夏野剛
なつの たけし 夏野 剛 | |
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生誕 |
1965年3月17日(59歳) 神奈川県 |
国籍 | 日本 |
出身校 |
早稲田大学政治経済学部卒業 ペンシルベニア大学ウォートン校卒業 |
職業 |
ムービーウォーカー代表取締役会長、ドワンゴ、NTTレゾナント、セガサミーHD、トランスコスモス、グリー、USEN-NEXT HOLDINGS、ディーエルイー、日本オラクル、Ubicomホールディングス、ゼネテック、海外需要開拓支援機構各社取締役 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授 |
夏野 剛(なつの たけし、1965年3月17日 - )は、日本の実業家。
ムービーウォーカー代表取締役会長[1]。ドワンゴ[2]取締役。NTTレゾナント取締役(非常勤)。セガサミーホールディングス[3]、トランスコスモス[4]、グリー[5]、USEN-NEXT HOLDINGS[6]、ディー・エル・イー[7]、日本オラクル[8]、Ubicomホールディングス[9]、ゼネテック[10]、海外需要開拓支援機構などの社外取締役。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授[11]。経営学修士(ペンシルベニア大学・1995年)。
Contents
概要
エヌ・ティ・ティ・ドコモにてマルチメディアサービス部の部長や執行役員などを歴任し、松永真理らとともにiモードを起ち上げたメンバーの一人として知られる。エヌ・ティ・ティ・ドコモ退任後は、慶應義塾大学の大学院にて政策・メディア研究科の特別招聘教授に就任した。また、ドワンゴでは常勤の顧問や取締役などを務めるとともに、十数社の社外取締役を兼任する。World Wide Web Consortiumでは、アジア出身者として初の顧問会議(Advisory Board)の委員に就任した[12]。
来歴
生い立ち
神奈川県出身。東京都立井草高等学校(爆笑問題の田中裕二は同級生[13])、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、1988年に東京ガスに入社。1993年に退社後、ペンシルベニア大学ウォートン校の経営大学院に留学、1995年に経営学修士(MBA)を取得。同年日本に戻り、いわゆる一般的な広告モデルとは一線を画すダイレクトマーケティングモデルによるインターネットサービスプロバイダ(ISP)支援システムとしても一時話題となった、板倉雄一郎設立の株式会社ハイパーネットで、「ハイパーシステム」事業立ち上げに社外ブレーンとして参画し、後に自ら同社の海外戦略担当副社長に就任した。
NTTドコモ
1997年にハイパーネットが経営破綻したため、松永真理らの誘いで同年エヌ・ティ・ティ・ドコモに転職、iモードビジネスの立ち上げに携わる。
iモード以後もおサイフケータイをはじめとするドコモの新規事業を企画・実践、他社との幅広い提携を推進した。同社在籍中は、モバイル事業に関連する合弁会社などを多数立ち上げている。モバイル広告分野では、電通、NTTアドと「ディーツーコミュニケーションズ」(D2C)を設立。日本マクドナルドとは、モバイルを活用したマーケティング企業「The JV」を設立した。
2005年6月、同社の執行役員(2005年5月10日新設)に就任。取締役に次ぐポストで、NTTグループとしては異例の昇進となった。
iモードビジネスにおける功績は、国際的にも知られている。米国の経済誌『ビジネスウィーク』は、2000年1月17日号において、iモードビジネスに関する特集記事を組んだ。続いて、2001年5月には「世界のeビジネスリーダー25人」に選出された。このほか2002年5月には、出身校のペンシルベニア大学ウォートン校から「ウォートン・インフォシスビジネス改革大賞」のTechnology Change Leader賞を受賞している。
NTTドコモ退社
