栄区

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さかえく
栄区
地方 関東地方
都道府県 神奈川県
横浜市
団体コード 14115-1
面積 18.52km2
総人口 120,382
推計人口、2018年4月1日)
人口密度 6,500人/km2
隣接自治体
隣接行政区
横浜市磯子区金沢区戸塚区
港南区
鎌倉市
外部リンク 横浜市栄区役所
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栄区(さかえく)は、横浜市を構成する18行政区のうちの一つである。

地理

栄区は横浜市の南部に位置し、東西に長く(東西約7km、南北約6km)、東は金沢区磯子区、西は戸塚区、南は鎌倉市、北は港南区に接している。旧相模国鎌倉郡(一部が高座郡に属していたとする説もある)に属し古来より鎌倉とはゆかりの深い地域である。なお金沢区との区境は武相国境[1]である。

区の中央を、かつてしばしば氾濫したいたち川(いたちがわ、「いたち」の表記は㹨)が東西に流れ、また西側を柏尾川が南北に流れて低地を形成し、その東側・南側を三浦半島に連なる丘陵地がとり囲むように広がる。柏尾川西岸を中心とした低地には工場、また丘陵地を造成した団地が多く、また丘陵地は市民の森という森林公園にもなっている。本郷台駅を中心に、いたち川沿いに広がる本郷地区と、西部の柏尾川沿いの豊田地区からなる。

交通の面では、区の北西地域をJR根岸線京浜東北線)が横断し、また区の西部には柏尾川に沿って南北に東海道本線横須賀線が縦断し東京あるいは小田原横須賀方面と接続されている。区北部・南部に東西方向にそれぞれ環状3号道路と環状4号道路が通っている。

商業地は主に本郷台駅周辺と大船駅周辺。区役所や警察署など官公庁は本郷台駅周辺に集中している。南側の鎌倉市と接する部分にある大船の繁華街は横浜市栄区と鎌倉市の双方にまたがっており、大船駅のプラットフォームも横浜市栄区と鎌倉市の双方にまたがっている。

山林の面積は212haで、市域全体の約17.5%を占める。一方住宅地は市域の60.4%に過ぎず、横浜市全体と比較すると、宅地割合が少なく山林割合の多い地域である。

歴史

栄区地域の歴史は、原始・古代にまでさかのぼることができ、古代、鎌倉郡尺戸郷、荘園時代の山内荘が存在した。横穴墓の分布が特徴的である。相模国鎌倉郡であったため、特に、鎌倉時代には幕府との結び付きが強く、いたち川流域の豊かな田園が食料生産を担い、古代から伝わる製鉄の技術とともに東北地方に対する軍事政策のうえで重要な役割を果たしていたと考えられており、鎌倉道や数多くの史跡が残されている。 区内の長尾台町は長尾氏発祥の地で、越後戦国大名長尾景虎(後の上杉謙信)の父祖の地である。また、鎌倉が近いことから、中世の動乱期にたびたび戦場となっており、 中村氏の一族、中村常宗が笠間に移り住み勢力を張った。金井には鎌倉氏の一派・金井氏が居住した。

近現代の発展としては、1888年(明治21年)の大船駅の開業と翌年の横須賀線の開通による大船駅周辺の市街化と、1967年(昭和42年)の大船PX(占領軍物資倉庫群)返還以降の本郷台駅周辺の公共施設や高層住宅の建設、そして1960年代から1970年代(昭和40年代から50年代)にかけての丘陵地の大規模な住宅開発があげられる。その結果、現在の栄区域の人口は急増し、当時の戸塚区の人口も40万人を超えたため、住民サービスの低下を防ぐために栄区と泉区の分区が実行された。栄区成立後は人口増加率が低下し、一時は人口減少状態となった、現在は再び増加基調に戻っている。

なお、1970年代半ばまでの本郷地区は、電話が横浜電話でなく鎌倉電話に含まれ、市外局番が他の市内と異なり市内へ掛けるのにも「045」をダイヤルしなければならなかった。

年表

  • 1889年(明治22年)- 市町村制施行により、鎌倉郡本郷村豊田村長尾村(後に豊田村に編入)が発足。
  • 1938年(昭和13年)- 第一海軍燃料廠、小菅ケ谷に設置される。
  • 1939年(昭和14年)4月1日 - 鎌倉郡本郷村、豊田村は、戸塚町などとともに横浜市に編入され、(旧)戸塚区となった。この区域は横浜市の他の区と異なり、瀬谷区戸塚区泉区とともに武蔵国ではなく相模国に属する。
  • 1943年(昭和18年) - 原宿六浦線道路、六浦〜笠間十字路間開通。(横須賀市追浜追浜海軍航空隊厚木基地を結ぶ予定であったが、敗戦で頓挫した)。
  • 1952年(昭和27年) - 現在の本郷台駅前一帯にあたる第一海軍燃料廠跡を占領軍が接収、『大船PX』(物資倉庫)を設置。
  • 1967年(昭和42年) - 米軍『大船PX』を全面返還。
  • 1973年(昭和48年) - 国鉄根岸線全面開通、本郷台駅開業。本郷地区センター開設。
  • 1986年(昭和61年) - 11月3日 泉区とともに戸塚区から分区し、栄区が誕生。

