鴨川市

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鴨川市(かもがわし)は、千葉県南東部に位置する太平洋に面し、安房地方の東部に位置する。安房地域における中核都市。

地理

鴨川市の市勢について[広報 1]

本市は房総半島の南東部、太平洋岸(外房)に面しており[1]県庁所在地である千葉市から南約70㎞に位置する。東京都心から100km圏内である。なお、東京からは東京湾アクアラインを利用するルートが最短であり、約85kmである。直下には鴨川低地断層帯が所在する。

広い市域の中央部を鴨川地区、東部を天津小湊地区、南部を江見地区、西部の内陸の地区を長狭地区と呼称する。これは、昭和の大合併で「鴨川市」が成立する前の自治体の行政区域と一致する(なお、天津小湊地区は2005年2月11日の合併以前の天津小湊町の区域と一致)。太平洋沿岸部は国道128号、内陸部は保田方面へと接続する長狭街道、千葉方面へと接続する久留里街道が縦貫している。

鴨川地区(鴨川田原西条東条)には、鴨川シーワールドを主として観光地や市街地が集中している為、地区内を走る国道128号鴨川バイパスの渋滞が顕著である。天津小湊地区(天津小湊)の北部は丘陵地帯であり、清澄山を抱え、日蓮聖人ゆかりの清澄寺、小湊には誕生寺といった名所が立地している。沿岸部では漁業が盛んである。江見地区(江見太海曽呂)は、仁右衛門島太海フラワーセンターといった観光施設を持ち花作りが盛んである。長狭地区(吉尾主基大山)は、米どころの長狭平野が拡がり[2]、山に囲まれ、田畑が広がり、農業が盛んである。

自然

土地[広報 2]

土地利用
土地 面積(ha)
2.361
652
宅地 821
山林・原野 8.474
雑種地 6.822
総数 19.130

市域[広報 3]

  • 面積 191.30㎢
  • 南北 18.00km
  • 東西 26.02km
  • 最高地 408.2m(愛宕山
  • 最低地 0m(海抜)

気候

房総丘陵を北側に抱え、東側と南側に太平洋を望む温暖な地域である[2]

鴨川市の気候
平均気温(℃) 平均降水量(mm)
1月 4.8 123
2月 7.0 161
3月 9.6 124
4月 13.2 165
5月 18.3 168
6月 21.3 142
7月 24.1 191
8月 25.6 130
9月 23.4 119
10月 18.9 120
11月 14.1 141
12月 9.2 249
平均 15.8
総計 1.884

[統計 1]

人口

平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、5.13%減の33,932人であり、増減率は県下54市町村中35位、60行政区域中41位。

鴨川市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

[統計 2]

人口の変遷(単位 人)
自治体 人口 備考
鴨川市
1980年(昭和55年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG30.pngG05.png 42547
1985年(昭和60年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG30.pngG05.png 41624
1990年(平成2年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG30.png 40769
1995年(平成7年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG10.pngG10.pngG05.pngG03.png 40460
2000年(平成12年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG05.pngG03.pngG01.png 38602 4万人を切る
2005年(平成17年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG01.png 37400 天津小湊町と合併
2006年(平成18年) ファイル:R100.pngファイル:R100.pngR10.png 37225
世帯数の変遷(単位 世帯)
自治体 人口 備考
鴨川市
1980年(昭和55年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:Cold10.png 11311
1985年(昭和60年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:C30 (1).pngファイル:C01 (1).png 11778
1990年(平成2年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:Cold50.pngファイル:C05 (1).pngファイル:C03 (1).pngファイル:C01 (1).png 12403
1995年(平成7年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:Cold50.pngファイル:Cold10.pngファイル:Cold10.pngファイル:C05 (1).pngファイル:C03 (1).png 13227
2000年(平成12年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:Cold50.pngファイル:C30 (1).png 13969
2005年(平成17年) ファイル:C100 (1).pngファイル:C100 (1).pngファイル:Cold50.pngファイル:C30 (1).pngファイル:C05 (1).png 14744 天津小湊町と合併
2006年(平成18年) ファイル:R100.pngファイル:R100.pngファイル:R50.pngR30.pngR05.png 15002
年齢
不詳 32 37
100歳以上 3 8
95-99 28 73
90-94 119 332
85-89 333 668
80-84 617 1177
75-79 1083 1361
70-74 1213 1432
65-69 1222 1313
60-64 1371 1374
55-59 1613 1607
50-54 1301 1293
45-49 1003 981
40-44 874 908
35-39 954 1010
30-34 1070 1053
25-29 854 1034
20-24 586 799
15-19 753 763
10-14 800 737
5-9 666 671
0-4 673 638

