として使われているとの指摘もあり、また、条件が一定ではないことなどから、この結果だけで学力が高いか低いかという判断をするのには注意が必要である。

以下、誕生年度とPISAとTIMSSの点数および順位を示す。

PISA, TIMSSの結果早見表
誕生年度 PISA TIMSS(中2) TIMSS(小4) 備考
読解力 数学的リテラシー 科学的リテラシー 数学 理科 算数 理科
点数 順位 点数 順位 点数 順位 点数 順位 点数 順位 点数 順位 点数 順位
1980 605 3 571 3 2002年度以降の学習指導要領以前の教育
1984 522 8 557 1 550 2 579 5 550 4 597 3 574 2
1987 498 14 534 6 548 1 2002年度以降の学習指導要領開始後
1988 570 5 552 6
1990 498 15 523 10 531 5
1992 570 5 554 3 565 3 543 3
1993 520 8 529 9 539 5
1996 536 4 538 7 547 4 570 5 558 4 568 4 548 4 2012年度(中学)学習指導要領開始前[※ 1]
2000 585 5 559 4 小学4年:2011年度学習指導要領開始直前[※ 2]
  1. ただし、中学校1年から移行措置
  2. 小学校3年、4年においては移行措置期間
出典

OECD生徒の学習到達度調査 (PISA)

2004年12月に発表された「OECD生徒の学習到達度調査」(PISA) 2003では[37]、読解力は8位から14位へ、数学リテラシーは1位から6位へ(統計的には1位グループ)、科学的リテラシーは2位のまま(同1位グループ)という結果となった。

2007年12月に発表された「OECD生徒の学習到達度調査」(PISA) 2006では[38]、読解力は14位から15位へ(統計的には9〜16位グループ)、数学的リテラシーは6位から10位へ(同4〜9位)、科学的リテラシーは2位から6位へ(同2〜5位)へと全分野で順位を下げる結果となっている[注釈 7]。ただし順位については日本より上位の国の多くがかつての調査で参加していなかったことから順位だけで学力を見ることは適切ではない。2003年と2006年で共通に実施された(同一)問題48題について、平均正答率は03年が56.1%、06年が53.4%であり、約2.7%低下していた。正答率の比較では、06年は03年より、上回った問題が8問、下回った問題が40問だった。そのうち5ポイント以上、上回った問題が1問、下回った問題が10問であった。

2010年12月に発表された「OECD生徒の学習到達度調査」(PISA) 2009では[40]、読解力は15位から8位へ(統計的には5〜9位グループ)、数学的リテラシーは10位から9位へ(同8〜12)、科学的リテラシーは6位から5位へ(同4〜6位)へと全分野で順位を上げる結果となっており統計的に、読解力に関して有意に上昇していることが示された[41]。また、同一問題について正答率をPISA2006とPISA2009を比較すると、読解力では58.4%から61.7%、数学的リテラシーでは51.9%から54.4%、科学的リテラシーでは59.5%から61.8%であった。

国際数学・理科教育動向調査 (TIMSS)

義務教育の中途段階における算数・理科の基礎学力知識を調査するために1995年から4年ごとにIEA(国際教育到達度評価学会)が実施している国際数学・理科教育動向調査 (TIMSS) の2003年度調査 (TIMSS2003) において、日本の数値がそれまでの調査に比べ低下したことがゆとり教育を見直すきっかけとなった[42]。TIMSS2003では、中学2年生の数学は前回のTIMSS1999年よりも9点、前々回のTIMSS1995よりも11点、いずれも有意に低くなっており(順位は5位のまま)、数学が楽しいと思う者の割合も減少していた。

TIMSS2007では前回のTIMSS2003の結果よりも平均得点が全て上回った[43]。ただし誤差を考慮すると前回と同程度であるとしている。8800人の児童が参加し2011年に行われたTIMSS2011では、小学校4年生の成績は95年以降で過去最高を記録した。この結果について文部科学省では、「2008年度に学習指導要領を改定し、学習内容や授業時数を増やしたこと[注釈 8]、2007年度からの全国学力調査の取り組みが成果を上げてきた」ことが原因であり「脱ゆとり教育」路線に変更したことの成果であると評価していると報道されている[44]

