泉佐野市

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ファイル:Izumisano city center area Aerial photograph.1985.jpg
泉佐野市中心部周辺の空中写真。りんくうタウンが造成される前の画像。今日とは海岸線の様子が大きく異なる。1985年撮影の6枚を合成作成。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。

泉佐野市(いずみさのし)は、大阪府泉南地域に位置する

概要

地理

大阪市和歌山市のほぼ中間に位置し、南部には、金剛生駒紀泉国定公園に指定された和泉山脈がある。瀬戸内式気候に属するため、気候は温暖で、年間の降水量は比較的少ない。 沖合には人工島関西国際空港があり、連絡橋等の空港北端の施設を含む区域が泉佐野市域となっている(残る区域は田尻町泉南市)。

古くから日根郡の中心として、商業工業農業漁業が盛んである。また、関西国際空港の対岸であるため、訪日外国人旅行者の宿泊需要が多い[1]

地名の由来

中世以来の村の名称『佐野』に旧和泉国の国名を冠したもので、「狭い原野」という事から「狭野」というようになり、それが転じて「佐野」になったという言い伝えが残っている。

隣接している自治体

歴史

市域は日根郡四郷のひとつである賀美郷に比定され、郷名由来の上之郷の集落も現存している。中世になると佐野荘、鶴原荘、長滝荘といった荘園が成立し、1234年天福2年/文暦元年)には九条家によって広大な日根荘が成立した。1501年文亀元年)から1504年永正元年)にかけて九条政基が日根荘へ下向した際に記した『政基公旅引付』(宮内庁書陵部蔵)には、4年間にわたる日根荘の出来事などが詳細に記されており、中世の「村のくらし」を知る貴重な史料となっている。

佐野村では室町時代から熊野街道筋の市場村に定期市が立つようになった。一方、沿岸部には対馬五島列島方面まで漁に出るほどの大規模な船団が出現し、玉之浦納の反乱文禄・慶長の役にも佐野村の漁民が登場する。江戸時代には豪農の中から廻船業を営む者が現れるようになり、なかでも食野家(めしのけ)、唐金家(からかねけ)は井原西鶴の「日本永代蔵」にも登場するほどで、当時の面影を残す「いろは四十八蔵」の一部が今も残る。また食野家が寄進した八角大梵鐘が三重県泰運寺に残されている。

漁業や廻船業が発展し「佐野浦」と呼ばれる港町として活況を呈した佐野村は、集落のおよそ3分の2が浦方で、その規模も岸和田藩浦奉行支配の9ヶ浦のなかで突出していた。また、岸和田藩は領内の民政に関して「七人庄屋」という制度を設けていたが、7人のうち2人を佐野村が占め、藤田家(西の庄屋)と吉田家(東の庄屋)が任ぜられていた。

食野・唐金らの活躍で巨万の富を得た佐野村は、和泉国ではに次ぐ商業都市となり、人口も岸和田城下6町や貝塚寺内5町を上回るようになった。なお、堺・岸和田・貝塚など計画的に形成された市街と異なり、佐野村の町場は自然発生的に形成され、迷路のような街路が古い家並みとともに現在もよく残っている。

第二次世界大戦期の1944年(昭和19年)6月から敗戦までの間、佐野陸軍飛行場および明野陸軍飛行学校佐野分教所が設置されていた。滑走路は1,500m×60mのコンクリート舗装1本で、現在の末広公園や市民総合体育館付近が滑走路の西端にあたる。また、飛行場の設置に伴う灌漑施設の損失を補填するため、現在も当市最大の貯水量を誇る稲倉池および稲倉池用水パイプラインの築造工事が1942年(昭和17年)12月から着工されたが、戦局の悪化と敗戦の影響で、竣工は1957年(昭和32年)にずれ込んだ。

沿革

財政健全化団体への転落と脱却

1994年9月の関西国際空港開港に伴い、人口増、「りんくうタウン」、大型店舗やホテルの進出、高速道路の整備促進など様々な変化を見せていた。しかし、大型プロジェクト等が当初の計画通りには進行せず、景気低迷や地価下落もあり、財政状況が厳しくなった。2004年3月に「財政非常事態宣言」を出し、内部管理経費の節減や経費削減、受益者負担の適正化など緊縮施政を行ったものの、平成20年度決算では連結実質赤字比率が約24%と早期健全化基準(17.44%)を超過し、財政健全化団体となった。

泉佐野市は2010年2月に策定した財政健全化計画の中で、各種事業の見直しや遊休財産の売却、企業誘致の推進などに取り組むとともに、人件費の削減などを含めた内部努力に努めることとした[3]。財政健全化にむけた各種取り組みが積極的に行われる中で、2012年3月に発表された、市の命名権の売却は全国的な話題となった[4](同年11月1日命名権売却候補の募集を始めた[5]が、最終的に民間から応募はなかった。)[6]。他にも関西国際空港連絡橋の国有化に伴って、2013年3月からは空港連絡橋利用税(関空橋税。法定外普通税)の導入[7]も実施している。

