近江国

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近江国(おうみのくに)

現在の滋賀県。東山道の一国。大国。もと淡海,額田,近淡海安の国造および犬上県主が支配。国府,国分寺はともに現在の大津市にあった。天智6 (667) 年,都が飛鳥から当国の大津宮に移ったが,都が畿外になることは異例のことであった。『延喜式』には滋賀 (しか) ,栗太 (くるもと) ,甲賀 (かふか) ,野洲 (やす) ,蒲生 (かまふ) ,神崎 (かむさき) ,愛智 (えち) ,犬上 (いぬかみ) ,坂田 (さかた) ,浅井 (あさゐ) ,伊香 (いかこ) ,高嶋 (たかしま) の 12郡がみえ,『和名抄』には郷92,田3万 3402町余が数えられている。鎌倉時代には佐々木氏が守護として重きをなし,室町時代には佐々木氏が京極家と六角家とに分れて近江国の半国ずつを支配したが,戦国時代には新興の浅井氏に敗れ,次いで織田信長が浅井氏を滅ぼし,蒲生郡の安土に城を築いて根拠地とした。豊臣秀吉の時代には堀秀政が佐和山,蒲生氏郷が日野,のちに京極高次が八幡山を与えられて統治。江戸時代には井伊氏の彦根藩,本多氏の膳所 (ぜぜ) 藩,加藤氏の水口藩,堀田氏の宮川藩,分部氏の大溝藩,遠藤氏の三上藩などの小藩に分割されていた。明治4 (1871) 年の廃藩置県では,4月に各藩のうち三上藩が和泉国に移されたほかはそれぞれ県となったが,同年 11月には大津県と長浜県とに併合され,同5年には大津県が滋賀県に,長浜県が犬上県に改められ,さらに2県が合併して滋賀県となる。

脚注




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