弘田三枝子

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弘田 三枝子
出生名 高木 三枝子
生誕 (1947-02-05) 1947年2月5日(77歳)
出身地 日本の旗 日本東京都世田谷区池尻
ジャンル ポップス、歌謡曲、和製R&B
職業 歌手
担当楽器 ヴォーカル
活動期間 1961年 -
レーベル 東芝音楽工業
日本コロムビア
キングレコード
公式サイト 弘田三枝子オフィシャルブログ「ミコブロ」

弘田 三枝子(ひろた みえこ、本名:高木 三枝子、1947年2月5日 - )は、日本のポップス、歌謡歌手。愛称はMICO(ミコ)、ミコちゃん。

歌唱力とパンチの効いた歌声で、青山ミチらとともに「和製R&B」と評された。

経歴

東京都世田谷区池尻出身。小学生時代の7歳から立川市などの進駐軍のキャンプでポップスやジャズなどを歌っていた。ハワイアンをやっていた兄からの助言と、童謡と英語を先生について習った。その当時同じ立川で同じように歌っていた少女が伊東ゆかりであり、弘田は「あの子はどんな歌手になるのだろう」と幼心に思ったとのちに語っている。

1961年東芝音楽工業から、「子供ぢゃないの」(ヘレン・シャピロのカバー)でデビュー、14歳。翌62年には各社競作で出された「ヴァケイション」(コニー・フランシスのカバー)[1]が20万枚のヒットを記録する。他に青山ミチ、伊東ゆかり、金井克子らも同曲をカバーした。青山ミチ版は3万枚の小ヒットだった。村田久夫は「西洋のリズム・メロディラインと日本語の言語としての伝達能力の問題を克服する手段として、英語っぽい日本語を考え出したのは弘田三枝子」と指摘している[2]

1964年10月に東芝音楽工業を退社し、日本コロムビアへ移籍する。 1965年7月には、日本人歌手として初めて、アメリカの「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」に出場。カーメン・マクレエクインシー・ジョーンズデューク・エリントンジョン・コルトレーンなど、当時のトップクラスのジャズミュージシャンが勢ぞろいした中、ビリー・テイラー・トリオをバックに歌い、3日目のトリという大役を務めた。なお、弘田はポップス歌手であり、ジャズ歌手ではない。一方1968年、自身初のリズム・アンド・ブルースのコンサートをサンケイホールにて開く。ジャズ、ポップスに続きR&Bという新たなジャンルをものにした。だが、66年ごろから音楽的スランプを迎える。

カムバック:「人形の家」以降

彼女は、60年代前半あたりまでは好調を保っていたが、筒美京平らが曲を提供したにもかかわらず、それ以後のGSブームなどには完全に乗り遅れてしまった。60年代初頭のアメリカン・ポップスやオールディーズを歌う歌手という古いイメージを払拭し、カムバックを果たしたのが川口真作曲の「人形の家」である。弘田は1969年、「人形の家」で第11回日本レコード大賞の歌唱賞を受賞した。川口真も、それまでGSの編曲などをおこなっていたが、この大ヒットで有名作曲家の仲間入りを果たし、その後、尾崎紀世彦、金井克子、夏木マリ、布施明らにヒット曲、名曲を提供していった。また京都にてR&Bの2回目のコンサートを行う。

1970年には、「ミコのカロリーBOOK」を出版。当時は、まだこのようなダイエット本が珍しく、150万部を超える大ベストセラーになる。ファッションビューティーにも関心を持ち1970年度のベストドレッサー賞を受賞している。独特のヘアスタイル、衣装、メイクで当時のファッションリーダー的存在であった。更に同年、「できごと」で、東京国際歌謡音楽祭(後の世界歌謡祭)の歌唱賞を受賞した。尚、この「できごと」は「喜劇 開運旅行」(松竹、1971年)の1シーンで本人出演により歌われている。

1973年には、ブルガリア音楽祭へ出場。1976年に、中野サンプラザでおよそ10年ぶりのリサイタル「Mieko in peason」を開いたことで話題になる。立ち見客が出るほどの反響ぶりで、この模様は後にLP盤で発売された。その後、アメリカ滞在中に結婚し愛娘を授かるが、すぐに離婚。幼い愛娘を連れて1980年に帰国する。

帰国後の私生活は実姉との同居生活が続いており、本業ではカムバック用のシングル盤「ミスターシャドー」が、古巣の東芝EMIから発売される。1983年にはキングレコードへ移籍し、2枚のシングル盤を発表するが、その後はディナーショーなどでの活動が中心となる。近年ではテレビ東京懐メロ番組にも出演している。

2006年にレコードデビュー45周年を迎え、「弘田三枝子じゃずこれくしょん」CD8枚組BOXを発売、またジャマイカSly & Robbieと初めてのレゲエを吹き込む。11月1日、22年ぶりの新曲「恋のクンビア21」をNY在住のDJ GOMIリミックスによりリリース。2007年には、「弘田三枝子じゃずこれくしょん」に新アルバムとしてボックス入りしていた「MICO JAZZING」が、東南アジア13カ国で発売された。