2013年度決算で財政健全化計画を達成し、2015年度決算で早期健全化団体から脱却した[8]

観光推進

近年では地元の活性化イベントや全国各地での市産品のPR、犬鳴山温泉等の地域観光資源プロモーションなど、活性化に向けた新規施策も推し進めている。

  • イヌナキンを中心とした全国各地でのPR活動
  • 訪日外国人旅行者に向けたホスピタリティ向上事業
  • 泉佐野長者バル 地元商店街を中心とした食べ歩きイベント
  • 「泉佐野じゃらん」の発行[9]など、国内外へむけた観光プロモーション

さらに関西国際空港対岸の立地を活かしたインバウンド観光施策として、りんくうタウンへのIR(Integrated Resort、カジノを含む統合型リゾート)誘致に向けた検討を行う国際観光産業振興協議会の設立[10][11]や、地元など官民協働で行う泉佐野シティプロモーション推進協議会の設立[12]なども実施している。

行政

  1. 日根庄造(任期:1948年、1期)
  2. 山本昇平(任期:1948年 - 1965年、5期17年。公選市長としての5選は全国初)
  3. 熊取谷米太郎(任期:1965年 - 1976年、3期11年)
  4. 向江昇(任期:1976年 - 2000年、6期24年)
  5. 新田谷修司(任期:2000年2月22日 - 2011年4月1日、3期11年)
  6. 千代松大耕(任期:2011年4月24日 - 、現在は第2期目)
  • 副市長:八島弘之(任期:2015年6月1日 - )・松下義彦(任期:2013年4月1日 - )
  • 市議会:定員20名
  • 市章:公募により選ばれたものを、市制施行と同時に制定。泉佐野の旧称「佐野」のカナ表記「サノ」の2文字を、扇形(=「末広がり」の験担ぎ)に図案化したもの。扇の要の部分が「ノ」である。デザインは、高田谷俊昭によるもの。
  • 市歌:「泉佐野市歌」(作詞:番匠谷英一、作曲:藤山一郎)。市制施行15周年事業の一環として、1963年11月15日制定。
  • 市民憲章:「泉佐野市民憲章」。1976年5月22日、「市の木」「市の花」とともに制定。
  • イメージキャラクター:イヌナキン 犬鳴山の義犬伝説などをモチーフとしてデザインを一般公募し、それをキン肉マンの作者であるゆでたまごがリライトしたもの。筋骨隆々とした体型に、犬の字をデザインした仮面、マント、腰タオル、錫杖と、全国のゆるキャラとは一線を画している。2013年現在、泉佐野市応援サポーターに就任した地域活性化アイドルユニットべじっ娘(澤田いぶき、多田まりえ、池内みう)とともに、全国各地で泉佐野市のPR活動を行っている。

市議会

定数は20で2018年の選挙から18。2017年5月23日時点での会派構成は以下の通り。

会派名 議席数 所属党派
チーム泉佐野創生 4
公明党 4 公明党
大阪維新の会 2 大阪維新の会
日本共産党 2 日本共産党
元気未来 2
正道の会・泉新の会 2
新緑会 1
泉佐野絆会 1
再生市民の会 1
(欠員) 1

衆議院

議員名 党派名 当選回数
丸山穂高 日本維新の会 3

経済

産業

泉佐野市の主な産業

  • 農業(タマネギ水なすの産地として有名で、その他、キャベツ・紅ズイキ・ブロッコリー、さといも、ふき、枝豆等。)
  • 繊維産業(水分吸収性の高い「後晒し(あとざらし)タオル」の主な生産地。国内タオル生産量の47%を占め、[13]「東洋のマンチェスター」と呼称される。ここでつくられるタオルは「泉州タオル」ブランドとして、2006年に国の施策であるJAPANブランド育成支援事業に認定されている。[14]
  • 食品加工業(1967年に、北部臨海地域に「食品コンビナート」を形成。115haの敷地に食品関連(工場・流通等)の企業が立地している。)[15]
  • ワイヤーロープ (泉南地域の生産量で、約70%の全国シェアを占める。)
  • 漁業(カレイシタビラメ、ワタリガニなど、主に大阪湾で採れる魚介類が中心。)