隣接する自治体

千葉県の旗千葉県
北西: 富津市 北: 君津市 北東: 大多喜町
西: 鋸南町 鴨川市 東: 勝浦市
南西: 南房総市 南: 太平洋 南東: 太平洋

歴史

沿革

  • 本市が位置する安房地域は718年養老2年)に上総国から分かれ、明治初期まで安房国と呼ばれていた。
  • 江戸時代初期、里見氏は江戸幕府により1614年(慶長19年)に改易され、以降この地は旗本領、天領、小大名の領地として分割統治された。
  • 明治時代初め、1871年(明治4年)廃藩置県がされるまで花房藩が存在した。
  • 近代に入り、1878年(明治11年)の郡区町編制法施行により郡制度を実施、1897年(明治30年)には「交通の便が相互にあり且つ民族風俗に大差がない」という理由から、安房郡、平郡、朝夷郡、長狭郡の4郡を合併して、現在の安房郡の前身となる「安房郡」が形成された。
  • 1971年(昭和46年)3月31日 - 安房郡鴨川町、江見町長狭町が合併・市制施行し、鴨川市を新設。
  • 1971年7月 内房線電化開通
  • 1972年(昭和47年)7月 外房線電化開通
  • 1973年(昭和48年)3月 鴨川バイパス全線開通
  • 1980年(昭和55年)3月 天津バイパス全線開通
  • 1982年(昭和57年)11月 郷土資料館会館
  • 1986年(昭和61年)8月 一戦場スポーツ公園開業
  • 1986年(昭和61年)12月 長野県大町市と姉妹都市提携
  • 1988年(昭和63年)10月 文化体育館完成
  • 1989年(平成元年)3月 安房鴨川駅西口ロータリー完成
  • 1990年(平成2年)6月 市立図書館開設
  • 1991年(平成3年)10月 市民ギャラリー開設、東京都荒川区と友好都市提携[広報 4]
  • 1993年(平成5年)11月8日 アメリカウィスコンシン州マニトワック市と国際姉妹都市提携[3][1]
  • 1997年(平成9年)6月 道の駅鴨川オーシャンパーク開業
  • 1999年(平成11年)2月 みんなみの里開業
  • 2001年(平成13年)6月 鴨川フィッシャリーナ開業
  • 2004年(平成16年)4月 早稲田大学鴨川セミナーハウス完成
  • 2004年(平成16年)7月 城西国際大学安房ラーニングセンター完成
  • 2005年(平成17年)2月11日 - 安房郡天津小湊町と合併し、改めて鴨川市を新設。現在の市域となる。
  • 2007年(平成19年)6月1日 - 防災行政無線放送等変更。
  • 2011年(平成23年)4月1日 - 防災行政無線の朝と昼のチャイムが鴨川市歌「夢よ、とどけ」に変更。

合併の経緯

2000年12月に千葉県が発表した「合併推進要綱」では、安房地域の合併パターンは「(1)館山市・鴨川市・富浦町・富山町・鋸南町・三芳村・白浜町・千倉町・丸山町・和田町・天津小湊町」「(2)館山市・富浦町・富山町・鋸南町・三芳村・白浜町・千倉町・丸山町・和田町」「(3)鴨川市・和田町・天津小湊町」の3通りが示された。

旧鴨川市および旧天津小湊町を含め、安房郡市2市8町1村でまず合併の検討が始まり、2002年3月に千葉県知事から11市町村が合併重点支援地域の指定を受け、同年9月に任意合併協議会を設置した。しかし、鴨川市の巨額の債務がネックとなり、2003年1月に任意合併協議会は解散となった[広報 5]

