帰納

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帰納(きのう、: Induction: επαγωγή(エパゴーゲー)

個々の事例の観察からこれを含む一般命題を確立する推理。演繹に対する。完全帰納 (結論にいたるためのすべての事例を枚挙しうる場合) と不完全帰納 (事例のすべてを尽していない) の2種がある。前者は既知の事実の列挙にとどまるから演繹的論証の一種ともいえる。後者は結論への飛躍 (帰納的飛躍) があるが新法則の発見にいたる。 J.S.ミルは後者を真の帰納とみる。帰納的飛躍は自然の運行が空間的にも時間的にも斉一であることを前提とする。「すべてのAはBである」という結論が数的にも時空的にも限定されず一般的に適用されるとき,この一般命題は自然法則と呼ばれる。帰納による科学的研究法を帰納法という。ソクラテスの概念構成の仕方epagōgēを最初とするが,アリストテレスが完成し,F.ベーコンが近代的発展の道を開き,さらにミルが発展させた。実験的探究に関するミルの一致法,差異法,一致差異併用法,剰余法,共変法の公理は特に有名である。ベーコン,ミルの帰納法を帰納論理学とも呼ぶが,R.カルナップの帰納論理学は仮説が結果によって確証される程度を明らかにするものである。また数学的帰納法は,命題 Pnがすべての自然数nに対して成り立つことを証明する方法である。




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