2008年6月にエヌ・ティ・ティ・ドコモ退社。慶應義塾大学の大学院にて政策・メディア研究科の特別招聘教授に就任。同月、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、エヌ・ティ・ティレゾナント、SBIホールディングスなどの社外取締役に就任した。同年7月4日、ドワンゴ常勤顧問に就任、同年12月25日に取締役就任。ニコニコ動画の「黒字化担当」として活動。2009年HTMLの標準化団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)の顧問会議委員(Advisory Board member)に選挙により選出される。アジア出身者初のBoardに就任(2011年再選)。2009年9月グリー社外取締役。2010年より政策シンクタンク・大樹総研の客員研究員就任。
発言
- Newton
- Apple社のPDA Newtonユーザーであった。2000年に携帯電話にWindowsCEを搭載しないのか、という質問に答えて「NewtonOSより優れているとは思えないから必要ない」と答えた[14]。
- ITホワイトボックス
- 『NHK ITホワイトボックス 世界一やさしいネット力養成講座「パソコンとケータイに弱い」が治る本』(講談社MOOK)にて、1〜4限のケータイ講座を慶應義塾大学教授として講師を担当。
- Suica
- 「自分の立ち回り先でSuicaが使用できないこと」について以下の発言がある[15][16]。
- 選択的夫婦別姓制度
- 「選択肢を増やすだけで、別にすべての家族が別姓にはならないのに、『家族制度が崩壊する』などと反対するのはおかしい。」と述べ、選択的夫婦別姓制度導入に賛同する[19]。
- パナマ文書について
- 「タックスヘイブン使うのはビジネスの常識」と自身のツイッター[5]で発言。
- 日本経済について
- 1994年から2014年までの間アメリカのGDPは倍増したが、日本は横ばいだった理由について、イノベーションを阻害する社会的ルールが多いことを指摘している[20]。
現職
- 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特別招聘教授
- 株式会社ムービーウォーカー代表取締役会長。
- セガサミーホールディングス株式会社 社外取締役
- トランスコスモス株式会社 社外取締役 監査等委員
- NTTレゾナント株式会社 取締役(非常勤)
- 株式会社ドワンゴ 取締役
- 株式会社ディー・エル・イー取締役(社外)
- グリー株式会社 社外取締役
- 株式会社U-NEXT取締役(社外)
- 日本オラクル株式会社 社外取締役
- 株式会社Ubicomホールディングス取締役(社外)
- 株式会社ゼネテック取締役(社外)
- 株式会社海外需要開拓支援機構 社外取締役
- 独立行政法人情報処理推進機構未踏IT人材発掘・育成事業プロジェクトマネージャー(2009年〜)
- 一般社団法人デジタルメディア協会AMD Award審査委員長(2014年〜)
- 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与(2014年〜)
- 公益社団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会メディア委員会委員(2014年〜)
- 東京2020大会マスコット選考検討会議委員[21](2017年〜)
- 一般社団法人未踏外部理事(2014年〜)
- 内閣府クールジャパン推進会議構成員(2015年〜)
- 株式会社エコ配顧問
- N高等学校 評議員
略歴
- 1988年 - 早稲田大学政治経済学部卒業。
- 1988年 - 東京瓦斯入社。
- 1993年 - 東京瓦斯退職。
- 1995年 - ペンシルベニア大学ウォートン校卒業。
- 1997年9月 - エヌ・ティ・ティ移動通信網(現・エヌ・ティ・ティ・ドコモ)入社。
- 2000年6月 - ディーツーコミュニケーションズ (現・D2C)代表取締役。
- 2004年1月 - フェリカネットワークス社外取締役。
- 2005年6月 - エヌ・ティ・ティ・ドコモ執行役員マルチメディアサービス部部長。
- 2005年7月 - 三井住友カード外取締役。
- 2005年10月 - Suica普及有限責任事業組合職務執行者。
- 2005年12月 - 楽天オークション社外取締役。
- 2007年6月 - ディーツーコミュニケーションズ (現・D2C)社外取締役。
- 2007年7月 - The JV社外取締役。
- 2007年7月 - CXDネクスト社外取締役社外取締役。
- 2008年 - エヌ・ティ・ティ・ドコモ退職。
- 2008年 - 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授。
- 2008年6月 - セガサミーホールディングス社外取締役。