その後、鴨川市・天津小湊町合併協議会を設置し、新市名を「鴨川市」と決定し、2005年2月に合併を実施し、現在に至る。

その間、2004年7月11日、和田町で「鴨川市との合併の是非を問う住民投票」が実施されたが、反対多数で否決された[広報 6]

行政

歴代市長

歴代 氏名 就任 退任 備考
初代 本多利夫 2005年3月13日 2009年3月12日 旧鴨川市長
2代 片桐有而 2009年3月13日 2013年3月12日 旧天津小湊町長、僧侶
3代 長谷川孝夫 2013年3月13日 2017年3月12日
4代 亀田郁夫 2017年3月13日

財政

平成17年度一般会計歳入歳出決算内訳(合併後の鴨川市のデータ)[広報 7]

歳入決算内訳
区分 金額(円) 割合(%)
歳入 144億8156万5千 100.0
市税 40億6108万 28.0
地方交付税 41億5159万3千 28.7
市債 13億378万5千 9.0
国県支出金 16億5934万5千 11.5
譲与税・交付税 10億6535万5千 7.3
その他 22億4049万9千 15.5
歳出決算内訳
区分 金額(円) 割合(%)
歳出 136億7422万6千 100.0
総務費 27億352万 19.8
民生費 33億4083万 24.4
公債費 20億1888万1千 14.8
衛生費 12億4442万8千 9.1
教育費 13億4477万4千 9.8
消防費 7億4005万1千 5.4
農林水産業費 5億19万1千 3.7
土木費 10億2203万7千 7.5
その他 7億5951万4千 5.5

施設

警察・消防

文化施設

  • 鴨川市民会館
  • 鴨川市郷土資料館・文化財センター
  • 鴨川市民ギャラリー
  • 鴨川市立図書館

運動施設

医療施設

鴨川市地域コーディネート機関

鴨川市地域コーディネート機関は、鴨川市内に点在する、地域をコーディネートする施設[4]

単独記事があるものはそれを参照。

鴨川市地域コーディネート機関一覧
名称 住所 開園 運営 アクセス 周辺 内容
内浦山県民の森 内浦3558 1970年11月21日 千葉県立自然公園で指定管理者制度にて財団法人千葉県観光公社 安房小湊駅より千葉県道285号を北上 清澄山アジサイの麻綿原高原 イベント・家族や団体の宿泊・自然観察・ハイキング
鴨川青年の家 太海122-1 1988年5月24日 千葉県立で指定管理者制度にて教育振興財団グループ 太海駅より千葉県道247号を北上 仁右衛門島太海フラワーセンター スポーツ公園・芸術活動の場・学校の宿泊学習などの利用・カッター訓練
鴨川オーシャンパーク
みんなみの里
鴨川市ふるさと回帰支援センター 成川34-2 2007年10月5日 鴨川市農林水産課 田舎暮らし支援係 安房鴨川駅より長狭街道を西へ、主基バス停すぐ サテライト鴨川 市への移住支援・不動産紹介
鴨川自然王国
棚田倶楽部 平塚540 2001年4月24日 大山千枚田保存会(個人) 安房鴨川駅より長狭街道を西へ、千枚田の標識を南下 大山千枚田 大山千枚田保存会による棚田の保全と管理

経済

[広報 8]

平成17年 就業者数
産業分類 人数 割合(%)
第一次産業 2628 14.0
第二次産業 2971 15.8
第三次産業 13072 69.6
分類不能 116 0.6
総数 18787 100.0

漁業

太平洋に面しており多くの漁港がある。

  • 鴨川漁港
  • 太海漁港
  • 浜波太漁港
  • 天面漁港
  • 太夫崎漁港
  • 江見漁港
  • 小湊漁港
  • 天津漁港
  • 浜荻漁港
平成16年 種目別漁獲量
種類 漁獲量(t)
イワシ 5135
アジ 1455
サバ 2500
サンマ 1548
ブリ 1032
カツオ 359
マグロ 66
カジキ 2
その他の魚類 495
アワビサザエなど)[2] 82
その他の水産動物(イセエビなど)[2] 212
海藻ヒジキなど)[2] 429
13603