小・中学校教育課程実施状況調査

一方で、平成15年度 小・中学校教育課程実施状況調査(2003年に文部科学省に属する国立教育政策研究所が実施)[45]では多くの学年、教科で、前回調査と同一の問題については正答率が有意に上昇した設問が、正答率が有意に下降した問題よりも多かった。特に、小学生と中学3年生の学力向上が顕著で、理科では前回より正答率が上昇し、アンケートで「勉強が好き」「どちらかというと好きだ」と答えた子の割合は増加傾向にある。

社会的な見解

支持

中曽根康弘元首相は、ゆとりの方向性へ向かった臨時教育審議会(臨教審)を「私が作った」とし、1984年当時「受験地獄、詰め込み教育偏差値重視、学歴偏重など、いろいろな弊害が出ていた。さらに青少年の犯罪も多発していた。そこで「ゆとりを持った教育にしないと、心豊かな人間を育めない」となった」「こういう教育方法を目指した真意はよく分かる」と発言し、ゆとり教育について理解を示した[46]

元文部省官僚である寺脇研は、2000年前後当時の文部省の考えを代弁するスポークスマンとしてメディアに出て、支持を表明するとともにゆとり教育について説明を行っていた。同じく文部省事務次官であった小野元之もメディアに出て支持の立場でゆとり教育について説明を行っていた。

教育課程審議会会長として、学習内容の大幅削減を求めたゆとり教育の学習指導要領の答申の最高責任者であった作家三浦朱門は2000年7月、ジャーナリストの斎藤貴男に、ゆとり教育について、新自由主義的な発想から、多数の凡人の中に必ずいるはずの数少ないエリートを見つけて伸ばすための「選民教育」であるという主旨を述べた[47]

知識偏重の詰め込み教育を批判していた教師や保護者などの他にも、経済同友会日本経団連経済産業研究所社会経済生産性本部などの経済界[48][49][50]や、青少年問題審議会、日本労働組合総連合会が提言を発するとともに賛成した。また学者弁護士をはじめとする識者などの民間人が参加した「21世紀日本の構想」懇談会小渕恵三内閣総理大臣の私的諮問機関)でも、ゆとり教育を支持していた[51]

ゆとり教育について、2013年に西部邁(評論家)は、ゆとり教育を主導した寺脇研は、多くの個性のある子供たちの中で勉強の嫌いな子に無理して偏差値教育をしてもしょうがないと主張しており、その意見に賛同していたと述べた[52]

教育評論家の尾木直樹は、2002年の学習指導要領での教育により学力が上がったとPISAのパリ事務局が発表をしており、想像力や学問へのモチベーションも上がったとして注目をされていると述べている。

批判

実施以前から学力低下の危惧があるとして和田秀樹日能研などに批判されたが、多くが利害関係者であったため営業活動の一環であったとして解釈するべきという声もある(#ゆとり教育の結果#受験産業の反応も参照)。

また、塾に行ける者と行けない者、参考書を買える者と買えない者、習熟度別授業で学力上位のクラスと下位のクラスなどでの格差を広げるのではという危惧もされていた。

国際学力テストでにおいて順位が下がったことなどにより、学力低下を招いたという批判もある。

個性尊重が重視されたため、その考えを教えた世代にさまざまな人格的影響を与えたという批判もある[53]新学力観も参照)。

擁護

第3期の教育改革(2002年度実施された学習指導要領改定)は始まったばかりで、ゆとり教育の評価は時期尚早だという意見もある[4][注釈 9]

批判に対する反論

『学力低下は錯覚である』(森北出版株式会社)を著した神永正博は、自身のブログで、「根拠がはっきりしないことで、若者をディスカレッジしない方がよいのでは」と補足している[55]