- 2008年6月 - ぴあ取締役。
- 2008年6月 - トランスコスモス社外取締役。
- 2008年6月 - ライブウェア社外取締役。
- 2008年6月 - エヌ・ティ・ティレゾナント取締役。
- 2008年6月 - SBIホールディングス社外取締役。
- 2008年12月 - ドワンゴ取締役。
- 2009年5月 - 独立行政法人情報処理推進機構未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー。
- 2009年6月 - ディー・エル・イー社外取締役。
- 2009年9月 - グリー社外取締役。
- 2009年 - W3C (World Wide Web Consortium)のアドバイザリーボードメンバー。
- 2009年 - World Economic Forum (WEF) Global Agenda Council Member。
- 2010年1月 - ビットワレット社外取締役。
- 2010年12月 - U-NEXT社外取締役。
- 2011年 - CUUSOO SYSTEM取締役。
- 2011年 - エコ配取締役。
- 2012年 - セガネットワークス取締役。
- 2013年4月 - 慶應義塾大学環境情報学部客員教授。
- 2013年11月 - 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授。
- 2014年6月 - 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与。
- 2014年10月 - KADOKAWA・DWANGO (現・カドカワ) 取締役。
- 2015年1月 - 内閣府クールジャパン推進会議構成員に就任。
- 2015年8月 - 公益社団法人日本プロサッカーリーグアドバイザー。
- 2015年10月 - IoT推進ラボIoT支援委員会委員。
- 2016年6月 - 宇宙政策委員会臨時委員。
- 2016年8月 - 日本オラクル社外取締役。
- 2017年6月 - AWSホールディングス (現・Ubicomホールディングス) 社外取締役。
- 2017年6月 - ゼネテック社外取締役。
- 2017年6月 - 海外需要開拓支援機構社外取締役。
- 2018年6月 - ムービーウォーカー代表取締役会長。
出演
テレビ
- ITホワイトボックス(第15,16回、NHK Eテレ)
- 情報プレゼンター とくダネ!(2010年4月〜、月曜コメンテーター、フジテレビ)
- ズームイン!!SUPER(2010年10月〜2011年3月、金曜コメンテーター、日本テレビ)
- 真相報道 バンキシャ!(不定期、ご意見バン!、日本テレビ)
- BSフジLIVE ソーシャルTV ザ・コンパス(2012年4月〜2013年3月、オピニオンアナリスト、BSフジ)
- 日経スペシャル 未来世紀ジパング(不定期、テレビ東京)
ラジオ
著作
単著
- 夏野剛著『iモード・ストラテジー――世界はなぜ追いつけないか』日経BP企画、2000年。ISBN 4931466281
- 夏野剛著『ア・ラ・iモード――iモード流ネット生態系戦略』日経BP企画、2002年。ISBN 4931466710
- Takeshi Natsuno, i-mode strategy, trans. Ruth South McCreery, Wiley, 2003. ISBN 0470851015
- 夏野剛著『ケータイの未来』ダイヤモンド社、2006年。ISBN 4478321221
- 夏野剛著『1兆円を稼いだ男の仕事術』講談社、2009年。ISBN 9784062155342
- 夏野剛著『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』幻冬舎、2009年。ISBN 9784344981355
- 夏野剛著『夏野流脱ガラパゴスの思考法』ソフトバンククリエイティブ、2010年。ISBN 9784797359145
- 夏野剛著『iPhone vs. アンドロイド――日本の最後の勝機を見逃すな!』アスキー・メディアワークス、2011年。ISBN 9784048704342
- 夏野剛著『なぜ大企業が突然つぶれるのか――生き残るための「複雑系思考法」』PHP研究所、2012年。ISBN 9784569806457
- 夏野剛著『「当たり前」の戦略思考』扶桑社、2014年。
共著
