吉野石膏

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吉野石膏株式会社(よしのせっこう、英称:Yoshino Gypsum Co.,Ltd.)は東京都千代田区丸の内に本社を置く住宅建材メーカーの大手企業である。石膏をもとにつくられる耐火建材石膏ボードの日本国内最大手(シェア70-80%)で現在は第2位のチヨダウーテと市場を寡占している。 ブランド名「タイガーボード」として、広く知られている。

概要

1901年に創業。山形県東置賜郡吉野村(現:南陽市)の吉野鉱山において産出された石膏を原料に、製品を製造し始めたことから社名が名づけられた。アメリカで開発された石膏ボードの国産化を行ない、現在は建築用の石膏資材の製造・販売を基幹としている。2004年には、主力商品の「タイガーボード」を商標登録した(商標登録番号:第4749322号)。また硫酸カルシウムを主成分とした化学肥料歯科材料、医療用のギプス美術工芸用の石膏、食品添加物(水の硬度調整剤)、グラウンド白線用の石膏粉末なども製造している。

TVCMでは長年に渡って、タイガーボードに因みを模した着ぐるみのキャラクターを起用している(声の出演は水島裕)。長年同じ映像だったが、近年新しいバージョンが放映されている(声の出演は松本保典)。なお、東日本大震災発生後は「地震にも強い」のテロップも付けられた。また、1980年代に放送されたCMは、虎の親子がガヴォットをアレンジしたメロディで歌うアニメーションだった。 (声の出演 お父さんとナレーションは富田耕生

沿革

  • 1901年 - 吉野鉱山にて石膏原石の採掘を開始。
  • 1937年 - 吉野石膏株式会社設立。
  • 1980年 - 創業80周年。
  • 1988年 - 会長に須藤恒雄、社長に須藤永一郎が就任。
  • 2008年 - 南陽市と「吉野石膏の森」づくりの基本協定を締結[1]
  • 2014年 - 会長に須藤永一郎、社長に須藤永作が就任。
  • 2015年

直轄工場

石膏ボードは単価が低く輸送コストが嵩む為、市場近くで生産する必要があるため全国に分散して工場を保有している。下記直轄工場以外に、コンビナート工場や関連会社工場がある。
千葉第一・第二工場と三河工場では需要に対応するために輸入品の石膏原料を使用しており、大都市圏に近い上に大規模な工場であることを生かして輸送コストの低減化を図っている。
; 石膏プラスター、焼石膏を生産している工場。無印は、石膏ボードを生産。

主な関連生産拠点

いずれも、発電所製錬所脱硫装置や化学肥料工場の燐酸肥料生産工程の副産物として排出される化学石膏を基盤としている。
; 石膏プラスター、焼石膏を生産している工場。無印は、石膏ボードを生産。

かつての生産拠点

  • 宮古吉野石膏(岩手県宮古市
    • かつてはラサ工業が出資していた関係で「ラサ吉野石膏」という名称だったが、同社の肥料事業がコープケミカルに譲渡され、株主もラサ工業からコープケミカルに移行したことから改称した。2012年3月清算。

主なグループ会社

  • 吉野石膏販売
    • 1948年に焼石膏の販売部門が吉野石膏販売として分離独立。
  • 高砂製紙
    • 1956年に石膏ボード原紙分野に業務を拡張、吉野石膏の傘下に入る。
  • エヌビーエル
  • 日本ソーラトン
    • 2009年12月に日東紡績よりロックウール化粧吸音板の製造・販売を譲受・継承し、吉野石膏グループとして日本ソーラトンと改名。
  • タイガレックス
    • 2014年12月にグランデックスより新素材事業(不燃紙、セラミックハニカム、無機バインダー)を譲受・継承し、吉野石膏グループとしてタイガレックスと改名。
  • 旭ファイバーグラス
    • 2015年6月に主要株主であったオリックス傘下の投資事業組合が保有する株式ほかを買い取ることで完全子会社化した。

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脚注

関連項目

  • 山形美術館 - ルノワール、モネ、シャガールをはじめとする、フランス近代絵画を「吉野石膏コレクション-珠玉のフランス近代絵画」と称し寄託。常設展示している。
  • 天童市美術館 - 上村松園、横山大観、東山魁夷をはじめとする日本を代表する作家の作品を寄託している。
  • 南陽市 - 二酸化炭素削減、地球温暖化防止と市内の山林の保護育成を目的に「企業の森」第1号として「吉野石膏の森」づくりの基本協定を結ぶ。

外部リンク