早稲田大学教授永江朗は自身の執筆したコラム記事の中で、PISAの順位の低下は「参加国が増えたため」とも、冷静に分析すれば考えられると述べ[56]、「PISAの結果が少し落ちていたぐらいで大騒ぎする理由がわからない」と教育社会学の専門家が疑問を呈しているということを紹介している。

同じくジャーナリストの池上彰も、テレビ番組の教育特集の中で順位の低下は参加国が増えたためであり、学力低下と結論付けるのは早計だと発言した。

東京大学総長有馬朗人はゆとり教育によりむしろ理科の力が上がった、と述べている[57]

広島大学教授の森敏昭は国際教育到達度評価学会 (IEA) の調査結果を検討した上で「我が国の児童・生徒の学力は、今なお高い水準を保っている。(中略)「我が国の小・中学校段階の児童・生徒の学力は、全体としておおむね良好である」という文部科学省のいささか楽観的すぎるコメントも、あながち的はずれではない。」と述べている[58]

受験産業の反応

改定された学習指導要領の内容が明らかになると、学習塾や進学予備校などの受験産業や、私立学校(特に中高一貫校)は広告やマスメディアを利用して活発な営業活動を行った。マスコミ媒体などに頻繁に登場した西村和雄京都大学教授などの言説を論拠に[59]、「ゆとり教育」に対する危機感を訴えることによって、親の不安を煽り、活発に児童・生徒の勧誘活動を行った[60]。折込チラシ、CMや電車内のドア周辺や吊り広告などの広告活動や、自らがスポンサーとなっているテレビ番組内などで、「小学校では円周率をおよそ3として教えている(正確にはゆとり教育のため小数点による計算が遅れたため幾何学において概算に3を使うようになったため)(日能研[60]」、「ゆとり教育で学力低下を引き起こす」「あなたの子供の将来が危ない」など、あるいは、学習時間の多寡を基準に、日本よりも学習時間が長いイタリアなどが、PISAでは日本のはるか下位に位置しているのにも拘わらず「世界の子は勉強している(栄光ゼミナール[59]」といい、教科の好き嫌いを基準に、算数の好きな子の割合がイランが1位、日本は24位で日本の教育がダメだといい(栄光ゼミナール)[59]、統計値を恣意的につまみ食いした正確性・客観性に欠ける情報で感情論に基づいて危機感を煽ったり、この種の営業活動を行った事例もある[59]。学習塾などがこういった営業活動を行った理由として、子供が減るために学習塾間で「パイの奪い合い」が発生していたことがある[60]

一部の公立校では、塾の教師やスタイルを取り入れて学校教育を変えようという試みもしている。一例としては杉並区立和田中学校(校長の藤原和博、後任の代田昭久、共にリクルート出身)にて2008年(平成20年)1月に行われた「夜スペシャル」(通称「夜スペ」)があり[61]、これは成績上位者のみを対象に、名門進学塾サピックスの講師を派遣して有料(1万円〜2万円)で授業を行う(学校が運営しているわけではなく、保護者の有志団体による運営形式)。

さらには、都立高校などが「総合的な学習の時間」のカリキュラム作成にもたついている間に、日能研をはじめとする一部の塾は

「自ら学び考える力を育てる授業。『総合学習』そのものだ」([60]より引用)

と「総合的な学習の時間」を商品として提供を始めている。私立学校や中高一貫校の入学試験が、PISAに似たものになってきているからである[60]

日本国外の類似例

デンマーク

ゆとり教育をすすめていたデンマークでも、OECD生徒の学習到達度調査 (PISA) の結果が下がり、学力低下が議論になった。教育改革として、義務教育の1年早期化などが議論されている。学校の現場では学力向上を目指した教育改革に反発があるものの、生徒の親は学力低下への不安が強いようである[62]