区名の由来

区名は、公募により本郷区、南戸塚区、湘南区、栄区、桂区、大船区、根岸区、光区、戸塚南区、上郷区などから選定し、本郷、豊田の両地区の共栄を期し、新しい区として未来に向けて、大きく栄えていくことを祈願し、明るく、華やかなイメージのある、簡潔で、語調もよい区名を決定した。 (公募時に「戸塚A区」とされていたので「A」→「栄(えい)」とされたという説もある。)

人口

総数(人) 1947年=1.00
1947年 11,659 1.00
1955年 13,852 1.19
1965年 30,304 2.60
1970年 50,170 4.30
1975年 75,862 6.51
1980年 104,192 8.94
1985年 118,029 10.12
1986年* 119,263 10.23
1990年 123,766 10.62
1995年 122,904 10.54
2000年 118,315 10.15
2005年 123,802 10.62
2010年 126,575 10.86

出典:栄区ホームページ 「データでみる栄区 2011」[1]
各年の人口は国勢調査による、9月30日時点の数字。ただし、1986年のみは分区時の11月3日の数字。

地域

現行行政町名

栄区内では、一部の区域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。

町名 町名の読み 設置年月日 住居表示実施年月日 住居表示実施直前の町名 備考
上郷町 かみごうちょう 1939年4月1日 未実施
公田町 くでんちょう 1939年4月1日 未実施
中野町 なかのちょう 1939年4月1日 未実施
鍛冶ケ谷町 かじがやちょう 1939年4月1日 未実施
鍛冶ケ谷一・二丁目 かじがや 1996年10月21日 1996年10月21日 鍛冶ケ谷町、上郷町、中野町の各一部
2001年10月22日(二に編入) 鍛冶ケ谷町の一部
小菅ケ谷町 こすがやちょう 1939年4月1日 未実施
小菅ケ谷一〜四丁目 こすがや 1994年9月26日(一・二) 1994年9月26日 笠間町、桂町、公田町、飯島町、小菅ケ谷町、中野町の各一部
1995年10月16日(三) 1995年10月16日 鍛冶ケ谷町、小菅ケ谷町の各一部
1996年10月21日(四) 1996年10月21日 小菅ケ谷町、小山台一丁目の各一部
桂町 かつらちょう 1939年4月1日 未実施
笠間町 かさまちょう 1939年4月1日 未実施
笠間一〜五丁目 かさま 2000年10月23日 2000年10月23日 笠間町の一部
長尾台町 ながおだいちょう 1939年4月1日 未実施
田谷町 たやちょう 1939年4月1日 未実施
金井町 かないちょう 1939年4月1日 未実施
飯島町 いいじまちょう 1939年4月1日 未実施
長沼町 ながぬまちょう 1939年4月1日 未実施
本郷台一〜五丁目 ほんごうだい 1989年8月21日 1989年8月21日 飯島町、上郷町、小菅ケ谷町の各一部
若竹町 わかたけちょう 1973年6月11日 1973年6月11日 中野町、上郷町の各一部
元大橋一・二丁目 もとおおはし 1973年6月11日 1973年6月11日 鍛冶ケ谷町、中野町、上郷町の各一部
庄戸一〜五丁目 しょうど 1982年7月19日 1982年7月19日 上郷町の一部
長倉町 ながくらちょう 1982年7月19日 1982年7月19日 上郷町の一部
東上郷町 ひがしかみごうちょう 1982年7月19日 1982年7月19日 上郷町の一部
犬山町 いのやまちょう 1983年7月18日 1983年7月18日 上郷町の一部
尾月 おづき 1983年7月18日 1983年7月18日 上郷町の一部
上之町 かみのちょう 1983年7月18日 1983年7月18日 上郷町の一部
亀井町 かめいちょう 1984年7月23日 1984年7月23日 上郷町の一部
野七里一・二丁目 のしちり 1984年7月23日 1984年7月23日 上郷町の一部
小山台一・二丁目 こやまだい 1994年9月26日 1994年9月26日 小菅ケ谷町の一部
柏陽 はくよう 1995年10月16日 1995年10月16日 鍛冶ケ谷町、桂町、上郷町、公田町、小菅ケ谷町、中野町の各一部
桂台北 かつらだいきた 1998年10月19日 1998年10月19日 上郷町、公田町、中野町の各一部
桂台中 かつらだいなか 1998年10月19日 1998年10月19日 上郷町、公田町の各一部
桂台西一・二丁目 かつらだいにし 1998年10月19日 1998年10月19日 上郷町、公田町、中野町の各一部
桂台東 かつらだいひがし 1998年10月19日 1998年10月19日 上郷町の一部
桂台南一・二丁目 かつらだいみなみ 1998年10月19日 1998年10月19日 上郷町、公田町の各一部