兄(物故)、姉、娘がいる。

代表曲

カヴァー曲

弘田三枝子盤は20万枚を売り上げた。オリジナルは夏休みの歌であるが、日本語版は11月発売であったこともあり、春夏秋冬の休みについて歌っている。

シングル曲

  • 寝不足なの/ブルージン・ブルース(1962年6月)
作詞:永六輔/作曲・編曲:中村八大
  • 明日をみつめて(1963年3月)
作詞:青島幸男/作曲:桜井千里/編曲:森岡賢一郎
松竹映画『河岸の旋風娘』主題歌。作曲の桜井千里はクレージーキャッツのピアニスト・桜井センリである。
  • ひとつぶの真珠(1964年8月)
  • 砂に消えた涙(1964年12月20日/SAS-432-B)
訳詞:漣健児/作曲:P・ソフィッチ/編曲:山屋清
日本コロムビア移籍後の初シングル。B面ながらも、ミュージックライフ誌における売上チャート1位を記録。
  • 恋のクンビア(1965年8月20日/JPS-12-A)
作詞:三浦康照/作曲:和田香苗/編曲:河村利夫
日本コロムビア創立55周年記念曲にして、昭和40年『第16回NHK紅白歌合戦』出場曲。
  • 夢みる乙女(1966年6月20日/JPS-45-B)
作詞:加藤和枝、作曲:原信夫、編曲:大西修
作詞:島田陽子/作曲:中村八大/編曲:河村利夫
作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
昭和42年『第18回NHK紅白歌合戦』出場曲。30万枚を記録し筒美京平の初ヒット作品となった。
作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
作詞:なかにし礼/作曲・編曲:川口真、カムバックを果たした大ヒット曲。
昭和44年『第20回NHK紅白歌合戦』出場曲。
  • 私が死んだら(1969年12月10日/P-79-A)
作詞:なかにし礼/作曲・編曲:川口真
初回版ジャケットのみ、上半身を露出したセミヌード写真を使用。
  • 燃える手(1970年4月25日/P-89-A)
作詞:なかにし礼/作曲・編曲:筒美京平
作詞:なかにし礼/作曲・編曲:川口真
昭和45年『第21回NHK紅白歌合戦』出場曲。
  • できごと(1970年12月15日/P-108-A)
作詞:我谷和夫/作曲:佐藤健/編曲:服部克久
昭和45年『東京国際歌謡音楽祭』歌唱賞。
作詞:島田葉二/作曲:いずみたく/編曲:渋谷毅
昭和46年『第22回NHK紅白歌合戦』出場曲。
  • 裏庭の出来事(1971年11月10日/P-150-A)
作詞:山上路夫/作曲・編曲:村井邦彦
  • 都会の女(1972年9月25日/P-182-A)
作詞:橋本淳/作曲:三原綱木/編曲:高田弘
  • 花の咲く朝(1973年4月10日/P-217-A)
作詞:千家和也/作曲・編曲:馬飼野康二
  • 蝶の雨(1974年4月1日/P-339-A)
作詞:なかにし礼/作曲・編曲:馬飼野康二
  • 女の癖(1975年2月25日/P-392-A)
作詞:安井かずみ/作曲・編曲:川口真
  • 絵空事(1976年5月1日/P-455-A)
作詞:藤公之介/作曲:川口真/編曲:萩田光雄
  • 川の向こうに(1977年1月1日/PK-39-A)
作詞:中里綴/作曲・編曲:川口真
TBS愛の劇場『私は忘れたい』主題歌。
  • マイ・メモリィ(1977年7月1日/PK-68-A)
作詞・作曲:弘田三枝子/編曲:鈴木宏昌
東映映画『ドーベルマン刑事』挿入歌。劇中、歌手役のジャネット八田が歌う(歌声は弘田のものを使用)。
  • 『ドーベルマン刑事』のテーマ(1977年7月1日/PK-68-B)
作詞・作曲:弘田三枝子/編曲:鈴木宏昌
東映映画『ドーベルマン刑事』主題歌。
  • ミスターシャドー(1980年9月5日/ETP-17010-A)
作詞:おかどいくこ/作曲:高木エリカ/編曲:若草恵
帰国後に東芝EMIから発売されたカムバック盤。高木エリカ名義で、弘田が作曲。
  • 愛のNOKORIGA(1983年3月21日/K07S-389-A)
作詞:茅野遊/作曲:大野雄二/編曲:大野雄二、大谷和夫
キングレコードに移籍後のシングル盤。
  • O-KAY(1983年9月21日/K07S-478-A)
作詞・作曲:MICO/編曲:川口真
サザンオールスターズのアルバム『綺麗』に収録されていた、「MICO」へのアンサーソング。
  • パーフェクト・ワールド [A night at Organ b. MIX](2000年1月29日)
ピチカート・ファイヴとのコラボレーションで、当初は限定アナログボックスのみ収録だった。
  • 恋のクンビア21(2006年11月1日)
  • 悲しい恋をしてきたの(2015年10月21日/COCA-17059)
作詞:森雪之丞/作曲:合田道人

