素人歌舞伎

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素人歌舞伎(しろうとかぶき)は、歌舞伎を専業とする俳優以外の人たち(ふだんは農業商店主会社員をしている人や子供など)が上演する歌舞伎。有名な歌舞伎の演目(特に時代物)を演じるのが一般的である。

近代昭和初期)以前からの歴史を持つものは、地元の祭礼における奉納行事として行われる例が多い。また、それらとは別に地域活性化のために新たに発足された例もある。

種類

農民歌舞伎
  • 農村歌舞伎、地芝居、村芝居、とも呼ばれる。江戸明治時代に農民によって行われていた素人歌舞伎。又は、その伝統を現在に継承、又は復活させた歌舞伎。後者は現在の団員の職業構成が都市型地芝居と同様の場合にも農民歌舞伎に分類(横浜、神戸、等)。
都市型地芝居
  • 都市部において、上記の農民歌舞伎の伝統と無関係に発足した素人歌舞伎。曳山歌舞伎も、これの一種。
子供歌舞伎
  • わらべ歌舞伎、稚児歌舞伎、とも呼ばれる。中学生以下の少年少女だけで上演する歌舞伎。
富山県では、おもに江戸時代から明治期に掛けて、出町砺波市)3基、石動今石動〕(小矢部市)7基、戸出高岡市)1基、滑川(滑川市)2基、魚津(魚津市)11基、浦山黒部市)3基、入善(入善町)2基、水橋(富山市)1基、伏木国府下町(高岡市)1基の9か所で歌舞伎曳山(山車)が建造され、舞台上で子供曳山歌舞伎が演じられていたとされる(一部地区は歌舞伎が演じられたか不明確なため)。しかしその後次々と廃絶し、昭和に入り現在まで継承されているのは、出町の出町子供歌舞伎曳山祭のみとなっている。なお、なお廃絶した8か所の内、石動・入善・戸出の曳山の一部は分解され保管されており、石動の川原町(現 今石動町1丁目)の歌舞伎山車は曳き出せる形で現存し、1988年(昭和63年)6月20日に小矢部市の有形民俗文化財に指定されている。

全国の主な素人歌舞伎

農:農民歌舞伎、都:都市型地芝居、曳:曳山歌舞伎 ※:子供歌舞伎

関連項目

  • 万作踊り - 粉屋踊り、飴屋踊りとも呼ばれる。段物は素人歌舞伎の変種と考えられる。関東地方に多い。
  • 嫁獅子 - 歌舞伎の女形が獅子頭を被る。獅子舞・素人歌舞伎の変種と考えられる。東海地方に多い。
  • 郷土人形芝居 - 郷土芸能としての人形芝居文楽系、1人遣い、糸操り、等、形態は様々。

参考文献

  • 『富山県の曳山(富山県内曳山調査報告書)』(富山県教育委員会1976年(昭和51年)3月発行
  • 『出町子供歌舞伎曳山祭りのあゆみ(戦前まで)』広瀬慎一 著(砺波散村地域研究所研究紀要第29号70P〜78P)2012年平成24年)3月発行

外部リンク