フィンランド

OECD生徒の学習到達度調査(PISA:数学・科学・読解力の3教科のみ)においてトップの成績を上げ、全ての項目で日本を上回ったフィンランドは週休二日制であり、授業時間も日本よりかなり少なく、また、「総合的な学習」に相当する時間も日本より多く、「ゆとり教育」に近い内容である。

具体的な中身として一つは、中学校の教育に特筆されるのは1/3にわたる(成績の低い)生徒が特別学級に振り分けられるか、補習授業を受けていることがある。低学力の生徒に対する個別の教育により底辺の学力を上げるだけでなく、優秀な生徒にはそれ相応の特別な教育が行われている。つまり、生徒の能力の違いを前提にして全体の学力を上げている。生徒の個別の能力差に沿った教育が行われているため、無理に能力の低いものを能力の高い授業に適応させる必要がないために「遅れる」ことはあっても「落ちこぼれる」ということはない。特定の基準を満たさない生徒にそぐわない授業内容を押しつける必要がないから「ゆとり」があるわけである[63]

また、高校入学は中学の成績に基づいて振り分けが行われており、よい高校やよい課程に入学するには中学でよい成績を収めなければならない[64]

他には、授業の組み立て方や教科書の選定など、教育内容の大部分を現場の裁量に任せられているという特徴もある[65]。また、フィンランドは授業時間は少ないものの、日本にはない様々な教育の工夫が試みられている。多くの学校で学費が無料であるため、低所得の世帯でも安心して教育を受けさせることができる[66]

このようなシステムがフィンランドにはあるため、フィンランドで講師を務めたこともある中嶋博早大名誉教授は、落ちこぼれをつくらず楽しんで学ぶ教育がフィンランドの教育であると述べており[67]、フィンランドに留学経験のある者は、中高一貫の学校が多いため、(中学)受験を気にせずじっくりと学習に取り組むことができ、学習への理解が不足している、いわゆる「落ちこぼれ」の生徒は義務教育中であっても、じっくり教育を受けるシステムが確立されていると述べている[68]

脚注

注釈

  1. ただし高等学校においては2014年度卒業者まで
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 高等学校は学年進行であるため、施行された年に1年生の者から適用され、施行された年に2年、3年生の者は前の教育のままである。
  3. 前述の通り入試は2015年、2016年に変更される。
  4. ただし、特別活動の授業時数は増加している
  5. 2002年度以降に施行された学習指導要領で目標としているもので、2011年度以降の学習指導要領では、これを全面的に押し出している。
  6. もしくは、移行措置期間である2000年度以降
  7. ただし、科学的リテラシーの6位と5位は同じ点数であり4位とは僅か一点の差である。元東京大学総長有馬朗人はこれらの結果を参加国が増えたことも考慮しつつ「PISAの結果から「理科の学力が低下した」とはいえない」と述べている[39]
  8. 学習指導要領の施行(小学校)は2011年度からであり、TIMSS受験時(2011年3月頃)には実施されてはいなかったが、2009年度から移行措置期間として、理数系の授業時間を増やしている。
  9. 成績が上昇し、勉学意欲が向上したというデータもある[54]