オリジナルアルバム

  • ヒット・キット・パレード(1962年2月/JPO-1150)モノラル
  • ヒット・キット・パレード 第2集(1962年7月/JPO-1197)モノラル
  • スタンダードを唄う(1963年3月/JPO-1288(モノラル)・JSP-3086(ステレオ))
  • ヒット・キット・パレード 第3集(1963年4月/JPO-1285)モノラル
  • 日本民謡を唄う(1963年11月/TR-5001(モノラル)・TP-5001(ステレオ))
  • ヒット・アルバム(1963年11月/JLP-3005)モノラル
  • ヒット・キット・ミコ 第1集(1965年3月20日/JPS-5029)
  • ヒット・キット・ミコ 第2集(1965年10月20日/JPS-5067)
  • ニューヨークのミコ(1966年1月20日/JPS-5072)
  • ミコ・ミュージカルを唄う(1967年4月5日/JPS-5110)
  • ポップス・デラックス・シリーズ(1968年2月10日/JDX-10)
  • 弘田三枝子70~ポピュラー・ビッグ・ヒッツ(1970年2月10日/JPS-5203)
  • ミコより愛をこめて(1971年7月25日/JDX-52)
  • 弘田三枝子の世界(1972年6月25日/JDX-76)
  • 愛の歌~弘田三枝子オリジナル・アルバム(1972年12月10日/JDX-92)
  • JAZZ TIME~弘田三枝子ベスト・ジャズ・アルバム(1973年7月25日/NCB-7022)
  • The Nearness Of You(1974年6月25日/JDX-7028)
  • Good Old Days Forever(1974年9月25日/JDX-7036)
  • イエスタデイ・ワンス・モア(1974年10月1日/4PX-9010)4chステレオ
  • 愛のめぐり逢い(1975年5月25日/4PX-9024)4chステレオ
  • 私の好きな唄~帰り来ぬ青春(1975年9月25日/JDX-7064)
  • My Funny Valentine(1976年5月10日/SP-7008)
  • IN MY FEELING(1977年3月25日/SP-7009)
  • Step Across(1978年/25AH-555)
  • MIEKO HIROTA 76/45(1980年/DOR-0086)
  • TOUCH OF BREEZE(1983年3月21日/K28A-385(LP)・K35X-4(CD))
  • 東京27時(1999年5月21日/COCP-50087(CD)・SCL-5019(LP))小西康陽Fantastic Plastic Machineなど参加したミニアルバム。

ライヴアルバム

  • 弘田三枝子リサイタル(1964年8月/TR-7004)モノラル
  • ミコ・イン・コンサート(1966年9月10日/JPS-5093)
1966年3月17日・都市センターホールにて収録。
  • ミコR&Bを歌う(1968年9月1日/JPS-5155)
1968年5月30日・サンケイホールにて収録。
  • ミコR&Bを歌う 第2集(1969年11月25日/JPS-5192)
1969年7月16日・京都会館第1ホールにて収録。
  • MIKO LIVE(1972年6月10日/QB-9018)4chステレオ
1971年12月・クラブ“リヴィエラ"にて収録。
  • MIKO LIVE at RIVERA~ミコ・ライブ'73(1973年4月25日/JDX-99)
1972年12月22日・クラブ“リヴィエラ"にて収録。
  • MIEKO IN PERSON~弘田三枝子リサイタル(1976年7月25日/PP-7007~8)
1976年5月11日・中野サンプラザにて収録。

サントラ

テレビテーマ曲

  • レオのうた(1965年12月10日、ジャングル大帝
  • アイウエオ マンボ(1966年6月20日、ジャングル大帝)
  • ドロップスの歌(1966年10月20日、みんなのうた

有名CM曲

映画テーマ曲

  • マイメモリィ(1977年7月1日、ドーベルマン刑事
  • ドーベルマン刑事のテーマ(1977年7月1日、ドーベルマン刑事)

出演

テレビ番組

紅白歌合戦

みんなのうた

映画

  • 魚河岸の旋風娘(1963年3月3日)
  • 独立美人隊(1963年4月28日)
  • 女弥次喜多 タッチ旅行(1963年7月13日)
  • 栄光の黒豹(1969年12月17日)
  • 華やかな女豹(1969年12月31日)
  • 開運旅行(1971年3月3日)

脚注

  1. http://www.discogs.com/ja/Connie-Francis-Vacation/.../13977...
  2. 村田久夫・小島智編 『日本のポピュラー史を語る―時代を映した51人の証言』 シンコーミュージック、1999-10-14、246-251。ISBN 4-401-613-40-6。

関連人物

関連項目

外部リンク