徳間書店

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株式会社徳間書店(とくましょてん、: Tokuma Shoten Publishing Co., Ltd.)は、日本の出版社エンタテインメント分野が中心。

カルチュア・コンビニエンス・クラブの連結子会社[1]

沿革

第二次世界大戦終結直後、言論統制の反動からか雨後の筍の如く勃興した新興新聞社の一つで、読売新聞社出身の竹井博友1946年(昭和21年)に興した「アサヒ芸能新聞社」が源流。芸能ゴシップ記事を中心とした『アサヒ芸能新聞』を発行していた。竹井自身は新聞界への情熱は持っていたようで、1953年、東京で一般紙『日東新聞』を創刊している。しかし、この『日東新聞』創刊が裏目に出て、1954年にはアサヒ芸能新聞社の業績は急激に悪化。竹井は遂に撤退を余儀なくされてしまう。後を引き受けたのが、同じ読売新聞社の出身で竹井の同僚の徳間康快である。

徳間は竹井に請われて同社の役員になった関係で残務処理に当たっていた。この時の徳間の姿勢に債権者・従業員・取引先のほとんどが親近感を覚え、「会社をたたむより徳間の手で是非再建を」との声が各方面からおこり、同1954年3月に徳間は「東西芸能出版社」をおこして、休刊していた『アサヒ芸能新聞』を再刊した。

1956年『アサヒ芸能新聞』を雑誌『週刊アサヒ芸能』に切り替えたが、これは非新聞系の週刊誌として『週刊新潮』と歩調を合わせての創刊であり、徳間は新潮社佐藤義助から声をかけられていた。東西芸能出版社は1958年「アサヒ芸能出版社」と改称して再起を期した。1961年4月にアサヒ芸能出版の書籍部門を徳間書店として分離設立したが、やがてアサヒ芸能出版は一般書籍にも進出することとなったため、1967年4月に両社が合併し、アサヒ芸能出版を存続会社として、社名を「徳間書店」に改称した。

太平住宅からミノルフォン株式会社(旧・太平音響)を買収し、徳間音楽工業(のち徳間ジャパン)に改組し音楽業界に参入。倒産した大映の経営も引き受け、同社を再建。さらに、業績が悪化していた『東京タイムズ』を買収して古巣の新聞業界にも参入した。出版社の音楽業界参入は既に講談社が戦前から行ってはいたが、映画事業への参入は角川書店よりも早かった。また新聞事業の参入は、やはり徳間も新聞社出身だったこともあるが、講談社の『日刊ゲンダイ』の成功が刺激となったようである。この『東京タイムズ』は朝日新聞販売店に販売を委託していたが、朝刊紙だったこともあり部数が伸びず廃刊となっている。

そして、アニメブームに乗って発刊した雑誌『アニメージュ』が契機となり、宮崎駿高畑勲を擁するスタジオジブリを設立。日本のアニメ界の発展に多大な功績を残した。また1991年にはダイヤルQ2のパイオニア事業者だったダイヤルキューネットワークの事業譲渡を受け徳間インテリジェンスネットワークを設立している。

しかし、長年の拡大志向経営がたたりバブル崩壊が引き金となって、経営が大きく傾いて住友銀行(後の三井住友銀行)の管理下に置かれる。それでもなお徳間は社長の座を手放さず、磯田一郎続く巽外夫率いる住友銀行と激しく渡り合って会社を巧みに存続させた。負債総額は、グループ全体で最大1,300億円に達したともいわれる。

カリスマ経営者・徳間康快の逝去後、徳間ジャパンコミュニケーションズは2001年10月に第一興商へ売却され、大映は2002年11月に角川書店(現KADOKAWA)へ全営業権を売却して解散、ゆりかもめからも見えることで知られた新橋の旧社屋は、2003年に資生堂へ売却されて「汐留FSビル」と改められ、併設の徳間ホールも「スペースFS汐留」となった。

2005年4月に徳間書店の徳間書店事業本部とスタジオジブリ事業本部を「株式会社徳間書店」と「株式会社スタジオジブリ」に分離独立させ、旧社は債務整理に当たる「株式会社芝ホールディングス」(2006年9月会社解散)に商号変更をした。

2013年10月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ及びその出版事業子会社のカルチュア・エンタテインメントと業務・資本提携[2]。2014年12月に代表取締役社長の平野健一がカルチュア・エンタテインメントの社外取締役に就任[3]。2015年4月ネコ・パブリッシングと共同出資で共同販売業務委託会社株式会社C-パブリッシングサービスを設立。2017年3月21日付でカルチュア・エンタテインメントが株式を追加取得し出資比率を9割超に引き上げ子会社化した。

