宦官

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宦官(かんがん)

去勢された男子で宮廷に仕える者をいう。この風習は古くから西アジア諸国に存在し,イランのササン朝ビザンチン帝国を経てウマイヤ朝に受継がれ,19世紀末まで継続した。タバーシー,ハーディムと呼ばれた彼らはイスラム諸王朝のハレムを監督し,支配者 (スルタン) や高官の個人的雑務を果した。 17世紀以後,オスマン朝ではしばしば政治の実権を握る者も現れた。中国においてもすでに周代からみられ,閹人 (えんじん) ,寺人,中官,大監などと呼ばれ,清末まで継続した。古代には主として宮刑 (五刑 ) に処された罪人をこれにあてたが,隋代に宮刑を廃止してからは,異民族の捕虜や外国の進貢者のほか,多くの民間の自宮者をもって補充した。その職務はおおむね宮廷の卑しい雑用にすぎなかったが,天子の近くにあって次第に政治上の実権を握る者が現れ,後漢,唐,明の時期の宦官の横暴は著しかった。中国の宦官制度は朝鮮,安南などにも波及したが,日本には移入されなかった。



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