スターリン・カストロ
この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はカストロ、第二姓(母方の姓)はタティスです。 |
スターリン・デヘスス・カストロ・タティス(Starlin Dejesus Castro Tatis, 1990年3月24日 - )はドミニカ共和国・モンテ・クリスティ州出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。MLB・マイアミ・マーリンズに所属。
Contents
来歴
カブス時代
2006年10月25日にシカゴ・カブスと契約。2009年、フロリダ・ステートリーグのオールスターゲームではランニング本塁打を含む4打数4安打を記録し、MVPを受賞[1]。また、オールスター・フューチャーズゲームにも選出された。同年、A+級デイトナ・カブスとAA級テネシー・スモーキーズの2球団合計で127試合に出場し、打率.299・3本塁打・49打点を記録。シーズン終了後にベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングで、カストロはカブス傘下での最高評価を受けた[2]。
2010年は開幕をAA級テネシーで迎えたが、5月7日にメジャー昇格を果たし、同日のシンシナティ・レッズ戦で初打席初本塁打でデビュー。史上初の1990年代生まれのメジャーリーガーとなると同時に、カブスの選手としてはオスカー・ギャンブルが1969年に19歳でメジャーデビューして以降では最年少出場選手となった[3]。その後は、2007年からカブスの正遊撃手を務めていたライアン・テリオが二塁手に転向したこともあり、遊撃手のレギュラーを獲得。打撃でチームに貢献する一方で、ナ・リーグ2位となる27失策を記録。新人王投票では5位に終わったが、ルーキー・オールスター・チームに選ばれた。
2011年は初めて1年を通じてメジャーリーグでプレーし、オールスターにも選ばれた。この年は158試合に出場し、2年連続.300以上となる打率.307に加え、ナ・リーグ最多の207安打を記録。21歳で最多安打を記録したのは、メジャー史上最年少であった[4]。また、1番で起用された時は打率.327・8本塁打を記録した[4]ほか、前年比で倍増以上となる22盗塁を決め、リードオフヒッターとしての適性を示した。他方、ディフェンス面ではまだまだであり、ショートとしてメジャーワースト[4]の29失策を犯した。DRSも - 10と、平均を大きく下回った。
2012年は、前年のオフにバーで知り合った女性がレイプされたとしてカストロを訴えた為、1月に警察の取り調べを受けたが、立件されずに事なきを得た[5]。野球の方では、2年連続でオールスターに選出。8月には7年・6000万ドル(約47億1000万円)で契約延長した[6]。また、全162試合に出場したものの、打率.283・100三振はいずれも自己ワースト (当時) だった。一方で自己ベストの12三塁打・14本塁打 (当時) を放つなど、特にチャンスで長打を量産[5]し、78打点を叩き出した。守備面では、2年連続ワースト[5]の27失策を犯したものの、DRSはプラス (+ 3) に転じ、多くの守備指標でもメジャー最多の記録をマークし[5]、大幅な進歩を見せた。
2013年、持ち前の頑丈さで161試合に出場し、3年連続で相当の試合数に出場した事になったが、打撃不振に陥って打率.245・10本塁打・44打点という成績に終わった。また、三振は129 (2016年シーズン終了時点で自己ワースト) まで増加した。走塁面でも、メジャーデビュー後初めて2ケタ未達だった。ショートの守備は、3年連続ワースト[7]の22失策を犯したほか、DRSも - 8 と再びマイナスに転じた。
2014年は打撃面で復調し、2年ぶり3度目となるオール・スターに選出された。9月2日に足首を捻挫し、DL入りしたままシーズンを終えたが、134試合の出場で打率.292・14本塁打・65打点・4盗塁・OPS0.777 (2016年シーズン終了時点で自己最高) という好成績を残した。ショートの守備は相変わらずであり、133試合の守備機会で15失策・DRS - 7に留まった。シーズンオフの12月、母国であるドミニカのナイトクラブでの銃乱射事件に巻き込まれ、カストロが逮捕されたと報道された[8]。結局、これは誤報だったものの、前年のレイプ疑惑もあって評判が失墜した[8]。
2015年は、若手遊撃手のアディソン・ラッセルが台頭した影響もあって、終盤にはセカンドにコンバートされた。同年は151試合に出場し、打撃面では打率.265・11本塁打・69打点を記録。三振が4年ぶりに100未満まで減ったが、出塁率が2年ぶりに.300未達だった。守備面では、ショートを守った109試合では18失策を犯したが、セカンドでは38試合で6失策ながらDRS + 2をマークした。
ヤンキース時代
2015年12月8日、アダム・ウォーレンとブレンダン・ライアン(ライアンは12月17日に発表)とのトレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[9][10]。
2016年、ヤンキースではセカンドのレギュラーに固定され、151試合に出場。打率.270・自己記録を更新する21本塁打・70打点という成績を残した。守備面では、150試合で守りに就いて12失策・守備率.980・DRS - 8という成績だった。
2017年も二塁手としてレギュラー起用された。4月の月間打率は.352を記録するなど開幕から好調だったが、6月26日の試合で一塁への走塁の際に右ハムストリングを痛めて翌27日にDL入り。7月15日に復帰したが、同月19日の試合で同箇所を再び負傷。その後2試合に出場したものの、同月22日から再びDL入りとなった。8月25日に復帰してからはスタメンの座を守ったが、二度のDL入りの影響で自己最低の112試合の出場に留まり、ルーキーイヤーの2010年以来の規定未到達に終わった。それでも打率.300、16本塁打、63打点、OPS.792と打撃は好調で、規定到達していればOPSはキャリアハイのペースだった。
マーリンズ時代