雑誌・書籍

雑誌

アニメ情報誌

漫画雑誌

ゲーム誌

ファッション雑誌

  • LARME(奇数月17日発売)

ムック

書籍

コミックス

過去に発行していた雑誌

以下徳間書店インターメディア発行、徳間書店発売の雑誌

過去に発行していた書籍

Webメディア

映像作品

アニメ

実写映画

役員

歴代社長

期間 社長
1954年3月19日 2000年9月20日 徳間康快
2001年1月18日 2008年2月22日 松下武義
2008年2月23日 2013年10月1日 岩渕徹
2013年10月2日 現在 平野健一

現役員

  • 大宮敏靖(取締役副社長)
  • 中西一雄(取締役)

歴代役員

その他

過去のグループ会社

  • 理研映画
  • 徳間牧場 - トクザクラの馬主
  • 徳間貿易
  • 徳間美術サロン
  • 東光徳間 - 中国映画の配給。法人は1989年に清算。
  • 登別徳間ビューホテル - 旧登別日活ホテル
  • 徳間観光
  • 大徳開発興業
  • ミヤコトラベルサービス - 後のトクマトラベルサービス。
  • 現代史資料センター出版会 - 後の現代史出版会。
  • 国際経営センター
  • 東京タイムズ - 1992年に解散
  • 徳間インテリジェンスネットワーク - 1994年に徳間コンピュータサービスへ吸収合併
  • 徳間書店インターメディア - 1997年6月に徳間書店へ吸収合併
  • 徳間インターナショナル - 1997年6月に徳間書店へ吸収合併
  • スーパーデジタル放送 - 旧徳間デジタル放送。ディレクTVの委託放送事業者。
  • 徳間音楽出版 - 同社が保有していた音楽出版権はズームリパブリックとスタジオジブリが保有。
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ - 2001年10月に第一興商に売却
  • ズームリパブリック - 旧ズームリパブリックネットワーク。現在は徳間ジャパンコミュニケーションズの子会社。
  • トクマプレスセンター - 1988年に新光印刷工業と合併。2001年12月にアサガミに買収され、アサガミプレスセンターに商号変更
  • 大映 - 2002年11月に全営業権を角川書店に売却し、解散。
  • スタジオジブリ - 1997年6月に徳間書店に吸収合併されたが、2005年4月にジブリ事業の営業権を二代目法人へ譲渡。
  • ムゼオ・ダルテ・ジブリ - 三鷹の森ジブリ美術館の準備会社として設立。

脚注

  1. 連結グループ会社・持分法適用会社一覧”. カルチュア・コンビニエンス・クラブ. . 2017閲覧.
  2. カルチュア・エンタテインメント株式会社による子会社化及び組織改編について”. 徳間書店 (2017年3月21日). . 2017閲覧.
  3. 組織再編に関するお知らせ”. カルチュア・コンビニエンス・クラブ (2014年10月21日). . 2017閲覧.
  4. 「コミック & コミック」、徳間書店、1973年全国書誌番号:00025155
  5. 「漫画タウン」、徳間書店、1980年全国書誌番号:00034196
  6. 「月刊少年キャプテン」、徳間書店、1985年全国書誌番号:00042599
  7. 「月刊comicリュウ」、徳間書店、2006年全国書誌番号:01025027
  8. 「テレビランド」、徳間書店、1973年全国書誌番号:00025621
  9. 「 問題小説」、徳間書店、1970年全国書誌番号:00023415
  10. 「本とも」、徳間書店、2007年全国書誌番号:01016116
  11. 「SFアドベンチャー」、徳間書店、1988年全国書誌番号:00081780
  12. 「SF Japan」、徳間書店、2000年全国書誌番号:00116602
  13. 「サンサーラ」、徳間書店、1990年全国書誌番号:00080093
  14. 「RV magazine」、徳間書店、1984年全国書誌番号:00082824
  15. 「Best gear 」、徳間書店、2000年全国書誌番号:00115246
  16. 「ゴング」、徳間書店、2014年全国書誌番号:01040228
  17. 週刊文春2017年3月30日号 「がんばれ!アサヒ芸能」TSUTAYA傘下で絶体絶命

参考文献

  • 『徳間書店の30年 1954-1983』 徳間書店社史編纂委員会、徳間書店、1984-02。
  • 『徳間書店の35年 1954-1989』 徳間書店社史編纂委員会、徳間書店、1989。
  • 大塚英志:「二階の住人とその時代-転形期のサブカルチャー私史」、星海社、ISBN 978-4-06-138584-9(2016年4月25日)。
  • 佐高信:「メディアの怪人 徳間康快」、講談社 (講談社+α文庫)、ISBN 978-4-06-281675-5(2016年6月21日)。

関連項目

外部リンク

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