農業

内陸部の長狭地区を中心に農業が行われている。

平成16年 農業粗生産額
種類 生産額(千万円)
184
雑穀 1
いも 4
野菜 92
果実 6
花卉 128
畜産 144
560

工業

平成16年 工業規模
種類 数値
事業所数 65
従業者数 1174
製造品出荷額(百万円) 17007
生産額(百万円) 18456
1事業所当たりの年間製造品出荷額(万円) 26165
従業員1人当たり年間製造品出荷額(万円) 1449

商業

平成16年 商業規模
種類 数値
商店数 703
従業者数 3923
年間商品販売額(百万円) 73666
売り場面積(㎡) 64896
1商店当たり年間商品販売額(万円) 10479
従業員1人当たりの年間商品販売額(万円) 1878
主な商業施設

姉妹都市・提携都市

国内

姉妹都市
提携都市

海外

姉妹都市

スポーツ団体・クラブ

教育

大学

私立
以下はキャンパスではない施設
国立
私立

高等学校

平成18年 1225人

県立
私立

中学校

平成18年 898人

市立

小学校

平成18年 1656人

市立
  • 鴨川市立天津小学校
  • 鴨川市立江見小学校
  • 鴨川市立長狭小学校(小中一貫校・長狭学園)
  • 鴨川市立鴨川小学校
  • 鴨川市立小湊小学校
  • 鴨川市立西条小学校
  • 鴨川市立曽呂小学校
  • 鴨川市立田原小学校
  • 鴨川市立東条小学校
  • 鴨川市立太海小学校

交通

鉄道

  • 中心となる駅:安房鴨川駅

バス路線

高速バス

( )内は運行会社。停留所は始発・終着地を除き、市内に設けられている所のみを表記する。

東京湾アクアライン経由
館山自動車道経由
  • 鴨川 - 千葉線【カピーナ号】(鴨川日東バス・日東交通・千葉中央バス
    • 亀田病院 - 鴨川シーワールド - 安房鴨川駅(西口) - 鴨川市役所入口 - 福祉センター前 ⇔ 千葉駅

一般路線バス

コミュニティバス

道路

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

日蓮宗関係

温泉

祭事・催事

サーフィン

1964年に横須賀米軍基地のアメリカ軍兵士から地元の少年たちに広まり、1965年に日本初の全国大会が開かれ、また多くのプロサーファーが地元より生まれている。主なポイントは前原海岸、東条海岸、江見海岸にある[広報 9]

日本サーフィン発祥の地の1つであり、1993年にはサーフライダー・ファウンデーション・ジャパン(SFJ)がこの地に発足した。2010年10月8日から12日にはSurfriderFoundation国際会議2010が開催されている[広報 10]

以前は、アメリカ映画エンドレス・サマーEnglish版にも収められた、赤堤という名で知られたビッグウェーブスポットがあったが港の拡張工事にともない消滅した[広報 10][5]

毎年6月第一日曜日には鴨川市長杯(現鴨川シティーカップ)が開催されている。

サーフィンに関連する事業も多く、サーフショップをはじめサーフボードインダストリーも多い。

鴨川市が描かれている作品

ゆかりの人物

脚注

注釈

出典

  1. 1.0 1.1 鴨川市の国際交流”. 鴨川市企画振興課. . 2012閲覧.
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 鴨川市について”. 鴨川市ふるさと回帰支援センター. . 2012閲覧.
  3. 3.0 3.1 “鴨川と米マニトワック市 “水辺”の縁で姉妹都市に 両市長が協定書に調印”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 27. (1993年11月9日) 
  4. 2008年鴨川市田舎暮らし支援セミナー6ページ 鴨川市ふるさと回帰支援センター連絡協議会・NPO法人大山千枚田保存会
  5. すぎやまのぼる. “~ 第1部 ランスカーソンからの手紙 ~”. . 2012閲覧.

広報資料・プレスリリースなど一次資料

統計資料

  1. 2006年のデータ(銚子気象地方台・鴨川地域気象観測所)地勢
  2. 人口

関連項目

  • 災害記念碑 - 津波避難丘(前原地区にある津波避難施設)

外部リンク

行政
観光


座標: 東経140度5分56秒北緯35.114028度 東経140.09889度35.114028; 140.09889