エミリー・カー

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エミリー・カーEmily Carr1871年12月13日-1945年3月2日)はカナダ芸術家作家

人物

ファイル:EmilyCarr.png
エミリー・カー

カナダ、ブリティッシュコロンビア州ビクトリア生まれ。1890年にサンフランシスコに越し、両親と死別した後、芸術を学び始めた。1899年、自らの研究をより深めるために英国を周遊し、ロンドンウェストミンスター芸術学校 (Westminster School of Artを始めとして、コーンウォールブシェイ (Busheyハートフォードシャー州などのスタジオ・スクールで、1910年の1年間は、翌年ブリティッシュコロンビアに戻る事を念頭に置いて、パリアカデミー・コラロッシ(Académie Colarossi)で学び過ごした。

エミリー・カーはブリティッシュコロンビアとアラスカの風景、そして先住民の文化に最も大きい影響を受けた。彼女が1898年に通っていたミッションスクールはバンクーバー島のユークルレット (Uclueletに住み暮らしているヌートカ族のコミュニティのすぐ近くにあった。1908年、アラスカのスカグウェイを訪れ、インスピレーションを受けた。クワクワカワク族 (Kwakwaka'wakwハイダ族 (Haidaシムシアン族 (Tsimshianトリンギット族などのトーテム・ポールの彩色や塗法などを学び始め、できるだけ多くの人から学び記録することを試みたが、1913年に、財政的な問題で、バンクーバーに戻る事を余儀なくされ、その数年後にはビクトリアに戻ることになってしまった。

当時はその町は両方とも、芸術的に保守的な街で、ポスト印象派フォーヴィスムに影響を受けていた彼女の作品は、周囲の作品と比べると明らかに異質で、正当に評価される事がなかった。10年以上の間、彼女は陶芸家、ドック・ブリーダー、および下宿の管理人として働き、半ば芸術的なキャリアに見切りをつけていた。

1920年代、カナダ国立美術館での「カナダ西海岸先住民と現代人の美術展」からの依頼で招待出品した後、グループ・オブ・セブンのメンバーと交流を持つようになった。1927年、彼女はこの展覧会のためにオンタリオ州に向かった。そこで、グループ・オブ・セブンと出会い、特にローレン・ハリス (Lawren Harrisからの支持は彼女にとって計り知れないものだった。グループ・オブ・セブンは自らの作品展にエミリー・カーの作品を招待出品の形で展示するようになり、以降長い長い付き合いとなった。付き合いが5年くらい続いた頃に、彼らはエミリー・カーを「(カナダの)現代美術の母」と呼ぶようになった。

バンクーバー島西海岸に住むヌートカ族は、エミリー・カーを「クリー・ウィクKlee Wyck」「笑えるやつthe laughing one」と呼んでいた。彼女は先住民の芸術に向きあった経験を一冊の本にまとめ、その名前を転用し、1941年に『クリー・ウィク Klee Wyck』として出版した。この本は同年カナダ総督賞 (Governor General's Awardを受賞した。その後、続々と本を出版した。大半が自伝的な作品だったものの、半真実半フィクションと言った様相で、作家としても優れた才能を見せた。

ブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるエミリー・カー美術大学 (Emily Carr University of Art and Designエミリー・カー・エレメンタリー・スクール (Emily Carr Elementary School、オンタリオ州オタワにある エミリー・カー・セカンダリー・スクール (Emily Carr Secondary School、オンタリオ州ロンドンにあるエミリー・カー・パブリック・スクールなどの教育施設は、彼女の名前にちなんで作られた。

エミリー・カーは死後ヴィクトリアのロス・ベイ・セメタリー (Ross Bay Cemeteryに埋葬された。彼女の墓碑には「芸術家、そして作家/自然を愛した人物 Artist and Author / Lover of Nature」と刻まれている。

著書

  • 『クリー・ウィク Klee Wyck』(1941年
  • The Book of Small 』(1942年
  • The House of All Sorts』(1944年
  • Growing Pains 』(1946年
  • The Heart of a Peacock 』(1953年
  • Hundreds and Thousands』(1966年

エミリー・カーの絵画作品

"Autumn in France"  
"Blunden harbour totems"  
"Breton church"  
"Above the Gravel Pit"  

関連文献

  • アニー・ニューランズ (1996). Emily Carr: an Introduction to Her Life and Art. Ontario : Firefly Books/Bookmakers Press. ISBN 1552090450.
  • ドリス・シャドボルト, Doris. (1990). Emily Carr. Vancouver: Douglas & McIntyre; Seattle: University of Washington Press. ISBN 0295970030.
  • マリア・ティペット. (1979). Emily Carr: a Biography. Toronto: Oxford Univ. Press. ISBN 0195403142.

外部リンク