住宅団地

  • UR 公田町団地(公田町、賃貸1160 1964年 現存 ストック活用)
  • UR 飯島団地(飯島町)
  • 県営みどり野ハイツ(飯島町)
  • 県営かいがら坂ハイツ(長沼町)

行政

  • 区長:尾仲富士夫(2011年5月1日 - )
前区長:光田清隆(2008年4月1日 - 2011年4月30日)

栄区役所庁舎本館は移転前の本郷台小学校の校舎を改築して使用している。体育館棟は栄スポーツセンターの新設とともに取り壊され、庁舎新館が建設された。

立法

  • 栄区の横浜市議会議員定数: 3名
  • 栄区の神奈川県議会議員定数: 1名
  • 衆議院議員定数: 神奈川4区(栄区・鎌倉市・逗子市・葉山町)として1名

経済

産業

産業人口

栄区の完全失業率は、18区中5番目に高く、平成7年と比べ平成12年度では0.6ポイント上昇している。 第3次産業が、事業所数・従業者数ともに全体の約75%を占める。

産業 総数(人) 構成比(%)
第一次産業 330 200 130 0.57
第二次産業 14,120 11,273 2,847 24.48
第三次産業 42,241 23,944 18,297 73.23

主な産業

  • 農林業
  • 工業

精密機械工業の大規模工場が多く、1事業所当たりの従業員数では市内1位、売上高では磯子区に次いでいる。

商店数、従業者数、年間商品販売額ともに市内18区中でもっとも少ない。 また、平成14年度調査によると、栄区内の商店数、従業者数、年間商品販売額はともに減少中。

商店総数 従業者数(人) 年間商品販売額(百万円)
横浜市全体 29,420 256,793 9,677,412
栄区 590 4,935 125,739

健康

  • 平均年齢 46.08歳(2013年1月1日)
平均年齢は、横浜市18区中三番目に高い。(横浜市の平均は44.13歳)
  • 年齢別人口割合 0〜14歳:13.2%、15〜64歳: 60.1%、65歳以上: 26.5%(2013年1月1日)
65歳以上高齢化率は横浜市18区中一番高い。(横浜市の平均は21.3%)

医療

教育

高等学校

中学校

横浜市立庄戸中学校は2015年4月に上郷中学校に統合[2]

小学校

2006年3月末、上郷南小学校と野七里小学校は庄戸小学校として統合され、犬山小学校、矢沢小学校は上郷小学校として統合された。

特別支援学校

  • 横浜市立本郷特別支援学校

保育園

幼稚園

交通

鉄道

バス

横浜市営バスは2006年3月26日をもって区内の138系統・139系統を神奈川中央交通に譲渡し、これにより区内の路線はなくなった。

道路

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

主な施設

名所

史跡・寺社

  • 笠間中央公園遺跡(古代の大規模集落遺跡であり、また鎌倉道の中ノ道が笠間十字路付近を通過していた)。
  • 公田町遺跡(主に東北地方で信仰される製鉄の神「アラハバキ」を祀っている、市内唯一の場所)
  • 上郷猿田遺跡
  • 深田製鉄遺跡
  • 七石山横穴墓群
  • ひこしヶ谷横穴墓
  • 長尾砦(長尾台城)跡 - 長尾氏本貫の地。後に後北条氏玉縄城の出城となった。
  • 玉泉寺 - 1335年建立。誠拙和尚ゆかりの寺
  • 長光寺 - 徳川家康にちなむ伝説あり
  • 長慶寺 - 徳川家康にちなむ伝説あり
  • 證菩提寺 - 源頼朝が、腹心の家来である佐奈田義忠の菩提を弔うために建立したと伝わり、創建当時は大規模な寺域で、幕府の前線基地でもあった。
  • 光明寺 - 7世紀建立と伝わる
  • 上郷・紅葉橋付近-鎌倉時代やぐらが残っており、市内では港南区の春日神社とともに、貴重な遺跡である。
  • いぼとり地蔵 - 小菅ヶ谷にある地蔵尊で、横浜市内最古のものである。

自然

出身者

ゆかりのある有名人

注釈

外部リンク


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