ランダウンプレイ

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ランダウンプレイ

ランダウンプレイ(英:Rundown play)とは、野球で、塁間に立っている走者アウトにしようとする守備側のプレイをいう。公認野球規則では2.68項で定義されており、日本語では挟撃(きょうげき)、挟殺(きょうさつ)ともいう。

概要

ランダウンプレイは、走者が塁間にいるときに、進塁先の塁をカバーする野手がボールを持つことで発生する。例えば、走者が余塁が奪えると思って無理に進塁したために、返球が間に合って進塁しきれなくなった場合や、打者がスクイズプレイを外した場合、投手が投手板上から牽制球を投げたときに走者が塁を離れた場合などである。

走者は、そのまま先の塁に向かってもボールを持った野手に触球されてアウトになるので、アウトにならないようにするために元の塁に戻ろうとする。ボールを持った野手は、走者を追いかけるか、帰塁先をカバーする野手に送球して戻ろうとしているところを触球してアウトにしようとする。この繰り返しで、塁間でボールを持った野手が走者に触球を試みようとし、野手の触球を避けようとする走者が行ったり来たりするプレイがランダウンプレイである。多くの場合、走者は進塁も帰塁もできなくなり、塁間で触球されてアウトになるが、触球をかいくぐってどちらかの塁に逃げ切る場合もある。

ランダウンプレイにおけるルール

送球が走者に当たった場合は、ボールインプレイである(ただし、走者が意図的に送球を妨げたと審判員が判断した場合は守備妨害が宣告され、走者はアウトになり、ボールデッドとなる[1])。

また野手は、ボールを持っているときには走者の走路に位置して走者に触球することが認められているが、ボールを持っていないときには走者の走路を塞いではならない。ランダウンプレイではボールを持っていない野手による走塁妨害が起きることがある。ランダウンプレイで走塁妨害が起こった場合は、ボールデッドとなって、走者にはその時の進行方向に関係なく、先の塁(本塁に近い方)への安全進塁権が与えられる[2]

一方、走者は触球を避ける際、走路(ベースパス)を離れてはならない。触球を避けようとして走路から3フィート(91.44センチメートル)以上離れた場合、走者は触球されなくても審判員にアウトを宣告される[3]

ある塁間でランダウンプレイが行われていても、他の走者は進塁することができる。攻撃側はこれを利して、ある走者が挟まれている間に進塁したり、得点を上げたりすることもある。また、ランダウンプレイの結果、元の塁に逃げ切った走者とランダウンプレイの間に進塁を果たした後の走者の2人が、同じ塁に到達することもある。この場合、塁の占有権は前の走者にあるため、後の走者は塁に触れていても触球されてしまった場合にはアウトになる[4]

事例

2010年4月30日、甲子園球場で行われた阪神巨人戦で、3回表巨人の攻撃。一死二・三塁の場面で打者小笠原道大はセカンドゴロを打った。三塁走者の坂本勇人は三本間でランダウンプレイとなったが、三塁へ逃げ切った。このランダウンプレイの間に三塁には二塁走者の脇谷亮太が到達しており、二人が三塁ベース上にいる状態になった。阪神の捕手城島健司は坂本に触球をしてから脇谷にも触球をした。この場合は先行走者である坂本に三塁の占有権があるため、坂本は触球されてもアウトにはならないが、脇谷は触球されると、三塁に触れていてもアウトになる。しかし坂本は、触球されたことにより自分がアウトになったと思い込んで塁を離れたため、城島が再び坂本に触球してダブルプレイとなった。

注釈

  1. 公認野球規則7.08(b)
  2. これは、走塁妨害の規定を定めた公認野球規則7.06の(a)項適用により、走塁を妨害された走者には少なくとも1個の進塁が認められるためである
  3. 公認野球規則7.08(a)(1)。ここでいうベースパスとは、タッグプレイが起こったときの走者の位置と、走者が進もうとする塁とを結んだ線分、およびその線分を基準に両側3フィートずつの地帯を指す
  4. 公認野球規則7.03(a)