混合経済

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mixed economy

国民経済において民間部門と公共部門がそれぞれ独自の機能を果しながら相互に補完し合って経済全体の機能の円滑化が維持されている状態をいい,現代資本主義経済の基本的特徴とされている。資本主義経済は本来市場における自由な競争を通じて効率的な経済活動が行われるところに制度上の大きなメリットがあると考えられるが,市場の機能には限界があり,外部効果の大きな公共財および準公共財の供給や景気を調整して完全雇用を維持することは市場機能では達成できない。

さらに国民の最低生活を保障するための医療,年金,その他の社会福祉サービスの充実が社会的要請となっているが,そのためには市場機構を通じて行われる所得分配を再調整する必要がある。これら市場の機能では不可能なことはすべて国や地方公共団体が市場を通さずに,あるいは市場の機能に調整を加える方法で実施しなければならない。

1930年代以降は完全雇用政策や社会保障制度の発展,公企業の拡大,公害防止など公共部門の活動分野が国民経済に占める比重が増大傾向にあり,混合経済とは現代資本主義のこのような傾向を強調するために用いられる概念であるといえる。