加賀友禅

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加賀友禅(かが ゆうぜん)は、日本の着物染色技法である友禅の一つ。

概要・歴史

その名の通り、加賀国(現・石川県南部)の経済産業大臣指定伝統的工芸品で、現在も金沢市を中心に制作・販売されている。

源流は、室町時代に加賀国で行われていた無地の梅染めにある[1][2]

江戸時代中期に加賀藩にて栄えた加賀御国染を基に、京友禅の創始者といわれる絵師の宮崎友禅斎が晩年、金沢の加賀藩御用紺屋棟取であった太郎田屋に身を寄せ、加賀御国染に大胆な意匠を持ち込んで確立した染色技法と、その作品が現在まで続く「加賀友禅」である 。加賀五彩(臙脂、草、黄土、古代)と呼ばれる艶麗な色彩で知られ、特に、紫、系統の色を多用する。

柄は、図案調の京友禅に対して草、花、鳥等の絵画調の物が多く、自然描写を重んじる中から「虫喰い」等独自の装飾が生まれた。「ぼかし」も京友禅以上に多用される傾向にある。金沢市内を流れる浅野川では、工程の最後の方に、余分な糊や染料を洗い流す友禅流しが見られることがある[3]

加賀友禅会館

加賀友禅は金沢の観光資源にもなっており、作品の見学や購入、絵付け体験、試着などができる施設がある。

代表的な加賀友禅会館は、加賀友禅を体験してもらうために設置された。地図

加賀友禅の展示や友禅小物の販売、着用体験などを行っている。着用体験では、着物姿で兼六園や東茶屋街を散策可能である[4]

このほか、「加賀友禅工房 長町友禅館」など、見学などを受け入れている染元の施設や工房もある。  

関連項目

脚注

  1. 山本晃「梅染 再び咲いた紅色◇明治期に途絶えた古代の技 試行錯誤繰り返し復活◇」日本経済新聞』朝刊2018年1月29日(文化面)2018年5月20日閲覧。
  2. 加賀友禅・歴史と特徴(2018年5月20日閲覧)。
  3. 金沢百万石まつりの一環として、浅野川で「加賀友禅灯籠流し」が行われる。流すのは染物でなく、灯籠である。
  4. 加賀友禅着用体験”. 加賀染振興協会. . 2017閲覧.

外部リンク