家庭内暴力

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家庭内暴力(かていないぼうりょく)は、家庭内で起こる、家族に対する暴力的行為や言動のことである。特に、20歳未満の子が同居する親などに対して継続的に振るう暴力[1][2]。日本語としては1970年前後に現われた造語であり[3]、広義には家庭内の暴力全般を指すが[4][5]、親が子に振るう暴力は「児童虐待」、配偶者間の暴力は「ドメスティックバイオレンス」と言い分けるのが通例である[2]。暴力の内容は、相手に怪我を負わせるものから、暴言を主とするもの、家具や家財を破壊するなどケースにより異なるものの[2]、家庭外では全く発揮されないという特徴があり[3]、ターゲットは家庭内の親しい人物、特に母親となることが多い[5][6]

暴力の背景は、社会に対する不適応感(挫折感)から来るストレス[2]、親からの過干渉に対する反発[6]、自立の試み[6]など様々であり、統合失調症のような精神障害が原因であることは少ない[2]。相談先としては警察児童相談所教育機関などが挙げられ[2]、精神障害の場合は児童精神科医が挙げられる[6]

家庭内暴力は密室で発生するため実態の把握が難しいが[4]、日本では1960年前後から顕著に現われ[5]、近年では警察で把握しているだけで約1200件(2009年)にのぼり、件数としては横ばいが続いていた[1][7]。しかし、2010年以降に急増し始め[8]、1181件(2009年)、1484件(2010年)、1470件(2011年)、1625件(2012年)、1806件(2013年)、2091件(2014年)、2531件(2015年)に達している。

脚注

  1. 1.0 1.1 家庭内暴力”. 朝日新聞掲載「キーワード」. 朝日新聞社. . 2016閲覧.
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 家庭内暴力についての話”. 北海道警察. . 2016閲覧.
  3. 3.0 3.1 かていないぼうりょく【家庭内暴力】”. 世界大百科事典 第2版. 平凡社. . 2016閲覧.
  4. 4.0 4.1 家庭内暴力”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. . 2016閲覧.
  5. 5.0 5.1 5.2 家庭内暴力”. 日本大百科全書. 小学館. . 2016閲覧.
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 かていないぼうりょく”. 家庭医学館. 小学館. . 2016閲覧.
  7. 第4節 家庭と学校における非行”. 犯罪白書. 法務省 (2013年). . 2016閲覧.
  8. "平成27年中における少年の補導及び保護の概況"警察庁(2016年)2016年12月16日閲覧。