泉佐野市で事業を営む主な企業

泉佐野市に本社を置く主な企業

泉佐野市に拠点・事業所を置く主な企業

金融機関

  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • 池田泉州銀行泉佐野支店
  • 池田泉州銀行日根野支店
  • 池田泉州銀行長滝駅前支店
  • 近畿大阪銀行佐野支店
  • 紀陽銀行羽倉崎支店
  • 紀陽銀行鶴原支店
  • 紀陽銀行日根野支店
  • 南都銀行泉佐野支店
  • 第二地方銀行
  • 信用組合・信用金庫
  • 農業協同組合
  • JA大阪泉州 本店
  • JA大阪泉州 泉佐野北支店
  • JA大阪泉州 西支店
  • JA大阪泉州 日根野駅前支店
  • JA大阪泉州 南中支店
  • JA大阪泉州 長滝支店

日本郵政グループ

(2012年12月現在)

  • 泉佐野郵便局(上町) - 集配局。
  • 泉佐野高松郵便局(高松北)
  • 泉佐野旭郵便局(旭町)
  • 泉佐野南中安松(みなみなかやすまつ)郵便局(南中安松)
  • 泉佐野鶴原郵便局(鶴原)
  • 泉佐野湊郵便局(湊)
  • 泉佐野羽倉崎郵便局(羽倉崎)
  • 泉佐野上瓦屋郵便局(上瓦屋)
  • 泉佐野市場(いちば)郵便局(市場南)
  • 泉佐野若宮郵便局(若宮町)
  • 長滝郵便局(長滝
  • 泉佐野貝田(かいた)郵便局(鶴原)
  • 日根野郵便局(日根野)
  • 泉佐野泉ヶ丘郵便局(泉ヶ丘)
  • 泉佐野大木簡易郵便局(大木)
  • 上之郷簡易郵便局(上之郷
  • 大阪支店 イオンモール日根野店内出張所(日根野)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
  • 大阪支店 ショッパーズモール泉佐野店内出張所(下瓦屋)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
  • 大阪支店 泉佐野市役所内出張所(市場東)(ATMのみ)
  • 大阪支店 南海泉佐野駅前出張所(上町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
この他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、泉佐野郵便局ではホリデーサービスを実施。

※泉佐野市内の郵便番号は「598-00xx」(泉佐野郵便局の集配担当)となっている。なお、泉州空港北(549-0001)は大阪国際郵便局泉南市泉州空港南)の集配担当となっている。

姉妹都市・提携都市

海外

地域

人口

平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、1.93%増の100,801人であり、増減率は府下43市町村中7位、72行政区域中21位。

泉佐野市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

主な公共施設

泉佐野市の施設

ファイル:Izumisano-Hosp001.JPG
りんくう総合医療センター市立泉佐野病院
(泉佐野市りんくう往来北2-23)

府・国の施設


教育施設

小学校

中学校

高等学校

大学

  • 公立大学法人大阪府立大学 りんくうキャンパス
    • 生命環境科学部獣医学科・大学院生命環境科学研究科獣医学専攻

特別支援学校

学校教育以外の施設

交通

関西国際空港
泉佐野市泉州空港北

空港

鉄道路線・駅

路線バス

道路

港湾

船舶

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

出身有名人

脚注

  1. 泉佐野市観光協会パンフレット「2011年7月〜9月期で全国8位(出典:宿泊旅行統計調査(観光庁))」と記載
  2. 佐野町を佐野市とされた場合における新市の名称変更についての条例(昭和23年3月24日泉佐野市条例第27号)、2012年1月17日閲覧。
  3. 「泉佐野市財政健全化実施プランを策定しました 泉佐野市報道提供 2010年2月。
  4. 「市の名前、売ります」破綻寸前の大阪・泉佐野 読売新聞 2012年3月21日配信記事
  5. 泉佐野市の命名権売却、募集開始DAILY SPORTS ONLINE 2012年11月1日配信記事
  6. 泉佐野「市の名前」は売れず 産経新聞 2012年11月20日配信記事)
  7. 空港連絡橋利用税(関空橋税)について 泉佐野市ホームページ トピックス 2013年8月25日閲覧
  8. 平成25年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足判断比率の概要(確報) 総務省 2014年11月28日付報道資料
  9. 「泉佐野じゃらん」を発行しました泉佐野市観光協会ホームページ
  10. カジノ誘致担当職員任命 泉佐野市J-CASTニュース 2013年7月2日配信記事
  11. カジノ誘致へ泉佐野市で体験会NHK 関西NEWSweb 2014年3月2日配信記事
  12. 「泉佐野シティプロモーション推進協議会(ICP)」の設立について泉佐野市報道提供2015年3月19日付
  13. 今治タオルプロジェクト資料タオル業界の概要 2010年12月末
  14. JAPANブランド育成支援事業 「泉州こだわりタオル」ブランドの構築
  15. 泉佐野食品コンビナート大阪府ホームページ 2013年5月閲覧
  16. 16.0 16.1 16.2 16.3 友好都市交流 泉佐野市サイト、2017年8月17日閲覧。

外部リンク