出典

  1. 江見圭司「ゆとり教育で不足した学力はどこで補完するのか〜社会人になるために〜」、『アキューム』第20号、京都コンピュータ学院、. 2015閲覧.
  2. 【ワイドショー通信簿】「上司が支援するのは当然」 2010新人を面白がる法
  3. 陰山英男氏が指摘する「ゆとり世代」3つの特徴
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 asahi.com 「ゆとり教育」と教育改革の行方:1(寺脇教授)
  5. 教育改革の基本的方向http://www.nier.go.jp/zenkyou/zenkyou/02taikai/taikai1.html
  6. 教育改革の基本的方向http://www.nier.go.jp/zenkyou/zenkyou/02taikai/taikai1.html
  7. 7.0 7.1 1992年1月29日毎日新聞社説 日教組が学校五日制を、教職員の週休二日制とセットで実現しょうと運動方針に掲げ始めたのは1972年からだった。(中略)日教組は学校五日制を教育改革としてとらえ、子供にとって、ゆとりのある学校への転換の実現をめざしている。
  8. 8.0 8.1 櫻井よしこ『迷走 日本の原点』、新潮社、ISBN 9784104253036
  9. 9.0 9.1 日本財団図書館 文部科学省の教育改革を語る(寺脇研
  10. 中央教育審議会「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について-子供に『生きる力』と『ゆとり』を-」1996年7月19日
  11. 平成15年9月7日毎日新聞への元文部大臣中曽根弘文の寄稿文中曽根弘文ホームページ
  12. アーカイブされたコピー”. 2016年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016年12月1日閲覧.[参考資料 ]「学力の現状」「教育内容」に関するこれまでの国会答弁]
  13. 4月から「脱ゆとり教育」の学習指導要領一部実施へ
  14. 昭和五十二年の小・中学校の教育課程の改訂
  15. 文部科学省 旧学習指導要領
  16. 平成元年の小・中学校の教育課程の改訂
  17. 17.0 17.1 17.2 17.3 17.4 17.5 学校週5日制に関するこれまでの経緯”. 文部科学省. . 2014閲覧.
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  19. 小学校学習指導要領(平成10年12月)”. 文部科学省. . 2014閲覧.
  20. 中学校学習指導要領(平成10年12月)”. 文部科学省. . 2014閲覧.
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  22. 文部科学省 新しい学習指導要領
  23. 新しい学習指導要領の先行実施に当たって (文部科学大臣からのメッセージ)
  24. 新学習指導要領・生きる力 新指導要領の説明でも、開始時期が○○年4月~と表記される小中学校と違い、高校では平成25年度入学生からという表記になっている。
  25. 旧課程履修者に対する経過措置
  26. 2015年度入試 国公立大 旧課程履修者に対する経過措置
  27. 27.0 27.1 27.2 小学校における各教科等の授業時数等の変遷および中学校における各教科等の授業時数等の変遷 - 文部科学省
  28. 一 教育課程の改訂 昭和五十二年の小・中学校の教育課程の改訂”. 文部科学省. . 2016閲覧.
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  67. 比較・競争とは無縁 学習到達度「世界一」のフィンランド朝日新聞、2005年2月25日
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参考文献

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  • 斎藤貴男『機会不平等』(文藝春秋、2000年、ISBN 4-16-356790-9)
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  • 西村和雄『ゆとりを奪った「ゆとり教育」』(日本経済新聞社、2001年、ISBN 4-532-14916-9)
  • 苅谷剛彦『教育改革の幻想』(筑摩書房、2002年、ISBN 4480059296)
  • 和田秀樹『「ゆとり教育」から我が子を救う方法』(東京書籍、2002年)
  • 藤原和博『公教育の未来』(ベネッセコーポレーション、2002年、ISBN 4-8288-3712-4)
  • 苅谷剛彦『なぜ教育論争は不毛なのか』(中央公論新社、2003年)
  • 藤田英典『義務教育を問いなおす』(筑摩書房、2005年、ISBN 4-480-06243-2)
  • 陰山英男『学力の新しいルール』(文藝春秋、2005年、ISBN 9784163674803)
  • 山内乾史・原清治 『リーディングス 日本の教育と社会1 学力問題・ゆとり教育』(日本図書センター、2006年、ISBN 4284301160)
  • 伊藤敏雄『誰も教えてくれない教育のホントがよくわかる本 ゆとり教育になって学校はどうなった?』(文芸社、2006年、ISBN 4286009548)
  • 寺脇研『それでも、ゆとり教育は間違っていない』(扶桑社、2007年、ISBN 978-4-594-05464-9)
  • 寺脇研『さらば ゆとり教育 A Farewell to Free Education』(光文社、2008年、ISBN 978-4-334-93428-6)
  • 藤原幸男 「ゆとり教育」改革と学力 [1]

関連項目

外部リンク