九州新幹線

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新幹線800系と八代海

九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)は、整備新幹線計画の一つで、九州旅客鉄道(JR九州)の高速鉄道路線(新幹線)およびその列車である。鹿児島ルート博多 - 鹿児島中央間)と長崎ルート(西九州ルート、博多 - 新鳥栖 - 長崎間)がある。鹿児島ルートは全線が開業しており、営業路線としては単に「九州新幹線」と呼ばれる。

鹿児島ルートは、全区間を独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧日本鉄道建設公団)が建設し、JR九州がこれを借り受けて運営している。長崎ルートについても今のところ同方式が予定されている。

鹿児島ルート

鹿児島ルートは、博多 - 鹿児島中央間を結ぶ、新幹線規格(フル規格)の路線である。2004年新八代 - 鹿児島中央間が開業しており、2011年3月12日には博多までの全線が開業した[1][2]800系を使用した九州新幹線内の「つばめ」「さくら」のほか、新たに導入されたN700系7000・8000番台による「さくら」「みずほ」が山陽新幹線経由で新大阪駅まで乗り入れている[3]

2016年3月26日改正時点では、「みずほ」は新大阪 - 鹿児島中央間を最速3時間42分、新大阪 - 熊本間を最速2時間58分で運転している。博多 - 熊本間は最速33分、博多 - 鹿児島中央間は最速で1時間17分である。

開業以来、東京駅に直通する営業列車が設定されていない[4]。東京駅からの列車は博多駅が西限で九州新幹線に乗り入れない。鹿児島中央駅からの列車は新大阪駅が東限で東海道新幹線に乗り入れない。

設置駅
博多 - 新鳥栖 - 久留米 - 筑後船小屋 - 新大牟田 - 新玉名 - 熊本 - 新八代 - 新水俣 - 出水 - 川内 - 鹿児島中央

長崎ルート

長崎ルート(別称:西九州ルート)は、博多 - 長崎間を結ぶ路線である。一般的には長崎新幹線と呼ばれる。2008年に武雄温泉 - 諫早間が新幹線鉄道規格新線(スーパー特急方式)で着工されたが、2012年に諫早 - 長崎間が標準軌新線(フル規格)で着工され、武雄温泉 - 諫早間も標準軌新線で建設する方向となった。

フリーゲージトレイン(軌間可変電車)での運行を予定していたが[5]、実用化は難航しており[6]、2022年度の時点では博多 - 武雄温泉間の在来線特急と、武雄温泉 - 長崎間の新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業が予定されている[7]

2025年度に予定されていたフリーゲージトレインが導入されれば、鹿児島ルートと共用の新幹線、在来線、長崎ルート新幹線と、軌間の異なる3つの区間を通して運転することができるようになる[8]山陽新幹線への乗り入れについては、長崎県は新大阪までの直通運転を目指しているものの、2008年に当時のJR西日本社長山崎正夫がフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れについて難色を示している[9]

フリーゲージトレインの導入は2018年7月19日に正式に断念したと与党検討委員会が表明した[10]

在来線を活用
新鳥栖 - 佐賀 - 肥前山口 - 武雄温泉
標準軌新線(フル規格)で建設中
武雄温泉 - 嬉野温泉 - 新大村 - 諫早 - 長崎

脚注

  1. 九州新幹線が全線開通 1番列車が主要駅を出発 - 東京新聞、2011年3月12日
  2. 九州新幹線が全線開通 震災に配慮し式典とりやめ - asahi.com(朝日新聞社)、2011年3月12日
  3. N700系7000・8000番台は「つばめ」や九州新幹線内または新下関発着の「さくら」にも使用。
  4. なお、大宮駅上野駅以南延伸以前の東北・上越新幹線も同様であったため、そのような唯一の路線と言う訳ではない。
  5. 平成16年12月16日 整備新幹線の取扱いについて 政府・与党申合せ - 国土交通省
  6. 九州新幹線長崎ルート フリーゲージ開発 また難航 新型台車にも不具合 開業に遅れる恐れ - 西日本新聞 2010年8月20日付
  7. “九州新幹線長崎ルート 「リレー方式」で開業合意”. 毎日新聞. (2016年3月29日). http://mainichi.jp/articles/20160330/k00/00m/040/040000c . 2016閲覧. 
  8. 西九州ルートの概要 建設計画・ルート - 長崎県
  9. 長崎新幹線「山陽との直通は困難」 JR西社長が見解 asahi.com 2008年12月8日
  10. “長崎新幹線、フリーゲージを正式断念 フル規格かミニ新幹線で整備へ 与党検討委が表明”. 乗りものニュース. https://trafficnews.jp/post/80980 . 2018閲覧. 

関連項目

外部リンク