2017年12月9日に、ジャンカルロ・スタントンとの交換トレードでマイアミ・マーリンズと合意したと発表され[11]、12月11日に正式にホルヘ・グズマンとホセ・デバースとともに移籍した[12]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010 | CHC | 125 | 506 | 463 | 53 | 139 | 31 | 5 | 3 | 189 | 41 | 10 | 8 | 4 | 4 | 29 | 7 | 6 | 71 | 14 | .300 | .347 | .408 | .755 |
2011 | 158 | 715 | 674 | 91 | 207 | 36 | 9 | 10 | 291 | 66 | 22 | 9 | 0 | 4 | 35 | 2 | 2 | 96 | 20 | .307 | .341 | .432 | .773 | |
2012 | 162 | 691 | 646 | 78 | 183 | 29 | 12 | 14 | 278 | 78 | 25 | 13 | 0 | 5 | 36 | 5 | 4 | 100 | 15 | .283 | .323 | .430 | .753 | |
2013 | 161 | 705 | 666 | 59 | 163 | 34 | 2 | 10 | 231 | 44 | 9 | 6 | 1 | 1 | 30 | 0 | 7 | 129 | 21 | .245 | .284 | .347 | .631 | |
2014 | 134 | 569 | 528 | 58 | 154 | 33 | 1 | 14 | 231 | 65 | 4 | 4 | 0 | 2 | 35 | 4 | 4 | 100 | 18 | .292 | .339 | .438 | .777 | |
2015 | 151 | 578 | 547 | 52 | 145 | 23 | 2 | 11 | 205 | 69 | 5 | 5 | 1 | 4 | 21 | 6 | 5 | 91 | 18 | .265 | .296 | .375 | .671 | |
2016 | NYY | 151 | 610 | 577 | 63 | 156 | 29 | 1 | 21 | 250 | 70 | 4 | 0 | 1 | 5 | 24 | 1 | 3 | 118 | 15 | .270 | .300 | .433 | .734 |
2017 | 112 | 473 | 443 | 66 | 133 | 18 | 1 | 16 | 201 | 63 | 2 | 0 | 0 | 3 | 23 | 1 | 4 | 93 | 9 | .300 | .338 | .454 | .792 | |
MLB:8年 | 1154 | 4847 | 4544 | 520 | 1280 | 233 | 33 | 99 | 1876 | 496 | 81 | 45 | 7 | 28 | 233 | 26 | 35 | 798 | 130 | .282 | .320 | .413 | .733 |
- 2017年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
獲得タイトル・表彰・記録
- MLBオールスターゲーム選出 4回:(2011年、2012年、2014年、2017年)
背番号
- 13 (2010年 - 2015年、2018年 - )
- 14 (2016年 - 2017年)
脚注
- ↑ Carrie Muskat (2009年12月4日). “Top prospects may make impact soon” (英語). MLB.com. . 2015閲覧.
- ↑ Jim Callis (2009年11月16日). “Chicago Cubs: Top 10 Prospects” (英語). Baseball America. . 2015閲覧.
- ↑ “Cubs call up shortstop Castro” (英語). ESPN. (2010年5月7日) . 2015閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2012』 廣済堂出版、2012年、389。ISBN 978-4-331-51612-6。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2013』 廣済堂出版、2013年、398。ISBN 978-4-331-51711-6。
- ↑ カブス、S.カストロと7年47億円で契約延長 MLB.jp(GyaO!) 2012年8月29日
- ↑ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』 廣済堂出版、2014年、400。ISBN 978-4-331-51809-0。
- ↑ 8.0 8.1 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』 廣済堂出版、2015年、401。ISBN 978-4-331-51921-9。
- ↑ Andrew Marchand (2015年12月8日). “Yanks acquire Starlin Castro to team with Didi Gregorius in infield” (英語). ESPN . 2015閲覧.
- ↑ Cash Kruth (2015年12月17日). “Yanks send Ryan to Cubs to complete trade” (英語). MLB.com. . 2015閲覧.
- ↑ Tim Dierkes; Kyle Downing (2017年12月9日). “Yankees, Marlins Reach Deal For Stanton” (英語). MLB Trade Rumors. . 2017年12月12日閲覧.
- ↑ Bryan Hoch (2017年12月11日). “Got Giancarlo? Yanks go big: Stanton ovation!” (英語). MLB.com. . 2017年12月12日閲覧.
外部リンク
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