- 北尾吉孝・夏野剛著『人生の大義――社会と会社の両方で成功する生き方』講談社、2010年。ISBN 9784062726689
- アスキー新書編集部編『明日の日本をつくる復興提言10』アスキー・メディアワークス、2011年。ISBN 9784048706964
- 東浩紀・津田大介・中川淳一郎・夏野剛・西村博之・堀江貴文『ニコニコ超トークステージ ネット言論はどこへいったのか?』角川学芸出版、2016年
監修
- 夏野剛監修『スマートフォン――入門から業界動向までひと目でわかる』アスキー・メディアワークス、2011年。ISBN 9784048703154
- 夏野剛・おちまさと・高橋憲行ほか監修『賢人の企画術』幻冬舎、2012年。ISBN 9784344902527
その他
- リアルビジネス企画・制作チーム著『USEN宇野康秀×8人の若手経営者のリアルビジネス』日経BP出版センター、2007年。ISBN 9784822245757
- Aera編集部著『プロ力――仕事の肖像――Sixteen human documentaries』朝日新聞出版、2009年。ISBN 9784023304208
- 田原総一朗著『Twitterの神々――新聞・テレビの時代は終わった』講談社、2010年。ISBN 9784062950688
- 宝珠山卓志・篠崎功監修、ディーツーコミュニケーションズスマートフォン・ベクター編著『スマートフォン・マーケティング――ブランドアプリに見る企業のコミュニケーション戦略』宣伝会議、2011年。ISBN 9784883352500
脚注
- ↑ “ムービーW、会長に夏野氏、五十嵐氏は常務”. 文化通信社. . 2018閲覧.
- ↑ “会社概要”. ドワンゴ. . 2016閲覧.
- ↑ “会社概要”. セガサミーグループ. . 2016閲覧.
- ↑ “役員一覧”. トランスコスモス. . 2016閲覧.
- ↑ “役員紹介”. グリー. . 2016閲覧.
- ↑ “会社情報”. USEN-NEXT HOLDINGS. . 2016閲覧.
- ↑ “会社紹介”. ディー・エル・イー. . 2016閲覧.
- ↑ “役員紹介”. 日本オラクル. . 2016閲覧.
- ↑ “会社概要”. Ubicomホールディングス. . 2016閲覧.
- ↑ “会社概要”. ゼネテック. . 2016閲覧.
- ↑ “Takeshi Natsuno”. 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス. . 2016閲覧.
- ↑ “W3C Advisory Board”. World Wide Web Consortium. . 2016閲覧.
- ↑ TBS RADIO 爆笑問題の日曜サンデー 2015年2月22日放送分
- ↑ 技術評論社「PDA Magazine」インタビュー)
- ↑ “夏野剛「SuiCa使えない駅構内の店は撤去、業者入れ替えろ」 ネットで「何様のつもりだ!」と非難殺到し「ツイッター」炎上”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2014年2月4日) . 2014閲覧.
- ↑ “夏野剛氏、「ダサすぎる、仙台市」 地下鉄のSuica非対応に不満、市民は・・・”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2014年10月21日) . 2014閲覧.
- ↑ 宮城県仙台市はJR東日本の営業エリアであるが、仙台市の地下鉄を運営する仙台市交通局はJRグループの企業ではない。
- ↑ なお、2016年3月26日に仙台市交通局の乗車カードであるicscaとSuicaとの相互利用サービスが開始されたため、現在は利用可能。
- ↑ 朝日新聞 2014年3月15日
- ↑ 夏野剛 (2017年4月3日). “【夏野剛】IT革命では、3つの革命が同時に起こっている”. NewsPicks. . 2017閲覧.
- ↑ 東京2020大会マスコット - 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
外部リンク
- 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) 教員プロフィール - 夏野を紹介する慶應義塾大学の公式サイト
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